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札幌市議会 会議録検索システム(昭和62年第1回定例会 1987-02-17 第4号)

1987-02-17/発言 16 件 / 原本(札幌市議会)

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吉野晃司君 1 番目 / 44 字
○議長(吉野晃司君) これより本日の会議を開きます。
 出席議員数は,62人であります。
吉野晃司君 2 番目 / 42 字
○議長(吉野晃司君) 本日の会議録署名議員として見延順章君,常見寿夫君を指名します。
吉野晃司君 3 番目 / 31 字
○議長(吉野晃司君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
川上光二郎君 4 番目 / 103 字
◎事務局長(川上光二郎君) 報告いたします。
 吉田一郎議員,吉田哲男議員及び森 健次議員は,所用のため遅参する旨,届け出がございました。
 本日の議事日程は,お手元に配付いたしております。以上であります。
吉野晃司君 5 番目 / 139 字
○議長(吉野晃司君) これより議事に入ります。
 日程第1,議案第1号から第30号まで及び議案第33号から第41号までの39件を一括議題といたします。
 昨日に引き続きまして代表質問を行います。
 通告がありますので,順次発言を許します。鯉登義夫君。
 (鯉登義夫君登壇・拍手)
(発言者未割当) 6 番目 / 13,477 字 発言者未割当
◆鯉登義夫君 私は,公明党議員団を代表いたしまして,主として,今後の市政執行に当たり,当面きわめて緊急を要する売上税等に関する問題と,余すところ10有余年後に迫った21世紀を展望した諸課題について,私見,提言を交えつつ質問を行いたいと存じます。
 まず,市民にとって当面最も重大な関心事となっております売上税導入,マル優廃止を柱とした税制改革に関してでありますが,この問題につきましては,昨日の質問に対して市長の見解も表明されたところでありますし,努めて重複を避けてお尋ねいたしたいと思います。
 そもそも,このような社会的大問題となりました発端は,昨年7月の衆参ダブル選挙における,「大型間接税は導入しない」との公約を破った中曽根首相の個性にあると断ぜざるを得ません。「今回の売上税は,大型間接税にあらず,免税点も1億円とした,非課税品目も51項目定めた。ゆえに大型にあらず。」との弁明は,論理的にも,大前提不当拡充の誤謬を犯した脆弁の最もたるものであります。
 わかりやすく言えば,ここに鯉登という一人の人間がいる。「余り必要でない盲腸も扁桃腺も除去した。よって,この人間は鯉登にあらず」と言えるでありましょうか。生存するためにはさして必要なしとしてこれを除去したといっても,鯉登は鯉登であります。鯉登が板垣に変わることはないのであります。もしそうなるとすれば,私はこの5月には,ここに座ってもいいということになるわけでありまして,そんなことはあり得ないことでございます。
 しかるがゆえに,国民も中小零細の業界も納得しません。また,デパートにも大きな横断幕がかかるということは,これは,あの業界にしてみれば,政治には不関与という姿勢を貫いているところでございますけれども,今回に関してだけは掲示をしているというところにも大きな変化が見られるわけでございます。
 私は昨年10月に,英・仏・西独・オランダ・スイスを視察してまいりました。今回の売上税と仕組みが類似しておりますEC型付加価値税について,消費者,小売業者等から意見を聞いてきました。総じて言えることは,物価を押し上げた。納税処理手続が面倒だ。一度この税制が施行されると,税率は上がっても下がることはない。等々の意見であり,反対の声は圧倒的でございました。私たちの外国人には,一度納税して,しかる後に複雑な手続によりバック・ペイがありましたが,これには2か月の期間を要したのであります。
 次に,マル優制度の廃止については,一言で言えば,これは持てる者の論理であり,決して少額貯蓄者に希望を与え貯蓄意欲を増加せしめる措置とは言えません。「大衆はまことに愚にして賢なり」という為政者を戒める言葉がありますが,この昭和のむしろ旗一揆に冷厳な眼を注がなくては,悔いを千載に残すことになるでありましょう。そこで,2点質問いたします。
 その第1点は,昨日,市長は,この売上税等に関する見解を示されましたが,もう一つ歯切れがよくない。市長は市民を代表する立場にあるわけであり,議員同様,選挙により選ばれた札幌市の頂点に立つ人でありますから,この観点に立って,再度基本的姿勢を市民の前にはっきりとさせていただきたいと思うのであります。
 第2点は,骨格予算には,新法を念頭に置かず,現行法にのっとった予算案を編成されたわけでありますが,これは,予算編成の時点では税制改革の内容が定かでなかったことによるものであります。さて,統一選後に肉づけ予算となる補正予算案を編成する時点では,国会でよほど自民党が数を頼んでの中央突破でもしない限りは,この新法は日の目を見ていないわけであります。次の市長がだれかは未定とはいえ,もし市長が再選されていたとしたら,この時点での予算案は現行法でいくのか,はたまた新法案で編成されるのか,そのご所懐を承りたいのであります。
 あわせて,すでに道予算案も発表されました。当初組み込まれておりました売上譲与税も,わが党等の強い要望,申し入れでこれを撤回した予算案となりましたが,増税収入の中には,マル優廃止による利子課税額の4分の1,つまり総額の5%が都道府県に割り振られ,本道も,これを各市町村に一定のルールにより道交付金として支出する仕組みになっており,仄聞するところによりますと,本市に対する道の交付金は,62年度分として約2億円余ということであります。道は支出をするけれども,しかし,本市はこれを収入する受け皿をもっていない。こうなりますと,この交付金は宙に浮いた形となるわけでありますが,この対応はどのようにされるのかお伺いいたします。
 それでは次の質問に移りますが,私にとりましては,思い出となるでありましょう最終の質問ともなりますので,本議会議員に初めて当選をさせていただきました昭和42年と現在の62年における札幌市の概況を数字の面から比較してその変遷をたどってみました。そしてその変貌ぶりには,20年前の当時を思い浮かべるとき,うたた感無量のものを禁じ得ないのであります。
 まず,本市人口を42年度と61年度末で比較いたしますと,約90万人が157万人と1.75倍に,そのうちでも,老年人口は約3万2,000人が11万5,000人と3.55倍に増加し,財政面では,一般,特別,企業3会計を合わせた規模は約402億円より9,160億円と実に22.8倍に。市税総額は約99億5,000万円が1,810億円と18.2倍に。また,地方債現在高は,約217億円が1,179億円と5.44倍に膨張したのであります。
 社会資本投下の面よりこれを見ますと,市営住宅管理戸数は4,501戸より2万1,226戸と4.7倍に。道路のうち市道については,約1,740キロが4,190キロと2.4倍に。そのうちでも舗装率は,49年9.8%だったものが現在では何と100%となっております。上水道普及率は66.9%が97.4%に,下水道普及率は2.5%だったものが91.8%と飛躍的な伸びを見せたのであります。また,ごみ処理量を見ますと,人口の伸びは1.75倍でありますが,ごみ処理のそれは7.9倍の約85万トンとなっております。
 福祉の面から見ますと,老人,児童,身障者福祉施設の合計で24ヵ所のものが77ヵ所と3.3倍に,国民健康保険被保険者数は1.93倍の約35万9,000人に,生活保護の被保護実人員は2.22倍の約3万3,000人となり,その保護率も16.5%が21.3%と上昇しております。また,保育所数は32ヵ所より156ヵ所と4.88倍となったのであります。
 次に,学校数では,義務教育の小中学校のみを挙げてみますと,小学校93校が185校で1.99倍,中学校53校が87校となり1.64倍,児童会館は6会館が現在は44会館と7.33倍と飛躍いたしました。
 そして最後に,市職員定数は,42年9,728人が61年では1万7,263人と1.78倍ともなったのであります。
 私がなぜ時間をかけてこのような数字を挙げたかと申しますと,これらを子細に検討してまいりますと,地方債現在高等で問題がないわけではありませんが,あえてマクロ的視点により判断するならば,ベースとなる人口の伸び1.75倍に比し,他の倍率はほとんどがこれを上回っている。つまり,この20年間に本市は,他都市に比してもその例を見ない大いなる発展を遂げたということであります。この現実の姿を20年前の90万札幌市民のうち何人の人が予見し得たでありましょうか。これはとりもなおさず,市民マジョリティの理解ある協力を得ながら,議会も行政当局も真剣に取り組んできた証左であると言えると思うのであります。
 しかしながら,市長,これから21世紀に向かっては,現在までとってきた方策をもってしては,もはや限界に達した部分も出てきた。そういう時代に入ってきたとの認識については,市長も私も同様であると思うのでありますが,いかがでありましょうか。例に挙げました舗装率,上下水道普及率等はすでにピークに達しました。つまり,これからは,数量的な捕捉,価値判断より,内容の充実度にウエートを置き,かつ大胆な発想の転換を行う政策判断がいま以上に求められてくる。このことはとりもなおさず,物・金万能の時代から,心の時代に移ってきたとも言えると思うのであります。
 こうして見てまいりますと,俎上にのるべき問題は数多く出てくるのでありますが,私はここで,時間の関係上,何点かに絞りまして問題提起を行いつつ質問をいたしますので,市長のご見解をお示し願いたいのであります。
