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札幌市議会 会議録検索システム(平成元年第3回定例会 1989-10-03 第4号)

1989-10-03/発言 22 件 / 原本(札幌市議会)

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工藤勲君 1 番目 / 44 字
○副議長(工藤勲君) これより本日の会議を開きます。
 出席議員数は,62人であります。
工藤勲君 2 番目 / 42 字
○副議長(工藤勲君) 本日の会議録署名議員として野間義男君,本舘嘉三君を指名します。
工藤勲君 3 番目 / 31 字
○副議長(工藤勲君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
鍛冶沢徹君 4 番目 / 220 字
◎事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。
 吉野晃司議長,越智健一議員及び見延順章議員は,所用のため遅参する旨,届け出がございました。
 本日の議事日程,陳情受理付託一覧表及び質問順序表はお手元に配付いたしております。以上でございます。
  ――――――――─―――――――
               陳 情 受 理 付 託 一 覧 表
 (平成元.定3)                            (平成元.10. 3)
工藤勲君 5 番目 / 139 字
○副議長(工藤勲君) これより議事に入ります。
 日程第1,議案第1号から第12号まで及び議案第16号から第19号までの16件を一括議題といたします。
 昨日に引き続きまして代表質問を行います。
 通告がありますので,順次発言を許します。森 健次君。
 (森 健次君登壇・拍手)
(発言者未割当) 6 番目 / 16,106 字 発言者未割当
◆森健次君 私は,ただいまから,公明党議員団を代表いたしまして,今決算議会に提案されました案件及び当面する市政の諸問題につきまして質問をいたします。
 まず最初に,財政問題についてでありますが,昭和63年度の当初予算編成における本市を取り巻く財政環境は,景気の緩やかな回復に伴う税収の好転が見られるものの,国庫補助負担率の引下げが継続され,また,国民健康保険財政の悪化など克服すべき課題も山積しており,依然として厳しい状況にありましたが,新たな長期総合計画とこれを具体化する新5年計画がスタートする初年度に当たることから,積極的な予算計上がなされ,一般会計5,384億円,特別会計1,973億円,企業会計2,705億円,合計で1兆62億円と,当初予算としては初めて1兆円を超える予算規模となったところであります。
 さて,昭和63年度の一般会計決算についてでありますが,予定された事業もほぼ完全に執行され,所期の成果を上げたものと認識しております。
 その中で歳入について見ますと,前年度に比較して218億円,4.2%増となっており,このうち約65%に当たる141億円が,昨日の市長答弁にもありましたように市税によるものであります。このような増収があったこと等によりまして,57年度以来毎年取り崩しを行ってきた財政調整基金を63年度は支消せずに済んだことは,今後の財政運営上喜ばしいことであると私は理解するところであります。しかしながら,今後とも市民の要求にこたえ積極的な事業の執行を推進していくためには,一層効率的な財政運営を行うとともに,財政基盤の強化が求められているのであります。
 そこで質問の第1は,市税についてであります。
 健全でかつ効率的な財政運営を推進するためには,自主財源の確保が何よりも重要であります。63年度には,税制改正により所得減税等が行われたところでありますが,その市税の決算額は2,158億7,500万円で,前年度決算対比で7.0%の伸びとなっており,引き続き堅調を維持しております。一方,収入未済額は57億2,634万円で,前年度の収入未済額である53億3,872万円に対し,3億8,762万円,7.3%の増加となっているのであります。
 収入未済額については,日ごろから税務職員がその圧縮へ向けて懸念に努力している点は私も承知しており,また評価に値するものであると認識しております。この収入未済額は,年々市税総額が大きくなるに従って増加傾向にあることから,何らかの改善を図り,その圧縮に努める必要があるのではないかと考えるのであります。
 このような市税決算の状況から,以下2点について市長のご所見をお伺いいたします。
 まず第1点は,市税の決算について,総体的にどのように評価され,また,税制改正に伴う63年度の市税影響額はどの程度だったのかお聞かせいただきたいのであります。
 第2点は,税務事務の改善についてであります。
 税務事務については,これまでも,電算化等の実施によって,事務処理の効率化と市民サービスの向上に努力されていることは私も承知しているところでございます。しかしながら,たとえば個人市民税や固定資産税の納税通知書を見ますと,依然として片仮名書きになっております。また,窓口で発行される各種の市税証明についても,担当待ち時間がある等,まだまだ事務処理の改善を図るべき点があると考えるのであります。このように,課税する段階からの効率性と,個々の滞納者の実態等をしっかり分析し,それに対処することが何よりも重要であり,このことがなお一層市民サービスの向上につながるものであると思うのであります。
 したがいまして,このような市民サービスをすることが,結果的には市民の納税意識の高揚あるいは収入未済額の圧縮にもつながっていくと思うのでありますが,これらのことについて,市長は幾つかの事務改善についての計画をお立てになっているものと思うのでありますが,その内容がどのようなものであるのかお伺いをしたいのであります。
 次に,質問の第2は,地方交付税についてであります。
 63年度の地方交付税の全国総額は約11兆2,100億円であり,前年度に比較して6.1%の増となっているところであります。
 しかるに,本市の普通交付税決算額は756億7,300万,前年度に比較して13億6,000万円の減,率では1.8%の減となっております。
交付税の63年度の歳入に占める割合は14.3%と市税に次ぐ収入の大きな柱でありますが,前年度に比較して減収となった理由についてお伺いをしたいのであります。
 次に,本市の既成市街地再開発のマスタープランである札幌市都市再開発方針の見直しについてお尋ねをいたします。
 本市は開基120年を経ましたが,この間,市街地の著しい拡大・発展を見,郊外においては,もみじ台団地やあいの里団地などの大規模住宅団地の開発,一方では軽工業団地やテクノパークなどの造成にも努め,住宅系,工業系とそれぞれ系統立てた宅地開発を進め,その需要にこたえてきたところであります。しかし,都心部の旧市街地におきましては,用途混在,建物老朽化,過密化など,いわゆる都市型の課題も集積されてきておりますことは周知のとおりであります。こうしたことに対応して,本市では早くから,市街地改造事業を初めとする都心の再開発に力点を置き,街並みの整備,公共的空間の確保に努めてきたところであります。
 特に昭和55年に都市再開発法が改正され,本市にも他の大都市と同様,都市再開発方針の策定が義務づけされたのを受け,早速昭和60年に,札幌市都市再開発方針を都市計画の中に定め,これを既成市街地再開発のマスタープランとして,各地区における民間再開発の指導・誘導に積極的に取り組んできたのであります。この結果,本年3月末までにすでに8地区において民間再開発事業が完了し,都市環境の向上が図られております。
 たとえば苗穂地区でありますが,都心から至近距離にありながら,住・商・工が混在し,老朽建物も密集,居住環境としてははかばかしくないといわれてまいりましたが,再開発事業によって高層住宅化され,余裕のできた土地に水道局庁舎が収容されるなど,一石二鳥の効果を発揮しております。
 また,その西側,旧永山邸周辺におきましても,再開発事業によって高層マンションが建ち,現在公営造成工事が進められております。
 また,最近工事着手となりました豊平橋南地区におきましては,ホテル系の大規模再開発ビルが建築されるとともに,付近の道路もこの機会に拡幅整備がなされると聞いております。
 また,西区琴似駅南口地区におきましては,鉄道高架事業の完成にあわせて,地元の再開発意欲も高まり,地元では準備組合を結成して,目下,事業規模,採算面などの検討を行っているということで,これも近々に駅前広場の造成,関連道路の整備と相まって,見違えるような琴似駅前が出現されるものと期待をしております。
 このように,民間の再開発と公共施設等の整備が同時に図られる事業手法は,再開発事業をおいてはほかにないと言えるのではないでしょうか。よく民間活力の活用といわれますが,公共施設整備の一番大きな課題は,何といっても地元地権者等の理解と協力でありますが,この再開発事業では,まさに地元とともに歩むことによってそれを実現できる事業であります。したがいまして,今後の街づくりにも,官民一体となったこうした事業手法が一層必要になってくるものと考えられます。
 冒頭申し上げましたように,本市は開拓以来120年ということでございますから,ちょうど建物も老朽化し,建てかえの時期を迎えておりますし,また,近年の地価高騰等の影響から,都心部では土地利用の効率化・高度化傾向が顕著になっておりますことから,可能な限り再開発事業などへの採択により,秩序ある土地の高度利用,良好な都市空間の確保などによって,21世紀に向けての都市づくりを進めるべきと考えます。
 本市は都市再開発方針の中で,再開発を要するいわゆる1号市街地を,中心地区など12地区1,402ヘクタールを指定,この範囲内での両開発を優先させることとしてきております。これは,昭和60年に初めて都市再開発方針を策定する際,十分検討されて,範囲が定まったものと思われます。しかし,最近では,社会経済情勢の変動により,現行の1号市街地から外れた近隣地区におきましても再開発を行いたいとする声も聞かれ,また,手稲・篠路などのJR駅周辺の早くから開かれてそれなりの街並みを形成している箇所では,拠点的に市街地の更新が必要となっている地区も見受けられます。
 さらにまた,地下鉄網の整備によって,その駅周辺並びに沿線の土地利用形態も変わってきております。特に東豊線の開業,さらには現在豊平方面に向けての延長工事も進められているわけでありますが,その駅予定周辺地区並びに沿線部においては,住宅老朽,用途混在,道路狭隘等,住環境の未整備地区も目につきます。
 昨年3月に示された本市第3次長総におきましては,地下鉄などの交通結節点,周辺市街地の中心及び商業施設の集積が見られる地区は,再開発の促進により,個性豊かで地域住民に親しまれるコミュニティー性の高い地域中心核づくりを進める,地下鉄沿線では,土地の高度利用を図る必要があるとしております。
 これらとの整合を図る意味におきましても,1号市街地の見直しを行い,再開発志向の高まっている所には救済の手が差し伸べられるよう処置すべきと考えるわけであります。もちろん,再開発可能区域を拡大すれば,それに対応するための資金的援助の範囲も広まりますし,先ほど申しましたように,民間再開発に合わせた公共施設整備の公共投資の増大,また,地元意識の高揚を図るための啓蒙策などの業務量の増加にも対応する必要があると思います。
 したがいまして,1号市街地の拡大には,それなりの基本姿勢と,行政として対応し得る地区の選定が前提となることは私も認識するものであります。都市再開発方針の見直しという問題は,本市の将来に向かっての街づくりの指針となることでもありますから,慎重な検討を行い,将来展望を見きわめながら,可能な限り現状に対応し得る地区の拡大をお願いしたい,これが私の切なる希望であります。
 そこで,私はこの機会に,本市の都市再開発方針の見直しに関連して,次の3点についてお尋ねをいたします。
 その第1点目は,都市再開発方針の見直し,再開発可能区域の拡大となる1号市街地の取り扱いについて具体的にどのような考え方で臨まれるのか,市長のご所見を承りたいと存じます。
 第2点目は,再開発推進のためには,地元の再開発事業に対する理解と意識の高揚が不可欠と考えますが,具体的推進に向けて,誘導策をどのように考えておられるのかという点でございます。
