札幌市議会 会議録検索システム(平成元年第1回定例会 1989-02-22 第4号)
1989-02-22/発言 22 件 / 原本(札幌市議会)
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吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) これより,本日の会議を開きます。 出席議員数は,70人であります。
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) 本日の会議録署名議員として見延順章君,本舘嘉三君を指名します。
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
鍛冶沢徹君
◎事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。 竹田市立札幌病院長は,公務のため本日の会議を欠席する旨,届け出がございました。 本日の議事日程及び質問順序表はお手元に配付いたしております。以上でございます。
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) これより議事に入ります。 日程第1,議案第1号から第75号までの75件を一括議題といたします。 昨日に引き続きまして,代表質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 政氏 雅君。 (政氏 雅君登壇・拍手)
(発言者未割当) 発言者未割当
◆政氏雅君 私は,ただいまから,公明党議員団を代表いたしまして,当面する市政の諸問題について質問いたします。 まず,財政問題についてお伺いいたします。 政府は,去る1月24日,平成元年度予算案を閣議決定したところであります。その内容を見てみますと,総額60兆4,142億円,地方交付税及び国債費等を除いた一般歳出では34兆805億円と,それぞれ前年比6.6%,3.3%の伸びとなっており,この伸び率は,どちらも昭和56年以来8年ぶりの高率となっているのであります。 一方,地方財政計画では,総額62兆7,700億円で,前年比8.6%の伸びが見込まれており,この中でも,地方譲与税が前年比192%増,地方交付税が17.3%増と,地方の一般財源と言われている歳入が大幅にふえ,その比率は約68%と,これまでにない高い率となっているのであります。 また,この地方財政計画の内容で特徴づけられるのは,昨日の代表質問でも触れられておりましたが,われわれ地方団体が一丸となって要求してまいりました国庫補助負担率の引き下げ問題に一応の決着が図られ,国と地方の財政関係が安定化に向かったことであります。 その内容の第1は,経常経費にかかわる補助負担率の恒久化であります。生活保護費等に対する負担率は,これまでの10分の7から10分の7.5へ0.5引き上げられ,老人福祉,身体障害者福祉等に対する補助率は,現行の2分の1のままでそれぞれ恒久化され,引き下げ前の昭和59年度よりも地方団体にとって負担の増加する分については,国のたばこ税の一部を地方交付税の原資に追加することなどにより,手当てがなされたものであります。 その内容の第2は,投資的経費にかかわる補助率については,さらに2年間の暫定措置とされ,現行の補助率のままで継続されることとなり,平成3年度に向けて関係省庁間において補助率のあり方が検討されることとなったことでありますが,当面の引き下げの継続による地方の影響額に対しては,従来と同じ臨時財政特例債で手当てがされるというものであります。 また,今後高齢化社会に向かってますます充実が望まれる在宅老人の福祉対策について,わが党が常に主張してまいりましたホームヘルパーの国庫補助率が,現在の3分の1から2分の1に引き上げられたことも特徴の一つであると思うのであります。 補助金問題については,平成元年度で以上申し上げてきたような措置がとられたところでありますが,市長は,国のたばこ税の交付税原資への恒久的な追加措置がとられたことなどから,地方にとっては十分とは言えないまでも,一定の評価ができるものと述べられております。 私は,これからの地方財政を考えるとき,実質的な財源手当てがどうなっているのか。今回の決着が地方にとって十分な措置となっているのかどうかで判断すべきものではないかと考えるのであります。国庫補助負担率の引き下げが始まった昭和60年度以降,その引き下げによる地方の影響額に対しては,それぞれの年度において地方財政対策がとられ,交付税の特例加算あるいは地方債の増発といった当面の手当てがなされてきましたが,後年次の実質的な負担も含めて考えた場合,国と地方の持ち分がそれぞれあったわけであります。 そこで,質問の第1点は,今回の国庫補助負担率引き下げ問題の決着のうち,恒久化措置となった生活保護費等の経常経費について,後年次の実質的な負担も含めて考えた場合の財源手当てが地方にとってどうなったのか。暫定措置であった昭和63年と比較して明らかにしていただくとともに,それに対してどう受けとめておられるのかお伺いいたします。 次に,税制改革に関連してお尋ねいたします。 昨年12月,第113回国会において消費税の導入が図られたところであります。消費税問題については,わが党は一貫して,低所得階層を中心とした税の逆進性の問題,事業者の事務負担が増加すること等の問題点を指摘してきたところであります。また,消費税の導入によって,地方公共団体も多大の影響を受けることになるのであります。 そこで,消費税にかかわる市民への転嫁についての問題でありますが,消費税法は,去る昭和63年12月30日に公布施行され,来たる平成元年4月1日から適用されることになるわけでありますが,これに伴い,本市では各種公共料金を引き上げ,市民にこの消費税分を転嫁するという方針で,使用料・手数料を初め水道,交通料金など,一連の料金改定案が提案されているところであります。 わが党は,このような公共料金に対する消費税の転嫁については,市民生活に多大な影響を与えるものであり,安易に転嫁することなく,市民の合意が得られるよう対処すべきと考えており,また市民生活への影響を十分勘案して,市民負担を極力抑制すべきであると主張するものであります。この立場から,以下2点にわたりお伺いいたします。 まず,一般会計における使用料・手数料の改定についてであります。 消費税法上は,確かに地方公共団体が行う財貨サービスの提供も,民間とは全く同様に消費税の対象となるということになっているわけでありますが,民間あるいは企業会計とは異なり,一般会計は特例として納税する義務が生じないことになっているわけであります。民間などであれば,売り上げにかかわる消費税額から仕入れにかかわる消費税額を差し引いたものを納税することになるわけでありますが,一般会計はそもそも納税する必要はないわけで,このことのみに着目いたしますと,民間と同様な形で転嫁する必要はないのではないかと考えますが,市長のご所見をお伺いいたします。 次に,市民負担の軽減・緩和策についてであります。 法の趣旨からして,転嫁すべきであるとしても,市民の負担能力などを勘案し,負担の軽減・緩和に努めるべきと考えますが,市長はこの点についてどのように意を用いられたのかお伺いいたします。 財政問題の第3点目は,まちづくり推進基金についてであります。 市長は,今回の補正予算案で,現在の公園整備基金,文教施設整備基金及び団地基金を統合し,新たに「まちづくり推進基金」を新設する条例案を提案されております。私も,提案説明にあるように,都市施設の整備や都市の活性化のための整備は,来たるべき21世紀を迎えるに当たって重要な課題であると思っているところでありますが,一方において,本市には財政調整基金があるわけであります。この基金も,年々の本市の財源不足を補うため,道路や公園整備事業に支消をしているところでありますので,この新しい「まちづくり推進基金」との関連はどうなるのかという疑問が生ずるのであります。 そこでお伺いいたしますが,新設されるまちづくり推進基金の意義と支消の考え方,特に現在の財政調整基金とのかかわりについて,どう使い分けるかについてお伺いいたします。 次に,交通事業についてお伺いいたします。 本市の交通事業は,これまで他の大都市に例を見ない急速な市勢の発展に伴う交通需要の増加に対応し,莫大な資本投下を必要とする地下鉄建設の推進を初め,バス路線網の拡大あるいは乗り継ぎ関連施設の整備拡充に取り組んできたところであります。今や北国の大量輸送機関として欠くことのできない地下鉄を中心に,市内各種公共輸送機関の輸送人員の約6割に当たる約90万人の輸送を担い,市民生活を営む上できわめて重要な足となっているのであります。今後さらに市民の強い要望にこたえ,快適な都市づくりを進めるためには,都市の成長発展の原動力である交通事業の経営の安定が,従来にも増して不可欠なものになってくると思われるのであります。 しかしながら,その財政状況は,今回提案されました交通事業会計及び高速電車事業会計の平成元年度予算案によりますと,両会計とも多額の累積欠損を計上しており,また資金不足も発生していることから,非常に厳しい状況下に置かれていることは衆目の一致するところであります。 こうしたことから,昨年12月13日に,交通事業の財政状況がきわめて悪化してきていることなどを理由に,市営企業調査審議会に対し「交通事業の健全な運営管理の方策」について諮問をし,去る2月2日に答申を得たところであります。 この答申の内容を見ますと,交通事業のあり方と役割,交通事業の運営管理の方策の2本の柱からなっているのでありますが,前者は交通網の整備の方向について,後者は企業の経営面について,それぞれ具体的に述べられているわけでありますが,特に経営の健全化を図るためには,企業内努力,財政援助,料金の適正化等の施策の実現に特段の努力をしなければならないとされているのであります。 しかも,市民に負担を求める交通料金の改定に当たっては,まず企業みずから内部努力を行うとともに,一般会計等からの財政援助を受けることが前提となっており,さらに,企業としての努力と一般会計からの財政援助にもかかわらず,なお経営の維持が困難な交通事業の実情について,市民の理解を得る必要があるとされているのであります。 企業内努力につきましては,今後も引き続き取り組んでいかなければならない大きな課題であると思うのでありますが,実乗務時間の引き上げ等の労働生産性の向上を初めとする一連の効率化について,一応の成果が上がっているようでありますが,さらに一層の努力が必要と思うのであります。 また,一般会計からの財政援助につきましては,昨日の本会議におきまして,市長からその増額について前向きのご答弁がございましたので,今後の推移を見守ってまいりたいと考えているところであります。 そこで,市民に負担を求める交通料金の改定についてでありますが,このように交通事業の財政状況が悪化している現状において,市営交通が今後とも多種多様な市民のニーズに対応した的確な輸送サービスを提供していくためには,一定の効率化の実施と財政援助の増額などの努力を前提としつつ,ある程度の市民負担を求めることは,交通事業が独立採算制のもとで受益者負担を原則としている以上,一応の原理として成り立つかもしれません。しかし,一方では,市民生活に及ぼす影響についてもまた考慮していかなければならないわけであります。 そこで,質問の第1点目でありますが,昭和59年6月の交通料金の改定を実施する際,電車及びバスについては,市民の急激な負担を緩和するために,一定期間,料金の上げ幅を10円に抑える暫定料金を実施したわけでありますが,今回提案されている料金改定案を見ますと,上げ幅においては,初乗りで電車バスとも前回と同額の20円であります。今回はこれらの措置がなされておりませんが,その理由を具体的にお聞かせ願いたいと思うのであります。 また,今回の改定に当たって,利用者に対する何らかの配慮をすべきであると考えるのでありますが,料金制度上において改善措置がなされているのであれば,その点についてもあわせてお伺いいたします。 次に,市民サービスの向上についてお伺いいたします。 近年の市営交通機関の輸送人員の動向を見ますと,電車・バスについては低迷を続け,地下鉄については伸び悩みの傾向を示しており,このことが財政状況悪化の大きな要因と言われております。 その理由につきましては,マイカー利用の増大,自転車の急激な普及,走行環境の悪化などが挙げられておりますが,私は,施設整備を主とする各種市民サービスの向上と利便性を高めることによって,相当の需要を喚起することができるのではないかと思うのであります。とりわけ,最近における高齢化社会の進展や今後の高福祉社会への移行などから,お年寄りの人たちが活発な社会活動や日常生活を営まれる機会が増大してきており,その積極的な活動を支える足は電車,バス,地下鉄などの公共輸送機関が担っているわけで,その利用促進を図ることが乗客誘致につながっていくのではないかと考えるのであります。 そこで,市民サービスの向上について,高齢化社会等への対応ということも含めて,市長のお考えをお聞かせ願いたいと存じます。 最後に,乗継ぎ料金制度についてお伺いいたします。 乗継ぎ料金は,地下鉄の建設に伴うバス路線の再編成を円滑に行うとともに,有機的かつ総合的な交通網の整備促進を図ることを目的に昭和48年に導入され,幾多の変遷を経て現在の制度になっており,市民の間に定着をいたしております。しかしながら,現状においては乗継ぎ料金に一部格差があり,また,いまだに実施されていないところもあるのであります。したがいまして,今後本市として改善に向けてどのような対策をとっていかれるのか,基本的なお考えをお伺いいたします。 次に,水道事業の問題についてお伺いいたします。 本市の水道事業は,前回,すなわち昭和59年度料金改定時に策定した4年間の財政収支期間を1年延長し,今回5年ぶりに,平成元年度からの水道料金改定案を本市議会に提案されているところであります。 その理由としては,新たに平成元年度から4年度までの4年間にわたる財政計画をもとに推計を行うと,計画の最終年度である平成4年度末には238億円に達する累積欠損金が見込まれるというものであります。 