 まず,第1項目として,21世紀に向けた総合雪対策についてであります。
 本市が1年間のうち5ヵ月以上も雪の中という避けて通れない宿命にあって,さらに大都市として成長を続け,快適な冬の生活環境を維持,高めていくためには,何よりも雪対策が重要であり,この厳しい自然に対応した街づくりを広い分野から長期的視点に立ってその方策を検討していかなければならないと思うのであります。昨今の雪や寒さに対する市民の意識は,克服するといった考え方から,それを貴重な資源としてとらえ,積極的に活用するという方向へ転換されつつあると言われているのでありますが,私は,雪や寒さが克服されたと思うにはいささか疑問を感ずるものであります。
 確かに本市は,昭和47年のオリンピック開催を契機として,幹線道路網の飛躍的な整備,地下鉄や地下道・地下街の建設,あるいは道路除雪の大幅な拡充を初め,ロードヒーティング,地域暖房,ごみ焼却余熱の利用など,克雪対策を積極的に推進してきたことによって,9割を超える市民が札幌の街に愛着を感じているのであります。もちろんこれには,本市の自然環境のよさが根底にあることも事実でありますが,いずれにしましても,市民から高い評価を受けていることに対しては,私も大変喜ばしい限りと思うのであります。
 しかし,一方において,道路整備や除雪水準の向上が,冬道タイヤの普及とも相まって,冬季における自動車交通の社会的役割が増大し,これがなお一層交通混雑を誘発し,さらには除雪路線の拡大,除雪水準の向上など,除雪需要を喚起する結果となり,昭和53年度以来,市民の市政に対する要望の第1に除雪問題が挙げられているのであります。
 本市は,この市民要望にこたえるべく,財政状況の厳しい中,幹線道路はもちろん,生活道路に至るまで除雪路線を拡大しているのであり,昭和61年度の除雪事業計画では,総事業費51億4,000万円。車道除雪延長4,150キロメートル,除雪率93.1%。歩道除雪延長3,100キロメートル,除雪率93.6%。運搬排雪は926キロメートルにも達するのであります。これを10年前の51年度と比較いたしますと,事業費では3.2倍,事業量ではまさに歩道除雪延長が5.8倍にもなっているのであります。この当時の除雪率は車道が54.6%,歩道が28.4%でありましたから,除雪水準の目覚しい向上であろうことはだれしもが認めるところであります。
 さらに,62年度においては,スパイクタイヤ対策による初冬・初春対策を含めて,事業費が57億3,000万円と前年度を約6億円上回り,車道・歩道の除雪延長も前年度をそれぞれ100キロメートル,110キロメートル,30キロメートル上回る計画となっているのであります。
 このように本市は,快適な冬の生活環境を確保するため,市民生活の基盤であります冬季交通対策に全力を傾注しているのでありますが,にもかかわらず,先ほど申し述べましたとおり,依然として除雪問題が市民要望の第1に挙げられているのであります。
 ここで考えねばならないことは,市民の意向を反映した市政の執行が最も重要かつ基本をなすものであることはもちろんでありますが,このまま除雪経費が増加し続けるならば,一般会計に占める除雪費の役割が増加し,本市の街づくり事業を圧迫し,大変な事態になると危惧するのであります。
 そこで,私見を交えながら長期的視点に立った総合雪対策について提言しつつ,数点にわたって質問いたします。
 まず第1点は,雪処理に係る基盤施設の整備についてであります。
 増加の一途をたどっております除雪経費は,言うなれば,時期が来れば自然に解けてなくなる雪を,単に移動するためにあるいは人為的に解かすために,毎年50億円を超える膨大な費用を投下しているのであります。しかしながら,自然溶解を持つということも,円滑な都市活動,快適な市民生活の維持という観点からして,到底許し得ないものであります。私は,21世紀を目前に控えたいま,長期的視点に立って,本市の地形や気象条件に適合した恒久的な雪処理施設の整備に本格的に取り組むべき時期であると思うのであります。
 昨年の3定におきまして,わが党の唯議員の質問に市長は,北海道開発庁が推進しているふゆトピア事業の一環として,62年度から流雪溝の整備に着手すると答弁されているのであります。私は,流雪溝の整備のための前提となる水源や地形上一定の傾斜が必要なことなどいろいろな制約があり,かつ初期投資が膨大なこと,そして最も重要な市民の協力を得なければ成立しないことなど,解決すべき点が多くあることは承知しておりますが,21世紀を展望した雪対策としては,何といいましてもランニングコストの低い河川水等を,雪輸送のエネルギー源とするところに強い魅力を感ずるものであります。
 62年度から着手する流雪溝の整備は,21世紀に向けて点から面へと拡大されることを期待するものであり,面的整備の暁には,昭和56年のような異常出水による災害の未然防止にも,大いにその威力を発揮するでありましょう。もちろん,厳冬期における河川表流水の減少から,流雪溝の面的整備に要する水源不足は目に見えているところでありますが,そのための貯水,下水道処理の活用,さらには海水のくみ上げなど大胆な発想そして果敢な実行が必要であろうと思うのであります。
 また,本市の消融雪施設の代表的なものとしてのロードヒーティングは,他都市の追随を許さない状況にありますが,そのほとんどが都心部に集中し,しかも,定山渓の温泉水をエネルギーとしたもの以外は,ランニングコストの高い電気エネルギーによるものであります。
 そこでお尋ねいたしますが,先ほど来,私がるる申し述べました流雪溝の面的整備,あるいは消融雪に係るローコストエネルギーの利用開発は,将来の本市の雪対策として必ずや大きな効果を発揮するものと確信いたしておりますが,これら雪処理施設の整備方針について,どのようにお考えかをお聞かせ願いたいのであります。
 第2点は,機械除雪と雪処理施設の機能分担についてであります。
 ご承知のとおり,本市における第2次産業に占める建設業の割合は,他都市に比較して高いのでありますが,そのほとんどが中小零細企業でありまして,とりわけ北海道の地域特性から,冬季における事業量の減少が顕著であり,その時期の除雪事業は,冬季雇用対策として重要な役割を担っているのであります。したがって,流雪溝の面的整備,消融雪施設の整備に伴って,仮に機械除雪が減少していくとなれば,新たな問題が発生しかねないものと危惧するものであります。
 本市の地形上から見ますと,流雪溝の面的整備といいましても,おのずと限界があると思いますが,たとえば,都心商業業務地区はロードヒーティング,住宅連檐地区は流雪溝,幹線・準幹線等主要道路は機械除排雪といった,地域特性に応じて,除排雪の機能分担を図り,機械除雪の一定水準を維持することも必要と思うのでありますが,いかがでありましょうか。
 第3点は,雪や寒さを産業に生かす施策の推進についてであります。
 本市はこれまで,雪や寒さを活用して世界の祭典に発展したさっぽろ雪まつりを初め,スキーやスケートの国際・国内スポーツ大会など数多くのイベントを開催してきたのであり,市民レベルのものとしては,歩くスキーや札幌発祥のスノーホッケーなど,お年寄りから子供に至るまで積極的に参加できる冬季スポーツ・レクリエーションが市民に定着してきているのであります。このことは,昭和47年の札幌オリンピックの開催が大きなインパクトとなったのであり,さらに,昨年開催された冬季アジア大会,そして昭和66年のユニバーシアード冬季大会の誘致へと発展しているのであります。
 私は,雪や寒さを活用した冬季スポーツの振興は,札幌にとって大変重要である,と認識しており,本市がそれを最大限に活用しようとしていることも,これまた強く感じるのであり,今後ともなお一層強力に推進されることを期待するものであります。
 ところで,先日札幌で開催されましたふゆトピアフェアでは,冬を最大限に生かすという基調でまとめられており,それも産業面において,雪や寒さを逆手にとって積極的に利用するという,いわば逆転の発想と申しましょうか,意識改革を図るべきだとしているのであります。私はこれを産・学・官挙げての意識改革と受けとめておりますが,中でも,都市の活性化は活発な産業活動に負うところが大きいという点を考えますと,長期的展望に立った産業振興策が必要であると思うのであります。
 そこでお尋ねいたしますが,今後は本市の地域特性を踏まえて,雪や寒さを産業面に生かす施策を強力に推進していくべきであり,そのためには,産・学・官の英知を結集して,雪国札幌ならではの産業を興し育てていくことが重要であります。そしてそれが北の技術として,国内はもちろん世界に向けて発信していくべきであると考えるのでありますが,この点についての市長のご所見を伺いたいのであります。
 次に,2の項目として,21世紀に向けた本市のバス事業のあり方についてお尋ねいたします。本市のバス事業は,昭和2年に札幌市電気局が発足して始められた電車事業に引き続き,昭和5年に営業を開始し,以来,市勢の発展とともに,機動的かつ低簾な公共輸送機関として,市民の円滑な足を確保するための根幹的な役割を果たしてきたところであります。そして,昭和40年中盤に至るまでは,輸送需要の増大と相まって着実に事業の拡大を図り,経営面においても健全経営を維持する等,きわめて安定した成長を遂げてきたのであります。
 しかしながら,その後,全国的な傾向として,高度経済成長を背景としたモータリゼーションの急速な進展による自家用車の普及と,これに件う道路混雑は,バス事業者に対して大きな影響を与えました。すなわち,自家用車の普及と悪化する道路混雑は,それまでバスの特質と考えられていた機動性及び利便性を喪失させ,バスサービスの基本的要件である定時性の確保を困難なものとし,これに伴って,いわゆるバス待ちのいらいらが乗客の他の交通機関への移行を促す結果となったのであります。このような要因が重なって,バス事業の経営は急激に苦しくなり,年を追って赤字を増大させる結果となったわけであります。
