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札幌市議会 会議録検索システム(平成2年第2回定例会 1990-06-06 第4号)

1990-06-06/発言 18 件 / 原本(札幌市議会)

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吉野晃司君 1 番目 / 44 字
○議長(吉野晃司君) これより本日の会議を開きます。
 出席議員数は,61人であります。
吉野晃司君 2 番目 / 42 字
○議長(吉野晃司君) 本日の会議録署名議員として青木 護君,南 二郎君を指名します。
吉野晃司君 3 番目 / 31 字
○議長(吉野晃司君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
鍛冶沢徹君 4 番目 / 110 字
◎事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。
 柴田薫心議員,湊谷 隆議員及び菅井 盈議員は,所用のため遅参する旨,届け出がございました。
 本日の議事日程及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
吉野晃司君 5 番目 / 140 字
○議長(吉野晃司君) これより議事に入ります。
 日程第1,議案第1号から第13号まで及び議案第21号から第23号までの16件を一括議題といたします。
 昨日に引き続きまして,代表質問を行います。
 通告がありますので,順次発言を許します。小田信孝君。
 (小田信孝君登壇・拍手)
(発言者未割当) 6 番目 / 14,938 字 発言者未割当
◆小田信孝君 私は,ただいまから,公明党議員団を代表して,当面する市政の諸問題について質問をいたします。
 まず,初めに,地域づくりにおける人材育成に関連をしてお伺いをいたします。
 昭和63年第2回の本市議会において,私は,みずからのまちを愛し,まちをよりよくしていくためには,新しい時代に対応し得る個性あふれた市民性をはぐくむことが大きな課題であり,とりわけ,高い専門的な能力を有する有為な人材こそが,都市活動を支えるかなめであるとの信念のもとで,21世紀に向けての人材育成について質問をいたしました。
 その後,2年を経た今日,人材の育成は,企業活動はもとより,地方自治体,国のレベルなど,わが国のさまざまな分野でその重要性が認識され,大きな変革の流れの基調となりつつあると言っても過言ではありません。本市としても,これまでの施策の中で,着実にその対応が図られていることを承知しつつ,昨今の具体的な動向を踏まえ,将来に向けてのあるべき姿について,改めて問いかけてみたいと思うのであります。
 国の平成元年度の地方政策の目玉ともいえる「ふるさと創生1億円事業」の活用の内訳を私なりに分析いたしますと,全国的にはソフトの事業が多く,とりわけ,人材育成を通じての地域づくりが特色とも見られているのであります。本市では,「札幌国際デザイン賞」に活用が決まり,その具体的な方策は今後検討されると聞いており,多くの市民の参画により,まちづくりへの関心が高められることを期待いたしております。いずれにいたしましても,地域づくりの基本となるのは人づくりにあることが,全国の多くの自治体で,行政や市民の検討の中で得られた大きな成果ではないかと思うのであります。
 ちなみに,国の各省庁の取り組みを見ますと,地域における国際化,情報化の進展やリゾート・観光資源の開発,芸術・文化へのニーズの高まりなど,新しい変化,潮流に対応し得る地域に密着した人づくりの重要性が認められ,自治体との連携を意識した積極的な動きが見られ始めております。
 海部首相の私的諮問機関である「活力ある地域づくりに関する懇談会」の報告では,伝統技術や文化等を教育研究内容とするふるさと大学の設置による,地域間交流の促進を提言しておりますし,外務省が主催で,自治体のニーズにこたえ,異文化への理解などをテーマに,「国際交流人材育成講座」が初めて開催され,今後,対象の都市を広げながら継続するとも聞いております。特に,私が関心を持っておりますのは,自治省の人材移入による地域の活性化調査であります。
 この調査は,ユニークな人材の発掘がねらいであり,文化,工芸,学芸,産業など,各分野で才能や影響力を持ち,地域の活性化に貢献している人をリストアップし,そうした人材がその地域に来た契機,その地域での活動を支援するために行政はどのような施策を講じたか調べようとするものであります。地域における人材確保の戦略を探る上で,興味深い,しかも大切なことだと思うのであります。このような国の各省庁による人材育成による地域活性化政策は,一層活発化するものと推測されるのであります。
 さて一方,本市の人づくりに結びつくと思われる施策について,ここで少し触れてみたいと思います。
 国際的な人の交流,情報の結びつきを深める上で,一つには,昭和57年に本市の提唱による「北方都市会議」があります。参加国も毎回増加し,札幌のリーダーシップのもとで,冬を共有する北方圏の経済,技術,文化のネットワークをより強めていこうとするユニークな施策であり,海外に札幌みずからの活動の場を求めていく攻めの姿勢が,札幌ファンの増加に大きく寄与するものと考えております。