 3点目は,地下鉄東豊線の沿線地区についての考え方ですが,たとえば,すでに開業している東区の中枢駅周辺及びこれから建設が始まる豊平方面の美園地区等の住宅密集・低利用地区について,住環境改善のための見直しの必要があると考えるのでありますが,このような地区に対しても検討が及ぶものかどうか,この際お聞きをしたいと存じます。
 次に,地域における在宅のお年寄りの介護支援体制の整備についてお伺いします。
 わが国における高齢化の波は,いまや確実なうねりとなって迫っており,10年後には65歳以上の高齢者が2,134万人に達し,総人口の16.3%を占めることになっております。さらに,その比率が最初のピークを迎える平成33年には3,187万人に達し,総人口の23.6%を占め,これまで諸外国がいずれも経験したことのない,水準の高い高齢化社会が到来するといわれております。
 このような状況の中で,私たちは保健医療・住宅・教育・文化・生活環境・生活関連サービス等,あらゆる分野において高齢化社会への対応が迫られており,福祉サービスの分野においても,従来からの社会福祉の施策の枠だけにとどまらない,いわばサービスの多様化・高度化とも言うべき動きが始まっております。
 生涯を通じて健やかに暮らすためには,市民一人一人がみずからの健康に常に留意し,疾病の予防に努め,心身共に健康であることは何よりも望まれることであります。高齢者の多くは,いかなる事態になろうとも,医療機関への入院や老人福祉施設等の入所ではなく,家族・友人・知人等の人間関係を保持しながら住みなれた地域で生活することを望み,家族もまた,そのようにありたいと希望しております。
 残念ながら,いわゆる寝たきりとなった老人は,わが国では,在宅,特別養護老人ホーム入所者,長期入院患者を合わせて約60万人おり,そのうち約23万人が家庭の中で介護を受けていると見られております。この寝たきり老人は,ほぼ10年後には100万人に達するとの推計があり,この寝たきり老人の処遇が大きな社会問題となりつつあります。
 しかも,最近は子供との同居世帯が減少し,高齢者のひとり暮らしや夫婦のみの世帯が増加するなど,家庭における介護機能は低下する傾向にあり,また,介護する家族にあっても,高齢者を介護するということが経済的,精神的,身体的に少なからず負担を及ぼしている現状にあります。したがって,このような家族の介護の負担を少しでも軽減し,家庭が崩壊することのないような在宅援護事業の展開が強く叫ばれております。
 イギリスやスウェーデンでも,約20年前までは,寝たきり老人が多く,社会問題となっておりましたが,その後の患者の人権運動の広がりやノーマライゼーション運動と,それに呼応した医療・福祉従事者の意識の変化,とりわけ,疾病のみに注目するのではなく,その人の日常生活,動作,能力に注目し,それを保持活性化すること,つまり,単にお年寄りを助けるから,本人の自立を助けるに変化したことと,地域ケア体制やマンパワーの充実が寝たきり老人の減少に結びついたと言われております。
 私は,従来から,いわゆる寝たきり老人という言葉を使うことに非常に抵抗を感じている一人であります。それは,わが国の寝たきり老人は,寝かせたきりの医療介護によることが大きいと思うからであり,このようなことからいえば,現在の寝たきり老人は,介護のあり方によっては大部分が存在しなくなるのではと考えるからであります。
 したがいまして,今後の老人福祉のあり方として,寝たきり等に導く原因疾病の発生を予防すること,すなわち,寝たきりにさせないための施策を展開させていくことがきわめて重要であると考えております。国においても,寝かせたままを前提にしたこれまでの老人医療や介護のあり方を反省し,病気等で倒れたお年寄りを,できるだけ寝たきりにさせない方向に転換を図ると聞いております。
 わが党は従来から,在宅老人介護事業の3本柱,すなわち,デイサービス・ショートステイ及びホームヘルパー派遣事業の充実を国に強く要望し,その着実な向上に努めてまいりましたが,厚生省は,西暦2000年までに,デイサービスを現在の600カ所から1万カ所に,ショートステイを現在の2,100床から5万床に,ホームヘルパーを現在の2万7,000人から5万人に拡充する目標を示し,具体的に取り組んでいると聞いております。しかし,これら施策は,残念ながらPR・情報不足,利用手続のわずらわしさ,窓口の繁雑さなどから,せっかくのサービスが十分機能していない現状にあると言われております。
 本市では本年6月に札幌市高齢化対策推進本部が設置され,本市の高齢化社会に備え,その基盤整備はもちろんのこと,緊急になすべき課題は何か,また,中長期的になすべきことは何かを,札幌市の自然的・社会的諸条件を考慮しながら策定することになっております。そこで私は,地域に根差した在宅介護サービスのあり方について,次の2点を質問いたします。
 その第1点目は,高齢者が住みなれた地域において,可能な限り自立した生活を維持するとともに,安心した生活を営み続けるための多様なニーズに対応するためには,家族等が身近なところで気軽に専門家に相談し,行政の窓口に出向かなくても必要な保健福祉サービスを受けることのできるような支援体制システムを整備する必要があると思いますが,市長のお考えをお尋ねいたします。
 2点目は,いわゆる寝たきりにならないための方策です。寝たきりの原因となっている成人病の早期発見・早期治療は大変重要であると思っております。本市では今年度から,健やかな健康診査等については,指定の医療機関で受診しても保健所と同じ料金の500円にするなど,低廉な受診料金で受診しやすいようにしたことについては大いに評価をするものであります。
 これからの高齢化社会では,さきにも述べましたが,寝たきりになる人がふえてくることが予想されますので,これに対する方策はより一層充実していかなければならないものと考えております。そこで,これらの方策について市長のご所見をお尋ねするものであります。
 次に,スパイクタイヤ問題についてお尋ねをいたします。
 札幌は創建以来わずか120年にして,人口160万人を擁する大都市に成長し,日本の北の拠点都市,さらには北方圏交流の拠点都市として,国際的にも大きな飛躍が期待されております。年ごとに国際的なイベントが開催され,平成3年3月には札幌ユニバーシアード冬季大会が予定されております。世界の若人を札幌に迎えることとなっております。しかし,より一層の国際化を目指す札幌市にとって大きな悩みは,スパイクタイヤの使用によって発生する車粉公害であります。
 毎年2月に開催されます札幌雪まつりは,国の内外からの数多くの人々を迎えておりますが,本来真っ白であるべき雪像が車粉で真っ黒に汚されるのを見るにつけ,その早期解決を願わずにはいられないのであります。特に諸外国においては,相当以前にこの問題を克服し,スパイクタイヤそのものがすでに過去のものになっていることなどを聞くにつけ,その思いは募るばかりであります。この問題を解決し,冬の快適な生活環境を取り戻してこそ,真に国際都市と呼べるのではなかろうかと考えております。そのような意味で,札幌市もこれまで,先進的かつ先導的な取り組みをしてまいりましたが,さらにもう一つ努力をお願いしたいのであります。
 一方,この問題につきまして,目を北海道全体に向けた場合,今道議会への北海道の条例提案,北海道交通警察懇談会の反則金導入にかかわる提言に見られますように,流れは広域的な解決に向けて大きく動き始めているように感じております。しかし,そこにはまだ克服しなければならない課題が残されております。すなわち,札幌市以外の地域におきましては,車粉の発生がそれほど顕著でない,札幌市域内より気象条件が格段に厳しい地域も現にあるということもございますが,脱スパイクの機運が札幌ほど盛り上がりを見せておらず,スタッドレスタイヤの普及も十分ではないということでございます。このことは,第2次の札幌市スパイクタイヤ問題対策審議会におきましても,規制期間を大幅に延長することと,通過交通車両とのかかわりで大きな議論となったように伺っております。私としまては,スパイクタイヤ製造販売の中止調停の実施が目前に迫っており,スパイクタイヤのない車社会がすぐ来ることを考えますと,札幌市は札幌市としての問題を率先して解決し,全道,全国に模範を示すことが重要ではないかと考えております。ぜひ,この改正条例が市民にも道民にも十分受け入れられ,札幌市の基本理念であります車粉の全面解決の実現に大きく近づく契機となりますことを強く念願するものでございます。そのような観点から,3点市長のご所見をお伺いいたします。
 まず,第1点目は通過交通車両の取り扱いについてでございます。
 第2次答申におきまして,基本的には,他市町村の住民に過大な負担をかけることのないよう,気象条件が厳しい地域との間を走行する自動車について,条例の運用上配慮すべきと求められております。そこで,特に他市町村から札幌市内に流入する車両につきまして,どのように規定するお考えなのか,また,どのように運用していくお考えなのか,ご所見をお伺いいたします。
 次に,2点目は強制力についてであります。この点について第2次答申におきましては,スパイクタイヤの不要な時期に反則金制度が導入されれば,脱スパイクが一層促進され,また,このことについては市民の合意も得られるものと判断される。その方法としては,北海道公安委員会規則の改正により,反則金制度を導入することが適当であるとされ,強制力の必要性が明確に述べられております。
 札幌市は,さきにこの答申に基づき,北海道公安委員会に対して要望を行ったと承知しております。それも考慮された上でのことと思いますが,北海道交通警察懇談会から道警に対しまして,来春からスパイクタイヤの使用者に対して,反則金制度を導入すること等の提言がなされたものであります。
 反則金適用期間は,4月30日から10月31日までの間でありますので,本市の条例案の規制期間3月1日から12月15日までに比べてかなり短くなっております。これに関しまして,実効性担保の措置としては不十分であり,あるいは条例そのものに罰則を設けるべきである等々のご意見もあるようですが,私としましては,まずは緩やかな期間であったとしても,反則金制度が導入されることに大きな意義があるものと思われ,出発点としては妥当ではなかろうかと考えているところでございます。市民にも十分受け入れられる内容であると考えますし,また,全道の脱スパイクを促進するという観点でも大きな効果が望めるのではないかと考えております。この点について市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 3点目ですが,今後,市としての施策を推進していくに当たりまして,関係行政機関,とりわけ北海道警察との連携をどのように進めていくのかということについてお聞きをいたします。
 北海道交通警察懇談会の提言の中でも,北海道警察に対しまして,脱スパイク化を前提とした道路交通行政の推進を求めております。ここに,脱スパイクの方向につきましては,行政間で完全に一致を見たと考えてよろしいかと思います。今後,冬道安全運転に関する施策,住民意識の啓発等を推進していくことになろうかと思いますが,この場合,それぞれ個別に行うよりは,連携を図る中で実施するほうがより効果的ではないかと考えております。そういう意味で,十分な連携をとりながら実施していただきたいのでありますが,具体的にお考えの施策等がございましたら,その点も含めまして市長のご所見をお伺いいたします。
 次に,本市の国際経済交流の促進に関し,来年の6月に予定されている札幌国際見本市の将来方向についてお伺いいたします。
 本市の産業は,中小企業を主体に商業,サービス業などの第3次産業に傾斜したものになっておりますが,中枢機能の高い集積を背景に,全道を影響圏としながら発展を続け,本市はもとより,北海道の発展と活性化に大きな役割を果たしてまいりました。しかしながら,従来から経済基盤が弱いとされている本市においては,将来の経済環境の変化に対するさまざまな不安要素を抱えております。また,国際化や情報化,技術革新の急速な進展を背景に,都市機能の首都圏一極集中が加速され,地方都市間との経済力の格差がますます拡大することも懸念されるところであります。
 こうした状況を踏まえ,本市の経済成長をさらに維持・発展させ,21世紀に向けて活力に満ちた国際都市さっぽろを実現していくためには,国際的な競争力を持つ質の高い地域産業の振興や,国内外へのビジネスチャンスの拡大など,いわゆる本市経済の国際化,自立化を積極的に推進し,足腰の強い産業構造を創出していくことが強く求められてくると考えるのであります。とりわけ景気が好調に推移している今日こそ,国際化への積極的な取り組みを図る上で,またとない好機であると思われるのであります。幸い本市におきまして,近年,国際経済交流や地場企業の国際化に向けた先導的な施策が数多く講じられるようになりました。