 本市のバス事業者においても,公営・民営を問わず,全く同様の傾向をたどっているわけでありますが,これに加えまして,本市の場合は,他都市に類を見ない急激な人口増加が住宅の郊外拡散化をもたらし,一点集中型の都市形態であることや,土地の高騰に伴う高校等の郊外建設と相まって,片方向輸送という非効率的な輸送形態となっていることが,各事業者の経営を一層悪化させている要因であると思うのであります。
 このようなことから,とりわけ市営バス事業においては,急速な経営の悪化に対処するため,昭和48年度から57年度に至る10ヵ年の再建計画を策定し,これを基礎として経営の立て直しに鋭意努めてきたところでありますが,このような苦しい状況下にありながらも,大量輸送機関を主軸とした総合交通体系の確立を図るという見地から,地下鉄を基幹とし,これにバスを接続させるという交通網の整備を推進するとともに,全国に先駆けて地下鉄とバスとの乗継ぎ料金制度を導入し,これを拡充することによって利用者サービスの向上を図るとともに,輸送人員の確保に努めてきたことについては,高く評価するものであります。
 しかしながら,最近においては,大型店の郊外立地,自転車やミニバイクの急速な普及といった社会経済情勢の変化により,バス離れといった傾向は依然としてとどまるところを知らず,本市バス事業者を取り巻く企業環境は,これまでにも増して厳しいものとなっているのであります。
 以上,述べてきたような厳しい企業環境の中で,バス事業者が利用客のバス離れを食いとめ,公共交通機関としてよりよいサービスを提供し,経営の安定化を図っていくためには,いかなる方策が必要であるかを考えてみますと,一つには,本市が交通政策として行政面からの取り組をいかにするか,もう一つには,企業体のあり方も含め,経営施策をいかに展開するかか挙げられると思うのであります。
 これら二つの方策について,より具体的に述べますと,第1点目の交通政策としては,まず都市計画上の問題として,現在の乗客ニーズの都市集中による片方向輸送の非効率性を解消するため,都市機能を分散し,多極型の都市計画を推進することであります。また,道路改良,バスレーンの設置,マイカー規制等の公共交通機関優先の交通政策をさらに推進することが必要であります。これらの方策は,公共交通の置かれている企業環境を整備すること。言いかえれば,企業経営のためのよりよいフレームづくりをすることにより,快適かつ経済的な公共交通機関等を提供し,行政サービスの向上を図ろうとするものであります。
 次に,第2点目の企業としての経営施策を考えるならば,第1に交通網の再整備を図ることが必要であります。さきに述べましたように,本市においては,現在,地下鉄を基幹として,バスを補完交通とする交通体系を基本に交通網整備を行っておりますが,市勢の発展に伴って人口が拡散するにつれ,交通はふくそうし,人の移動はますます広域化してきております。このような傾向に対処し,より適切な交通手段を提供するためには,現在の国鉄バス,民営バス,さらには将来登場するでありましょう新交通システムまでも含めた交通体系を確立し,その中でのバスの役割分担を明確にし,近隣市町村を包括した広域圏で,各バス事業者間の機能的な輸送分担を行い,効率的なネットワークを形成することが必要であります。
 第2に,そのような機能分担を補完し交通体系を確立するためには,交通網の整備を行うと同時に,輸送需要の広域化に伴う交通手段の多様化により,共通乗車の拡大,料金の一元化,乗継ぎ施設の整備等を図り,乗継ぎ制度を充実させ,その利便性を向上させることが必要であります。
 さらに第3として,ゾーンバスシステム,フリーライド方式等の各地域に応じた運行形態の導入,バス接近表示の実施,車両の改善等,ソフト,ハード両面における乗客サービスに努めることも必要であります。また,これらの施策により利便性を向上させ,より乗客のニーズに合った,しかも効率的な輸送を行うとともに,交通事業者みずからが新たな輸送需要をつくり出すためには,附帯的事業として観光・レクリエーション施設の設置・運営,宅地造成事業等を行い,さらには日曜・祝祭日等における効率的運行を確保する努力も必要ではないかと考えるのであります。
 私は,これらの方策が総合的かつ有機的に展開されなければ,21世紀に向けたバス事業の再生はあり得ないと考えているのでありますが,現状のように,市内においては,各バス事業者が個々に事業運営を行い,それぞれがしのぎを削っているという状況のままであっては,これらの方策も,バス事業再生のための有効な手だてにはなり得ないと考えるのであります。
 そこで私は,一つの提言をいたしたいのであります。すなわち,バス事業については,いま述べましたように,各事業者が競合関係に立つというのではなく,利害関係を捨てて物心両面で一体となること。すなわち,企業連合体ともいうべき事業運営方式への移行ということを検討なさってはいかがかと思うのであります。この手法は,すでにEC諸国間でも行われ,大いにその成果を上げており,先日,ヨーロッパを視察した折にも見聞をいたしましたが,広い意味で言えば,ユーロパスもその一種であろうと思います。
 この連合体方式をとれば,現在のように各事業者が自己のエリアでしか輸送を担当できないという枠が取り払われ,効率的な輸送体制を実施できることになるほか,料金体系が一元化されるわけでありますから,地下鉄との乗継ぎがスムーズになり,共通乗車も拡大されるなど,利用者サービスの面でも多大の効果をもたらすと思うのであります。
 また,一方においては,宅地開発事業,観光・レクリエーション事業などのいわゆる関連附帯事業と幅広く展開できるようになり,そのことから輸送需要の喚起や経営基盤の強化につながることなどを考え合わせますと,この連合体方式を導入することによるメリットははかり知れないものがあると思うのであります。
 もちろん,行政サイドとしては,将来に向けたこのバス事業の再生,生き残り策を展開するに当たり,交通施策として必要な財政的援助を惜しんではなりませんし,マイカー規制,バスレーンの拡大など,企業環境整備のための施策を講じる等,あるゆる手段を講じてバックアップしていかなければならない立場にあることは申し上げるまでもありません。
 バス事業は,都市における機動的かつ低廉な中量輸送機関であり,経営基盤を一層強化しつつ,今後とも市民のかけがえのない足として確立していかなければならないという見地から,企業連合体方式というものを提言したわけであります。このことは,現時点では,法的にも多くの制約があり,非常に難しい問題であることは重々承知しておりますが,21世紀を展望した場合,避けて通れない問題でもあると思うのであります。
 したがいまして,21世紀までの約14年間,それぞれの関係において十分時間をかけて研究していただきたいのでありますが,この連合体構想についての市長のお考えをお聞かせいただきたいのであります。
 最後に,第3の項目として,エイズ,すなわち後天性免疫不全症候群対策についてお伺いいたします。
 わが党は,昨年1定の予算特別委員会におきまして,エイズ対策の重要性を指摘していたところでありますが,今回,改めてエイズ対策について本市の考えをお聞きいたしたいのは,世界保健機構(WHO)の発表によりましても,1991年までにエイズ患者は全世界で50万から300万,エイズウイルスの保有者,すなわちキャリアは1億人に達すると言われており,また,わが国においても,国立予防衛生研究所の推定によれば,現在キャリアは1万人を超えるのではないかと予測されております。私は,このエイズは,20世紀末のおごれる人間に対する天の警告ではないかという気がしてなりません。したがって,このエイズ問題は,21世紀に向けて放置しておくことのできないきわめて重要な問題であると考えるからであります。
 現代の黒死病,ペストと呼ばれるエイズに関しましては,これまで,この病気が男性同性愛者や薬物乱用者など,一部の人たちに限られていたこともありまして,欧米等で流行しているというニュースを聞きましても,市民の間では対岸の火事といった気分であったことは否めない事実であります。
 しかし,ご承知のように,昨年12月の長野県松本市でのフィリピン女性によるエイズ騒ぎに続いて,本年1月に日本で初めての女性エイズ患者が神戸市で発見されるに至り,急速に市民の間にエイズに対する関心,不安が高まってきております。このことは,ほとんど連日のごとくテレビ,新聞等でエイズの報道がなされない日はないという現実からしても言えると思うのであります。
 この主な理由は,神戸の女性患者の場合のように,不特定多数の男性と関係を持つ女性がエイズ患者となったということは,こうした女性を通して一般に広まるおそれが出てきたからであります。エイズはこれまでのように別世界のこととして済まされない問題となってきました。特に本市は,国際都市として発展を遂げつつある現況等から考えて,エイズ患者が発生しないという保証はないのであります。それだけに,本市においてもエイズ患者を発生せしめないような万全な対策を講じなければならないと思います。
 そもそも,このエイズとは,いままでの病気とは概念が全く異なった症状を呈するものであります。それは,このエイズウイルスが体内に侵入しますと,まず白血球を破壊し,各種雑菌ウイルスの免疫性がなくなり,抵抗力を失うことにより,肺,気管支等にカビを生じるカリニ肺炎となり,呼吸困難により死に至らしめたり,あるいは末期になると,皮膚に腫瘍のできるカポジー肉腫により肉体をむしばまれ,また,脳にこのウイルスが入ることにより判断思考能力を失う等,発病すれば100%死に至る恐るべき病気なのであります。
 そこで私は,21世紀に視点を据えた計画的なエイズ対策について,市長のご所見を伺いたいのであります。