この財政計画の前提となる事業計画については,すでに昭和63年度から実施されているわけでありますが,その中でも柱となる第1次施設整備事業においては,今後とも増加が見込まれる給水人口に対処するため,水源の確保とともに施設の拡充等を行う一方,160万に達した大都市として,今後ますます重要性を増してくる安全で安定給水の確立の見地から,施設の機能の維持向上,さらには高度化等を図っていくこととしているのであります。これらは,いずれも21世紀へ視点を向けたライフラインの確保を目指すものであり,このような事業の必要性を考慮し,昨年12月の審議会においても,第1次施設整備事業の適切な推進を図ること,また料金算定期間も事業との整合性を図ること等の提言がなされているところであります。 この場合,この第1次施設整備事業等の事業を実施するためには,その財源の大半を国からの借入金である企業債に求めざるを得ない状況にあり,それに伴う資本費の負担増大や維持管理経費の累積等が財政悪化の要因となってくるというものであります。こうしたことが今回の料金改定の大きな理由ではなかろうかと思うのであります。 これらの要因をそのまま料金に転嫁すれば,市民生活に及ぼす影響が大きいことを考えるとき,本市水道事業は,効率的な事業運営を心がけるとともに,徹底した経営の改善を図り,一層の市民サービスの向上を目指して,できるだけ低廉な水の供給のため,事務事業の見直しや組織の簡素化を推進するなどの減量経営を図る一方,技術革新に見合った効率的なシステムを積極的に採用することにより,経費の節減等に最大の努力を払う必要があると思うのであります。 私は,料金改定に当たって重要な点は,市民生活に与える影響を十分考慮に入れた上で,安定的な収入の確保と長期的な経営の健全化をいかに図っていくかということにあると思うのであります。こうした観点から,3点ほどお伺いいたします。 まず初めに,水道事業における給水サービスの充実がどうあるべきかということについてご質問いたします。 水道事業は,審議会の答申にもありましたように,都市生活に欠くことのできないものであり,市民とともに歩み成長していくものと思うのであります。本市の水道事業は,昭和12年の創設以来,7期にわたる拡張事業を実施してきたわけでありますが,この結果,水道普及率は昭和62年度末で97.8%に達し,平成元年度には定山渓ダムの完成が予定され,長期的な水源の確保が可能となったところであります。 このように,量的な要望に対しては当面大きな心配がなくなった現在,これからは,先ほど申しました安全で安定給水の確立とあわせて,市民に対するサービスの提供の面にも十分配慮をしていくことが強く望まれるところであります。この点については,審議会の答申においても,今後はよりきめ細かな給水サービスの充実を行うべきであると提言がなされているところであります。そこで,この点について,どのように実施されていくおつもりなのか,その基本的な考え方をお示し願いたいのであります。 次に,水道事業の主要な指標である有収率についてお伺いいたします。 ご承知のとおり,有収率は配水量で有収水量を除したものであり,この率が高いほど,漏水量を初めとするむだな水量が少ないこととなるのであります。昭和39年度は70%程度であったものが,昭和62年度では83.8%と約14%向上しているのであります。 ちなみに,昭和63年度の決算見込み数値で有収率向上による影響を考えてみますと,年間配水量は1億7,800万立方メートルでありますから,有収率を1%向上させますと,約200万立方メートル程度の水量を節減できることとなるのであります。これは人口2万人程度の都市の年間水使用量にも匹敵する水量であり,いかに有収率の向上対策が,水資源あるいは水道財政にとって重要な問題であるかが理解できるのであります。 また配水管の総延長を見ますと,昭和39年度では500キロメートル程度であったものが,昭和62年度では4,000キロメートルを超え,約8倍にもなっているのであります。その配水管も半世紀を経て,老朽化した管も多くなっているやに聞いており,漏水量が増加しやすい状況にあるのではないかと思うのであります。 そこで,有収率の向上対策について,具体的にどのような対策を考えているのかお伺いいたします。 最後に,水道事業における企業債についてお伺いいたします。 本市の水道事業は,さきにも申し上げましたが,これまで数次にわたる拡張事業等により,巨額の設備投資を行ってきたところであります。しかし,その財源は,企業債という国等からの借入金によってその大半を賄っており,本年度末までには,1,600億円を超える企業債の累積未償還額が見込まれるところであり,各事業の推進とともに,企業債は増大,累積の一途をたどっていくことになるのではないかと思うのであります。 水道事業の健全な財政を考えますと,審議会の答申にもありますように,企業債を中心とした借入金依存体質はとうてい好ましいものとは言えないのであります。そこで,この借入金依存体質からの脱却を望む立場から,次の2点について質問をいたします。 第1点は,これまで増加する一方であった企業債の未償還残高が,今後も引き続き増加することとなるのか,その見通しについてお伺いしたいのであります。 第2点は,この借入金依存体質を,一気には無理としても,徐々にでも改めていく必要があると考えますが,そのためにはどのように対処されていくのか,お考えをお伺いしたいのであります。 次に,福祉問題についてお伺いいたします。 まず,在宅老人の福祉対策についてであります。 ご承知のように,わが国の高齢化は急速に進んでおり,21世紀の初頭にはおおむね4人に1人が高齢者となることが見込まれております。本市におきましても例外ではなく,現時点における高齢化の進展は,全国レベルよりやや低いものの,今後,高齢者の割合は急上昇していくものと推計されております。 このような状況の中で,長年地域社会と密接なかかわりを持ちながら社会の第一線で活躍してきた人たちは,老後も住みなれた地域社会で過ごしたい,家族とともに生活をしながら一生を終えたいと願うのは当然のことであり,家族の方々もまた同様の気持ちであろうと思うのであります。 本市においても,このような老人や家族の願いに対して,直接間接的な施策を実施し,環境の整備とともに,側面からいろいろな援助をしているところでありますが,近年,国の在宅老人に対する施策の面でも,多くのメニューを用意し,従来からの福祉施設の整備と相まって,在宅福祉施策の内容改善に重点を置いた計画が強力に推進されようとしております。特に,わが党が国に強く要求していた在宅老人に対する介護の三本柱,すなわちホームヘルパー,デイ・サービス,ショートステイ,この三つの事業については一定の方向が出され,国の平成元年度予算に具体的に反映されてきております。 その内容は,まず,ホームヘルパー派遣事業におきましては,今後3年間に緊急に整備すべき在宅老人福祉施策の主要な柱と位置づけ,その初年度分として,全国で3,400人の大幅な増員を行うこと。奉仕内容においても,今後は,家事援助にとどまらず,寝たきり老人の介護も含めて充実していくとともに,国の補助率を従来の3分の1から2分の1にアップするなど,力を入れたものとなっているのであります。 また,虚弱老人を対象とした各種のサービスを提供するとともに,家族の介護の負担を軽減するデイ・サービス事業につきましても,3年間に緊急整備することとし,初年度分として全国で450ヵ所を増設することとしているのであります。 また,事業内容においても,寝たきり老人等の重介護を要するものの受け入れや,軽介護型を創設し,虚弱老人の心身状況の重度化を防止するよう配慮された内容となっているのであります。 さらに,ショートステイ事業についても,3年間で緊急整備することとし,初年度として1,900床の増床をするとともに,専用ベッドの整備も補助対象に加えているのであります。 本市においても,これまで,在宅福祉,在宅老人対策を市の単独事業や国の施策と相まって進めてきたところでありますが,国におけるこのような在宅福祉施策への積極的な取り組みは,在宅老人や介護者に大変喜ばれるものであり,従前にも増して施策が充実されるものと期待しているところであります。 さて,このような観点から市長にお尋ねしたいのでありますが,前段で申し上げましたように,大幅に前進した内容となった在宅老人に対する介護の三本柱,すなわちホームヘルパー派遣事業,デイ・サービス事業,ショートステイ事業について,本市の対応としてどのように取り組んでいかれるのか,基本的な考え方をお聞かせ願いたいのであります。 次に,ボランティア活動についてであります。 先ほども申し上げましたように,平成17年には,本市の人口の14.9%が65歳以上の高齢者となることが予測されている今日,在宅福祉を中心とした地域福祉の振興が行政の大きな課題となっておりますことは,ご承知のとおりであります。 そこで,各都市においては,それぞれ地域の実情を踏まえて在宅福祉施策の展開を図っているところでありますが,たとえば,東京都の武蔵野市では,武蔵野市福祉公社を設立し有償の福祉サービスを提供しております。また,同じく東京都の世田谷区におきましては,世田谷ふれあい公社を設立し,必要な時に必要なサービスを必要な場所に提供することを理念に活動を展開していると伺っております。 高齢化社会を迎えて,福祉サービスの提供の多元化を図ることは,今後の社会福祉の潮流であろうと思いますが,いずれにいたしましても,在宅福祉に向けてのこうした先駆的な試みが大きな成果を上げるためには,福祉サービスの担い手であるボランティアを初めとするマンパワーの育成・活用が不可欠と言えるのであります。 本市においても,地域福祉の担い手であるボランティアの育成は,今後の福祉行政の推進に当たって欠くことのできない大きな課題であろうと思うのであります。 こうした認識のもとに,本市ではこの6月に,福祉関係者はもちろんのこと,多くの市民が待ち望んでおりました社会福祉総合センターが完成し,市民のさまざまな福祉活動の拠点施設として,地域福祉の振興に大きな役割を果たすものと期待されているところであります。特に,この社会福祉総合センターに移設されますボランティアセンターでは,コンピューターを駆使し,ボランティアの需給調整を図る新たな取り組みが開始されることについて,私は大いに期待をするものであります。 また,昨年11月から12月にかけて中央,豊平,南の各区に区社会福祉協議会が設置され,平成元年度には,北・東の両区に,そして平成2年度には残りの4区にそれぞれ設置されると聞いております。 この区社会福祉協議会の目的とするところは,申し上げるまでもなく,地域住民がみずからの手で福祉の向上を図るというところにあります。本格的な高齢化社会を目前にして,在宅福祉の一層の振興が急がれている今日,区社会福祉協議会がマンパワーの貴重な資源であるボランティアの育成を大きな課題として取り上げていることについて,私は心強く思うのでございます。 しかし,急速に進展する高齢化社会に対応した地域福祉を強力に推進するためには,新たな観点からボランティアの振興策について検討することが必要であることもまた事実であります。そこで,私見を交えながら数点についてお尋ねいたします。 札幌市社会福祉協議会が昭和62年1月に取りまとめた「ボランティアグループ活動実態調査報告書」によりますと,調査対象となった50グループの約35%が「交通費,材料費の実費を受け取ってもよいと思う」と答えております。この回答の背景として,160万人の人口を擁し,広い市域面積を有する本市では,地域単位にボランティアグループが形成されることが少なく,したがって,ボランティアメンバーの移動に伴う交通費の負担が活動の障害になっていると考えられるのであります。本市では昭和60年度以降,ボランティア基金の運用益を活用して,ボランティア団体に対し30万円を限度に助成を行っており,そのうち交通費につきましては,おおむね10万円を目途に助成をしていると聞いております。 そこでお尋ねいたしますが,先ほどの調査結果に見られましたボランティア団体の活動上の障害となっております交通費について,活動の活性化を図る上から,助成を拡大することについて検討すべきではないかと思いますが,市長のご見解をお伺いしたいのであります。 次に,ボランティア基金についてお尋ねいたします。 昭和59年度に設置いたしましたボランティア基金は,市民の協力により,計画より1年早い62年度に目標の3億円に達し,今回の補正予算で,さらに1億円の積み立てを行うなど,積極的に取り組んでおりますことは評価するところであります。 ボランティア活動に対する助成,ボランティアの啓発・普及に効果的に活用されているこの基金は,福祉の街づくりを進めていく上で,今後とも,さらに充実を図っていかなければならないと思いますが,この基金の管理については,ボランティア施策の一体的推進を図る観点から検討すべきものと考えるのであります。 他の指定都市のボランティア基金の管理状況を見ますと,8都市において,社会福祉協議会に管理を委託しているところでありますが,本市においても,この基金の管理運営を民間福祉サービスを総合的に提供する団体に委託することについて,検討するお考えがないかどうかをお尋ねをしたいのであります。 第3点目は,ボランティアの預託制度についてであります。 先ほども申し上げましたように,福祉目的に応じた人材の提供業務を行うため,各都市にはさまざまな団体が設立されており,武蔵野市福祉公社,世田谷区のふれあい公社のほかに,横浜市のホームヘルプ協会,神戸市のライフケア協会などがよく知られているところであります。 このうち,神戸市ライフケア協会におきましては,サービスの担い手に1時間当たり360円の報酬と交通費が支給されるほかに,ボランティア活動の時間を貯蓄し,将来,この貯蓄に見合ったサービスの提供が受けられることになっております。また,埼玉県川口市社会福祉協議会で実施しております川口社会福祉コミュニティー制度では,サービス提供者は点数を預託することにしているのであります。すなわち,介助サービスについては,1時間当たり3点,デイ・サービスの場合は,1時間当たり2点となっており,これを預託し,将来,自分が老後を迎え,サービス利用者になった場合,預託した点数から利用者の負担分を払っていく方法をとっているのであります。 ボランティアの有償化については,さまざまな議論,意見があることは私も承知をしているところでありますが,市民の所得水準の向上,また,市民意識が多様化する中にあって,市民の要望を見きわめながら,また他都市のこうした例を十分に参考にしながら,ボランティアの有償化を含めたボランティアのあり方について,本市においても検討してはいかがかと思いますが,市長のご見解をお伺いしたいのであります。 