 たとえば,昨年から始められた札幌・ポートランド経済セミナーを初め,ストックホルムハイテクセミナー,ノルウエー住宅セミナーなど,本市の都市ネットワークを生かした各種国際経済セミナーの開催もその一つであります。また,ハワイで定期的に開催している物産展につきましては,札幌物産の海外への販路拡大に大きな貢献をしてまいりましたし,本年11月にはロサンゼルス市において第1回目の札幌物産展を開催する運びと聞き及んでおります。さらに,今年度から実施されている通商アドバイザー制度は,地場中小企業の国際化を総合的に支援するための直接的な情報システムとして,今後の成果に大いに期待をしているところであります。
 こうしたさまざまな国際化事業の中で,特に明年6月に第3回目が開催される札幌国際見本市は,その中核となる事業であり,本市はもとより,広く道内の関係企業,自治体,経済団体等からも高い評価と大きな期待が寄せられているのであります。
 札幌国際見本市は,昭和59年には札幌流通総合会館のオープン記念として第1回目が開催されましたが,過去2回の開催実績を通して,海外との商取引の活性化,地場製品の販路拡大といった直接的な効果はもとより,国際的な産業・経済情報の集積による地場産業の高度化,国際都市さっぽろの知名度の向上,さらには多くの市民参加を背景とした国際親善の高揚や人的交流の活発化などにも大きく貢献し,東京以北最大の国際見本市として着実な発展を続けてまいりました。
 しかし,東京や大阪のように国際見本市としては30年以上の歴史を有する都市,あるいは欧米の見本市先進都市などに比べると,札幌国際見本市の歴史は浅く,見本市としての海外での知名度も決して高いものではないと思われます。
 こうした現状を考えてみますと,国際見本市の運営・組織のあり方を初め,3年に1度という比較的長い開催サイクルのあり方,バイヤーへのサービスや商談機能の強化,国際的な物流ネットワークの整備,PR活動など,今後取り組まなければならない新たな課題もあると考えておるのであります。
 札幌国際見本市が北方圏の拠点都市札幌にふさわしい魅力と特色を備え,また,真に国際見本市としての機能と役割を強化しながら発展を続けていくことが,関係者の共通の願いであり,そのためにも,'90札幌国際見本市は,将来を担う重要な試金石になると言えましょう。そこで,'90札幌国際見本市に臨む基本姿勢と将来方向に関して3点質問をいたします。
 第1点目は,'90札幌国際見本市の開催方針についてであります。
 過去2回の見本市は,どちらかというと総合見本市的な色彩が強く,関連行事も一般市民を対象としたもので構成され,展示品も多様な分野のものが総花的,網羅的に出展されるなど,札幌らしい創出や商談環境の向上という点では,いま一つ訴えるものが弱かったように思われます。そこで,次回の見本市の開催方針について,過去2回と比較した場合の特色等もあわせてお伺いをいたします。
 第2点目は,現在の準備状況についてであります。特に海外からの参加状況や企業の反応にどのような変化が見られるのか,また,今後力を入れるべき企画内容を中心にお伺いいたします。
 3点目は,札幌国際見本市の将来方向についてであります。
 将来に向けて,札幌国際見本市をより魅力あるものにしていくために,今後どのような対応策を講じられようとしているのか。運営組織や開催サイクルのあり方,さらには流通基盤の整備の問題等を含め,市長の基本的な考え方についてお伺いをいたします。
 次に,教育問題についてお伺いいたします。
 本市は,全国有数の大都市でありますが,これまで住みよい街づくりに向けての着実な基盤整備が行われており,この間の市当局のご努力に対しては,深く敬意を表するものであります。
 住みやすさということをよく考えてみますと,道路,交通,上下水道などの都市基盤に加えて,清潔な街並み,歩道,公園,そして街路樹や草花など,人々が住む生活の場が快適に保たれていることが必要であります。そのためには,行政当局ばかりではなく,そこに住む者の意識が相当大きな比重を占めてくると思うわけであります。これらのことから,これからの教育の中では,人々と環境とのかかわりという観点を重視していくことが重要であると思われます。
 すでにご案内のように,去る9月10日から13日まで,わが国において地球環境保全に関する東京会議が開催されました。この会議は,わが国の政府と国連の機関の共催による国際会議であり,そのねらいは,人類共通の脅威となってきている地球的規模の環境問題に,どう立ち向うかを討議することにあったのであります。
 その開会式において,国連環境計画のトルバ事務局長は,人類が直面する最も深刻な脅威は地球の温暖化という現象であり,このままでは,やがて海面の上昇や気候の変化で,アジアやアフリカなどの低地沿岸で5,000万人の難民が生まれると警告しました。このような地球規模の環境問題は,それまで必ずしも身近な問題ではありませんでしたが,それでも,スプレーなどに使われるフロンガスの規制の問題など,徐々に人々の生活意識の中にも入ってきているようであります。
 さて,これまで環境問題といえば,主として産業公害の問題が大きな比重を占めておりましたが,この問題についてはそれなりに対応策がとられてきました。しかし,現在,環境問題を複雑かつ深刻にしているのは,もっと身の回りの,いわゆる都市型,生活型の公害であるということであります。科学技術の進歩により,生活の便利さ,快適さは比較的簡単に得られるようになっております。しかし,その一方で,生活排水による川や海の汚れ,自動車の排気ガスや騒音そしてごみなど,さまざまな問題が起こってきております。これらの都市型,生活型の公害につきましては,私たち自身が被害者であると同時に,時には加害者でもあるわけであります。
 一例を挙げるならば,使用済みのてんぷら油をなべ1杯分捨てますと,当然川は汚れます。その川を再び魚が住めるようにするには,ふろおけ330杯の水で薄めなくてはならないという話であります。
 私は,水,大気,土壌などの地球的規模で環境問題が深刻化している中で,将来とも快適な生活を維持するには,一人一人が人間と環境とのかかわりについて理解を深め,責任のある行動がとれるようにしなければならないと思います。そのためには,教育の中でもそのことをしっかり教えていく必要があると考えるものであります。
 次に申し上げたいのは,子供の生活実態と自然とのかかわりについてであります。
 環境を大切にする意識を育てるには,何よりも自然を愛する心情を育てることが必要であります。そしてそのためには,子供たち一人一人がもっと野外に出て,直接自然に親しむ機会を持つことが不可欠であろうと思います。かっての子供は,学校が終わると森や林あるいは野原に行ってキリギリスをつかまえ,トンボやチョウチョウを追い,タンポポを摘んだりしました。あるいは,川や池で魚やエビをとり,また暗くなるまで近所の空地で泥んこになって遊んだりするのがごく普通の姿でありました。
 ところが,現在はどうでありましょうか。総務庁の青少年対策本部が行った児童の実態等に関する国際比較調査の結果によりますと,学校が終わってから子供が遊んでいる時間は,日本では平均1時間36分であり,アメリカの3時間21分,イギリスの2時間36分と比べて大変短くなっております。さらに,学校が終わってからも遊ばないという子供は,日本では16.1%もいるのに対し,アメリカでは0.8%,イギリスでは1.3%になっております。
 また,自由な時間をどのように過ごすことが多いかという項目については,日本ではテレビを見ている,雑誌や漫画を見るなど屋内での遊びが多く,アメリカやイギリス,フランスの子供が友達とスポーツや戸外のゲームをしたりして遊ぶのが高い割合を占めているのと異なっております。これらのことを考えますと,日本の子供たちが野外で自然に触れながら遊ぶという機会は,非常に少なくなってきているようであります。
 私は,自分たちの住む環境を大切にする意識を育てるには,何よりも,子供たちが野外に出て,自然に触れ,遊んだり,いろいろな疑問を持ったり,美しさに感動したりするような体験を持つことが不可欠だと思うのであります。特に,札幌のように大都市に生活するいまの子供たちのためには,学校教育や社会教育の中で,そのような機会をいろいろとつくってやる必要があると思うのであります。
 以上の観点から,以下3点について質問をいたします。
 まず第1点目は,環境についての学習は,現在,学校教育の中でどのように行われているのかということであります。
 私は,人々が環境に関心を持ち,知識を身につけ,人間の生活と環境とのかかわりを理解し,生活環境の保全や自然保護に配慮した生活に心がけるようになるためには,学校の指導の中で計画的にそのことを取り上げて指導する必要があると思うのでありますが,現在,どのようなところで,どのような指導がなされているのかお答え願います。
 2点目は,昨年度にオープンした北方自然教育園についてでありますが,私は,環境教育の観点から,この施設の開園に賛同するものであります。本市の児童生徒が自然に触れ,体験的な学習を行う場として,この施設が大いに活用されるべきであると考えますが,開園1年余の実績はどのようになっているのか。また,今後どのように充実させていくのかお伺いをいたします。
 次に,質問の3点目は,自然に触れての体験的な活動の必要性についてであります。
 教室の中での学習だけでは,自分の周りの環境に関心を持ち自分が進んで行動する力は身につきません。しかし,現在の子供の生活実態では,自然に直接触れて思い切り遊ぶという機会はなかなかないのであります。そこで,やはり学校教育や社会教育の中で,できるだけそのような機会をつくってやることが必要だと思うのですが,現在,どのように行われているのかお伺いをいたします。
 最後に,豊平区の諸問題について2点ほどお尋ねをいたします。
 第1点目は,豊平区内にある札幌市が所有する土地の利用についてであります。
 地下鉄東豊線の延長路線である豊水すすきのから福住が平成6年の開業を目指して,いよいよ着工の運びとなっております。地下鉄は,市民にとって敏速で快適な足となることはもとより,街の活性化,街の発展にとって本当に大きな力となるものであります。既存の地下鉄沿線を見ても,地下鉄に沿って都市機能の拡充が進んでいることとあわせ,街並みはますます近代的なものに一新されてきております。
 そこで,延長される東豊線の沿線に放置しております札幌市が所有する2カ所の大規模な土地の利用計画についてお伺いをしたいと存じます。
 その一つは,豊平墓地跡地であります。環状線の内側,しかも,都心から3キロメーター圏域に所在する4万6,000平方メートルにも及ぶこの土地は,東豊線の仮称豊平駅に近接することになるとともに,旧林業試験場の豊かな緑を活用した豊平公園にも隣接しております。このように都心部に近く,交通アクセス,周辺環境にも恵まれ,加えて4ヘクタールを超えるまとまった市有地は,全市的に見ても大変貴重な土地と言えるのであります。
 そこで,この土地の具体的な利用計画についてでありますが,市においても現在,多方面から検討中であろうかと思いますが,私は,地下鉄が延長された暁には,非常に利便性の高い土地に変貌を遂げるであろうことを考えますときに,全市的な観点と周辺地域の発展を考え合わせた土地利用をぜひ図っていく必要があると思うのであります。
 こういったことを踏まえて考えますと,私は,21世紀を見据えた第3次札幌市長期総合計画においても,その配置の必要性がうたわれております博物館あるいは総合体育館といった全市的な利用がなされる文化,スポーツ施設の候補地として最適であると考えるのでありますが,市長の現在のお考えをお伺いいたします。
 もう一つの土地は,面積約1万4,000平方メートルを有する豊平6条3丁目の豊平コンクリート跡地であります。この土地も,東豊線の仮称学園前駅に近接することとなり,また,中央区の南9条と豊平区とを結ぶ南大橋からわずか500メートルほどの距離にあります。昭和54年に豊平川河畔地域の整備のために活用する目的で取得して以来,いまだ具体的な利用計画が決定していないと伺っておりますが,東豊線の延長が具体化された現在,沿線の秩序ある発展を図るという意味からも,早期にこの土地利用計画を定める必要があると考えるのでありますが,そこで,市長に具体的なお考えがありましたらお聞かせをいただきたいのであります。