 まず第1の質問は,今回神戸市で女性患者が発生したことを契機に,厚生省感染症対策室及び道から,このエイズ対策についての具体的な指導,指示等があったと思いますが,それらについてお聞かせ願いたいのであります。
 第2点は,エイズ対策の基本は,まず何よりも,一般市民に対する正しい知識の普及と相談体制の整備にあると考えます。エイズについての正しい知識がないために,市民が恐怖心を抱き,市民生活に大きな影響を与えた長野県松本市の例もあります。
 本市におきましても,神戸市でエイズ患者が発生したというニュースが流されて以来,市民からのエイズに関する相談,たとえば,エイズという病気はどのような病気なのか,あるいはどのようにすれば予防できるのか,また,エイズの検査はどこで受けたらよいのかなどの相談が急増していると聞いておりますが,本市ではそうした市民の相談等にどんな対応をしたのか。また,それらの相談件数と検査件数及び検査結果についてお伺いいたします。このことは,市民が,本市においては本当にエイズ患者はいるのかというきわめて関心度の高い問題に的確にこたえ得るからであります。
 第3点は,検査機関の充実についてであります。
 去る2月12日に,WHOの発表によりますと,患者発生国は世界で91カ国となり,患者数も4万638人を数えるに至りました。つまり,この1年間で40カ国増加したことになります。これは患者が新しく発生したということより,エイズ対策により検査体制を強化した結果,キャリアの中から新しく発見できたことによるものであります。
 わが国におきましても,昨日,四国の高知で,一主婦から初めて妊婦のエイズ感染者が確認され,しかも,来月出産予定というショッキングな事実が発生いたしました。母親が感染しておれば,生まれてくる子の感染率は50%ども言われております。生即死の宣言をされたも同じような運命をたどる悲惨な状況にさらけ出されるのであります。まさに21世紀人類の滅亡にもつながる重大事と言えましよう。
 そこで,私は,現在最も急を要することは,このキャリアの早期発見にあると思います。しかし,現在,エイズの精密検査ができる機関は,道内では道立衛生研究所1ヵ所で,全国でもわずか8ヵ所という,まことに寂しい,心細い状況であります。少なくとも,市民が希望すれば,いつでも検査を受けられるような体制を早急に確立することが望まれるわけでありますが,市衛生研究所の検査体制の整備等について,市長はどのように考えておられるかお伺いをいたします。
 以上で,私の質問すべて終わりますが,最後に一言申し上げたいと思います。
 不肖私も,これからは,いままで勉強させていただいた経験を生かし,一市民として,終生何らかの形で市民大衆のため尽力いたす所存でございます。そして,長年にわたり大変お世話になりました各会派議員の皆さんが私に寄せられましたご厚情に対しまして,深甚なる謝意を申し上げますとともに,今後とも本市発展のため,ご健勝にてご精励,ご活躍されんことを心から祈念いたします。まことにありがとうございました。(拍手)
 さらには,市長初め理事者,職員の皆さん,特に議会事務局の皆さん,各行政委員の皆さん,そして,常に的確・迅速なる報道を担当されましたマスコミの皆さん,本当にお世話になりました。重ねて厚く御礼を申し上げて降壇いたしたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
吉野晃司君 7 番目 / 24 字
○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
板垣武四君 8 番目 / 3,529 字
◎市長(板垣武四君) ただいま,鯉登議員の5期の長きにわたる議員生活を振り返られまして,本市に対し愛情のこもった,しかも適切なご提言をいただきまして,市政をあずかる私といたしまして,この上もない喜びでございます。鯉登さんは,総務委員会の委員長を初めとして数々の委員会の委員長などを歴任され,本市議会におきます,重要な役割を果たされるとともに,その高いご見識から,本市の適正な行政運営にご尽力をいただくなど,今日まで幅広い分野にわたって市政の発展に寄与されましたことに対しまして,私も心から敬意と感謝を表する次第でございます。
 さて,まず最初に,売上税等に関するご質問にお答えを申し上げます。
 この問題につきましては,昨日もお答えをいたしましたように,売上税は大幅減税の財源補てんとしての一面を持っているとはいえ,市民生活に与える影響や,中小零細事業者の経営問題など,さまざまな角度から問題点が指摘されているところでございまして,このように多くの疑問や不安の声が上がっている状況のもとで新税の導入を進めることは,私も決して望ましいこととは思っておりません。したがいまして,昨日来申し上げておりますとおり,国民のコンセンサスが何よりも重要であると考えておりますので,国政の場におきまして,十分に審議を尽くし,国民の納得できる結論が得られるように強く望んでいるところでございます。
 次に,売上譲与税及び道民税利子割交付金の予算化についての問題でございますが,国の昭和62年度予算及び売上税法,地方税法等の関係法令の成立の見通しをしかと見きわめた上,いずれかの時期における補正予算におきまして対応してまいることになろうと,このように考えております。
 次に,21世紀に向けた総合雪対策についてでございますが,本市における雪対策につきましては,街づくりの広い分野にわたる重要な問題としてとらえ,私は,従前からその向上に努めてまいっているところでございます。
 1点目の雪処理施設の整備についてでございますが,21世紀を展望する長期的視点に立った雪対策事業を推進するためには,地熱,河川水などの自然エネルギーや,下水処理水,ビル廃熱など都市エネルギーを総合的に活用することが必要であると考えております。
 雪対策設備等を効果的に運用するため,気象レーダーとコンピューターを連動させた除雪システム,エネルギーの貯蔵技術,降雪・積雪及び路面凍結等のセンサーの開発並びに利雪に関する研究を産・学・官が共同で行うこととして,昨年4月に札幌市雪対策推進研究会を設置をし,お話にもございました流雪溝や,低コストのロードヒーティングなどの施設整備を含めた「雪さっぽろ21計画」を策定しているところでございます。
 特に,実現が可能な低コストのロードヒーティングは,現在,市道の公園東通線で電気・ガス・灯油等の熱源を利用して実験中でございますし,また,流雪溝につきましても,62年度から,住民協力等のモデルケースといたしまして,藻岩下地区で事業に着手する予定でございます。今後,これらの結果を見きわめながら,可能な限り雪処理施設の整備促進を図ってまいりたいと考えております。
 2点目の,機械除雪と雪処理施設の機能分担についてでございますが,ロードヒーティングや流雪溝等の雪処理施設は,地形など種々の条件から地域も限定されますし,特に,新雪時における一時除雪は,基本的に機械除雪が主体になるものでございます。
 ご提言にございましたように,効率的な除雪を行うためには,それぞれの特性を生かした機能分担が必要であると考えております。
 したがいまして,現在,地元中小企業が行っております機械除雪は,今後とも重要な役割を担うもので,その育成にも十分配慮してまいりたいと考えております。
 3点目の,雪や寒さを産業に生かす施策の推進でございますが,ご指摘のように,都市の活性化は産業振興によるところが大きく,それも,札幌の特性を生かした産業の振興を図ることが重要であると認識をいたしております。幸い,産・学・官から成る寒地開発研究グループの活動も活発になっており,それらの人が中心となって,寒地技術シンポジウムを開催するなど,寒地技術の集大成に努めており,また,先般開催されましたふゆトピアフェア見本市におきまして,地場企業から寒地技術に関する出展が多く見られるなど,急速にその芽生えが見えてまいっております。
 したがいまして,今後は,これらの寒地技術の芽生えを基礎にいたしまして,国際的にも十分競争力を持つ,札幌らしい特色のある産業を創造していくことが重要であると考えております。そのためには,産・学・官の連携や地場企業における研究開発機能の強化,あるいは情報の蓄積などにより新たな技術開発を誘発させることが必要であり,本市としても,エレクトロニクスセンターの機能充実や,テクノパークに続く先端産業育成の場づくりなど,積極的な支援策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
 次に,21世紀に向けた本市のバス事業のあり方についてでございますが,お話にもございましたように,バス事業につきましては,公営・民営を問わず,企業環境の悪化に伴いまして,その経営は年々厳しさを増しているのが実情でございます。このような事態に対処するため,本市が加盟しております公営交通事業協会,あるいは国におきましては,昭和60年度以降,公営バス事業の活性化や経営基盤強化のための委員会あるいは研究会を設けまして,その諸方策について調査・研究を進めており,本市におきましても,この国などの動向に注目しながら,経営の改善に向けて懸命の努力を払っているところでございます。
 お話にございました民営バスを含めた企業連合体構想につきましては,実現のためにはさまざまの隘路が想定をされますけれども,輸送の効率化や経営基盤の強化といった面で多くのメリットが考えられますことから,バス事業が苦しい経営環境に置かれている中での大変貴重なご提言として,十分参考にさせていただきたいと,このように考えております。
 最後に,エイズ対策についてでございますが,ご質問の第1点目の,国及び道からのエイズ対策についての具体的な指導等についてであります。
 国は,昨年5月にエイズ調査実施要綱を策定をいたしまして,その中で,保健所等におけるエイズの保健指導に際しての一般的予防方法や医療機関での予防対策等について留意事項を示してきておりますけれども,今般,さらに道を通じて,理美容器具の消毒方法についての指導のほか,相談窓口体制の強化等,衛生教育の徹底等についての通知が参っております。