次に,芸術の森の充実についてお尋ねいたします。 本市が個性ある国際都市として発展していくためには,これまで培ってきた文化環境に加え,札幌芸術の森と芸術系新大学との相互連携や国際文化交流等を通じて,北方の気候風土に根差した個性的な文化を創出し,国内外に積極的に発信していくことがきわめて重要であると考えるのであります。 また,最近は芸術・文化の時代とも言われており,芸術や文化が新しい行政課題として注目されておりますが,この背景には,生活水準の向上,余暇時代の増大,都市基盤の整備・促進などに伴い,人々が精神的満足を人生の大きな目的とするようになり,便利さ,物質的豊かさのほかに,今や心の潤いを強く求める時代に変化し,人々の個性と創造性を伸ばし,心豊かな人間性をはぐくむことのできる環境づくりが求められていると思うのであります。 こうしたことから,本市が昭和59年度から3期15年という遠大な構想のもとに事業を進めております芸術の森建設は,全国に比類のない夢とロマンを持ったユニークな施設として,市民に憩いと潤いを与えるものであり,完成の暁には,北方圏の拠点都市札幌の誇り得る施設になるものと確信をしている一人であります。 この芸術の森は,市民の芸術活動の高まりと広がりへの期待を背景とした市民の英知によって提唱された「札幌アートパーク構想」を具体化したものであり,21世紀の文化都市札幌のシンボルとして着実に整備されており,昭和61年7月にオープン以来,市民はもとより,道内外から訪れる人々に感動を与え,特に,野外美術館は自然と変化に富んだ地形を生かし,札幌ゆかりの作家を初め,国内の第一線級作家による優れた作品並びにノルウェーの彫刻家グスタフ・ビーゲランの作品が展示されておりますが,NHKの日曜美術館で放映されるなど,大変好評を得ているところであります。 また,芸術の森の南側隣接地では,芸術文化関連の企業誘致を図り,本市の産業文化の振興にインパクトを与え,新しい芸術文化の創造と経済の活性化を促すためのアート団地計画があり,また北側隣接地には,北の新しい文化を創造し,産業の発展及び地域の活性化を図る芸術関係の人材育成を行う芸術系新大学の建設など,この一帯が一大芸術ゾーンとして整備されることになり,今後,新しい時代をリードする芸術空間として,さらに,北の文化の発信地として,より一層発展することが期待されているのであります。 このような観点から,3点についてご質問をいたします。 その第1点は,彫刻の作品についてでありますが,現在,シンボル彫刻やビーゲランの作品を除いては,現代の日本作家の彫刻を中心に設置されておりますが,世界の文化施設を紹介する国際専門誌「ザ・スカルプチュア」にも掲載されるなど,国際的にも著名になってきている芸術の森には,毎年多くの外国の方々が訪れているところであります。 一方,将来に向けて国際都市さっぽろを目指す本市の施策にかんがみ,今や北方圏のみならず,グローバルな視点に立ったレベルの高い施設づくりを第3期構想にあっても目指すことが肝要であると考えるのであります。 このような視点に立って,広く海外にも目を向けた外国の有名作家の彫刻を設置することにより,野外美術館に大きなインパクトを与え,世界に誇り得る彫刻美術館にすべきと考えるのでありますが,市長のお考えをお尋ねいたします。 質問の第2点目は,冬のイベントの充実についてであります。 芸術の森では,昨年から冬場におけるイベントとして,子供たちから大人まで楽しめる「遊びの場」や「ふれあいの場」を多くを取り入れたウィンターアートウィークを開催しており,大変好評を得ているようであります。 そこで,他都市の冬の催しについて調べてみたのでありますが,その一つとして,企業15社から成る民間の協力を得て,雪国振興対策として「雪と氷の博覧会」を計画し,第1回目のことしは,長野県大町市と新潟県十日町市で開催され,その内容は,雪と氷と寒さを利用した新しいスポーツ,観光,ファッションなどを開発・展示し,雪国の活性化を図ると同時に,北海道,東北,信越などの豪雪地帯の市町村が集い,雪国の現状と可能性を話し合う首長サミットを行うというものであります。 私は,芸術の森の活動の場を広げるためにも,このような民間との協力の機会をふやして,地域の活性化にもつながるイベントを企画していくべきと考えますが,見解をお聞かせいただきたいのであります。 第3点目は,交通問題についてであります。 芸術の森の施設は年々充実・整備され,また,隣接地にはアート団地,芸術系新大学の建設も進められておりますことから,芸術の森方面に向かう利用客はますます増加するものと推測されます。それゆえ問題となりますのは,これらの利用客の足の便であり,また支笏湖線の交通混雑であります。 現在,主な公共交通機関としては,地下鉄真駒内駅から出ている中央バスのみであり,この乗り継ぎの待ち時間が市民に対し不便であるとか,芸術の森が遠いという印象を与えているものと考えられます。 そこで,この芸術の森への輸送手段を改善するため,バスを増便するとか,できれば別の輸送機関,それも芸術の森の自然環境に調和した交通システムの導入はでき得ないものかどうか,お尋ねしたいのであります。 その際,かねてから問題となっております石山・藤野地区の足の便もあわせて検討すべきではないかと考えるのであります。 この地区は,かつて市の長期総合計画において,地下鉄の導入が計画された経緯があり,住民はいまでも,将来この地区に地下鉄が延長されるものと期待しております。本市がこれまでに行った何回かの交通調査によりますと,現状では地下鉄を建設できるほどの輸送需要が確保できないとのことでありますが,現在,この地区では藤ケ丘パークタウンの大規模開発が進められておりますし,芸術の森方面でのプロジェクトの進捗状況を考えますと,今後はかなりの輸送需要が確保されるのではないかと思われます。したがって,芸術の森,石山,藤野地区を結ぶにふさわしい交通システムを検討してはいかがかと考えますが,市長のご所見をお伺いいたします。 次に,エレクトロニクスセンターの活性化と先端産業の振興についてお伺いいたします。 平成元年度の政府予算案を見てみますと,内需主導型の安定成長に向け高い伸びを見せており,この点からも,わが国の景気の動向は,今後とも引き続き拡大の方向に向かうものと思われるのであります。 このような景気拡大の局面にあって,本市の今後の産業動向を考えますとき,私は第3次産業に偏った本市の産業構造を考慮しないわけにはいかないのであります。 申し上げるまでもなく本市の産業構造は,人口の集中に伴い,第3次産業の集積が著しく,全従業者数に占める割合は80%を超えている状況であります。反面,製造業を中心とした第2次産業の割合は20%弱と,本市の都市化に伴う卸,小売,サービス業等の伸長により,そのウェートは低下しており,都市の健全な産業発展を考えた場合,必ずしも均衡のとれた産業構造を形成しているとは言えない状況にあると思うのであります。 こうしたことから,本市においては,足腰の強い産業づくりを目指し,第3次長期総合計画においても,「本市経済・産業の育成振興に力を注いでいるところであり,特に21世紀を見据えた国際化,情報化,技術革新などの潮流に積極的に適応していくために,サービス業はもとより,先端産業,情報産業等の都市型産業を振興していく必要がある。」としているのであります。 この点を考慮されてのことと思いますが,本市では昭和61年12月に,画期的な試みとして札幌市エレクトロニクスセンターを建設したわけであります。この施設については,すでにご承知のとおり,本市の未来を担う先端産業の育成と地場産業の質的向上を目的として,特に,先端産業分野において最も波及効果の高いエレクトロニクス関連技術の研究開発の場として,また,札幌テクノパークの中核として建設されたものであります。しかしながら,建設時から2年余を経過し,この間に急速なコンピューター技術の進展並びに関連機器の価格の低下,さらには,高度なコンピューターが一般的に使用されるようになる等,センターを取り巻く環境は,徐々にではありますが変化を見せてきていると思うのであります。 このような環境変化の中にあって,限定された機器の使用,サービスから,広く利用者の要求にこたえるセンターへと移行していくことが必要であると考えるのであります。 一方,本市が現在推進をしている先端産業の育成・支援,特に先端産業団地づくりに関する基本的な考え方でありますが,テクノパークの第1期分譲では,地元中堅ソフトウェア業を中心に誘致し,第2期では,比較的大手企業の研究開発部門を誘致しているようであります。すでに,かなりの売れ行きと聞き及びますが,この第2期分譲の後は,ハイテクヒル真栄がすでに基本計画策定を終え,実施設計の段階にあるやに伺っております。 ただ,私が思いますには,テクノパークの分譲以後,本市として,今後先端産業の育成・支援に関し,どのような基本的な考え方に立ってこれを推進していくのかということであります。 一口に先端産業と言いましても,非常に幅広く,従来のようなソフトウェア,システムハウスを中心に育成・振興されようとしているのか。本市の産業構造を踏まえ,育成・支援の方針を定める時期に来ているのではないかと思うのであります。 また,先端産業の育成・支援については,テクノパークのような基盤の整備も重要なことと思いますが,それと同時に,個別企業の育成・振興も重要なことと考えるのであります。特に,この業界は歴史も浅く,必ずしも経営基盤が万全とは言えない面があり,この点についても,育成・支援の方策を定めるべきと考えるのであります。 以上の観点から,次の3点について市長のご所見を伺いたいと思います。 1点目は,エレクトロニクスセンターの現況,課題と,今後の果たすべき役割についてであります。 テクノパークが先端企業の集積を進めるに当たって,エレクトロニクスセンターの果たしてきた役割は大きなものがあったことは,私も認めるところであります。 しかし,聞くところによりますと,機器の使用実績もいま一つのようでありますし,また急速に進むコンピューター技術に必ずしも的確に対応できない部分があるのではないかと思うわけであります。エレクトロニクスセンターが,今後,本市の先端産業の発展にどのような役割を果たしていこうとするのか。特に,この業界において必要欠くべからざる人材の育成等,ソフト面の充実が必要と思うわけでありますが,その点をまずお伺いしたいのであります。 また,当センターは,テクノパークの中核的施設として,本市が主導的に建設したものであります。このような,市の積極的な施策の展開が先端企業の誘致を促進し,大きな成果をもたらしたわけでありますが,さらに一層の集積効果を上げるため,たとえば,本市の情報管理センターなどをこの地域に移転されてはどうかと考えるわけでありますが,いかがでありましょうか,お聞かせ願いたいのであります。 2点目は,本市の先端産業の進むべき方向であります。 先ほどから申し上げておりますように,本市は全国の主要都市に先駆けて,先端技術産業団地を造成・分譲するとともに,業界の育成支援を行い,大きな成果を上げてきたわけでありますが,近年の技術革新,さらには国際化等の進展に合わせ,新たな先端技術産業の振興策が求められてきているのではないかと思うのであります。本市の目指す都市像に合致した産業構造の形成,特にテクノパーク,真栄以降の先端産業の振興についてどのようにお考えなのかお伺いいたします。 3点目は,テクノパークと立地企業の育成振興についてであります。 ご承知のとおり,ソフトウェア,システム・ハウス等の業界につきましては,いまだ,その経営基盤が浅く,ともすれば計画性に欠ける経営を行っているところが多いやに聞いておりますが,特に,技術者が経営者をされているケースが多く,利益管理,労務管理等にいろいろと問題を抱えているようであります。このような問題への対処につきましては,個々の企業の置かれている環境,立場などによって多少の違いはあると思いますが,経営改善等の努力もさることながら,やはり受注を活発にし,企業に活性化を与えることが何よりも必要なことと考えるわけであります。 確かに,高度で大規模なシテスム開発等については,地元企業のみで対応することは困難なことと思いますが,ある一部分については,地元企業でも協力できるのではないかと考えるのであります。このような地元企業の積極的活用を含め,本市として,今後どのような育成・支援を行っていかれるのかお伺いしたいのであります。 最後に個人情報の保護に関する条例についてお尋ねいたします。 近年の情報化社会の進展は,社会,経済,文化等のさまざまな分野において,人々の活動領域を広め,生活に豊かさと便利さをもたらしておりますが,一方において,既存の社会制度が情報化の進展に即応しきれないことから,いろいろな問題が顕在化してきております。中でもプライバシーの保護をめぐる問題は,市民生活にも深く関係を持つものとして関心を集めているところであります。情報処理及び通信の飛躍的な技術革新に伴い,データの大量かつ迅速な処理が可能となり,個人に関する種々のデータが収集,記録,利用されることによって,プライバシー侵害の危険性は,従来に比べて一段と増してきているのであります。 それに伴って,市民のプライバシーについての権利意識が高まり,プライバシーに対する考え方も,従来の一人にしておいてもらうという消極的なものから,自己に関する情報の流れをコントロールしたいとする積極的なものに変化しつつあります。 このように,情報化社会の進展と市民の権利意識の高まりとが相まって,プライバシー保護についての積極的な対策が早急に必要とされていると思うのであります。このような時期に,本市が保有する電子計算機処理にかかわる個人情報を保護するために条例化を図ることは,時代の要請に応じた適切な措置であると考えるのであります。 一方,国におきましても,行政機関が保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律が公布されましたが,本市の条例案と比較検討いたしますと,まず第1に,思想,信条,宗教にかかわる個人情報を記録してはならないこと。 第2に,個人情報の電子計算機処理を行うに当たって,国・他の地方公共団体等外部のものとの間の通信回線による電子計算機の結合を禁止したこと。 第3に,第三者機関である個人情報保護審議会を設置し,学識経験者等の意見を聞きながら,公正で民主的な方法によって個人情報の保護対策を進めようとしていること。 