 第2点目は,中の島地区にある精進川周辺の整備についてであります。
中の島地区と平岸地区の境界を南北に,南側は道道札幌支笏湖線から北側は豊平川の合流地点まで,中の島地区の東側のほぼ全域を約3キロメートルの長さにもなって流れる精進川は,毎年春には地域住民がみずから周辺の草刈や清掃作業を行うなど,地域にとって古くから親しまれている川であります。
 現在,この川の流域には,南側の道道札幌支笏湖線から下流300メートルにかけて,精進河畔公園として運動広場や水辺の散歩道に整備されている区域,また中の島公園,かわら公園,豊中公園といった児童公園が単独に整備されている区域があります。これらは付近住民の貴重な憩いの場として,また子供の遊び場として地域に親しまれております。このうち精進河畔公園は全体で6.5ヘクタールの都市計画決定区域のうち,3.6ヘクタールが昭和49年に整備されましたが,残りの2.9ヘクタールは未整備のままとなっております。
 近年,都市河川周辺は貴重な水と緑の空間として見直され,地域社会に潤いを与える街の景観形成や,住民の余暇活動の場となるものとしてとらえられているところであります。本市においても,昨年は北区の安春川,ことしは中央区の山鼻川が建設省の「ふるさとの川モデル事業」に指定を受けたところでもあります。
 そこで,私は,地域に親しまれ愛されている精進川について,精進河畔公園の未整備区域の継続整備を含めて,流域全体を結んだウォーターフロントベルト計画を策定し,環境整備を行っていただきたいと思うのでありますが,これについての市長のお考えをお伺いいたします。
 以上をもって,代表質問を終わります。ご清聴大変にありがとうございました。(拍手)
工藤勲君 7 番目 / 24 字
○副議長(工藤勲君) 答弁を求めます。板垣市長。
板垣武四君 8 番目 / 3,956 字
◎市長(板垣武四君) 最初に,財政問題についてでございます。
 その第1点目の市税決算についてでございますが,昨日もお答え申し上げましたが,昭和63年度の市税決算額は,前年度決算額と比較いたしますと7.0%の伸びとなったところでございます。この伸び率は,税制改正に伴う減税影響があったにもかかわらず,景気が引き続き順調に推移したことに支えられ,堅調なものであることを示したものと考えているところでございます。
 また,税制改正に伴う昭和63年度の影響額についてでございますが,市税全体では約59億円の減収となったところでございまして,最近にない大きな減税影響があったのでございます。その主なものは個人市民税でございまして,税率の引下げ,控除額の引上げ及び配偶者特別控除の創設などによりまして,約48億5,000万円の減収となったものでございます。
 第2点目の税務事務の改善についてでございますが,これにつきましては,従前より,電子計算機の活用による積極的な事務処理に取り組んできているところでございますが,このたび,さらに効率化を図るために,平成4年をめどに税務事務の漢字オンライン化を実施すべく,本年7月からプロジェクトチームを発足させまして,具体的な準備に入ったところでございます。
 このシステムが構築されますと,たとえば証明事務の交付時間の短縮や納税通知書のあて名の漢字化など,市民サービスの向上が図られるほか,税務事務全般にわたって,より一層の公平かつ適正な運営が確保されるものと考えているところでございます。
 次に,地方交付税の決算についてでございますが,昭和63年度の普通交付税算定結果を見ますと,基準財政需要額では,単位費用の改定,道路延長など,測定単位の増加などによりまして,前年度に比して約132億円,率にして6.1%の増になっております。
 また,基準財政収入額では,景気の好調を反映した税収の伸びなどによって,前年度に比し約145億円,率にして10.5%の増となったところでございます。したがいまして,このように収入額が需要額の伸びを上回る結果となったことから,昭和63年度の本市の普通交付税は前年度に比し約13億円,率にして1.8%の減になったところでございます。
 次に,都市再開発方針の見直しについてでございますが,ご指摘のとおり,再開発事業は,都市機能の更新という意味でまことに有効な事業であり,今後は,さらに21世紀を見据えた街づくりを積極的に進めるため,現行の都市再開発方針の見直しを行うことにいたしております。
 そこで,ご質問の第1点目の1号市街地拡大に当たっての基本的な考え方についてでございますが,居住環境の改善を要する地区,地域中心核として再整備を図る必要のある地区などについて,地元の再開発の機運や動向を見ながら,的確な地区の選定を行い,来年度,他の都市計画変更にあわせて見直しを行ってまいりたいと考えております。
 第2点目の再開発推進のための誘導策についてでございますが,特に急を要すると思われます地区につきましては,整備構想や再開発基本計画などを策定して指導・誘導を図るとともに,積極的に街づくりを進めようとしている団体に対しましては,要網に基づき,その活動費の一部を助成をしてきております。
 さらに,事業化に至った地区に対しましては,国の補助などを十分に活用して事業費などの助成も行ってきております。
 近年,国のほうでも,再開発推進のため,制度の拡充を図ってきておりますところから,より一層それらの制度活用によって都市機能の更新に努めてまいりたいと考えております。
 次に,3点目の地下鉄東豊線沿線地区の見直しについてでございますが,ご質問の,すでに開業している東区の中枢駅周辺及び今後の延長部分に当たります豊平方面につきましても,老朽・過密化,低利用地区が見受けられますので,それぞれ見直しを図ってまいりたいと,このように考えております。
 次は,在宅老人の介護体制についてであります。
 その第1点目の支援体制システムについてでありますが,本市の保健福祉サービスといたしましては,従来から,介護者が家庭を訪問するホームヘルパー制度,老人ホームにおいて一時的にお世話をするショートステイ,昼間,老人ホームで食事や入浴サービスを行うデイ・サービス等の各事業を実施してまいりましたが,さらに本年8月から新たに,夜間のお世話をするナイト・ケア事業を開始したところでございます。
 また,各保健所の保健婦が家庭を訪問し,在宅介護について相談することのできる訪問指導事業も実施しているところでございます。
 そこで,ご質問にありました,これらの事業が気軽に利用でき,一層効果を上げ得るようなシステムづくりについてでございますが,これは,何と申しましても,地域の中で活動しておられる民生委員,老人巡回相談員あるいは地区の社協などの方々に在宅介護支援の中核としての役割を積極的に担っていただくことが必要であると考えております。
 現在,国におきましては,厚生省が,在宅介護について身近なところで家族が相談できる在宅介護支援センターというものの設置について検討していると伺っておりますので,本市といたしましても,このような国の動向を見きわめながら,迅速に対応をしてまいりたいと考えております。
 2点目についてでございますが,老化や疾病により寝たきりの状態になりやすい老人に対しましては,医療や介護のあり方について検討を加え,各種施設・施策を展開してまいりたいと考えております。
 本市では,寝たきりになった人に対しましては,保健所の保健婦が個別に訪問をして,療養者に対する療養指導,あるいは,その家族に対する介護指導を行っております。また,退院後もさらに機能回復訓練を求めている人に対しましては,社会福祉事業団等に委託をして,市内6ヵ所の老人福祉センターや特別養護老人ホームでリハビリテーションを実施しているところでございます。
 今後の具体的な施策といたしましては,寝たきりにならないためのPR活動,寝たきりの原因となる脳卒中,リューマチ等の予防,在宅老人に対する機能訓練と訪問指導などの事業を,さらに充実・強化してまいりたいと考えております。
 次の国際見本市につきましては助役に,教育問題は教育長からご答弁を申し上げます。私は,最後の豊平区の前にもう1点,スパイクタイヤについてお答えを申し上げます。
 まず,1点目の通過交通車両の取扱いについてでございますが,ご指摘のとおり,道内には本市より気象条件が厳しい地域がございます。したがいまして,それらの地域との間を走行する車両につきましては,本市の規制期間を守っていただくことが困難な場合も予想されますので,当面,北海道が条例で考えております規制期間より踏み込む期間について,規則等の中で除外の扱いとし,指導・勧告の猶予など,弾力的に取り扱っていく考えでございます。
 2点目の反則金の導入についてでございますが,このたびの北海道交通警察懇談会の反則金導入にかかわる提言につきましては,本市の規制期間とは一致いたしませんけれども,私も森議員と同様に,現時点において市民の皆様に受け入れられる内容であると考えますし,この制度の導入により,さらに脱スパイクが促進され,大きな前進が望めるだろうと期待をいたしております。
 次に,3点目の北海道警察との連携についてでございますが,北海道警察には,従前から特段のご協力をいただいておりますけれども,本年度から新たに,冬道安全運転講習会の運営や安全運転に関する啓発物の製作などについても,共同で行うように準備を進めているところでございます。今後とも,連携を強化しながら,問題の早期解決を目指していきたいと考えております。
 豊平区内にある市有地の利用計画についてお答えを申し上げます。
 第1点目の豊平墓地跡地についてでございますが,ご指摘にもありましたように,この土地は,都心周辺に残された貴重な大規模市有地でございますことから,有効な活用策を図る必要があることは,十分認識をいたしております。したがいまして,その利用に当たりましては,当該地が豊平公園に隣接しているという立地環境や地域的位置づけ,さらには,地下鉄駅に近接するという交通条件を加味し,都心周辺に所在する他の大規模用地の利用状況をも勘案しながら,ご提案の施設等を含めて十分検討を進めてまいりたいと,このように考えております。
 第2点目の豊平6条3丁目の土地利用計画についてでございますが,その土地を含む周辺の秩序ある発展を考え,土地利用計画を定めるべきであると,こういうことはご指摘のとおりでございますが,当該地は,再開発事業等を推進するための用地として取得をしたものでございますので,基本的には,再開発事業を円滑に推進するための有効利用をまず図っていくべきだと考えております。
 次に,精進川周辺の整備についてでございますが,ご指摘のとおり,精進川は清流や緑を持つ川であり,親水性を持った一連の環境整備を行うのにふさわしい川であると,私もそのように考えております。したがいまして,ご提言にもございます環境整備につきましては,河川管理者であります北海道と積極的に協議を進め,未整備公園区域の整備を推進してまいりますとともに,河川の環境整備につきましても,多額の費用が見込まれますので,補助採択に向けて国に対して働きかけながら,早期の実現に向けて努力をしてまいる所存でございます。以上でございます。
工藤勲君 9 番目 / 15 字
○副議長(工藤勲君) 桂助役。
桂信雄君 10 番目 / 1,265 字
◎助役(桂信雄君) 国際見本市につきまして,私からお答えをいたします。
 国際見本市は,本市経済界経済の国際化を進めるための先導的かつ中核的な事業であると認識をいたしておりますので,'90札幌国際見本市につきましては,幾つかの新しい試みを取り入れたいと考えているところであります。
 そこで,第1点目の開催方針についてでございますが,過去2回の見本市は,いわゆる総合見本市的な内容でありましたのに対し,今回は,快適な都市生活という統一テーマを設定いたしまして,特に,住宅,ファッション,先端技術,スポーツ,レジャーなど本市の主力産業や地域特性を生かした分野に力点を置きながら,できるだけ札幌の独自性を打ち出したいと考えております。
 また,商取引機能の強化を図るために,展示ゾーンと即売ゾーンを分離するとともに,2日間のバイヤーズデーを設け,商談会や経済セミナーを集中的に開催するなど,徹底したバイヤーサービスに努めたいと考えているところであります。
 次に,2点目の準備状況でございますが,ことしの1月に実行委員会を設立いたしました。これまで,各国の大使館や通商機関を初め,国の内外の企業・産業団体・自治体等に出展要請を行ってきたところであります。海外からの出展につきましては,前回と同様,40前後の国及び地域を予定しているところでありますが,今回は,本市の都市ネットワークを生かしまして,北方圏諸地域の参加を強く要請してまいった結果,北方圏を中心にアジア・太平洋地域含めて,現在のところ30程度の国及び地域からの参加がほぼ固まっております。順調に進んでいると考えております。特に,今回は,州や都市レベルでの参加が目立っておりまして,将来に向けて地域間経済交流の拡大という新たな期待も持てると思っております。