 第2点目の,本市におけるエイズ対策についてでございますが,本市におきましては,昭和61年1月から,保健所に「エイズに関する一般相談窓口」,を開設するとともに,市内の主な総合病院には,専門的医療機関として,医学的な面からの相談に応じていただいております。また,正しい知識の普及という面からは,エイズに関するパンフレットを各区役所及び保健所に置いて配布する一方,NTTと共同して,全国で3番目に「エイズ情報」というテレホンサービスを行っております。
 そこで,神戸市で女性患者が出た1月17日から2月16日までの相談状況についてでありますが,テレホンサービスの利用件数は2万2,187件であります。また,本市の保健所で扱った相談件数は866件で,このうち628件については専門的医療機関を紹介をいたしました。現在のところ,これらの医療機関から依頼を受けて検査をおこなった道立衛生研究所からは,エイズ患者及びその疑いがある者がいたという報告はございません。
 ご質問の第3点目は,検査機関の充実についてでございます。
 厚生省では,エイズの精密検査につきましては,精度管理上の問題もあり,現在のところ,全国で8ヵ所の地方衛生研究所で行うという基本方針を持っております。現在,道内エイズ検査につきましては,1次検査,精密検査とも道立衛生研究所で行っておりますが,現状程度の検査件数であれば十分対応できると,このように伺っております。しかし,本市といたしましては,今後の不測の事態を考慮して,道立衛生研究所との機能分担を図りながら,本市の衛生研究所においても1次検査を行える体制を整えておくとともに,厚生省からの指示等があれば,精密検査についても対応できるよう,職員の研修等を含めて体制づくりを行ってまいりたいと考えております。以上であります。
吉野晃司君 9 番目 / 30 字
○議長(吉野晃司君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
吉野晃司君 10 番目 / 67 字
○議長(吉野晃司君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
 代表質問の続行であります。加藤 亨君。
 (加藤 亨君登壇・拍手)
(発言者未割当) 11 番目 / 10,654 字 発言者未割当
◆加藤亨君 私は,ただいまより,新政クラブ所属議員を代表いたしまして,昭和46年板垣市政の誕生以降今日までの市政の足跡を顧み,なお市政の諸般にわたっていささかの提言を申し上げながらお尋ねいたします。
 地方がみずから治めるがゆえの地方自治,いわゆる地方の時代と叫ばれて久しい時を経ながら,依然として中央の力の前にはあえて弱者とならざるを得ないのは,現実の地方自治体が住民を見詰めるとき,とにかく必死に中央への志向に狂奔する立場をとるがゆえであります。これは,地方自治体を生かそうとする自治体の苦悩の姿かもしれません。しかし,こうした姿を見る限り,地方の時代などとは道なおはるかに遠しの感を覚えるのであります。例を上げてみましょう。
 一つは,毎年12月末,大蔵省が確保している2,000億円程度の財源に,全国から地方自治体の首脳が,わが街に予算を補助金をと血眼になって東京に集まるこの中央への陳情の姿は,まさに世界に類を見ないものと言ってよいでありましょう。
 二つは,国と地方の間の租税配分が2対1であるのに,しかし,実質配分になると,逆に1対2と完全に逆転し,地方が不利になる配分のあり方が現状なのであります。
 三つは,地方交付税の財源不足に対するその補てん財源は,大半を地方債,すなわち地方自治体が借金をすることで賄い,将来の元利償還については国が引き受けるとはいうものの,しょせん借金は地方自治体が負うことには変わりがないのであります。将来,国が償還を肩がわりすると約束はしたものの,売上税という間接税の公約から見て,いささか不安は残るのであります。
 四つには,国の補助事業に対する裏負担の義務づけのことであります。
 その地方自治体によっては,単独事業の実施不可能なるがゆえに,せめてこの事業だけとは考えても,裏負担の財源調達の壁の前には,やむなく目をつぶらざるを得ないこと等,いまだに中央集権の体質が温存されているのであります。
 しかし,今日まで戦後42年の歳月をけみし,その中央集権的な流れも,時代の変遷とともに次第に転換の姿勢を見せ始め,また,その実態も目に見えてあらわれ始めていることも,また事実であります。こうした国家の行財政に対する方針を背景にしながらも,全国の地方自治体,特に,都市の場合,その経営に当たっては,実に数多くの難題を抱えつつ,住民のために何をなすべきかを選択し,それに向かって全力を傾注しなければならない。これが都市経営に課せられた宿命とも言える命題なのであります。
 そこで,注目しなければならないことは,いずれの地方自治体にせよ,大同小異の悪条件を抱えていながらも,その都市を経営する方法いかんによっては,その都市に生活する住民にとって,本当に住んでよかった街だったか,そうとは思われない街だったか,「この印象を結果として生み出すかぎを持つのが,この都市経営のあり方である。私は,このことに着目したいのであります。それは,こうした観点から私たちの街を見ていきたいと思っているからであります。
 それでは,私たちの住むこの札幌市は,住民が果たしてわがふるさととして深く心に位置づけているかどうかを,私は,行財政の立場から,都市経営のあり方について,その是非に触れてみたいと存じます。
 昭和46年,板垣市政が誕生して以来,今回提案されている予算案を含め,市長は17回にわたって予算を編成し,端的に表現すると,よりよい市民生活,これを目途として今日までその予算を投じ,事業推進に拍車をかけてこられたのであります。したがって,私は,現在まで17回にわたって投ぜられた予算金額の総集積と,それによってなし得た事業の結実を分析してみて,市長がひたすら目途としたよりよい市民生活が果たして確保し得たかどうか,歩み来たったその業績によって,市政の功罪が必然的に明確な形で浮かび上がってくると思うのであります。
 まず,その第1として挙げられますことは,去る46年,市長は土木費として156億円計上したのを嚆矢として,自来,毎年,平均586億円を投じ,62年度予算案をも含めて,今日までの総額9,970億円もの投資を行ったのであります。
 もっと具体的に言いますと,道路・橋梁・除雪のために3,650億円,住宅費として2,420億円,都市計画の経費として1,960億円,そして公園緑化の確保・推進には1,030億円,こうした投資によって着々その事業の成果を挙げ,46年に比較して,道路舗装の面積では5倍,率では3.5倍,公園の面積に至っては実に40倍,緑の象徴であり街路樹も,現在では26万本を超え,8倍もの伸びを示す等,いわゆる都市として欠かすことのできない市民の生活環境がすばらしい躍進を示したことは,現在までの一般会計の歳出総額4兆7,400億円の中で21%とトップの座を占めている,この土木費の投下によってこそ確保されたものと言えるのであります。
 さらに加えて,46年当時,上水道75%,下水道52%の整備状況だったものが,現在では100%に近いほど整備され,市民の生活環境,都市基盤が数段充実されたのであります。この事実によって,市政をあずかる市長として,都市経営のあるべき根幹の行政執行に,十分熱意を持って当たられたことがうかがわれるであります。
 第2に,都市経営にとって留意すべきごとは,目でとらえられる形に投資する事業遂行はもちろん大切なことではありますが,いわゆる,温かい心の触れ合う社会福祉への配慮は,街が都市化すればするほど,より重要になってくることは当然の流れであります。
 46年,民生費は76億円が計上されました。それ以来,毎年平均528億円が投ぜられ,現在まで16年間にわたって,総額8,968億円の投資が行われたのであります。
 さらに,具体的な項目について見てまいりますと,生活保護費として4,170億円,児童のための福祉費は1,370億円,老人福祉費が760億円,社会福祉費として540億円と,それぞれに投ぜられた事業は,いずれも社会的に比較的弱者とされている人々への思いやりを,行政としてとにかくでき得る限りの力を率直に示した数字であると思うのであります。
 その民生費は,歳出総額の第2位,19%を占めているのであります。実績は,地方自治体の首長として果たすべき責任ある姿勢が認識され,一応他の地方自治体に対して,一つの示唆を与え得たものと言えるのであります。
 第3に,いわゆる21世紀には,その時代の中心的役割を果たすであろう現在の子供たちに対する教育についてであります。
 46年の教育予算は43億円,その後,毎年平均340億円を充当し,その累積総額は,現在まで5,800億円にも上っているのであります。しかも,この中の3,160億円,54%は,すべて学校という器のための整備費として支消されているのであります。いろんな評論家的放言はともかくとして,人を育てることの大切さは,企業であれ役所であれ団体であれ,その重要性は,指導的立場にある者ほど厳粛に受けとめなければなりません。
 それにしても,特に,最近,時代の流れを痛感せしめられるものとして,教育の場である学校という器の豪華な変革であります。ただ,その環境が子供たちを育てることの重大なポイントであるということからすれば,当然,行政としてその器の整備に力点を置かざるを得ないのでありましょう。
 本市の場合,46年以降今日まで16年間にわたる歳出総額に占める教育費は12.3%,すなわち,土木費,民生費に次いで3番目の投資金額になっているのであります。教育を凝視して,その貴重さを何物にも増して優先させる予算の投入は,行政のなすべき枢要な柱と言えるでありましょう。