国の法律と比較して,以上の3点について一応の評価をするものでありますが,いわゆるプライバシー全般について,これを保護していくという観点に立った制度を確立すべきであると考えるのであります。 この場合,具体的な質問に先立ち,昨日の代表質問にもありましたが,本条例案の対象が,本市が保有する電子計算機処理にかかわる個人情報に限定されており,それ以外に,いわゆるマニュアル処理にかかわるさまざまな個人情報が保有されている現状から見ると,プライバシーの保護の観点から見て,この条例案は必ずしも十分なものとは言えないと考えるのであります。したがって,本市としては,マニュアル処理にかかわる個人情報を対象とする,総合的な個人情報保護制度の確立を目指すべきであり,その意味でわが党としても,マニュアル処理にかかわる個人情報も対象とすることを要望しておくものであります。 そこで,本条例案にかかわる基本的な問題について2点お尋ねいたします。 第1点目は,民間部門における個人情報の保護についてであります。 個人情報は,公的部門のみならず,民間部門においても広く取り扱われておりますが,民間企業においては,営業上個人情報を取り扱うもの,個人情報を販売促進に利用するもの,個人情報の収集処理を業とするもの,またはそれを委託されて行うもの等,きわめて広範かつ多様な形態が見られます。 特に,公的部門における個人情報の収集が,基本的には法令の目的等に基づいて行われるのに対して,民間部門においては,利潤追求目的等の多様な目的に従って個人情報が収集されるという違いがあり,プライバシーに関するトラブルの多くに,民間企業が保有している個人情報がかかわっております。したがって,民間部門における個人情報の処理についても,問題が生じないよう適切な対策を講ずることが必要であると考えるのであります。 そこで,本条例案では,民間部門で保有している個人情報については対象としておりませんが,その理由並びに民間部門の個人情報に関する保護についてのお考えをお伺いしたいのであります。 第2点目は,個人情報の適正な維持管理並びに職員の意識啓発についてであります。 電子計算機処理にかかわる個人情報については,一たんその維持管理の適切さを欠きますと,不正確,不完全な情報あるいは更新されないままの情報が長期間にわたって記録,利用されたり,漏えい,改ざん等の問題が発生する可能性があるのであります。その結果,個人についての正しい認識が阻害されたり,個人の秘密が保護されない等の個人の権利利益の侵害のおそれが指摘されております。 そこで本条例案においても,個人情報の電子計算機処理等を行うに当たって,個人情報の正確性を確保するとともに,個人情報の漏えい,改ざん,滅失,棄損等を防止するなど,その安全性を確保するため,必要な措置を講じなければならないとしておりますが,具体的にどのような措置を講ずるお考えなのかお伺いいたします。 また,この制度の適正かつ円滑な運営は,一にかかって職員の制度に対する意識を高めることにあると考えられますが,この点についてどのように考えておられるのか,お答えいただきたいのであります。 以上で,私の質問はすべて終了いたしました。ご清聴を感謝申し上げます。(拍手)
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
(発言者未割当) 発言者未割当
◎市長(板垣武四君) まず,財政問題についてでございます。 第1点目は,国庫補助負担率の恒久化措置による実質的な財源手当ての問題についてでございます。 昭和63年度における経常カットによる影響額6,669億円に対しましては,国負担として,交付税の当該年度加算と後年度加算,また,特例的な地方たばこ消費税での措置によりまして,合わせて4,425億円の実質的な財源手当てがなされたところでございまして,影響額に対する比率は66%と,約3分の2に相当いたしております。 これに対しまして,平成元年度における恒久化措置による影響額は,6,374億円につきましては,国負担として国庫補助金の復元や,国たばこの税の交付税対象税目化,交付税の後年度加算,さらに地方たばこ税の措置によりまして,合わせて4,750億円の実質的な財源手当てがなされ,影響額に対するこの比率は75%と,4分の3に相当いたしているわけでございます。したがいまして,平成元年度の決着につきましては,地方にとって実質的な財源手当ての面でも,まあ相当な前進があったものと考えておりますし,また,国と地方との安定的な財政関係を維持していく面からも,望ましい方向に進んだのではないかと,こう受けとめているところでございます。 質問の2点目は,消費税にかかわる市民への転嫁についてでございます。 まず,一般会計について,消費税にかかわる納税額が発生しないということについてでございますが,これは,一般会計の性質が,種々の行政を総合的に経理する会計であることなどから,特例的に納税額が生じないものとされているものでございまして,一般会計における事業についても,収入支出の両面で3%の消費税がかかるということは,民間等と全く変わらないのでございます。 そこで,消費税相当分を受益者に対して全く転嫁を行わなければ,本来受益者が負担すべき消費税を,そうでない一般市民が負担をするという結果となり,不公平が生じることになりますことから,消費税相当額については,受益者に負担していただくこともやむを得ないものと判断をしたものでございます。 次に,市民負担の軽減・緩和策についてでございますが,昨日の柴田議員のご質問にもお答えを申し上げましたが,市民生活に与える影響を考慮いたしまして,できる限りの負担軽減策を講じたところでございます。 具体的に申し上げますと,日常生活に特にかかわりの大きいと考えられます市営住宅使用料につきましては,その影響等を勘案し,実施時期をおくらせたところでございます。また,各種証明手数料などのほか,保検診療や福祉施設につきましては非課税となっておりますことから,これに準ずる保健所,母子訓練センター等の使用料などにつきましても据え置くことにいたしたものでございます。 さらに,一般会計における新料金の設定に当たりましては,10円未満の端数を切り捨てることとし,少しでも市民の負担を軽減することに努めたところでございます。 第3点目のまちづくり推進基金についてでございます。 このまちづくり推進基金は,公園整備,文教施設整備及び団地の3基金を統合して,あわせてエイトビル売却収入の一部を投入して新たに設置するものでございまして,その弾力的な運用により,現在急速に進展してきております国際化,情報化あるいは高齢化社会に柔軟に対応し,ご指摘にもございましたように,来たるべき21世紀を見据えました計画的,効果的な事業の推進に資するものでございます。 具体的に申しますと,従来の目的に沿った事業に加えて,大通公園の再整備やコンベンション都市づくりなど,長期総合計画に基づく21世紀プログラムを中心とした事業に積極的に活用してまいる所存でございます。 したがいまして,財政調整基金は,いわゆる年度間の財源調整を図ることによりまして,安定的な事業の執行を確保するものでございますし,また,このまちづくり推進基金は,ただいま申し上げましたような計画的,長期的な事業に充当してまいりたいと考えているところでございます。 次に,交通事業につきましての問題であります。 まず,第1点目の,今回の料金改定に当たって,暫定料金を設けない理由はなぜだということについてでございますが,これは,昭和59年6月の改定以来すでに4年半以上を経過し,財政状況は非常に悪化をしてきていることが大きな理由でございます。また,今回の改定案は,消費税の転嫁を含めましても,前回より低い改定率となっていること。さらにバスにつきましては,前回,本市とほぼ同時期に料金改定を行いました他の大都市の多くは,本市の改定案より高い水準にあること等を考え合わせまして暫定料金を設定しなかったものでございます。 次に,利用者に対する料金制度上の配慮でございますが,まず週休二日制の拡大等を考慮いたしまして,路面電車及びバスの通勤定期料金の割引率を,現行の25%から28%にいたしたいと考えております。また,バスの2区回数券や地下鉄専用の一日乗車券をそれぞれ新設をして,利用者サービスの一層の充実と乗客誘致に努めたいと考えております。 ご質問の第2点目の市民サービスの向上についてでございますが,このことにつきましては,市営交通をより快適で利便性の高いものにするために,これまでも努力をしたところでございますが,高齢化社会の進展にも配慮をして,今後ともその向上に努めてまいりたいと考えております。すなわち,地下鉄につきましては,廃熱利用による都心駅舎の冷房化や,南北線の車両の更新を実施いたしますとともに,エレベーター等の設置が構造上可能な駅につきましては,財政状況等を考慮しながら,その整備に鋭意努めてまいりたいと考えております。 次に,バスにつきましては,車両の更新を初め,バス待合所,バス停の日よけ,電照式標識の増設など停留所施設の整備を順次行い,路面電車につきましては,老朽化が著しくなっております車両の改修を計画的に行いますとともに,安全性の確保や快適性の向上を図るために,軌道の改良に努めてまいりたいと考えております。さらに,心の込もった接遇が市民サービスの原点でありますことから,研修の充実など職員教育の一層の徹底を図ってまいる所存でございます。 次に,第3点目の乗継ぎ料金制度の民営バスへの拡大につきましては,これまでも市営バス並みの適用の拡大等に努めてまいったところでございますが,昨年12月に開業いたしました東豊線栄町駅に連絡をする中央バスの4路線につきましても,乗継ぎ料金制度の適用について実現を見たところでございます。この制度の民営バスへの拡大及び格差の是正につきましては,バス事業者側において相当の減収になることなどから,難しい問題もございますが,利用者間の負担の公平を図る見地から,今後とも関係事業者に強く要請をしてまいりたいと考えております。 次に,水道事業の第1点目の給水サービスの充実についてでございます。 ご質問のように,審議会の答申の中で,給水サービスの充実を図るようにとの提言がなされており,その内容は,第1に,給水管の集約と私道への配水管・配水補助管の布設。第2に,自動検針システム等の積極的な研究と早期の導入。第3に,給水装置の点検と相談及び簡単な修繕などの訪問サービスを可能とするシステムの検討。第4に,きめ細かな広報活動と市民が必要とする情報の提供を行い,市民要望に適切に対応をしていくこと,などでございます。 私どもといたしましても,今後の水道事業運営に当たり,市民の深い理解と協力が必要であると認識をいたしておりまして,その意味から,この提言を前向きに受けとめ,積極的に推進してまいる所存でございます。特に,訪問サービスは初めての試みであり,市民サービスの重点事項と位置づけ,順次地域を設定をして実施をしてまいりたいと考えております。 第2点目の有収率の向上対策についてでありますが,ご指摘のとおり,水資源あるいは水道財政にとってきわめて重要な課題であり,従来から積極的に対策を講じているものでございます。具体的には,この有収率の向上を図るため,漏水箇所の早期発見・修理,老朽配水管の更新やふくそうした給水管の集約,漏水防止に効果があるブロック配水等の対策を実施してきております。今後とも,これらの対策を積極的に推進をし,さらに有収率の向上に努めてまいりたいと考えております。 第3点目の企業債の問題についてでございます。 一つ目の企業債の未償還残高の今後の動向についてでございますが,過去7期にわたる拡張事業の実施によりまして,企業債の未償還残高は,ご指摘のとおりこれまで増加の傾向をたどっております。今後は,従来の拡張事業から施設整備事業への転換による事業量の減少に伴い,その財源である企業債の借入れにつきましても,減少傾向となるものでございます。したがいまして,ただいまの予測では,企業債の未償還残高は,平成7年ごろをピークとして,徐々に減少していくのではないかと考えております。 二つ目の借入金依存体質の問題でございます。 この対処の方法につきましては,審議会の答申におきましても提言がなされておりますとおり,企業債の借入れに伴う借入れ条件の緩和を関係各機関に強く要望すること。次に損益ベースへの段階的な移行を図ることとしております。したがいまして,今後ともこの答申を受けて努力をいたす所存でございますが,特に,損益ベースへの移行につきましては,昨日の柴田議員の質問にもございましたが,長期展望に立って,市民負担のことも十分念頭に入れながら,これは慎重に検討してまいりたいと考えております。 次に,私から芸術の森関係についてお答えを申し上げます。 1点目の作品設置についてでございますが,第1期につきましては,北方の風土を生かす,札幌や道内ゆかりの作家を初め,国内第一線の作家を主体に選定をいたしましたが,そのほか北方圏との交流を図る意味から,ビーゲランなどの外国作家の作品も設置をしてまいりました。第2期につきましては,ご指摘のように,本市の国際化をより推進するためにも,広く海外に目を向け,国際色豊かな芸術の森を目指したいと考えております。したがいまして,引き続き,国内を代表する作家や著名な海外作家の作品を,できるだけ広く設置をするように検討してまいりたいと考えております。 2点目の冬のイベントの充実についてでございますが,現在,芸術の森では,冬のイベントとして,造形作家による雪像展,舞踏家による野外パフォーマンス,札幌交響楽団によるワインコンサートなど,さっぽろ雪まつりとは一味違うウインターアートウィークを開催をいたしまして,市民の方に楽しんでいただいております。なお,お話のとおり,民間の自由な発想,創意工夫あるいは資金を活用してのイベントも必要であると考えられますので,今後,十分検討してまいりたいと存じます。 3点目の交通問題についてでございますが,芸術の森利用客の足の便としては,これまでも利用客の増加にあわせて路線バスの増便を働きかけ,現在,1日72便が運行されておりますけれども,これでは決して十分な状況とは言えませんので,さらに中央バスに増便を要請してまいりたいと考えております。また,新年度からバス1台を購入をして,一定の場所から芸術の森に無料送迎をするなど,利用客のサービス向上に努める予定でございます。 さらに,新しい交通システムの導入につきましては,今後の芸術の森,アート団地等の利用客の増加状況,道道札幌支笏湖線の交通状況,あるいは,ご質問にございます地区の開発動向等を見きわめながら考慮をしてまいりたいと考えております。 私から以上でございます。