 今後は,具体的なバイヤーサービスを初め,3年に1度の見本市が市民の皆様にも楽しんでいただけるような魅力的なイベント等の企画を早急に固めていきたいと考えております。
 3点目の将来方向につきましては,これまでの見本市の結果を踏まえて,本市の特性を意識したテーマを設定しながら,これにふさわしい分野での専門見本市化の可能性を探りながら,札幌発の視点に立った独自性を一層鮮明にしていきたいと考えております。
 また,現在は3年に1度の割合で開催をし,それに向けて札幌国際見本市協会が日常業務を処理しているところでありますが,この開催頻度を高めていくことも検討課題の一つであろうと存じます。そのためには,コンベンション都市構想との連携を図りながら,より強力な運営推進体制づくりを検討してまいりたいと考えております。
 さらに,流通基盤の整備に関しましては,海外からの直接参加あるいは国際的な商取引の一層の促進を図る上で,国際的な輸送交通ネットワークや通関,それから検疫体制等の整備・充実といったようなことは不可欠な課題であると考えておりますので,これらにつきましても,関係機関に強く働きかけてまいりたいと存じます。以上です。
工藤勲君 11 番目 / 17 字
○副議長(工藤勲君) 荒井教育長。
荒井徹君 12 番目 / 1,050 字
◎教育長(荒井徹君) 教育問題について,私からお答え申し上げます。
 1点目の,学校教育における環境問題の学習についてでございます。
 ご指摘のとおり,環境問題は,教育においても今日的な課題になっておりまして,社会科や理科の内容,あるいは道徳,特別活動の中で広く取り上げられております。たとえば,低学年の社会科や理科におきましては,学校の外へ出て,地域の自然や街の様子を学ぶ学習をしておりますし,5年生の社会科では,「暮らしと公害」「住みよい国土を考える」などの学習で環境の問題を取り上げております。
 また,道徳では,生命を尊重し,自然に親しみ,動植物を愛護する態度を育てることになっておりまして,特別活動でも,自然を生かした特色ある活動が行われております。
 次に,2点目の北方自然教育園についてでありますが,昨年9月に開園して以来,児童生徒が自然観察のほか,果樹園,水田,畑地での作業を通して働く喜びを味わう体験学習の場として広く活用されております。さらに,生きた教材として稲,ヘチマの苗,コオロギ,蚕などを各学校に提供をして,大きな教育的効果を上げていると考えております。また,日曜日には自然観察会や親子体験学習会を開催しまして,多くの市民に喜ばれております。
 昨年開園以来今日まで,ほぼ5万3,000人の利用者がございました。これからも,北国の生活の文化を体験的,創造的に学習する場として,各幼稚園,学校が利用しやすいように一層充実を図ってまいりたいと考えております。
 3点目の,自然に触れての体験的な活動についてでありますが,学校教育の中では,野鳥の観察や天体観察,サケの稚魚の飼育や放流を通した学習,あるいは,植物園や防風林など,近くの地域環境を生かした特色ある教育活動が行われております。また,滝野や西岡のほか,日高や大雪での宿泊を伴う自然数室も実施されております。
 社会教育としては,小学生を対象とした夏季・冬季の林間学校,中学生を対象にした野外宿泊活動,また,小中学生を対象に土器づくりや竪穴住居復元など,さまざまな活動を体験する原始体験キャンプを実施しております。
 ご承知のとおり,過日,滝野すずらん丘陵公園内に,念願の大規模宿泊野外教育施設として,札幌市青少年山の家が開設されましたが,これを機会に,野外活動のための新しいプログラムの開発や工夫を重ねることによりまして,自然に触れての多様な活動が一層,充実・進展するよう期待しているところでございます。以上であります。
工藤勲君 13 番目 / 30 字
○副議長(工藤勲君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
吉野晃司君 14 番目 / 67 字
○議長(吉野晃司君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
 代表質問の続行であります。村山優治君。
 (村山優治君登壇・拍手)
(発言者未割当) 15 番目 / 15,497 字 発言者未割当
◆村山優治君 私は,ただいまから,自民クラブ議員会を代表いたしまして,当面する諸問題あるいは本市の将来のあるべき方向等,数点にわたって質問をいたします。
 まず,初めに財政問題であります。
 国の昭和63年度予算は,景気のどん底に編成された62年度予算とは異なり,財政再建の中においても,内需の持続的拡大を図るため,公共事業の規模確保を目標に編成され,一般会計予算の規模で見ると56兆6,997億,対前年度比4.8%増,また,国債費及び地方交付税を除いた一般歳出では32兆9,821億円,1.2%増で,6年ぶりに前年度を上回る予算となったところであります。
 また,地方財政計画では57兆8,198億円,対前年度比6.3%増と,昭和56年度の7%増以来の高い伸びを示したところであります。
 一方,本市の予算は,一般会計5,384億円,対前年度比7.1%増と,国の一般会計及び地方財政計画をも上回る伸びとなっており,特別会計及び企業会計を含めた全会計では5.6%増の1兆62億円と,初の1兆円を超える積極的な予算を編成したところであります。
 本市を取り巻く財政環境は,国庫補助負担率の引下げが継続され,また,地下鉄,国保財政の悪化など,厳しい状況でありましたが,分区関連施設の整備,国際化にふさわしい都市環境づくり,さらには,今後の高齢化社会に備えた社会福祉施設の充実などの諸事業を推進した市長の積極的な姿勢を高く評価するものであります。
 さて,今回認定に付されております昭和63年度決算についてであります。その財政構造について,昭和54年度から10年間について分析してみますと,財政力指数については,毎年,徐々にではありますが伸びてきており,0.075ポイントの増,自主財源比率については,市税の順調な伸びなどにより11.8ポイントの増と望ましい傾向であると言えますが,一方において,公債費比率は4.1ポイント上昇しており,財政の硬直化が危惧されるところであります。
 また,歳出について,性質別にその構成比を見ると,人件費,公債費,扶助費などの義務的経費については横ばいの状況でありますが,施設管理的な経費や維持補修費等を含むその他経費が,ここ10年間で5.6ポイントの上昇となっており,その分だけ投資的経費が圧縮されているのであります。
 本市の行政需要は,人口の増加等とともにますます拡大することが予測されるところであり,投資的経費を伸ばすことのできる工夫が必要であると考えるのであります。幸いにも,本市には,財政調整基金や減債基金のような年度間の財政調整を行う基金,用地の先行取得のための土地開発基金,さらには,奨学基金,国際交流基金,文化交流基金など,基金運用による果実により事業執行を行うものなど,63年度末で総額1,047億円余に及ぶ基金があります。
 私は,来たるべき21世紀を迎えるに当たり,この基金を有効に,そして計画的に活用し,事業を遂行すべきであると考えるのであります。そこで,お伺いをいたします。
 質問の第1点目は,基金の現状についてでありますが,本市の基金は,ほかの政令指定都市と比較してどのような状況にあるのか。また,財政調整基金及び減債基金を合わせた比較ではどのようなのでありますか,お伺いをいたします。
 質問の第2点目は,減債基金についてであります。
 行政需要が今後ますます増大する中で,他都市に比較して自主財源に乏しい本市において諸事業を推進するためには,今後とも市債を活用することが必要であると思うのであります。また,一方においては,将来の償還,つまり負担をも念頭に置き,検討すべきであると考えるのであります。平成元年度の地方財政対策において,55年度以前の財源対策債の償還分について,全国枠で9,605億円が交付税において処置されることになったところであります。
 このうち,本市相当分については,市長は減債基金に積み立てる方針を本年の第1回定例市議会において明らかにされたわけでありますが,今後の償還に備えて,私は,この機会にできる限りの備蓄をすべきであると考えるのであります。すでに,交付税の額も決定を見たところでありますから,本市分について,どの程度処置されるのか。また,これらについて,どのように対処されるのかお伺いをいたします。
 次に,思いやりのある心を育てる教育についてお伺いをいたします。
 近年,教育を巡る議論は,まことに盛んなものであります。臨時教育審議会の答申を中心とした,いわゆる教育改革に関する論議が年々高まって出ており,また,学習指導要領の改定による学校での指導内容を巡ってさまざまな意見があり,多くの国民の関心を集めているところであります。そこでは,21世紀に向けての教育のあり方,学歴社会の弊害の是正,あるいは国際化・情報化など,社会の変化への対応といったきわめて重要な問題が取り上げられ,しかも,その議論の結果出された結論を巡って,また新たな問題が生まれるといった状況も生じております。
 私は,こうした議論もさることながら,教育のあり方というものを,もっと身近なふだんの生活の中から考えてみることも非常に重要であると思うのであります。作家の曽野綾子さんが書いた文章の中で,次のようなことを述べております。
 曽野さんは,電車に乗ることが大変好きなのでありますが,「乗っているときは,大抵不愉快な思いをする。それは,席を詰めない男女に必ず出会うからだ」というのであります。また「電車の中で物を食べる子供,大声でしゃべる子供,車内を走り回る,さらには,座席に靴を履いて後ろ向きに座り,その座席を靴で汚しても注意をしない母親の姿,こういった光景に出会うたびにいやな思いをする」というのであります。
 たかが座席の座り方と言う人もあるかもしれないが,座席の座り方一つでかなりその人の物の考え方が出ます。これは,小さなことであるが,しかし,意外とその小さなことがその人の生き方の本質を育てることになるというのであります。
 そして,「他人の存在ということについての意識の希薄な人は,本当の意味でのヒューマニズムを理解しないし,自分を抑えたり集中したりすることのできない人は,どんな仕事をしてもプロにはなり得ないわけでありまして,数学なんかできなくてもよいから,せめて電車の座り方ぐらいきちっと教えてから社会に出してほしい」と述べております。
 私は,この曽野さんの意見に同感なのであります。
 いまの子供たちを巡って,さまざまな問題状況が指摘されております。いじめや暴力などの非行は,やや鎮静化の傾向は見られるものの,なお心配される状況は多々ありますが,これらの問題状況が発生する背景としては,家庭や地域社会の変化,あるいは青少年を取り巻く有害な環境など,さまざまな要因があると思います。しかし,これらさまざまな要因があるとはいえ,私がいま一番憂いでいることは,社会に出るときに必要とされている道徳や常識が,いまの子供たちに欠けているということであります。
 われわれを驚かせた連続幼女殺害事件の容疑者は,新聞等の報道するところによると,普通の社会人としての人間関係をもつことのできない性格であったようであります。
 また,6年ほど前のことでありますが,横浜市の中学生が,公園や地下街をねぐらとする浮浪者を次々と襲って3人を死亡させ,13人に重軽傷を負わせた事件が起こりました。
 また,ことしになって東京で,女子高生が少年たちに1カ月以上にわたって監禁された上,殺害され,コンクリート詰めにして捨てられるという悲惨な事件も起こりました。
 さらにまた,記憶に新しいところでは,つい最近でありますが,札幌市内白石区で起きた暴走族同士の抗争事件であります。白石区の中学校に通う3年生の14歳の男子生徒が犠牲となり,尊い命を失ったのであります。
 これらの事件に共通して言えることは,常識,つまり一人前の社会人になるために必要な思慮分別が欠けており,とりわけ,他人の気持ちや立場を理解し,共感できる能力,すなわち思いやりの心が全く欠けているということであります。