 以上,板垣市政として今日まで歩み続けてきた16年間の集積を,ごく概括的に申し述べてまいりました。歳出総額4兆7,400億円。そのうち,2兆4,720億円,52.1%は,一つは,よりよい市民生活のための環境づくりに,二つは,社会的に弱者と思われる人々への温かい思いやりの心を,そして三つには,これからの世界に向かって羽ばたく子供たちの教育のために,これらのことに視点を向けてひたすら歩み続けたことに思いをいたし,今日の,札幌の発展を目の当たりにしたときに,板垣市政の足跡は,市民のために,決して間違ったものではなかったと言えるでありましょう。
 それを端的に表現するものに世論調査があります。それによりますと,札幌に愛着を感じている人が90.4%,ない人が5.4%,まことに大きな差があります。その愛着を感じている理由の第1は,緑が多い,これが40.5%。教育・文化が進んでいるが23.5%。都市基盤が充実しているが19.5%。以上によってうなずくことのできるのは,今日までの投資総額と事業推進が完全に裏づけされていることを物語っているからであります。
 さらに,都市経営について大切なことは,財政運営が健全に行われているかどうか,中心課題になるのであります。その健全性は,その都市が毎年どれほどの基金を確保しているかが一つの目安になります。予算を完全に使い果たして赤字さえ出す,このことは,だれにでもできるのであります。少なくとも,予算の運営に当たって,基金,すなわち預金のうち,特に,財調基金についての配慮がなければなりません。
 本市の場合,46年度の基金総額は36億円,60年度末の見込みで947億円,26倍と膨れ上がり,そのうちの財調基金は,7億7,000万円だったものが,35倍の277億円という現状を確保し得たことは,本市の財政運営について言えば,きわめてその健全性を誇ってよいと言えるのでありましょう。
 ただ気になるのは,市債,すなわち本市の借金であります。46年当時1,073億円の金額が,62年度来の見込みで,11倍の1兆2,586億円もの膨大な金額になることであります。もちろん,それを投入して市民のために事業を推進してきたことではありますが,将来の市民に大きな負担となることは決定的である。この借金の措置に対しては,十分市民に対して理解を求める必要があると存ずるのであります。
 以上,私は,板垣市長が就任以来16年間の足跡を自分なりに分析して感想を申し上げましたが,次にそれとは全く別な立場から,今後の市政について数点お尋ねすることにいたします。
 第1点は,冬季オリンピックに匹敵するような何か大きなイベントを,今度は二つなり三つなり,ほとんど年を接して集中的に札幌で行うための計画をしてみてはどうかということであります。
 と申しますのは,昭和47年のオリンピックを誘致したがゆえに,そのための直接経費,施設整備,関連公共事業費として,2,300億円から400億円もの巨費が本市に投ぜられ,加えて,地下鉄南北線建設を契機に,延長なり,東西線なり,東豊線なりへと発展し,市庁舎の建設,そして区割移行のための区役所を初めとする,区関係の諸施設が次から次へと,本市の発展に拍車をかけるように実現したことであります。要は,集中的な投資による都市整備というものが,その都市の発展にどれほど大きな影響を及ぼすかは,本市がすでに十分経験済みなのであります。
 62年度には全国の高校総体と国際見本市,そして,64年には国体と,本市として抱えるべきイベントが,すでに予定されておりますが,市長は,今世紀末までに,スポーツ,文化,芸術,学術,経済,祭典,各種の会議・大会等を問わず,できるだけ期間を接して,集中的なイベントの招致を考え,本市の次の一大飛躍を模索してみてはどうかと存じますが,いかがでありましょう。ご答弁をいただきたいのであります。
 第2点は,国際都市として一段と成長を遂げ,世界的にも知名度を増した本市として,いつまでも北方圈の中核都市としてだけではなく,新たな取り組み方をしてはどうかという提言を申し上げながら,お尋ねいたします。
 本市はこれまで,34年,47年,55年と,それぞれ北アメリカ,ヨーロッパ,アジアの,ポートランド・ミュンヘン・瀋陽と姉妹なり友好なりの都市提携を結んできました。特に,57年には,本市が主唱して,北方圏に位置する6ヵ国,9都市が,本市を会場として「北方都市会議」と銘打ち,歴史的な会議の発足を見たのであります。そして,第2回は60年に,友好都市浦陽で6ヵ国,10都市が集まって会合を持たれたのであります。
 第1回,第2回とそれぞれの参加都市は,北国の都市として,有効な都市経営のあり方を学び合ったことは何よりも大きな収穫だったように思われるのであります。また,姉妹都市なり,友好都市なりの交流の活発さも,これまた,他に比を見ない非常に幅広く,かつ深さのある,そして温かい人間との触れ合いにまで高める等,本市がこれまでかかわり合った国際的な関係がすばらしかったからこそ,国際都市としての成果も,また一段と高いものになったと言えるのであります。
 そこで,私が申し上げたいのは,ポートランド,ミュンヘン,瀋陽を地図上で見ますと,不思議にも,すべて北緯30度から50度の間に位置し,もちろん本市もそうでありますが,北方都市会議の参加都市もまたその名の示すとおり,大半はこの緯度の間に位置しているのであります。
 考えてみますと,北極圏にしても,南極圏にしても,気象の条件は背中合わせになっているだけで,そう大きな差異はないと思いますし,逆に,南半球に目を移して,南緯30度から50度までの間の都市を見ますと,オーストラリア大陸の南部がここに位置し,シドニー・メルボルン・キャンベラ,そして,ニュージーランドのオークランド・ウェリントン・クライストチャーチと,いずれも本市が今後新しい都市経営を考える場合,非常に役立つ有効な都市群の存在があることがわかりました。
 市長として,いままでの発想をもっと飛躍せしめ,思い切って南半球へ手を伸ばし,どんな方式の接触のあり方が本市としては可能なのか,いろいろなパターンを考えてみて,積極的に進められてはどうかと思うのでありますが,市長のお考えをお聞かせ願いたいのであります。
 次に,第3点として,リニアモーターカーヘの取り組みについてお尋ねいたします。
 過日の新聞報道によりますと,国鉄が開発を進めている時速500キロメートルとも言われるリニアモーターカーについて,その実験線を道内に誘致するべく,推進協議会というところで中心になり,構想を進め,本市と千歳市も正式にその団体に加盟を決定したと報ぜられていました。しかも,用地買収から本体工事,車両をも含んで,総工事費1,100億円とはじき出されているのであります。その費用調達についても,民間資本を導入してその実現を図ろうというもののようであります。しかも,その借入れ資本の数字いかんによって,乗車料金までも幾通りか計算されているという相当具体的なところまで話が進んでいるようであります。
 以上の話は,札幌・千歳間45.3キロメートルをまず走らせるという構想の内容について申し上げたわけであります。本市としては,どんな取り組み方をしようとされているのか。出資金,運営主体,公的機関との連携,道との関連,開始時期等,現在までの構想なり,他機関との接触なりの具体的な面についてご説明いただきたいのであります。仮に,具体的な点までの進捗が現在まで余りないにしても,本市の描くこの超高速軌道への今後の熱意について,ぜひご見解をお聞きしたいのであります。
 第4点は,財政上の諸問題についてであります。
 その一つは,地方財政に関係ある売上税についてであります。
 いまや,各政党は,肝心の国会審議をせずに,それぞれ別な場所に国会を移して,賛成・反対の立場を声高らかに宣伝している状態であります。ところで,この売上税なるものが,地方財政にとって,譲与税なり地方交付税に算入されて歳入に組み込まれることは,地方自治体にとって,市民への行政サービスの財源としては大切なものとなります。だからといって,これを負担する側にとってみれば,これはまことに大きな痛手となることもまた事実であります。
 自治省は去る1月22日,全国都道府県の総務部長会議で,売上税の税収分の7分の1を譲与税として地方へ配分する。その時期,配分方法,そして譲与基準まで具体的に説明しているのであります。本市は指定都市になるがゆえに,当然出席しているでありましょうから,十分その内容は承知しているものと思われます。自治省は62年度の地財計画に完全に計上し,特に財政源長の内簡なるものに,自治省の姿勢が,先ほどの会議における説明ではありませんが,地方自治体への何らかの要請が内容に含まれているのではないかと推量されるのであります。
 本市としては,歳入には計上してはいないものの,自治省の内簡なるものの内容はどんなものなのか。また,その会議に出席した本市として,新年度予算の歳入に見込まなかった根拠は何なのか。また,今後,売上税関連の地方税源補てん措置等,それらについて,自治省とどんな考え方で対応していこうとしてなさるのか,本市としての基本的立場を明らかにしていただきたいのであります。
 あわせて,全国指定都市の市長,議長の連名において,毎年,政府に要望している財源拡充のための,いわゆる青本の中に,税制の抜本的改革に伴う都市税源の充実のための要望の一つとして,「新税制度の導入については,その一部を地方税源とし,かつ,地方交付税の対象税目とするよう」,いわば,暗に今回の売上税についての歳入組み込みを明確に要望しているのであります。市長として,この立場をどうお考えになるのか,矛盾をお感じにならないのかどうか,先ほどの質問とあわせて,ご見解を承りたいのであります。
 二つ目として,毎年提示される地方財政計画なるものについてであります。特に,ことしのように,本市としては,すでに新年度の予算編成の終結を見ている時期に,いまさらという感じで地財計画が発表されることに,私は非常に疑義を感ずるのであります。