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) 桂助役。
(発言者未割当) 発言者未割当
◎助役(桂信雄君) 私からは6番目と7番目についてお答えをいたします。 まず,経済問題についてでございますが,1点目の札幌市エレクトロニクスセンターの現況及び課題と今後の果たすべき役割についてでございますが,当センターは,札幌テクノパークの中核的な施設として,立地企業等の支援を目的に建設したものであります。しかし,建設から2年余を経過いたしまして,この間に,コンピューター技術の進展とこれに伴う機器価格の低廉化等によりまして,一部機器の使用が当初の見込みを下回るなど,使用実績についてはご指摘のとおりであります。今後につきましては,技術の進展に対応した機器の導入及びサービスが行え得るよう,今後の当センターの機能向上をも含めて,学識経験者,産業界等の構成による先端技術産業振興会議を設置して検討してまいりたいと考えているところであります。 また,人材育成につきましては,従来から進めてまいりましたシグマサブセンターの機能に,高度な情報処理技術者の養成機能をつけ加えた「地域産業情報高度化事業」が来年度の国の施策として実施される予定でありまして,本市といたしましても,これに積極的に参加してまいりたいと考えております。 本市の情報管理センターの移転についての問題でございますが,当管理センターは,現在,65種の業務をコンピューターで処理しております。その多くが集中一括処理であるために,入力票の収集や出力帳票の配布等の便宜を考慮して庁舎内に設置いたしているものであります。今後におきましては,各業務のオンライン化等,コンピューターの高度利用が進んでいきますことから,当管理センターの設置場所のあり方につきまして,本庁舎利用の適否あるいは当管理センターを移設する場合の費用等の問題を総合的に判断し,長期的展望に立って検討してまいりたいと思っております。 2点目の,今後の先端産業の振興についてでございますが,お話のとおり,テクノパークの分譲が順調に推移しており,真栄についても来年度から開発に着手したいと考えておるところであります。先端産業の振興といいましても,現在までのところは情報産業を中心に進めてまいっておりますが,これは,情報産業があらゆる先端産業に基礎的な技術を提供するものと考えられるからであります。この集積は,現にテクノパークにおいて実現しつつありますので,今後につきましては,既存の製造業分野との交流を進め,本市製造業全体のハイテク化を進めていくことが必要であると考えております。この点も含めまして,先ほど申し上げました先端技術産業振興会議において,十分検討してまいる所存でございます。 3点目の地元企業の育成・振興についてでございますが,ご指摘のとおり,先端産業は創業間もない企業が比較的多く,経営管理上の問題を抱えているようであります。本市といたしましても,これら企業の経営基盤の安定が図られるよう,工程管理や財務管理等の研修事業を実施してまいりたいと考えております。また,現在進めております企業誘致は,先端産業はもとより,各種製造業にとりましても,受注機会の増大等の市場拡大をもたらすものと考えており,今後とも引き続き努力してまいりたいと思います。 次は,個人情報の保護条例についてでございます。 まず,ご要望のありましたマニュアル処理にかかわる個人情報の保護につきましては,昨日,宮口議員のご質問にもお答えしましたとおり速やかに検討を進めてまいりたいと考えております。 次に,第1点目の,民間部門における個人情報の保護につきましては,公的部門と同様に重要な問題であると認識しております。しかしながら,民間企業における個人情報の取り扱いに関して,条例により規制を行うということは,企業活動が地方公共団体の区域を越えて行われていることもあり,実行面で制約がございますし,地域によって規制が異なりますと,経済取引や情報流通等の面で混乱が生ずるおそれもございます。したがいまして,民間部門における個人情報の保護につきましては,全国レベルで具体的に措置されるべきものでありますが,本市といたしましても,国の動向を見守りながら研究してまいりたいと考えております。 第2点目は,個人情報の適正な維持管理並びに職員の意識啓発についてでございます。 まず,個人情報の適正な維持管理についてでございますが,個人情報の正確性を期するためには,データ入力時の照合及び確認など,チェック体制を確立するなどの措置を講ずることによって,また,安全確保のために,管理規定及び電子計算機設備の整備を図ることによって,その維持管理に万全を期してまいりたいと考えております。 次に,職員の意識啓発につきましては,制度の具体的運用手引を作成し,組織的な研修を行うとともに,庁内広報誌などを通じて職員の意識啓発を行い,制度運営に遺漏のないよう努めてまいる考えでございます。以上です。
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) 蒲谷助役。
(発言者未割当) 発言者未割当
◎助役(蒲谷亮一君) 福祉の問題についてお答えをいたします。 まず,在宅老人の福祉対策,とりわけホームヘルパー派遣事業,デイ・サービス事業及びショートステイ事業に対する本市の基本的な考え方についてでございます。 お話にございましたように,国におきましては在宅福祉を推進する観点から,これらの事業を重視した予算を計上しているところでございます。特に,介護の三本柱の一つとされておりますホームヘルパー派遣事業は,在宅福祉対策の中核的役割を果たすものとして,今後さらに需要が高まっていくものと予想をされ,利用者のニーズも多様化していくものと考えております。したがいまして,この事業の充実・強化につきましては,一層効率性,柔軟性が発揮できる登録制のヘルパー制度の創設や公社方式の検討など,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 また,デイ・サービス事業やショートステイ事業につきましても,これまでも計画的に整備をしてきているところでありますが,今後とも特別養護老人ホームの新設・改築時に合わせて,十分配慮してまいる所存でございます。 次に,ボランティア活動についてでございます。 第1点目のボランティア団体に対する交通費の助成拡大についてでございますが,地域福祉,在宅福祉を一層推進するためには,ボランティアの養成とその活動の活性化が最も重要な課題であると私どもも考えております。したがいまして,本市ではボランティア基金を設置し,その果実によりボランティアの研修費や交通費の助成を行うなど,活動の振興を図っているところでございます。 ボランティア団体に対する助成に当たりましては,基金の果実をより多くの方々に活用していただくため,限度額を設けておりますが,ボランティア活動を一層助長するために,基金の造成状況を見きわめながら,交通費に対する助成の拡大について,積極的に検討をしてまいりたいと考えております。 第2点目は,ボランティア基金の管理運営についてでございます。 この基金の管理運営につきましては,当初,札幌市社会福祉協議会に委託することも検討したところでございますが,基金の設立当初の円滑な運営を確保するため,本市がこれに当たってきたところでございます。しかし,基金設置後4年を経過し,その運営が軌道に乗ってまいりましたので,地域福祉の推進に積極的に取り組んでおります札幌市社会福祉協議会などの民間団体に委託することも検討をしてまいりたいと考えております。 第3点目のボランティアの預託制度についてでございます。 本来,ボランティア活動は,自発性,奉仕性,無償性の三つの要素を基本理念としておりますが,高齢化の進展に伴って,福祉ニーズの増大が予想される中で,お話にもありましたように,相互扶助の考え方を取り入れたボランティア預託制度が,近年,一部の自治体において実施をされてきております。 本市といたしましても,これからのボランティア活動の活性化の一つの方法として,預託制度を含めたボランティアの有償化について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。 代表質問の続行であります。長岡武夫君。 (長岡武夫君登壇・拍手)
(発言者未割当) 発言者未割当
◆長岡武夫君 私は,ただいまより,自民クラブ議員会を代表いたしまして,本定例会に付託されております議案並びに当面する市政の諸問題につきまして,順次,質問をいたします。 質問に先立ちまして,去る1月7日,昭和天皇のご崩御に接し,心から哀悼の意を表する次第であります。 まず,財政問題についてでありますが,最初に,一般会計を中心とする平成元年度予算案についてでありますが,国の財政状況を見てまいりますと,国債残高が昭和63年末で158兆円程度と見込まれ,依然として巨額に上っているのであります。このような状況の中で,国は,特例公債依存体質から脱却して,公債依存度の引下げに努めることを予算編成の最大の目標に掲げ,現に策定された予算案においても,特に,赤字国債については,前年度に比較して1兆8,200億円を減額し,前年度の半分以下の1兆3,310億円にまで縮減しているのであります。これにより,従来から掲げてきた「平成2年度には赤字国債発行額をゼロにする」という財政再建の目標は,ほぼ達成されるであろうと発表しております。これは,厳しい財政状況の中にも一縷の望みが見えてきたことであり,また,景気拡大に伴う税収増や消費税の導入などにより,財政事情の好転が予想され,今後,より積極的な財政運営が期待されるのであります。 一方,地方財政でありますが,これも国と同様,多額の借入金を抱えるなど,引き続き厳しい状況にはあるものの,平成元年度の収支見通しでは,地方税,地方譲与税,地方交付税といった一般財源の比率が高まるなど,財政構造の好転も見られ,歳入歳出規模は,前年度比8.6%増という,ここ10数年にない高い伸び率となっているのであります。 また,懸念いたしておりました補助金カット問題につきましても,生活保護費で一部補助負担率が復元され,社会福祉関係の措置費等につきましても,現状の率で恒久化されるかわりに,地方の財源として国たばこ税を地方交付税の対象税目とするなど,地方にとって一定の評価のできる整理がなされたところであり,事業量確保の見地から,暫定措置が2年間継続となった公共事業の補助負担率カットについても,臨時財政特例債により当面の措置が講じられており,総じて判断すれば,かなりの評価はできるものではないかと考えるものであります。 次に,提案されております本市の新年度予算案について見てまいりますと,総計では4.3%の伸び,一般会計では6.8%の伸びとなっており,前年度の伸び率あるいは地方財政計画の伸びから比べますと,やや低い感じがありますが,一般会計の伸び率は,国の予算や北海道開発予算の伸びを上回るものであり,さらに,その内容を見ますと,経費の節減等により,経常費について伸びを抑え,その分,臨時費に回しての努力の跡が見受けられ,結果として,事業費が11.2%という高い伸び率となっているのであります。 このように考えますと,この予算案は,5年計画の2年次目として,本年は,特に分区を契機とした地域新時代の幕明けの年として,最大限努力をした結果のものであると思うのであります。 以上,私なりに本市予算の背景をなす国の予算,地方財政の姿を眺め,市長が提案されております新年度予算案について概括的に述べてまいりましたが,これらを踏まえて,次の点についてお尋ねいたします。 本市財政の長期的展望と運営に当たって,基本的な考え方についてであります。 国も予算の編成に当たっては,経済見通しと経済運営の基本的態度を決め,これに基づきながら具体的な編成作業を進めるわけでありますが,本市の場合においても,同様な考え方で予算編成がなされているものと思われますので,予算案の中身に入る前に,まず,本市財政の長期的な展望について,どのようにとらえ,どのような財政運営をなさろうとされているのか,市長の基本的な考え方をお伺いいたしたいのであります。 第2点目は,地方交付税の63年度における見通しと平成元年度予算への計上の考え方についてであります。 本市は,本年度40億円の減額補正するという,62年度の交付税決定額785億円余から比較し,実に50億円以上の減額となる勘定となるわけであり,市税増収の振りかえだとはいえ,これは,大変大きな減収となるわけであります。 また,新年度における全国ベースの交付税総額は17.3%という,非常に高い伸び率となっているわけでありますが,予算計上されております本市の交付税は63年度当初予算からしますと1%の減,減額補正後の額からしましても4.4%程度の増というように,きわめて低い伸びのように感ぜられるわけでありますが,そこでお伺いいたしたいのでありますが,交付税の本年度の決算見込みをどのようにとらえておられるのか。また,元年度の交付税をどのように積算し,計上されておられるのかお伺いいたします。 次に,企業会計である交通財政についてお尋ねいたします。 本市の交通事業は,市民の足として重要な役割を担いながら,市勢の発展とともに着実な歩みを続け,いまや欠くことのできない都市基盤施設となっているのであります。しかしながら,最近における交通事業の経営状況を見てみますと,特に,高速電車事業につきましては,輸送需要の伸び悩み,地下鉄建設補助金の繰り延べや資本費の増大などにより,年々経営が悪化し,昭和62年度末の累積欠損金は約846億円という膨大な額に達し,さらに,62年度決算において,地下鉄開業以来,初めて資金不足が発生する事態となったのであります。 一方,一般交通事業におきましても,輸送需要の落ち込みや人件費の増加などにより,その経営収支は,昭和61年度以降,急速に悪化の傾向を示しているのであります。 このような憂慮すべき状況を打開するために,市長は,昨年12月,「交通事業の今後の健全な運営管理方策」について札幌市営企業調査審議会に諮問をし,この2月2日にその答申を受けたのでありますが,私は,今回の答申を拝見いたしまして,これまでにない内容のものが盛り込まれていると感じたのであります。 その一つは,バスターミナル等の乗継ぎ関連施設の整備については,総合的に都市政策を担当する一般行政が積極的に対応すべきこと。