 これらの事件は,特異な一部の人間が引き起こした事件であるかもしれませんが,しかし,たとえば,教科書を忘れた隣りの子供が困っていても,教師に言われるまで見せようとしない。給食当番が失敗して給食を床にこぼしても,床をふくなどの手助けをしないで,ただ,黙って片づくのを待っているというようなことも,いまの子供の姿としては珍しいことではないということであります。
 このたびの特異な事件は,思いやりに欠けるごく日常的な,こうした事例の延長線上にある典型的な事例と見ることができるのではないでしょうか。いじめが問題になるのも,いまの子供たちの間に,一般的に思いやりの心が育っていないことが背景にあると思うのであります。
 思いやりとは,他人の痛みがわかり,何らかの形で自分以外の人のために役立とうとする気持ちであります。そのような感情は人と人との触れ合いの中で初めて育つものでありますし,つまり家庭や社会を含めた子供たちの生活全体の中で育っていくものであります。かつては,祖父母を含めて多くの家族が助け合って暮らしているのが普通で,子供も,水をくみ,掃除,まき割りなど,何らかの家庭内での役割を担っており,それらの中で人と人とのつながりや,みんなで生きていくための常識や道徳をおのずと身につけてきたはずであります。
 しかし,残念ながら,いま子供たちを取り巻く状況は十分ではありません。現代の家庭は,夫婦と少数の兄弟という核家族が一般的であり,過保護と自己中心的な子供の甘えが通りやすい状況にあるからであります。
 さらに,都市化が進む中で,隣り近所とのつき合いも少なくなりがちで,地域のつながりも薄れてきており,これらのことを考え合わせますと,私は,学校生活や学校の教育活動の中に,思いやりの心を育てるという営みを強く期待をしたいのであります。
 以上の観点から,3点について質問いたします。
 その第1点目でありますが,現在の学校教育の中に,思いやりの心を育て,常識や道徳を身につけさせるための教育活動がどのように位置づけられているのかということであります。
 私はこれからの学校教育では,教室の中での算数や国語といった教科書どおりの授業だけでなく,本来は家庭や地域の中で育てられたはずの内容,すなわち世間一般に通ずる考え方や知識,つまり社会に出たときに必要な常識を身につけさせるような教育も,これからもっと積極的に取り組んでいく必要があると思うのです。この点はどうお考えなのかお伺いをいたします。
 次に,第2点目でありますが,思いやりの心を育てるには,教室の中で話をしたりするだけでは,きわめて不十分であります。思いやりの心が形となってあらわれるのは,気持ちに行動が伴った場合であるはずです。何となく相手が困っているのはわかっているが,どう働きかけてよいのかわからないし,面倒なことはできるだけ避けたいということもあります。したがって,私は,社会に通ずる考え方や行動ができるようになるには,知識だけではなく,教室を出て何らかの形で社会参加をし,しかも,他人のためによいことをしたという体験,たとえば奉仕的・ボランティア的な活動,時には小学生,中学生,高校生が一緒になっての活動の中から,人間道徳,社会常識を学び得るような授業が必要だと思うのであります。
 このような体験的な活動は,現在行われているのか。また,今後これらを含めてどのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。
 質問の第3点目でありますが,思いやりの心を育てるためには,子供にとってよいモデルが必要であります。家庭での親,地域の大人たちは無論その責任があります。学校においては,やはり教師の人柄が大きく影響を与えますし,したがいまして,教師の採用に当たっては,単に教科の力だけでなく,より広い観点から選考して採用すべきと思うのでありますが,この点についてどうお考えなのかお伺いをしたいと存じます。
 次に,自動車社会における公共交通のあり方についてお伺いをいたします。
 近年,自動車社会への進展は著しいものがあると言われておりますが,本市もその例外ではありません。昨今のいろいろな調査データを見てもわかりますが,自動車保有台数は,企業,市民を含めて,すでに60万台を超えており,一家に1台の時代から2台の時代へと向かっております。また,自動車の利用は,交通手段の割合でも全体の5割以上を占めているそうであります。特に,仕事を目的としている人は,その9割が車を利用しているというデータが出ております。
 平成17年には本市の人口も200万人と想定され,そうなりますと,車の保有台数も10万台ないし15万台は増加するだろうと予測されるわけでありますが,このように車が身近な交通手段となったこと,あるいは女性ドライバーがふえていることなどから,最近は車での買い物客を目当てとした,郊外に,大型スーパーはもとより,書籍,洋服,靴,薬といったあらゆる業種の店が立地してきております。また,マンションやアパートに入居する際は,駐車場の確保が大きな選択条件とされております。
 さらに,余暇の拡大,リゾート開発の進展などに伴って,自動車社会を増長させているのも事実であります。若い人たちにとっては,車の運転そのものが目的である人も多く,自動車はドアツードアのシステムであり,その便利性,快適性がどの交通手段にもまさるものである限り,この自動車社会が未来永劫に続くことは明白であります。
 これを受ける道路整備について本市の状況を見てみますと,幹線道路の整備率は60%を超えて,大都市では上位にランクされているとはいえ,まだまだ将来の自動車交通量の伸びに対して,一抹の不安がないわけではないのであります。
 さきに策定されました第3次長期総合計画によれば,2バイパス,2環状,13大放射の骨格道路を整備することで十分に交通処理ができるとのお考えのようでありますが,本市といたしましては,この自動車社会に対応して,その機能を十分に担保する都市基盤づくりを上げていくことを重要な課題として取り組んでいかなければならないのではないでしょうか。
 一方,自動車交通に相対するのが公共交通でありますが,どの都市を見ても,公共交通の置かれている環境は非常に厳しいものがあります。バスは,道路混雑の進む中で定時性を失い,利用者離れを起こしておりますし,地下鉄は,建設費の高騰下で,整備の進捗に大きな歯どめがかけられています。
 このような状況は,利便性の面で,公共交通と自動車との間に差異が生じており,利用者にとっては,費用の面でも,総合的に見れば公共交通が必らずしも優位であるとは言えないことから,公共交通の伸び悩み,経営の悪化へとつながっております。したがいまして,現況を見る限り,公共交通をより充実し,自動車に対抗し得るほどの魅力を持たせることは至難の業であると思うのであります。
 本市の場合も,道路整備に対比すると,公共交通の整備はおくれていると言わざるを得ないのであります。特に冬期間のバス運行の確保,地下鉄整備計画の見通しなど,大きな課題を抱えております。また,このことが将来計画の策定においても影響を及ぼしており,公共交通に関しては,いまだ具体的なビジョンが示されておりません。
 このように,いまや都市は自動車社会という大きな流れに飲み込まれ,公共交通の生き延びる術は,必要最低限の部分に押し込まれようとしているのではないかという感じさえしております。
 しかしながら,私は,都市の発展とこれにかかわる交通体系のあり方を考えるとき,公共交通の果たすべき使命は大であると思うのであります。すなわち,大量かつ定時性の交通を処理し得る輸送体系こそ,都市交通の基幹的部分であり,限りある都市空間を有効かつ効率的に使うことが都市運営の基本であると考えるからであります。
 さらには,21世紀に向けて,高齢化社会,交通弱者に対応した都市づくりが求められるからでありますし,この意味からも,都市は公共交通をあきらめることなく,粘り強く,あるときはむしろ積極的にその基盤づくりを進めるべきであると考えるのであります。
 札幌の交通体系は,これまで自動車道交通と公共交通とバランスよく配分し,うまく処理してきましたが,しかし,ここにきて,この両者には明らかな差異が出てきていることから,将来に向けた交通体系の基本的な方向づけが問われるときであると思うのであります。すなわち,自動車社会を容認して道路づくりに一層邁進するか,あるいは公共交通の基盤を固めていくのかの選択であろうかと思います。
 アメリカのロサンゼルス市は,鉄道が一切なく,そのかわり高速道路,それも8車線以上もある道路を張りめぐらせて都市交通をさばこうとしたわけでありますが,その道路も満杯状態に近づき,やはり鉄道が必要であるとのことから,地下鉄構想が持ち上がっているそうであります。私は,将来に向けた都市交通体系のあり方を考えるとき,幾つかの視点が挙げられると思います。
 その第1点は,都市構造の改革であります。1点集中型から多核心型への移行,地域核の分散といった都市構造の改革を進めることで,交通需要を効率的な流れに変え,都市交通の円滑化を図る必要があるわけであります。
 第2点目は,人間優先の思想であります。交通の原点は歩行であり,すべての行動には歩行が伴います。その歩行環境を守ること,むしろ,よりよくすることがこれからの時代においては求められてくるものと思います。
 3点目は,自動車交通の合理化と抑制であります。道路を整備し続けても,いつの日か,限界は来ます。いずれ車が道路からあふれる日が来るわけでありますが,そのときには,当然排気ガス,騒音などの交通公害,交通事故の問題も深刻な時代となることが予測されます。したがって,自動車の合理的な利用あるいは抑制ということを現実問題としてとらまえることが必要であります。
 このような視点に加えて,将来の都市交通の体系のあり方を考えるとき,そこに公共交通優先の思想が打ち出されるべきものと考えるのであります。
 すなわち,都市が活動し,市民が快適な都市生活を享受するためには,都市内における円滑な交通の流れが絶えず確保されていなければならず,また,その流れは,都市機能を最大限に発揮し得るものであり,なおかつ,都市空間を最も効率的に利用したものであることが望ましいと考えるからであります。
 本市の将来の交通体系を考えるとき,自動車社会の流れは否定できるものではありませんが,公共交通体系,特に,本市の基幹交通である地下鉄の基盤整備が必要不可欠であると思うのであります。すなわち,街づくりと均衡のとれた地下鉄のネットワークを形成していくことが,200万都市への発展,育成を支える原動力となると思われるからであります。
 本市の地下鉄計画といたしましては,総延長50キロメートルであり,現在は南北線14.3キロ,東西線17.3キロ,そして,昨年開業いたしました東豊線が8.1キロ,また今年度は,豊水すすきのから福住までの5.6キロを国から認可をいただき,平成6年度に開業するまでに至ったわけであります。また残すところは,手稲東方面2.8キロ,北野方面3.3キロであります。
 そこで第1点目としてお伺いをいたします。
 市長は本会議答弁の中で,手稲東,北野までの残線につきましては,間髪入れずに,平成2年度中に認可申請をし,平成7年度中に開業すると明言しておりましたので,市民の信頼にこたえるように努力をしていただきたく要望をしておきます。
 そこで,この先の本市の地下鉄の延長形態でありますが,本年11月6日に白石区,西区が分区をいたし,厚別区,手稲区が新しく誕生して9区になるわけであります。あえて言わせていただきますと,手稲区は地下鉄のない唯一の区となるわけでありますし,本市の長期計画によりますと,手稲地区は地域中心核として育成していくとの方針を打ち出しておりますが,私は,地域格差の是正,地域市民末端までの行政サービスの観点からいいますと,何らかの形で大量輸送交通機関を考えていかなければならないと思うのでありますが,仮称手稲東駅から先の手稲方面に向けての延長線に対して,どのように考えておられるのかお伺いをいたします。
 第2点目は,自動車社会に対応する道路整備のあり方についてであります。
 骨格道路あるいは幹線道路などの都市内道路網が形成されることで,容量的には自動車社会に十分対応できる計画とのことでありますが,私は,実際に道路が抱える大きな問題は,特定の幹線道路に自動車が集中していること,加えて,地区内の交通と通過するだけの交通が混在していることが道路の混雑を招いていることであると思います。
 このことは道路機能を低下させ,道路の円滑な流れを阻害するだけでなく,沿道市街地の環境を悪化させるおそれも十分あります。札幌が200万都市に成長するとき当然他の市町村との広域的な交通もふえてくることでありましょう。そのときに,たとえ道路は走れたとしても,スピードが大幅にダウンして,交通機関としての自動車の機能は低減することになるのではないか。ひいては,それが都市機能の喪失にもつながるのではないかと心配しております。