 この地方財政計画なるものが,果たして地方財政の本当の指針になり得るのかどうか。しかも,今回のように,国会の審議も始まらない前に,世論が大きく渦巻いている売上税を歳入に見込んでの計画等,考えさせられる点の多いこの地財計画に対して,地方自治体としてどう受けとめていらっしゃるのか,率直なご見解をお聞かせ願いたいのであります。
 あわせて,本市の場合,この地財計画をどう活用されていられるのか。それについてもご説明いただきたいのであります。
 三つ目として,私が常に矛盾を感じている予算の単年度制についてであります。
 単年度制であるがため,一方で経費の節減を叫んでみても,一方では,予算が単年度制のために,どうしてもその年度内に消化しようとする,いわゆる公費の乱費を誘うことにもなるという,いわば二律背反的なものが内包されているからであります。そうは言っても,現状の財政制度そのものは揺るぎないものである以上,やむを得ないと言えば,それまでではありますが,少しでも融通性を持たせる方途が考えられないものかどうか,財政上の工夫があれば,ご説明いただきたいのであります。
 それと似ているものに,国の会計年度と地方の会計年度が同一時期になっていることであります。したがって,せっかくの地方財政計画も反映できず,国庫補助事業等も,すべて見込みの計上とならざるを得ないのであります。要すれば,国のほうの時期を早めるか,地方をおくらせるかであります。しかし,会計年度の改正が困難であるならば,少なくとも,地方自治体にかかわるものについては,国の決定を早めるようにして,地方が十分に対応できるように改めることはできないものかどうか,このこともあわせて市長のお考えを承りたいのであります。
 財政問題の終わりの四つ目は,国家予算に関する要望として,毎年,全国の指定都市の市長及び議長が連名で政府に提出する,いわゆる白本というものの中に,行政改革に当たっての地方財政への配慮という項目があります。
 その項目の内容として,五つほど挙げられている中で私が重大なことと思うのは,地方交付税制度における基準税率にかかわる要望があることであります。現在75%という基準率は,残余の25%をその地方自治体が貴重な留保財源として,地方の自主性を生かすために,地方が留保することを許されるている制度なのであります。したがって,この基準税率を引き上げられるということは,地方自治体にとって,自主性,自立性を弱められることは当然のことながら,地方自治体の財政運営を根底から揺るがし,がんじがらめの財政運営を強いられ,国からの意図のままにならざるを得ないという,地方自治体の危機を招来することにもなりかねないのであります。私は,むしろ反対に,たとえ,わずかであっても,基準税率の引下げが行われることにより,地方自治体にとっては,国からの税源配分が有利になることと,その条件は変わらないことになるのであって,まして,引き上げなどとは,地方自治体にとって許しがたいことと言えるのであります。
 そこで,こうした要望が出現した根拠なり,最近のこのことに対する国の動向等,相当な危機的状況にあるのかどうかもあわせて,その辺の情勢についてお聞かせ願いたいのであります。
 質問の終わりの5点目として,絶対に二度と起こしてはならない,いまだに記憶新たな,市役所内のあの忌まわしい事件について,私は市長に対して,人を指導するという立場なればこそ,まず,おのれに峻厳たらしめる姿勢と,組織の人々に意欲をたぎらせるためのリーダーシップについてあえて一言申し上げ,お尋ねいたしたいと存じます。
 現在,市役所の職員は1万7,200名と,近郊の街,当別町の人口に相当するほどの大世帯になっています。それは,複雑多様な市民の要求に対応し,処理をするため,それぞれ専門分野に分かれ,それ相当の人員保持は欠かせないものとなるのは当然でありましょう。現在,本市は市長を初めとして,最高幹部5名,局長・理事・次長を含めて33名,甲・乙部長と参事・副参事合わせて220名,課長・主幹が583名,係長・主査は1,315名,合計2,156名がそれぞれの仕事の分野において,大と小,軽と重の違いはあるにせよ,それぞれ責任ある立場に立っているのであります。
 いつか,市長は,「人事ほど難しいものはない」と,答弁のとき率直に告白されました。市長の苦悩の言葉でありましょう。人事の活性化,公平な人事,人材登用,人事の適正配置,管理の適正,職員・管理職の研修等に,いずれもなるほどということばかりであります。すでにこれまで,こうした目標を掲げ,口にし,年月をかけて実践しながらも,成果を挙げることがどんなに難しいものかは,心にしみてわかっているはずであります。
 去る1月13日の総務委員会においても,たとえ立派につくられている組織だとしても,その中で日々仕事を進めていく人間が,おのれ自身のなすべき機能の万全を期さなかったがゆえに,不祥事件を生み出す土壌は決して消え去ることのない,事務遂行上の欠陥が指摘されたところであります。
 特に,管理職という責任ある立場なればこそ,課せられているおのれのエリアについて,仕事の完璧さを要求されるのは,けだし当然なことであります。それぞれの部署において,仕事の完全遂行を身をもって実行する,その自覚と活眼こそ,真の管理職として期待したいのであります。
 そこで,私から具体的に申し上げてみますと,一つは,各部局において,それぞれの管理職のパイプを通じ,日々進められている市政の的確な情勢が,局長という専門分野の最高責任者,そして担当助役にまで十分に集約され,かつ,毎週行われていると伺っております局長会議において,せめて百家争鳴とまではいかなくとも,報告,要請,進言,提言,時には直言,助言等が活発に行われ,要するに,スムーズに流れる流通パイプと,生き生きとした会議の議論の中から,市長が市政に対する誤たない判断を下すときの重大な要因になるという自覚を待って,市長に対する補佐を全うすべきである。改めて,管理職に対し,みずからを厳しく見詰める姿勢を求めたいのであります。
 二つとして,市長は,150万人を超える市民のトップ・サーバントであります。それだけに,すばらしく大きく,そして重い責任のある地位なるがゆえに,これまでも実に苦しく,至難なことに取り組まれてきたことと存じます。特に,市長の申されました人事,これほど至難なことはないでありましょう。しかし,議員が議席を得るためには,選挙というまことに苦難な壁を越えなければならないのであります。市長もまた,人事は,たとえどんなに難しいものであっても,勇を鼓して,二度と起こしてはならないあの忌まわしい不祥事件の根を徹底して摘出し,洗浄するための人事を断行していただきたいのであります。
 それにしても,市長の周辺に「忠言,耳に逆らう」という故事ではありませんが,事の理非曲直を明確に進言し,勧告をし,時にはあえて忠告さえもする等,市長自身もまた,みずから求めて,その言をよく聞き,常に,正しい客観的な情報に耳を傾け,これからの市政に取り組んでいただきたいことを,私は衷心より期待してやまないものであります。ただいま,私が申し上げましてことについて,ぜひ,市長の感想を述べていただきたいと存じます。
 以上で,私の質問は終わりますが,最後に一言。
 終わに当たりまして,再び立つことのないであろうこの壇上から,同僚議員諸氏と,市長を初め全職員の皆様の限りないご健勝を心からお祈りして,私の本市議会におけるすべての発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
吉野晃司君 12 番目 / 24 字
○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
板垣武四君 13 番目 / 5,009 字
◎市長(板垣武四君) ご質問にお答えを申し上げます前に,加藤議員に対しまして,6期・24年の長期にわたって市政に貢献をいただきました,そのご努力にまず敬意を表し,また感謝を申し上げます。
 加藤議員には,本市が急激な都市化の歩みを進めておりました昭和38年から,財政・都市問題・教育など,さまざまな分野にわたって,幅広い知識と,きわめて深い分祈のもとで議会活動をなされ,はかり知れないご功績を残したものと存じているところでございます。今後とも,心から札幌を愛され,その発展のために,ご理解と,さらなるご協力をお願い申し上げる次第でございます。
 ご答弁を申し上げますが,まず第1に,イベントの誘致についてでございます。
 魅力あるイベントの開催は,冬季オリンピック大会が本市の国際的知名度を高め,都市づくりに大きく貢献をしたことに見られますように,地域経済の活性化,国際化など,本市のコンベンション都市づくりを進める上で,有効な方策であると認識をしているところでございます。本市におきましては,昨年成功裏に終わりました「花と緑の博覧会」,本年開催予定の「第2回札幌国際見本市」や「高校総体」,64年の「国体」への諸準備を進めるとともに,66年の「ユニバーシアード冬季大会」の誘致を目指すなど,積極的にイベントヘの取り組みを進めているところでございます。
 しかしながら,21世紀に向けて本市が大きく飛躍をするためには,北方圈の拠点都市として,その特性を生かすさまざまなイベントや事業を,ご提言のように集中的・複合的に開催をするということは,イベントのあり方として重要な検討問題でございますし,また,万国博覧会のように国家レベルで取り組むことによる投資効果の高い,より夢のある大きなイベントの開催も必要であると考えております。
 一方,大規模イベントの実現に当たりましては,そこに至る過程において,スポーツ,文化,学術など,あらゆる分野で継続的にイベントを実現しながら,国内外にその実力を高め,広く浸透していくこともあわせて検討することが望ましいと考えております。
 したがいまして,ご提案につきましては,今後,長期的な都市づくりを念頭に置きながら,継続性,発展性があり,かつ本市にふさわしいテーマを持った大規模なイベントの開催誘致に向けて,地元経済界や市民のコンセンサスを得ながら,これまで蓄えた実績やノーハウを生かし,積極的に取り組んでまいりたいと存じております。