二つ目は,これまでにない強い調子で,労働生産性の向上,業務委託の推進などの企業内努力を求めていること。さらには,経営基盤の強化を図っていく上で,附帯事業の拡大などの増収対策に努めていくことなどであります。 これらは,いずれも交通事業が今日置かれている厳しい財政状況を打開していくに当たっての,きわめて有効な方策と考えられるのでありまして,まさに,今後における交通事業の運営の大きな指針となるものであると思います。 そこで,今回の答申を踏まえながら,今後における交通事業の経営安定化策につきまして,次の点についてお伺いいたしたいのであります。 まず第1点は,地下鉄,バス,路面電車の利用者増を含めた総合的な増収対策についてでありますが,私は,長期的視点から交通事業の経営を考えた場合,その経営基盤の根幹をなす乗車料収入を初めとする事業収入の確保をいかに図っていくかが,最も重要な課題であると思うのであります。 本市は,これまで,乗継ぎ料金制度の拡大を初め,駐輪場の整備,バス専用レーンの拡充など,利便性の向上による利用者増対策に取り組んでおりますが,低迷を続ける輸送需要を喚起するためには,今後,一層,快適性や利便性の向上を図り,魅力ある乗り物にする必要があると考えるものであります。 あわせて,私は,輸送需要の促進を市当局にのみ求めるのではなく,地下鉄を初めとする市営交通は,「市民みんなの貴重な財産である」という認識を新たにし,大いに利用してもらう運動展開がまことに大事なことであると考えるのであります。 さらには,経営基盤安定のための対策として,附帯事業の拡大が答申の中で触れられておりますが,私も,民営的な発想に立ち,早急に検討を進めてはいかがかと思うのでありますが,市当局としては,経営基盤安定策の一環として,今後,どのように増収対策に取り組んでいかれるのかお伺いいたしたいのであります。 質問の第2点は,答申にもあります経費節減のための地下鉄事業にかかわる高金利債の借りかえについてであります。 私が改めて申し上げるまでもなく,地下鉄事業は,膨大な投下資本を必要とし,建設費の90%を企業債,すなわち借金で賄っていることから,その元利償還額はきわめて巨額なものとなっております。ちなみに,元年度予算を見ますと,建設にかかわる企業債利息は約276億円,元利償還金は約120億円,合計約396億円に達し,これは,年間乗車料収入の約1.5倍になっており,このことが,地下鉄の財政収支を構造的に悪化をさせる要因となっております。 このように,資本費負担の増大によって発生する資金不足を,昭和63年度から資本費負担緩和分企業債の発行によって措置することとなっておりますが,これも借金でありますから,できるだけ発行額を抑えることが必要であると考えるものであります。 そこで,62年度決算を見ますと,現在の金利水準から見てきわめて高いと思われる7%以上の企業債残高が2,000億を超えており,これを,もし安い金利のものに借りかえることができるならば,資本費負担が軽減され,ひいては,経営収支の改善に大きな効果を及ぼすものと考えるものであります。この借りかえ措置についてお伺いいたします。 次に,水道財政についてお伺いいたします。 水道は,市民にとって一日たりとも欠かすことのできない大切なものであり,日常生活や都市の諸活動を支える重要な基盤施設の一つであります。そのためには,まず水源の確保を早期に手当てしておくことが大切であり,このために,札幌市はいち早く豊平峡ダム建設に参画し,水源を早目に確保しておいたことが,今日までに大規模な断減水を引き起こすこともなく安定した水の供給ができた大きな理由となっております。 また,現在,次期水源となる定山渓ダムが平成元年度に完成を予定しており,将来,平成17年度ごろまでの給水需要に十分対応可能と見込まれているわけでありますが,また,一方では,ダム稼働に伴い,新たな経費がかかってくるものと推察され,それが財政を圧迫する要因の一つになってくるのではないかと思うのであります。 また,このダムによる水源の確保にあわせて,水を供給する施設づくり,さらに,既存施設の維持,改良,更新等の事業も推し進める必要があり,これらは,その財源の大部分を企業債により賄っていることからして,支払利息等による資本費の増高により,これが財政悪化の要因となってくると思われるのであります。 このような事情を考慮して,審議会では,その答申の中で,今後とも建設と維持管理の両面にわたり業務を見直しを行うなど,効率的な経営に向け,最大限の努力を払うべきであると示されております。このような審議会の提言を踏まえて,次の3点についてお伺いをいたします。 まず第1点でありますが,定山渓ダムを見ますと,さきの豊平峡ダムと比較した場合,建設年次が異なるとはいうものの,建設期間は2倍を要し,総事業費は84億円から800億円と,およそ10倍に近い金額となっております。その影響は,従前とは比較にならないほど大きなものとなっていると思うのであります。 そこで,定山渓ダム稼働によって新たに発生する経費として,どのようなものがあるのか。その額はどのぐらいになるのかお伺いいたします。また,これら経費増が料金原価を押し上げることによって,市民の負担が急増することは必至であり,これに対して一般会計からの助成について,どのような配慮がなされているのかお伺いいたしたいのであります。 今回提案されている水道料金の平均改定率は18.2%,消費税相当分を含めて21.8%の改定率となっており,市民に対して負担軽減をするために,かなりの工夫・努力をされたようでありますが,やはり負担をしていただく以上,納得のいくものでなければなりません。そこで,今回,料金改定に当たっての基本的な方針及びその理由をお尋ねいたしたいのであります。 最後に,水道事業の経営の効率化についてでありますが,諸般の情勢もありますが,昭和59年度・料金改定時に策定いたしました4年間の財政収支期間を1年間延長して事業運営を行ってきたことは,確かに経営努力のあらわれであると考えるわけでありますが,しかし水道料金の改定の前提として,まず第1に,経営の効率化と業務改善の推進を図ることで対処しなければならないと考えるのでありますが,このたびの料金改定に当たって,今後,どのような経営効率化を図られるおつもりであるかお伺いいたします。 次に,札幌駅周辺の整備構想についてであります。 札幌駅周辺は,明治13年,札幌・手宮間に,当時としては画期的な蒸気機関車・弁慶号が走って以来,まさに,明治,大正,昭和,平成と実に1世紀余りにわたって,本市の発展とともに歩み続けてまいったところであります。現在使われている駅舎は,鉄道開通以来4代目とのことであり,昭和32年に現在のビルになってから,すでに30年間も過ぎ,多くのお客様に利用され,さらに,札幌市民にも印象深い建物となっております。しかしながら,時代の趨勢とともに,鉄道の位置自体が,道路交通,市街地形成の面から見ても問題点が指摘されるようになり,本市は,かねてより,鉄道高架事業によって昭和53年より建設を始め,10年の長年の努力と930億円の巨費を投入して,昨年11月3日第1次開通を迎え,まずは一段落と言ってもよろしいと思うわけであります。また,昨年12月2日には,引き続き,地下鉄東豊線のうち,栄町から札幌駅部東側を通って豊水すすきのまでの開通したこともあり,札幌駅周辺の様相は大きく変わってきているのであります。 こうした時期でもあり,昨年12月にわが会派全員で駅周辺の現況視察を行ったわけであります。企画調整局開発部及びJR北海道本社職員の説明,案内を受け,駅北側周辺より,高架本体,駅部施設配置の状況,さらに南方面への連絡通路の状況等を見せていただきました。 このことにより,私どもは,駅構内に設けられた東側30メートル,西側20メートルのコンコースが,まことに明るく,ゆったりと往来できること。また,天井,壁等に北海道らしい自然,札幌らしい個性ある表現が見事になされたものであり,旅行者はもちろん,南北に行き交う市民に対しても,心和ませる工夫が施されていることを確認させていただきました。 高架事業によってこのような施設ができ上がり,閉鎖的であった札幌駅部に南北自由通路が配置されるのでありますから,これに連動して当然整備されるべきである南側に一歩足を進めてまいりますと,こちらは,従来の線路跡地がそのままの空間地であり,この区間約70メートルを仮囲いで連絡されており,もとの駅舎内部を通らなければ駅前通に出てまいれません。 ある旅行者は,札幌駅が北口に移ったのではないかと言っており,また,南口が非常に遠くなったという声も聞かれるのであります。また,駅前通から駅のほうを見渡しますと,5階建ての旧駅舎が依然として残っており,その周辺が全く未整備の状態であり,景観上も,国際都市を掲げる本市の玄関口としては,ちょっと寂しい感じを受けるのであります。 何事も一挙に仕上げるというわけにはいかないし,また,札幌駅のように本市の顔とも言うべきところについては,百年の大計のもとに慎重に進めなければならないことも,よく理解できるわけでありますが,仄聞するところによりますと,この部分については,現在,学識経験者並びに建設省など関係機関の方々による委員会で整備構想策定を進めているとのことであり,近々,それなりの方向が示されるのではないかと,私としては大きな期待を寄せているところであります。しかしながら,駅周辺の整備は,緊急を要するものであると考えるわけであります。 そこで,質問の第1点でありますが,在来線跡地などの空間の取り扱いと駅前の整備方針についてでありますが,人口162万人を超えてさらにまだ漸増を続けている本市の超都心に,2万平方メートルにも及ぶ空間が生ずるとのことであります。 先ほど申しました高架下内部に設けられた東西のコンコースに連結させて,南側への連絡通路を整備するとともに,空間地を利用して,札幌を訪れた旅行者が,北海道のゆとりある感じと「詩の街さっぽろ」をアピールできる,ゆったりとした都市空間がここにも形成され,楽しみながら駅前に出てこられるような配慮がされることによって,長過ぎるという通路の苦情も解消されるのではないかと思うのであります。これらの点について,市長のお考えをお聞かせいただきたいのであります。 質問の第2点目でありますが,駅前通は,幅員36メートルで,すでに植栽も終わり,夏の日曜日は,車をストップして歩行者天国として,「札幌プロムナード」と呼ばれて,コミュニティー性の楽しさを発揮しておりますが,いま一つ,こちらと駅方面とは,景観的にも一体としてつながらず,タクシーの駐車場だけが目立ち,市民も憩えるような空間はなく,残念ながら,牧歌の像もかすんでしまうと言ってもよいと思います。 本市の目覚ましい発展と,さらに長年の高架事業という一大プロジェクトが完成されたときは,必然的にこれらが整備されるであろうと期待をしてまいったのでありますが,札幌のメーンロードでもある駅前通との整合性においては,何とかそれらを解決し,歩行者が自然に駅前に渡り,くつろげるコミュニティー性を生み出していただきたいと思うのでありますが,この点の計画と取り組み方についてお尋ねいたします。 質問の第3点目についてでありますが,近年,地価の高騰などのあおりを受け,地下の活用が一段と脚光を浴びてまいりました。特に,積雪寒冷の本市にとって,冬季間の地下通路は,大変市民に喜ばれているのでありますが,札幌駅部については,既存の地下街,さらに地下鉄網との関連からして,南北の往来が自由にできる一体の地下通路を新たに整備することであり,さらに,現在地上の2本のコンコースがありますが,この地下部分にも通路を設置すべきであると考えますが,いかがなものでありましょうか,お尋ねをいたします。 次に,本市産業の振興についてお伺いいたします。 わが国の経済は,一昨年の個人消費や住宅,公共投資主導型の景気回復から,昨年は,個人消費と民間設備投資主導に主役を交代して,景気拡大への着実な上昇過程を歩んでおります。本年に入ってからも,この個人消費と民間設備投資という内需が中心となって景気全体をリードし,景気拡大基調が堅調に持続していくとの明るい見通しがなされており,道内経済につきましても,個人消費と設備投資の伸びは,後半やや鈍るものの,現在の基調は変わらず,実質経済成長率は3%程度と一応の伸びが見込まれております。 このように,本年度の産業経済は,好調な個人消費と活発な設備投資を中心とした内需が引き続き順調に伸びており,加えて,公共工事に支えられて,内需主導型へと産業構造転換が進むものと思われます。 さて,ただいま申し上げましたように,好調な企業業績と先行き見通しの明るさを背景にして,民間企業の設備投資意欲はきわめて旺盛であり,しかも,その中身は,従来の能力増強にとどまらず,新たに技術革新投資や研究開発投資,情報関連投資などが中心となっており,これらが産業調整を進める原動力となっているのであります。 このような研究開発や情報化関連の投資が多い背景には,わが国企業の将来を見込んだ長期的な企業戦略の現象と見ることができますし,今や,これらのことは業種を超えて,企業の常識的な基調としての動きとなっているとのことでありますが,しかしながら,道内について見ますと,いま少しいかがかというところであります。目下景気を支えている2大項目のうち,個人消費については,全国的なベースと余り遜色がないとのことでありますが,企業の設備投資については大きな格差があるわけであります。 国及び金融機関等の調査によりますと,全国の増加率は20%強でありますが,道内は2ないし3%程度となっており,このことが北海道の産業基盤の脆弱さの要因であり,また,景気の持続性に対する懸念材料となっているわけであります。 現在,景気は回復されているとはいえ,全国平均を常に1ないし2%下回る実質成長率であり,民間設備投資がきわめて少ないことから,本道の産業振興上,まことに憂慮されるところであります。こうした意味から,今後,道内の企業にとって,研究開発型投資がますます重要になってくるものと思われます。特に,技術革新への対応は,地域経済への活性化にとって核となる大きな課題であり,単なる製造業ばかりでなく,広く各業種にわたってますますノーハウの開発と投資がなければ,今後の厳しい企業間競争には勝ち残っていけないわけであります。 さらに,北海道経済の生命でありました石炭,鉄鋼,木材,漁業,農業などの基幹産業の衰退から受ける厳しい状況下にあって,本道の政治・経済の名実ともに中心である札幌市が,新しい産業の構造調整とさらに牽引役として果たす役割はますます重要になってきているわけであり,したがって,本市が積極的に産業振興策を展開しなければならないところに来ていると思うのであります。 