 そこで,私は,都市内において,都心と郊外あるいは地域核とを結ぶ幹線道路については,交通の混雑,ふくそうを避けるための,通過交通を他の交通から機能的に分離して,自動車交通の速達性,定時性を確保する必要があると考えております。たとえば,高架や地下トンネルをつくり,二重構造の道路とすることも一つの方策ではないでしょうか。このように,私は21世紀を見据えた自動車交通を考えるとき,都市内道路の果たす役割は,都市機能の集積・拡充に対応して,限られた空間の中で人や物の流れをいかに効率的に処理するか,量から質の時代に転換していくものと考えております。
 そこでお伺いをいたしますが,将来の自動車交通に対応して,道路機能の向上を図る整備を進めるべきであると思いますが,本市といたしまして,どのようにお考えなのかお聞かせを願いたいと思います。
 次に,市立の高等教育機関の設置についてお伺いをいたします。
 本市におきましては,21世紀に向けて,わが国における北の中核都市として,その風土,特性を生かし,札幌独自の芸術文化の創造と市民生活の向上,産業の活性化を図りながら活力ある都市づくりを進めているところであります。このような都市づくりを進めていくためには,個性的な文化の創出など独自の文化環境の形成,さらには,国際化,情報化や技術革新の潮流に積極的に適応した都市型産業の振興が強く求められており,これらに対応し得る人材の養成と確保が必要であることは言うまでもありません。
 現在,市長が設置準備を進めております市立による芸術系の高等教育機関は,この点から申しましても,本市にとって,これから必須の施設であると存じているところであります。
 国際的に著名な建築家であります清家 清氏に設置準備委員会の委員長として,特色ある学校づくりをお願いしていることを伺っておりますが,清家先生こそ,芸術分野における高等教育機関のトップとしてふさわしい方であり,そのネームバリューは,この学校の知名度のアップや教育内容の充実,さらには有能な先生の確保に大きな力になっていただけるものと考えております。
 この設置に際しまして,市民はもとより,道民あるいは各界各層の方々から,この学校の実現に対しまして強い期待が寄せられていることを,高等教育機関の整備に関する各種のアンケート結果から伺っております。
 扱う分野につきましても,芸術系の中でも,特にデザイン系に絞って発足させるということでありますが,私は,今日ほどデザインの役割が,商品づくりにはもとより,街並みや環境の整備など,これまでにない幅広い分野で重要になってきている時期はないと思っているところであります。
 物の時代から心の時代になってきたと言われて久しいのでありますが,物の経済性,機能性,安全性などに加えて,快適さ,豊かさ,楽しさといった価値にこそ力点が置かれるようになったのであります。こういった心の充足を図るためのすべてにデザインは非常に大きな役割を占めていると考えられます。
 しかしながら,北海道の産業デザインのレベルを考えますと,札幌商工会議所のアンケート調査によりましても,全国水準より低いという結果が出ておりますし,グッドデザインマークもわずか1社2件のみしかないという,残念ながら,デザインについては,これから積極的に取り組まざるを得ないといった状態にあるのであります。
 本市の産業については,そのほとんどが中小企業で構成がなされているのが現状であり,特に製造業では,食料品,出版・印刷,金属製品,家具など地域の需要に対応した軽工業が主となっておりますことから,これらの中小企業における経済基盤の確立を図るためにも,その戦略といたしまして,価値観の多様化への対応や付加価値の高い商品開発など,地元企業の活性化が大きな課題となっているのであります。
 このことからも,生活と産業を結びつけるものとしてのデザインにかかわる教育の充実を図り,創造性に富んだ産業の担い手を育成する必要が求められており,本市の学校が全道のデザイン界,産業界に果たす役割はきわめて大きいものであると思うのであります。
 近年,国や自治体等におきましてデザインの振興策が展開されております。ことしは,通商産業省が唱えているデザインイヤーであります。現在,名古屋市では世界初のデザイン・マークをテーマとした世界デザイン博覧会が開催されており,本市におきましても,芸術の森を舞台に,クラフト全国公募展'89などのデザインにかかわる多彩なイベントが行われております。デザインを通じて,私たちの生活と産業と文化のあり方を問い直そうという機運が盛り上がっているのであります。
 このように,今日,デザインの振興は時代の要請であり,行政の役割としても必要になってきているのであります。
 昭和62年12月の本会議におきまして,市長は,国立芸術大学の誘致を断念するとともに,学校の形態としては,中学校を卒業した後,5年間一貫教育を行う高等専門学校で検討を進めていくというお考えを示されましたが,このような設置準備を進めておられる中で,国においては,昭和62年の臨時教育審議会の答申をもとに,現在の高等専門学校の名称変更と分野拡大について検討を進めていることから,本市におきましても,高等専門学校の変更名称としての専科大学で開校できるものと私は理解していたのであります。
 しかしながら,現在国においては,この専科大学構想への制度改正がなかなか進まず,特に,名称変更につきましては,当分の間,実現はきわめて難しい現状にあると聞いているのであります。このような状況のもとにおいで,本市における高等教育機関の設置に関しまして,以下4点について市長にお伺いをいたします。
 1点目は,学校形態についてでありますが,国において現在,専科大学構想について具体化を進めている中で,専科大学として開校する可能性があるのでしょうか。それとも,高等専門学校で開設せざるを得ないのでありましょうか。
 また,開設時期についてでありますが,その見通しはいかがなのでありましょうか。私は,当初国立芸術大学の誘致を進めておられた際に本市が考えていたような雄大な構想を,今後の理想として,現在お考えの学校構想にとどまることなく,長期的展望に立って,一層の発展に向かっての可能性を求めていくべきだと思っております。この点についてはいかがでありましょうか。あわせてお伺いをいたします。
 第2点目は,具体的な学校づくりを進める中で,カリキュラムの編成なども固まってきていると思いますが,現段階でのその内容について,特にデザインの内容について,具体的なものがあればお伺いしたいと思います。
 また,この学校にどのような特色を持たせようとしておられるのかについても,あわせてお伺いをいたしたいのであります。
 3点目は,この学校は中学校卒業者を対象としておりますが,開学後の入学者の確保は大丈夫なのでありましょうか。また,市内の中学生はもとより,その父母,教師など関係者の市立高等専門学校に対する意識をどうとらえているのでありましょうか,お聞かせを願いたいと存じます。
 第4点目は,今後ともこの学校が大きく発展していくためには,産・学・官の協力体制が不可欠であるのは言うまでもなく,特に,産業界の全面的協力こそが,学校運営,学生の就職などにぜひとも必要だと考えます。この点について,産業界への一層の働きかけを行うべきと存じますが,どのように考えておられるのかお伺いをいたします。
 次に,本市の市街地を取り巻く森林の保全と活用について,提言を交えながら市長のご所見をお伺いしたいと思います。
 札幌市は,全国第3位を誇る市域面積1,118平方キロメートルのうち,65%を森林が占めるという自然に恵まれた緑の豊富な大都市であります。この森林は,大都市札幌を取り囲む重要な環境要素であるがゆえに,その保全と活用はとりわけ重視されるところであります。
 すなわち,札幌市は164万人が住む大都市であり,行政,経済,文化機能が集積し,これからの北海道の発展を支える重要な使命を有しているわけであります。
 これら森林は,かけ崩れや出水などの災害から都市を守る防災機能,市民のライフラインである飲み水を涵養する機能,大気を浄化する機能,市民生活をリフレッシュする休養機能など,さまざまなすぐれた機能を有していることから,都市生活にとって不可欠の環境要素となっているのであります。さらに,これらの機能は,成長する都市札幌にとって,今後より一層必要性が高まるものと考えられますことから,その保全と活用が重視されるのであります。
 このように,これら森林は札幌市民の貴重な財産であると思うのでありますし,この森林の保全や活用について市民ニーズはどうであるのか,また,今後どうなっていくのかであります。
 札幌市政世論調査によりますと,札幌の街に愛着を感じている人は91.1%ときわめて高い数字が出ております。その理由の第1位は,この11年間変わらず,「緑が多く,自然が豊かだから」ということなのであります。このことは,市民意識の中に,森林など自然緑地の存在が当然のことと受けとめられ,市民生活にとって不可欠の要素となっているあらわれであると思うのであります。
 一方,総理府の国民生活に関する世論調査によれば,今後の生活の力点はどこに置くかという質問に対し,「レジャー」「余暇生活」と答えた者が昭和49年以降増加を続け,58年5月調査では,それまで最も多かった「住生活」を上回り,62年5月調査では,全体の31.6%に達しているのであります。
 さらに,89年版のレジャー白書によれば,週休がもう1日ふえた場合,どのような余暇活動を志向するのかという余暇活動の潜在需要についてのアンケート調査を行っているのでありますが,「海外旅行」,「国内観光旅行」に次いで,第3位に「キャンプ」が上がっており,今後余暇時間が増加することにより,アウトドア型化,家族型レジャー志向が相当高まることが予想されるのであります。これらは当然,そのまま札幌にも当てはまることであると思うのでありますし,また,情報化等に伴う社会のシステム化の進展等により,リフレッシュする場を,より自然の中に求めていくということもよく言われることであります。
 このように,本市においても,森林の保全活用については,今後一層市民ニーズの高まりが予想されることから,これに的確に対応し得るよう,自然保護を基本としつつ,このことと調和した積極的な活用を図る必要があると思うのであります。そしてその活用に当っては,森林の地域的な特性や現況の利用実態を十分に理解し,これを最大限に生かす地点が必要であると思うのでありますが,活用の実態が十分であるかというと,まだまだ工夫の余地があるのではないかと思うのであります。
 かかる観点から,手稲山の活用について,私の提言を含めながら質問をいたします。
 私が手稲山を取り上げます理由は,まず第1に,手稲山は札幌冬季オリンピックの女子大回転競技が行われたケルンデを含め,すでにスキー場が複数立地しているなど,市民のレクリエーションの場として,また観光資源として,大きな潜在価値を有しているからであります。
 第2には,分区後の手稲地区は,位置的に東の厚別副都心に相応する西の拠点としての機能強化が望まれ,手稲山が観光的・レクリエーション的な機能を高めることによって,それが大きく促進されますと,西区方面・手稲地区の活性化に,ひいては市民にとって身近で最適な憩いの場として,また,本市経済界にも大きく貢献できるものと考えるからであります。
 そこで質問の第1点目でありますが,民間活力の活用の促進によるスキー場の機能連携及び機能強化についてであります。
 手稲山は標高1,024メートルを有し,テイネハイランドスキー場,札幌オリンピック記念手稲山アルペン競技場,テイネオリンピアスキー場と経営主体の異なるスキー場が複数立地しているわけでありますが,経営主体が異なることや,各スキー場へは自動車でアクセスするため,各スキー場は機能的にも分断され,手稲山の潜在的な機能を利用者が十分に享受できないような構造となっていると思うのであります。
 手稲山の規模は,標高で見ても,ニセコスキー場の立地するニセコアンヌプ1,309メートル,ワイスホルム1,045メートルなどと比較して,これに比肩するものであり,手稲の街の中から,すばらしい札幌の街を望見しつつ山頂まで一気に行けるようなゴンドラの整備・設置を進め,山頂からふもとまでスキーでおりられるように,各スキー場を接続するようなコースの新設,さらに,共通リフト券によるリフト利用などが図られることによって,ニセコに匹敵するようなスキー場に生まれ変わると思うのであります。