 次に,国際交流の新たな取り組みについてのご提言でございますが,確かに本市ではこれまで,市民交流に重点を置きましての姉妹都市提携ですとか,あるいは北方都市会議の開催など,北方圈の交流充実を背景とした国際交流を続けてまいりました。しかし,加藤議員のご提言にもございますように,私も常々,南半球等にも目を向けた,世界の諸地域との交流に意を用いたいと考えていたところでございます。
 オーストラリア・ニュージーランド等の諸国につきましては,気候,風土が北方圈の諸都市と対照的であることから,これらの国々を訪れる市民の数は,10年前に比べ飛躍的に増加を見せております。14回を数えるに至りました雪まつりの国際雪像コンクールには,オーストラリアは第2回から,ニュージーランドは第10回から連続参加をして,親善を深めております。私もオーストラリアを訪問いたしておりますが,59年にシドニーで行われた日本週間の中に「さっぽろナイト」には,多くの札幌市民も参加をいたしております。
 また,札幌観光協会とシドニー観光協会とは昭和58年に提携を結び,お互いに交流を重ねているところでございます。このように,対象の違いから生まれる交流は,お話にございましたとおり,従来の類似性を活用した本市の交流をさらに多彩で豊かなものにすることに違いないと思います。
 今後とも,北の風土と南の風土との接点としての位置づけを持つ本市として,観光面を含めて,ノーザンクロス作戦とでも申すべきこれからの交流のあり方を検討してまいりたいのと考えております。
 リニアモーターカーの取組みについてでございますが,リニアモーターカーは,21世紀における交通機関として技術開発が進められ,近い将来実用化される段階にあると承知をいたしております。
 私は,かねてから,夢の交通機関としてのリニアモーターカーについて深い関心を持っておりましたが,本年1月,経済界が中心となり,札幌と新千歳間に国鉄のリニアモーターカー実験線の導入を進めております推進協議会に本市も加入をいたしたところでございます。
 同協議会の構想では,資金調達につきましては,大幅な民間活力を導入することで検討を進めており,運営主体につきましては,国,自治体,民間が一体となった第三セクター方式に,また,営業開始時期は,新千歳空港ターミナルビルが開業をいたします67年7月にめどを置いているものでございます。
 私は,この実験線の導入は,将来の北海道の高速交通体系の整備に資するばかりでなく,リニアモーターカーに関連する先端技術等を中心として,本道の産業に多大な波及効果を与え,地域経済の活性化に大きくつながるものと考えております。
 リニアモーターカーにつきましては,全国的に誘致活動が行われているようでございますが,私は,誘致支援についてすでに国の機関にお願いをしてきておりますし,今後につきましても,この協議会の先頭に立つ気構えを持って,道など他の機関との連携を深めながら,その実現のためにあらゆる努力を払ってまいりたいと考えております。
 次に,財政問題についてでございますが,まず初めに,売上税についてでございます。
 第1点目は,去る1月22日に公表されました自治省財政課長内簡の内容等についてでございますが,この財政課長内簡は,地方公共団体の次年度の予算編成時に毎年公表され,国の地方財源対策の説明や地方行財政運営の基本的な指針を示したもので,売上譲与税については,お話のとおり,その配分基準等は示されておりますものの,地方公共団体に対して,その予算計上を強制するような性格のものではないと理解をいたしております。
 したがいまして,本市といたしましては,市自身の判断に基づきまして,今回の税制改正が増減税同額ということを前提としているため,いずれにいたしましても,収入額に大差を生じないということ,国と地方を通じた大幅な改正内容であり,その審議動向を十分見きわめて対処してまいる必要があるということ。また,今回は骨格予算であること等の点を総合的に勘案をいたしまして,現行税制を前提として計上いたしたところでございまして,この点につきましては,自治省の理解も得られるものと考えております。
 第2点目は,指定都市が政府に対し毎年行っております財源の拡充要望,すなわち青本要望についてでございますが,政府において昨年4月,大幅減税の基本的な方向が打ち出されまして,これが実現されますと,今後における地方財源の配分に重大な影響が生じますことから,何らかの形で,その減収分を完全にかつ恒久的に補てんされるように要望してまいったところでございます。
 新税の導入につきましては,仮にそのような措置がとられた場合に,地方へ必要な配分がなされるよう求めたものでございまして,それを前提としていたものでないということはご理解をいただきたいと存じます。
 次に,地方財政計画についてでございますが,地方財政計画には,各年度における地方公共団体全体としての歳入及び歳出の標準的な姿が盛り込まれており,各地方公共団体にとりまして,翌年度の予算編成等の指針となる重要なものであると受けとめているところでございます。
 本市の予算編成が他の団体よりかなり早目に行われるということもございまして,お話にございましたとおり,本市の予算編成時には,まだ地方財政計画そのものは示されておりませんけれども,年末の国家予算編成時には地方財政計画の骨子となる地方財政対策や地方債計画などが示されており,本市におきましても,これらを十分検討・把握するとともに,各種の情報を参考にしながら,翌年度の予算編成に当たっているところでございます。
 次に,予算の単年度制にかかわるご質問でありますが,確かに,現行制度のもとにおきましては,経費の節減により不用が生じた金額につきましては,基本的には,剰余金として翌年度以降の財源として活用することになっておりますので,乱費を誘うという面もなきにしもあらずかと思います。しかし,この問題は多分に予算執行上の問題でございまして,このようなことがないように十分留意をしてまいりたいと考えております。
 なお,年度内におきまして,施設の補修など緊急に対応すべき必要が生じました場合には,節減をされました経費を優先的に充当して,有効な活用を図ってきているところでございます。今後とも,現行制度の中で,弾力性のある財政運営を心がけていきたい,このように考えております。
 次に,国と地方の会計年度に関する点でございますが,これにつきましては,加藤議員の言われることはよく理解ができるところでございます。この問題につきましては,過去において,国と地方の会計年度の改正を国に要望し,国において研究をした経緯もございますので,それを踏まえて,なおよく検討させていただきたいと思います。
 次に,地方交付税に係る基準税率についてでございますが,お話にもございますとおり,貴重な留保財源を確保するためには,基準税率を引き下げることは望ましいわけでございますけれども,昭和57年の7月に臨時行政調査会の中間報告におきまして,地方公共団体の財源の均てん化を図る方策の一つとして,基準税率の引き上げの検討が提案をされたことなどもございまして,少なくとも現状を維持するために,指定都市においても昭和58年度からこの要望を行ってきたところでございます。
 また,この問題にかかわる国等の動向でございますが,基準税率の引上げについての直接的な動きは現在出てきておりませんけれども,行政改革の推進や国庫補助負担率の引下げ問題等,国と地方の財政を取り巻く状況は決して楽観できず,今後も基準税率の動向には十分に注意を払ってまいりたいと考えております。
 ご質問の最後は,市長のリーダーシップということでございます。私自身,市政が円滑によりよく推進されるためには,実際に事務事業の執行の掌に当たる職員の声をよく吸収,そしゃくする,いわゆる下意上達もきわめて重要であると認識をいたしております。このため日ごろから,なるべく多くの職員との間に対話の機会をもつように心がけており,局長会議その他の幹部会議のほか,たとえば,200有余名をもって構成されている市の部長会さらに,連絡所長会といった職員各層による会合の席にも,時間の許す限り出席をして,あるいはまた,出先機関や現地の視察を通じて,職場の声,実態等にもつぶさに触れるように努めてきております。
 また,人事の運用につきましても,常に公正無私を念頭に置き,適材の配置に私なりに努力をしてまいったつもりでございます。しかしながら,人事の問題にいたしましても,また,部下職員との対話等におきましても,なお,私に欠ける点があるとすれば,私はこれを率直に反省をして,かつ,このことを謙虚に受けとめ,今後に処したいと存ずる次第でございます。
 一方,ことしの年頭に当たりまして,私は「生き生き札幌新たな飛躍」をモットーに掲げ,これを21世紀への基礎固めとして,積極的に推進してまいる決意でございますが,そのためには,まさにわれわれ市役所職員全員が心を通い合わせ,一丸となって,さまざまな困難な課題に果敢に挑戦をしていく姿勢が何よりも必要であり,こうした中から,来るべき21世紀へ向けての新しい展望が開けていくものと確信をいたしており,また,そのことが,ただいま段々のお話がございましたそのご趣旨におこたえをするゆえんでございますので,私自身も,今後さらに一層,自戒,努力をしてまいる所存でもございます。以上でございます。
吉野晃司君 14 番目 / 87 字
○議長(吉野晃司君) お諮りします。
 本日の会議はこれをもって終了し,明2月18日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
吉野晃司君 15 番目 / 37 字
○議長(吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
吉野晃司君 16 番目 / 25 字
○議長(吉野晃司君) 本日はこれで散会いたします。