幸いにも,昨年来新たに,道外からバイオやエレクトロニクス関係などの民間の研究所が進出していると聞き及んでおりますが,こうした研究機関の集積は,一方で,道外にどんどん流出している優秀な人材の定着となり,あるいはUターン現象の受け皿として大いに期待されるところであります。 これらの産業の振興は,市民が,特に若者が夢と希望を持ち,生き生きと働けるような就労環境をつくり,地域経済の活力と市民の生活の向上をさせるものであります。そのためにも,本市もテクノパークの開発そしてエレクトロニクスセンターの開設と積極的に進めてきた実績は高く,さらに豊平区真栄にハイテクヒル,また東雁来に工業団地計画を進められていることは,まことに時宜を得たものであると考えるわけであります。 真栄は,緑の多い環境の中で,43ヘクタールの約60%も緑を残し,いまから全国的にもユニークな先端産業団地として注目されているのであります。 このような積極的な産業振興策,特に工業振興策の展開は,本市の経済活性化に大きな効果をもたらすものであり,これは,若年労働力の吸収を初め,本市の将来性を約束する産業基盤と道内産業を振興するリーダー的役割を果たすことになるわけであります。そこで,次の3点について質問をいたしたいのであります。 まず第1点は,企業の研究開発についてであります。 本年1月20日,21日にアクセスで開催されました北海道技術ビジネス交流会を私も見てまいりましたが,大変な盛況であり,企業の技術開発にかける意欲の高さを身をもって感じてまいりました。これは,各企業が持っている技術力をいかにユーザーに情報提供するかということが,今後ますます重要になってきているかを物語っているわけであります。 したがいまして,本市の施策についても,企業の研究開発の促進を図るためには,この点を十分留意をして進めなければならないと考えますが,その具体的施策と今後の方向についてお伺いをいたします。 第2点は,前段の研究開発の促進と深く関連することでありますが,私がすでに申し上げましたように,先端産業が本市産業への波及効果を考えた場合,研究開発のみにとどまらず,このことが具体的生産に結びつくことも重要なことと考えております。ついては,テクノパーク第2期分譲及びハイテクヒル真栄に対する企業誘致を活発に展開し,その結果も順調に推移をしていると聞いておりますが,今後,このような研究開発型企業の誘致に対してどのようにお考えであるかお伺いいたします。 第3点については,ハイテクヒル真栄は,開発面積が43ヘクタールであり,次に予定されている都市型軽工業と流通機能を持たした東雁来70ヘクタールと,いずれも大規模な開発が進みますと,地域に対する影響はきわめて大きく,たとえば住宅,公共施設,交通等の整備など,単なる工業団地開発にとどまらず,地域開発あるいは街づくりという観点から取り組むことが必要であると考えますが,この点ご所見を承りたいのであります。 次に,消防の近代化についてお尋ねいたします。 本市の消防行政は,急激な都市発展と人口増の中で,災害に強いまちづくりを目指して,たゆまぬ努力を傾けてきたことは,私もよく理解しているところであります。 特に,昭和62年には,懸案でありました消防局庁舎の建設とともに,コンピューター指令システムの導入,また,さらに無線システムの整備等に積極的に取り組まれ,災害時の初動体制を一層強化されたわけであります。また,本年11月6日には厚別・手稲区の両区が分区が予定されており,このことによって消防署の新設もされることになり,地域住民にとってまことに心強いことであります。 また一方,都市構造の変化に伴う災害に対応しての消防車両,救助工作車を初め,高層化する建造物のため,46メートル級の新鋭はしご車の導入等を図ってきたことは,ひとえに市民の安全を願う理念に基づいたことであると思うのであります。 しかしながら,近年は本市においても,高層ビル,高層マンション等,特に都心部では100メートル以上の超高層建築物が目立ってまいりました。 ちなみに,最近の調査によりますと,現在市内の4階以上のビルの数は何と,7,400棟にも上り,このうち,はしご車が届かない高層ビルはもちろんのこと,地形上や道路の狭隘により,はしご車で対応できないビルが約1,500余棟あるということがわかりました。これを10年前,昭和54年に比較いたしますと,当時4階以上のビルは1,714棟,はしご車で対応できないビルが350棟であり,これが現在約4倍に膨れ上がったわけであります。これらの高層建築物から一度災害が発生しますと,他都市の例を見ても,想像を絶する大災害が憂慮されるわけであります。 また,一方,本市の市域の64%が林野であり,これが安定した水源となっているわけでありますが,最近における林野火災の事例としては,岡山県で発生した79ヘクタール,本年1月茨城県の50ヘクタールの林野火災などは,広範囲にわたって貴重な資源の財産が焼失していることは,まことに大きな損失であります。 本市における林野火災の発生状況は,年間5ないし6件であり,これらは火点が奥深い山間部であり,初期発見に時間がかかり,かなり消防活動に著しく困難を来たしているのであります。 ここで,少しく私の体験を申し上げてみますと,これは昭和61年6月15日,豊平区羊ケ丘で起きた林野火災でありますが,この火点までは密生する熊笹と樹木に覆われ,もちろん車両は進入できず,徒歩で約1時間以上要する現場であり,消防車両60台,人員約1,000名をもって2日にわたり懸命な消火作業にもかかわらず,92ヘクタールもの面積を焼失したわけでありますが,このときの消火活動で応援を受けた陸上自衛隊ヘリコプターによる空中消火が,地上の活動とまさに連係よく威力を発揮してくれたことを目の当たりにし,この有効性を強く痛感したわけであります。 次に,社会・経済の発展に伴う都市構造と,さらに生活環境の変化は急速なテンポで進んでおり,さまざまな分野において防災のニーズも多様化しているわけであります。特に,これからの社会における情報化,高齢化,国際化などの進展に伴う情勢の変化に即した科学的調査・研究の必要性がいや応なく迫られている時期でもあると考えるのであります。 本市においても,南25条に研究実験室があり,石油燃焼機器の安全性の実験によって,業界に対する助言及び指導,また寒冷地で問題の多いスプリンクラーへの凍結防止対策,石油ボイラーから出火原因の解明等,貴重な調査と研究を行っておりますが,この研究施設は住宅地の一角にあり,たとえば,実験等により発生する悪臭に対して,逆に付近住民から苦情が寄せられていると聞いており,もはや現在地において十分な研究ができないのではないかと思うのであります。 そこで,これらの実態を踏まえての質問でありますが,まず第1点といたしましては,都市型災害及び林野火災に対処するため,本州の政令都市においては,ほとんどがヘリコプターによる航空消防体制を整備し,有効に活用されていることであり,本市においても,多様化する都市構造の変化に対応するため,また広域な市域の中で貴重な緑を火災から守るため,機能的なヘリコプターの導入を実現されてはいかがでありましょうか,市長のお考えをお伺いいたします。 第2点目でありますが,都市化の進展によってますます複雑多岐になる災害対策のため,消防防災に関する調査と,理化学を含めた科学技術の研究開発は,今や大都市の現実の問題として重要なことであり,これらの解決をするためには,現在の施設ではとうてい不可能であり,整備を図ることが急務であると思うのでありますが,この点についてどのようにお考えであるか,お伺いをいたしたいのであります。 次に,市民の健康づくりについてでありますが,これからの高齢化社会の到来を考えますと,健康こそが豊かな人生を送る第1の条件であり,明るく活力のある社会を築いていくためには,市民こぞって健康であることが必要不可欠の問題であると考えます。 一方,まちづくりについて見てまいりますと,市政の重点課題も,これまでの都市基盤整備といったハード面から,多様な社会システムの検討などといったソフト面への質の向上に向かってきているのであります。すなわち,これまで整備してきた施設を生かして,いかに効果的に利用するかの時代に入ってきていると思うのであります。 このような状況下にあって,とりわけ私が注目しておりますことは,これからの超高齢化社会を迎えるに当たって,どのような社会システムを築いていけばよいのか,市民の最大の関心事であります。健康の問題をどう考えていけばよいのか。 国においても昭和63年に,厚生省が第2次国民健康対策として「アクティブ80ヘルスプラン」を出しております。「自分の健康は自分で守る」ことを基本としておりまして,各人が日常生活において栄養,運動,休養のよりよいバランスをとることが必要であると示されているわけであります。 健康づくりは,ややもすると治療に力点が置かれがちでありますが,いわゆる健康増進,疾病の発生予防や早期発見・早期治療に,より重点を移していくべきであるとされております。 また,近年各地方の動向を見ましても,健康づくりについてのそれぞれ独自の取り組みがなされ,これまでの予防活動はもちろんのこと,健康増進センターの建設や健康診査システムの再検討などの施策が進められているところであります。 一方,本市においては,市民一人一人が健康であることを願って,昭和51年には健康都市さっぽろを表明し,その実現に向けて他都市に先んじて1区1体育館の建設等を行い,昭和62年には,地域のモデル的施設として東区に健康づくりセンターを設置するなど,市民のニーズにこたえて取り組んできたわけであります。 そこで,高齢化を迎えると必ずといってよいほど,体のどこかが,ぐあいの悪いところを持っている方が多く,いわゆる「一病息災」と言われるように,半健康人の人がふえていることであり,その中で健康をいかに維持していくか,個人個人に応じた,安全で効果のあるきめ細かいアドバイスが必要でないかと思うのであります。 来年度は,新たに健康づくり総合センターの設置に向けて調査に入るわけでありますから,いま一度基本に帰って検討すべき時期ではないかと思いますが,健康づくりは生涯にわたる問題であり,継続して長く取り組まなければならないことから,各年代に応じた健康教育の推進や地域での自主的な健康づくりを促すための仕組みや環境づくりが必要であると考えるわけであります。 これらのことを踏まえて,どのように取り組まれていくのか,市長のご所見を承りたいのであります。 次に,豊平区の分区についてお尋ねいたします。 ことしの11月には白石区と西区が分区され,新たに厚別区と手稲区が誕生の運びとなり,分区関連の施設も着々と整備が進められており,両区の住民は,今後よりきめ細かい行政サービスを受けられることになり,その喜びはひとしおのことと存じます。 この分区は,昭和47年の本市の区制施行以来初めて経験する大事業であり,いろいろな困難を乗り越えてその実現にこぎつけられた関係者のご努力に対し,心から敬意を表する次第であります。 いま,豊平区住民は,両区の分区の推移を見守りながら,この次はいよいよわがほうの番だと,将来の豊平区の分区に対して大きな関心と期待を寄せているところであります。 豊平区の人口は現在約27万人でありますが,近年の人口増加を見てまいりますと,昭和58年から昭和63年までの5年間では約3万人の人口増があり,これは年平均で約6,000人となっておりますが,このような状況で今後も推移してまいりますと,4年後の平成5年には29万人を超えることが予想されるわけであります。 一方,豊平区が分区する場合に,新しい区を形成されるであろう地区,すなわち清田出張所管内の現状に目を転じてまいりますと,現在の人口は約7万2,000人でありますが,この地区は,東部地域開発を初め,清田,真栄,里塚など,次々と開発が目まぐるしく進展を続けており,したがって,人口増加が目覚ましいものがあり,ここ5年間の平均増加数は約3,600人にも達し,昨年1年間の増は,4,600人と急カーブに上昇しております。このような状況で推移いたしますと,4年後の平成5年には9万人を超えることが予想されるのであります。 以上述べました人口の状況と今後の推移を展望いたしますとき,豊平区の分区については,そろそろ具体的に考える時期に来ているのではないかと思うのであります。 白石,西両区における分区の経過を見てまいりましても,分区のちょうど6年前,すなわち昭和58年11月には,分区を具体化するための札幌市分区問題調査準備委員会が設置されており,このときの両区の人口は西区25万7,000人,白石区25万人であったわけであり,現在の豊平区の人口はそれ以上であるわけで,しかも,昭和59年7月には両区の地域に素案が提示されるといった経過があったわけであります。これらのことから言って,豊平区についても,もうそれなりの時期が近づいているのではないかと思うのであります。 ご承知のように,清田,北野地区は,地域の大部分が宅地として開発され,都市基盤の整備がこのことを念頭にして進められてきた地域であります。しかし,当地区には,手稲区のような手稲駅周辺,厚別区の都心といったような「区の顔」とも言うべき核となる市街地の形成という点では,ややおくれが感ぜられ,他地区にも比べてまだ未成熟な面を持っているのでありますが,当地区は,地域中心核としての市街地の形成を待望する声が強く,分区することによって新しい活力ある街づくりがされるであろうと期待をされているところであります。 そこで,私は,次の2点について市長のご所信をお伺いいたしたいのであります。 市長は,昭和58年の第3回定例議会におきまして,昭和70年の札幌全体で9区ないし11区を想定していると述べられておりますが,豊平区の分区につきましては,現時点でどのようにお考えになっておられるのか,お聞かせをいただきたいのであります。 第2点目としましては,公共用地の確保については,年々年を追うごとに,どこでも大変な困難を来たしている状況になっております。分区を想定した場合,区役所庁舎用地を初めとして,各種諸機関が当然新設しなければならないわけで,そのため,かなりの数の用地が必要になってくることになります。近き将来を見通して,早目の先行取得が必要と考えるわけでありますが,いかがなものでありましょうか,お伺いをいたします。 以上をもちまして,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
(発言者未割当) 発言者未割当