 無論,これらを実現するためには,各経営主体がその気になって一致協力することが不可欠でありますので,一朝一夕にはいかないことは十分承知しております。市民にとって大変魅力的なスキー場になりますことや,観光資源としてもよりその価値を高めることになりますので,ぜひその実現を図るべきであると思うのであります。
 そのようなことから,時間をかけてでも,民間活力の活用によるスキー場機能の連携強化について,札幌市としても真剣に検討すべきであると思うのでありますが,市長にお伺いをいたします。
 質問の第2点目でありますが,手稲山の夏期活用についてであります。
 各地で計画されているリゾート開発の大きな課題は,リゾート地の通年活用といわれております。すなわち,スキー場であれば,夏場にこれをどう活用するかということであります。
 北米のリゾート地では,スキー場を中心とするリゾート地でありながら,テニス・ゴルフ・乗馬などのスポーツ施設が整備されている上,釣り,登山ハイキング,コンサート,各種の会議など,多彩なメニューが用意されており,オフ・シーズンという言葉が適切でないほど,サマーシーズンの活用が充実していると聞いております。
 私は,手稲山も,ちょっとした工夫で,これらの成功例と同様な活用が図られないかと思うのであります。たとえば,お年寄りが大勢集まってできるゲートボール場,早朝から近隣に迷惑をかけずに大声を出して出勤前に気持ちのいい汗をかける早朝野球場,また,先日,滝野すずらん丘陵公園にオープンした青少年山の家のような野外教育施設などが,スキー場の夏期活用として,オートキャンプ場,これらを整備してはどうか。特にオートキャンプ場については,すでに各スキー場まで道路整備がされておりますので,飲料水の確保と快適なトイレの整備をするだけで,家族連れが気軽にかつ快適に過ごせる,石狩湾を眺望できるすばらしいキャンプ場が誕生できるのであります。ここを拠点として,家族で,春はハイキングをしながら山菜取りをしたり,夏は海水浴を兼ねて楽しむことも可能となります。
 また,手稲山には登山コースもあり,すでに施設として,ゴルフ場やテニスコート,遊園地,宿泊のできる研修センターなどが立地しており,各経営主体がソフト面を含めて機能を連携することより,より魅力的なサービスを提供できることになると思うのであります。このことが,市民の自然との多様な触れ合いの可能性を大きく広げますとともに,ひいては,札幌周辺の各地で展開されておりますリゾート機能との広域的な連携をも深め,観光資源としての魅力を高めることによる種々の経済的効果も期待されるものであります。
 そこで質問の第1点目と関連いたしますが,一定の利用計画のもとに,民間活力の誘導を図りながら,市民が夏・冬を通して利用のできる通年型レクリエーションゾーンとして,一体的にこれら整備を促進すべきであると思うのでありますが,市長のご所見をお伺いをいたします。
 以上をもちまして,私のすべての質問が終了いたしました。ご清聴ありがとうございます。(拍手)
吉野晃司君 16 番目 / 24 字
○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
板垣武四君 17 番目 / 2,873 字
◎市長(板垣武四君) まず,財政問題についてでございます。
 第1点目は,基金の現状についてでございますが,本市の基金総額は,平成元年3月31日現在で約1,047億円でございまして,政令指定都市の中では,大阪が2,706億円,横浜が1,734億円,神戸市が1,283億円,それらに次いで多いほうから4番目に位置しております。
 また,財政調整基金と減債基金との合計額では,本市は325億円でございまして,神戸市が513億円に次いで2番目となっており,これを標準財政規模に対する割合で見ますと,神戸市は19.7%,川崎市は12.6%,その二つに次いで本市は11.7%となっております。
 次に,第2点目の減債基金についてでございますが,本市の平成元年度の地方交付税におきまして,昭和55年度以前に発行した財源対策債の元金残高相当額133億円が需要額に算入されているところでございます。これにつきましては,私もこのたびの交付税措置の趣旨に沿って,できる限り積立を行うべきであると考えているところでございます。すでに当初予算におきましては,このために20億円を基金造成費として計上したところでございますが,今後,全体の収支について見通しが立った時点におきまして,さらに積み増しについての検討を行ってまいる所存でございます。
 次に,交通問題についてでございます。
 第1点目の地下鉄の手稲方面への延長についてでございますが,自動車社会が進展する中で,都市交通機関としての地下鉄の重要性については,これは十分認識をいたしているところでございます。しかしながら,バス・地下鉄等の公共輸送機関を取り巻く環境は,ご指摘のように大変厳しい状況にありますので,手稲東駅から先の新たな路線計画につきましては,確実な輸送需要と財政事情等を十分に考慮しながら,慎重な検討を続けているところでございます。
 2点目の道路整備のあり方についてでございますが,ご指摘のように,自動車交通の増加に対しましては,限られた都市空間の中で,道路を機能的・効率的に整備をしていく必要があるものと考えております。したがいまして,将来に向けて自動車交通を円滑に処理していくためには,適切な道路網を充実してまいりますとともに,主要な幹線道路につきましては,立体交差化あるいは通過車線の分離など,道路の改良策についても今後十分検討してまいりたいと存じております。
 次に,市立の高等教育機関の設置についてでございます。
 その第1点目についてでありますが,本市といたしましても,ご指摘のとおり,専科大学としての名称変更が実現されるものと考えておりましたが,現在,国においては,中央教育審議会に諮問中でございまして,その答申を受けてから制度改正となる関係で,その見通しはまだ定かに立っていない状況でございます。
 したがいまして,本市といたしましては,長年にわたる多くの方々の期待にこたえるためにも,学校構想自体に違いがございませんので,国の制度改正を待たずに,現行制度上の高等専門学校として開校してまいりたいと考えております。
 開校の時期につきましては,すでに本年3月に自治省からの設置承認を得ておりますので,平成3年4月の開校を目標に,現在,文部省との協議を進めているところでございます。
 次に,将来構想についてでございますが,当面は,この高等専門学校の整備充実を図ってまいる所存でございますが,分野拡大を含めましたより高度な教育機関への転換につきましては,今後とも十分研究をさせていただきたい,このように考えております。
 第2点目についてでございますが,現在,清家 清先生を委員長とした設置準備委員会におきまして,学科・内容などについて検討していただいております。
 学科につきましては,デザイン学科1学科としておりますけれども,高学年におきましては,環境・建築・工業・工芸及び視覚デザインの五つのコースに分けて学習させたいと考えているところであります。
 また,早期教育,5年間一貫教育という高等専門学校の特性を十分生かしまして,学年の早い時期から専門教育を実施するとともに,外国語教育と情報処理教育にも重点を置いた授業展開を考えております。
 第3点目についてでございますが,入学定員につきましては,2クラス,80名程度の小規模での開学を考えております。
 入学者の確保につきましては,全国の高等専門学校の最近の入学志願状況を見ましても,倍率は平均2倍強という高い状況にございますし,本市がまた昨年9月に,市内の中学生とその父母及び教師を対象に実施いたしましたアンケート調査によりましても,本市の学校に対しての期待は大きく,また,中学生の入学希望も,全体の2.5%という高率になっております。このことからも,本校の入学者につきましては,今後,十分確保ができると考えております。
 ご質問の第4点目についてでございますが,これまでもあらゆる機会を通じまして,この学校に対する産業界の協力をお願いをしてまいりました。また,学校設置の支援団体であります設置期成会におきましても,道内経済界の方々の委員参加をいただくなど,まさに産・学・官挙げての応援・協力をいただいているところでございます。今後とも,さらに一層の産業界への働きかけを積極的に行ってまいりたいと存じます。
 最後に,手稲山の活用についてお答えを申し上げます。ご質問は2点ございますけれども,相互に関連をいたしますので,あわせてお答えを申し上げます。
 ご指摘にもございましたように,市街地を取り巻く森林はさまざまなすぐれた機能を有しておりますことから,その保全が重視されますとともに,一方において,市民の森林活用は,登山や森林浴といったものから,自然緑地の中でのスポーツや文化・芸術的活動などと多様化をしてきており,また,余暇時間の増加などに伴い,今後,これらのニーズはさらに高まっていくものと思われます。
 このように,今後一層効果的な保全と市民ニーズに合った活用が必要となってまいりますので,私は,長期総合計画において,これら森林等を都市環境緑地と位置づけ,自然保護を基本とし,保全に努めるとともに,その活用を図ることが緑地の創出を一層促進するという観点に立って,市民が自然に親しむことができるよう,多角的な利用を促進すると,こういう考えを打ち出したところでございます。
 手稲山につきましては,ご指摘にありましたとおり,スキー場機能の充実強化を図ることや,キャンプなどスキー場の夏場の活用等を工夫することによって,市民にとってより魅力のあるレクリエーションの場となるとともに,ひいては,そのことが広域的なリゾート機能との連携をも深め,観光資源としての価値を高めることにもなると期待されますので,民間活力の活用による整備等の可能性も含めて,十分検討してまいるべき課題であると,このように思っております。以上であります。
吉野晃司君 18 番目 / 17 字
○議長(吉野晃司君) 荒井教育長。
荒井徹君 19 番目 / 900 字
◎教育長(荒井徹君) 教育問題について私からお答えをいたします。
 1点目の,思いやりの心を育て,常識を身につけさせるための教育活動についてでありますが,幼稚園におきましては,健康安全や,社会生活における望ましい習慣や態度などを,さまざまな経験や活動を通して身につけさせることになっております。
 また,小中学校におきましては,児童生徒の道徳性の育成のために,道徳の時間において計画的,発展的に指導するとともに,各教科,特別活動など,学校の教育活動全般を通じて,豊かな心情を養い,確かな判断力を育てることを目指しております。しかし,道徳性の涵養は,家庭生活に深く結びついていることから,学校での指導内容が日常的に生かされるよう,今後とも,家庭との共通理解を図る努力をしていく必要があると考えております。
 2点目の児童生徒の社会参加や奉仕活動についてでありますが,青少年赤十字の活動に加盟している組織的な奉仕活動を行っている学校がたくさんございますし,また,地域の公園や道路の清掃あるいは藻岩山・荒井山の清掃などを定例の活動としている学校,さらには,老人ホームへの慰問や文通,自分たちが育てた菊を病院に届けるなどの活動を行っている学校もございます。また,子供会やボーイスカウト,ガールスカウトなど各種の少年団体活動の中でも,さまざまな奉仕活動が行われております。
 これからの教育におきましては,すべての教育活動の中で,体験的な学習が一層重視されていくことから,地域や社会の協力を得ながら,今後さらに,奉仕的,ボランティア的な活動の充実を図ってまいりたいと考えております。
 3点目の教師の採用についてでありますが,児童生徒に思いやりの心を育てるためには,まず,教師自身が人間性豊かでなければなりません。したがいまして,採用に当たりましては,論文のほか,個別や集団による面接を通して,教師としての資質を多面的に把握するとともに,ボランティア活動,スポーツ・文化活動などの経験も考慮して,単に教科の知識だけではなく,幅広い指導力を持つ教師が得られるように努めているところでございます。以上でございます。
吉野晃司君 20 番目 / 87 字
○議長(吉野晃司君) お諮りします。
 本日の会議はこれをもって終了し,明10月4日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
吉野晃司君 21 番目 / 37 字
○議長(吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
吉野晃司君 22 番目 / 25 字
○議長(吉野晃司君) 本日はこれで散会いたします。