◎市長(板垣武四君) まず,第1番目の財政問題の中で,その第1点目について私からご答弁申し上げます。 すなわち,第1点目は,本市財政の長期的展望と運営に当たっての基本的な考え方についてでございます。 財政の裏づけとなります経済の先行きを見通すということは,これはなかなか困難でございますけれども,国・地方とも緩やかな景気拡大基調にあるということが考えられ,また引き続き安定的な成長を望むものでございまして,本市としても景気の持続的拡大を図るために,単独事業を含めて,公共事業の確保に最大限の努力を傾注しているところでございます。 このような経済状況のもとにあって,多様化する行政需要を的確にとらえ,その時期,その期待と要望にこたえていくためには,より一層の長期的展望に立った計画的かつ効率的な財政運営が必要であり,21世紀を見据えた5年計画の着実な進捗はもちろん,情勢の変化に柔軟に対応した先導的な行政を遂行してまいりたいと考えております。 そこで,今後の財政運営に当たりましての基本的な考え方についてでございます。 その第1は,安定的な財源の確保を図るということであります。 まず,市税につきましては,長期的観点に立った産業基盤づくりを推進することによって,税源の涵養を図ってまいりたいと考えております。また,地方交付税につきましては,地方の実態に合った算定がなされるよう,国に強く要請をしていかなければならないと存じます。 その第2は,従前に増して効率的かつ合理的な行財政運営に努めるということでございます。 経費の節減,事務の見直しを不断に実施するとともに,優先すべき事業を厳選しながら事業執行に努めてまいりたいと,このように考えております。 いずれにいたしましても,本市の財政力は依然として脆弱でございますので,ただいま申し上げました基本的な考え方に基づいて,将来に着実につながる施策を展開をしてまいる所存でございます。 次に,地方交付税についてでございます。 まず,昭和63年度の決算見込みでございますが,普通交付税の当初算定では約720億円の決定がなされておりましたが,国家予算の補正に伴い追加交付が見込まれておりまして,全国総額などから判断いたしまして,本市は30億円程度を見込むことができると考えております。 したがいまして,決算見込みといたしましては,普通交付税で750億円程度,このほか,特別交付税も合わせまして764億円程度と見込んでおります。 次に,平成元年度についてでございますが,全国の総額が17.3%の増に対しまして,本市は,対前年度当初決定額と比較いたしまして12.5%増の810億円と見込みまして,当初予算でそのうち765億円を計上したところでございます。この見込み額は,本市の税収は比較的高い伸びを示していること,また,昭和63年度まで都道府県に地方債で厚く手当てをされていた経費が交付税算入に戻ることによって,市町村分の需要額の伸びはそれほど期待できず,本市においても同じ傾向にあることなどを考慮したものでございます。 次に,札幌駅周辺の整備構想についてであります。 第1点目の,在来線跡地などの空間地の取り扱いと札幌駅南側の整備方針,並びに第2点目の駅前通との整合性について,一括してお答えを申し上げます。 札幌駅周辺の整備構想につきましては,現在,土地所有者が,本市のほかに国鉄清算事業団及びJR北海道等が関連いたしますことから,これらを機能的に結びつけて駅前広場等の配置計画を立案することが基本になります。 このため,学識経験者等による札幌駅周辺地区整備構想策定委員会というのを発足をさせて,この中で,高架事業によって発生をした在来線の跡地及び現在の駅前広場を含めた駅南口広場の規模,位置及び形状と,あわせてご質問の東西コンコースとの連係や,ゆとりある空間の創出について検討をお願いしているところでございます。 この委員会からの提案は,平成元年度末に予定されておりますことから,私といたしましては,その提案を待って,国際都市さっぽろのイメージにふさわしい札幌駅南口の整備を行ってまいりたいと考えております。 また,札幌駅前通との整合性につきましても,ご趣旨に沿うように十分検討してまいりたいと考えております。 第3点目の南北地下通路の確保についてでございますが,地上コンコースと同様に,既存の地下街,地下鉄を有機的に連結をさせて歩行者の快適性を向上させるために,地下の連絡通路も東西それぞれ必要であると考えております。現在,関係する国鉄清算事業団並びにJR北海道と協議を重ねておりまして,その実現に努力をしてまいりたいと考えております。 次は,本市産業の振興についてでございます。 1点目の研究開発の促進についてでございますが,今後企業が発展するためには,きわめて重要なものと受けとめておりまして,従前よりいろんな施策を展開をしてまいりました。研究開発にとっては産・学・官が一体となった取り組みをすることが大切であるということから,札幌市エレクトロニクスセンターの関連事業として,北大など地元の大学と地元企業との共同研究開発,大学等の研究者による技術相談,技術情報の提供等を実施をして,さらに研究開発や企業誘致のための助成制度を設けたりいたしております。 今後の取り組みにつきましても,先端企業の研究開発部門の誘致がもたらす波及効果は非常に大きいものがあると考えておりますので,頭脳集積を促進し,研究開発を行うための環境整備に努めてまいる考えでございます。 2点目の企業誘致の方向についてでございますが,先端企業の立地は,本市産業への波及効果をより高め,優秀な人材の地元への定着にも大きな効果を上げるものと考えております。したがいまして,これまでも,それらの点に十分留意してまいりましたが,テクノパーク第2期分譲及びハイテクヒル真栄につきましても,より付加価値の高い研究開発型企業を誘致をして,地元産業との結びつきをいままで以上に強めるように努力をしてまいりたいと存じます。 3点目の工業団地開発と地域開発との関連についてでありますが,お話のとおり,真栄それから東雁来ともに大規模な開発でございまして,地域とのかかわりは大きいものがあると考えております。したがいまして,この開発に当たりましては,それぞれの工業団地の持つ特性を配慮しながら,道路,公園等各種公共施設の整備を初め,さらには,将来の都市計画をも十分勘案をして開発を進めてまいる所存でございます。 次に,消防の近代化についてお話がございましたが,第1点目の消防ヘリコプターの導入についてのご質問でございますが,林野火災や高層建築物の災害対策及び遠距離救急患者の搬送などには,きわめて有効な装備であると,こう理解しておりますので,導入についての調査を進めてまいりたいと予算にも計上した次第でございます。 第2点目の消防研究体制の問題でございますが,より一層科学的な研究の推進を図ることが都市防災のための重要な課題であると考えております。なお,5年計画の中でも,施設の移転整備を予定いたしているところでございまして,その機会に,施設の拡充とあわせて研究体制を強化をしてまいりたいと考えております。 次に,今後の健康づくりへの取り組みについてでございます。 健康問題は,これまで疾病の早期発見と治療に重点が置かれておりましたが,本格的な高齢化社会を迎え,ライフサイクルに応じた日ごろの健康保持・増進を図るための総合的な健康づくり対策が強く求められております。このため,将来の疾病の早期発見を進めていくことはもとより,健康づくりの基盤整備と健康づくりの啓蒙普及を図ることが必要でございます。 こうした観点から,地域における健康づくり運動や健康教育などを進めてまいりましたわけですけれども,新年度からは,市民の成人病基本健診の充実と,健康づくり中核施設として健康づくり総合センターの建設の調査をすることにいたしております。 今後におきましては,市民一人一人の健康状態に応じたきめ細かな健康づくりや,自主的な活動を促すための環境整備など,高齢期になっても健やかに過ごせる長寿社会を目指して,積極的に諸施策を推進してまいりたいと考えております。 私から最後に,豊平区の分区の問題でお答えを申し上げます。 まず1点目のご質問でございますが,このたびの白石区と西区の分区に当たりましては,市民サービスの向上と行政執行の効率化という二面性を考慮して,新しい区の人口規模はおよそ15万人を標準として,最小でも10万人程度を基本として考えたところでございます。 そこで,豊平区の人口は,今後ともご指摘のような増加の傾向は続くものと考えますけれども,新しい区の区域と想定されております清田出張所管内の人口が一つの目安としております10万人を超えますのは,現在の開発状況等を考慮いたしましても平成7年以降だと,このように推定されるところでございます。したがいまして,豊平区の分区につきましては,こうした地域の発展に伴う人口の推移や土地利用の状況などを見きわめながら,今後,計画的に調査・検討を進めてまいりたい,このように考えております。 次に,第2点目のご質問でございますが,昨今の開発の進展や地価の高騰などによって,ますます公共用地の確保が困難になってきておりますことは,お話にございましたとおりでございますので,その点,十分状況判断をして対処してまいりたいと考えております。 以上でございます。
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) 勝田助役。
(発言者未割当) 発言者未割当
◎助役(勝田義孝君) 私のほうから,財政問題についての中の交通財政についてお答えをいたします。 まず第1点目の,市営交通機関の利用者増を含めた総合的な増収対策についてでございますが,お話にもございましたように,乗車料収入などの事業収入を確保することは,事業運営の根幹となるものでございまして,これまでも,マイカー利用自粛の啓発運動や市民サービスの向上により,利用者増を図るべく,さまざまな増収対策に取り組んでまいったところでございます。 しかしながら,マイカーの急速な普及などによる乗客離れを防ぐとともに,新たな輸送需要の喚起を図るための有効な方策というものをなかなか見出し得ないのが実情でございます。 ただいま,市営交通利用促進の運動を進めていくべきであるとのお話をいただきましたが,大変心強く思っている次第であります。今後とも,関連施設の整備,冷房化バスの導入などにより,快適性と利便性の一層の向上に努めますとともに,沿線への公共施設の配置,新たな広告媒体の開発,プリペイドカードの導入など多角的な検討を加えながら,経営基盤安定のため,増収対策に全力を挙げてまいりたいと考えております。 次に,第2点目の地下鉄建設にかかわる高金利債の借りかえ措置についてでありますが,お話にございましたように,地下鉄の建設には多額の投下資本を必要とするのでありますことから,企業債利息等の資本費負担が大きく,構造的な赤字を生む要因となっております。したがいまして,資本費負担をいかに軽減するかが,地下鉄事業の経営を安定させるためのきわめて重要な課題の一つであると認識しております。 これまでも関係都市と協力し,高利な企業債の借りかえ措置を含む借り入れ条件の改善について,国に強く要望してきたところでございます。 しかしながら,いまだに実現を見ていないため,本市におきましては,関係機関の特段の協力を得て,昭和62年度以降用途を終えた土地の売却代金等を財源として,高利な企業債の繰上げ償還を行ってきております。 なお,今後とも借りかえ措置の実現に努力をしてまいりたいと考えております。 次に,水道財政についてお答えいたします。 まず第1点目の,定山渓ダムが完成することによる財政への影響についてでございます。 定山渓ダムの稼働に伴う新たに負担増となる経費についてでございますが,第1には,維持管理に要する経費であるダム管理負担金,それから第2に,ダム使用権の減価償却費,第3に,企業債の償還元金及び利息,第4に,一般会計からの長期借入金の償還元金となっております。 向こう4年間の財政計画期間のうち,平成2年度から4年度までの3年間で,これら所要額の合計は,単純計算でございますけど,およそ63億円となる見込みでございます。これらの経費のうち,市民負担の急増を緩和する措置としての助成でありますけれども,一般会計からの長期借入金の償還期限について,当初10年間で返済を予定していたものを15年間に延長し,これにより3億6,900万円の負担軽減を図ったものでございます。 次に,第2点目の,今回の料金改定に当たっての基本的な考え方についてでございます。 今回の水道料金の改定を提案した理由といたしましては,基本的には,財政収支期間の4年間に発生する資金不足の164億円を解消することでありますが,この場合,財政計画の策定に当たりましては,事務事業の全般について厳しく見直すとともに,需用費節減を図り,かつ経営の効率化に努めております。この結果,料金の改定率も全体的に低率に抑えることができたものと考えております。 料金の改定方法につきましては,今回は消費税のこともございますので,家事用の低廉化に十分ウエートを置くとともに,中小企業の利用者が多い小口径の部分につきましても低廉化を図ったものでございます。 次に,第3点目の水道事業における経営の効率化についてでありますが,常日ごろから業務改善に努めており,今後実施を予定している主なものについて申し上げますと,その第1は,各種業務の民間委託の拡大により,職員の増員抑制等を行い,経費の節減を図るものでございます。 第2番目は,内部組織の効率化として,配水事務所,浄水場の管理体制等の見直しを予定しております。 そして第3は,情報システムの導入でありますが,これは給・配水管による地下埋設物の一体的な管理についてシステム化を図ろう,こういうものでございます。 以上の業務改善を順次実施していこうと考えておりますが,いずれにしましても,経営の効率化につきましては,企業としての経済性を発揮するよう,合理性と能率性を重点に事業を推し進めてまいりたいと,こういうように考えております。以上でございます。
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) お諮りします。 本日の会議はこれをもって終了し,明2月23日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。 (「なし」と呼ぶ者あり)
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
吉野晃司君
○議長(吉野晃司君) 本日はこれで散会いたします。