 二つ目には,昭和62年,市民と外国人との交流,国の内外で開催されるコンベンションの誘致・支援のため設立された「札幌国際交流プラザ」であります。外国人の来館者は,45カ国,約7,800人に及ぶと聞いており,各種セミナーや行事の活発な開催など,地域みずからが設けた交流の場のあり方として,多くの示唆に富んでおります。そのほか,JICAの誘致など海外技術協力,海外向け広報誌の発行など,幅広くきめ細かなソフト施策が進められ,国際都市としての着実な歩みが見られることを率直に評価したいと存じます。
 次に,企業経済活動を活発化するための人,物,情報のネットワークづくりのための施策,とりわけ,技術開発,情報基盤整備の取り組みで幾つか着目されます。その代表的な事例は,テクノパーク事業であり,先端産業,特にマイクロエレクトロニクスの分野は,全国的にその成長,可能性が言われつつ,都市政策として地域にいかに定着させ得るかが模索されつつあった中で,自然に恵まれた北の風土,都市特性を生かし,いち早く場づくりを行なっております。地場を初め,多くの情報関連企業が集積し,内外からの多くの視察があり,新しい札幌産業の拠点として,また,わが国の先端産業のネットワークの拠点として,重要な地位を担うでありましょう。私は,それ以上に,若く有為な人材がこの札幌に定着し,育ち,国の内外で活躍する,そのことが市民の多様な結びつきを深めていくことに着目し,期待をするのであります。
 また,この8日から開かれる国際見本市は,物の交流の場の拡大,とりわけ,北の生活や産業に結びつく製品を介して,内外の企業人が札幌を知る,あるいは,雪の克服のための降雪予報システム,降雪センサーなどの独自の研究開発に取り組んでいる総合情報センターの技術成果が,わが国の豪雪地帯のみならず,広く海外にまで影響を与えるなど,こうした取り組みの中から生み出されていく札幌発の情報や技術が,人を介して21世紀札幌の可能性を無限に広めていくものと信ずるのであります。
 以上,この10数年,本市が着実,積極的に取り組んできた事業を幾つか例示いたしましたが,息長く国際都市にふさわしい幅広い人材の育成に結びつくものと思っております。
 ところで,近年,人材育成の課題は何でありましょうか。人材育成は,国際化,情報化,技術革新など,社会的,経済的な潮流の変化を十分に踏まえ,21世紀の札幌をしっかりと支えるフロンティア人をはぐくむことにほかならず,その基本は,青少年や婦人・老人に対する学校,社会教育など第3次の長期総合計画の伸びやかな札幌人をはぐくむことにありましょう。しかし,私は,今日,著しい環境変化の中で,直ちに行い,直ちに効果が上げられる人材育成の仕組みも求められていると思うのであります。特に,企業活動においては,異業種間の交流,研究開発機能の強化による豊かな人材の育成が要請されているのであります。
 そこで,数点について市長の見解をお伺いいたします。
 質問の第1は,企業活動における異業種間交流活発化のための市の支援策についてであります。
 特に,産業,経済界の若者は,所属の企業や専門の領域を超え,相互に情報交流の場を持ち,みずからの企業意欲や知識を高めるため,異業種交流の動きが活発化してきております。しかし,若いグループや小さな企業の集まりが多いため,組織,会員などの仕組みづくりが大変難しいとも聞いております。今後,企業活動が国際的に多様なネットワークを求められているとき,それを支える若い人材がお互いに結びつき,効果的に活動ができるような機会と場づくりのため,本市の産業政策の一環として,異業種サークル助成制度を創設してはいかがでしょうか。
 質問の第2は,既存の中小企業の研究開発のための場づくりであります。
 先ほど私は,テクノパークの事例を申し上げましたが,それ以外にも,真栄地区のハイテクヒル,常盤地区のアート団地など,先端産業育成の機能強化は,本市として重要な事業であります。しかし,札幌の企業の95%は中小零細であり,これらの地場産業は,技術革新,情報網の整備による基盤の強化,特に,今後欠かすことのできない工業面の技術力,製品開発力,中小企業小回り性を生かす商品ニーズの把握など,研究開発の新たな取り組みが求められております。こうした中小企業の研究・情報交換のための地場製品研究開発センターのような場を設置してはどうか,お伺いいたします。
 質問の第3は,札幌を中心とする人の結びつき,言いかえるならヒューマン・ネットワークの形成についてであります。
 さきに代表質問でも述べましたが,国の内外から札幌にいかに有為な人材を引きつけるか,人と人との結びつきを強めるためにいかに努力するかが,国際都市として発展していく上で,緊急かつ重要なテーマであります。国際的な人のネットワークを有してこそ,本市が初めて国際社会の中で,文化,経済などのネットワークの中に確実に組み込まれていくことになるのであります。
 市長は,長期総合計画でいう伸びやかな札幌人をはぐくみ,国際的なネットワーク形成に向けて,どのような取り組みをなされようとしているのか,所感をお聞かせ願いたいのであります。
 次に,地球環境問題への取り組みについて伺います。
 今月5日から環境週間が始まり,本市でも環境保全に関する市民啓発等の各種行事が行われております。この環境週間は,地球規模の環境問題について,世界の国が一致協力して解決しようと立ち上がったストックホルムの国連人間環境会議を記念して始められたものであります。
 それから約20年が過ぎようとしていますが,これまでの努力にもかかわらず,地球規模での環境破壊が依然として進行しているのではないでしょうか。たとえば,南極でオゾン層の破壊が観測されており,これは,スプレーや冷蔵庫・クーラーの冷媒として使用されているフロンが原因と言われております。その結果,有害な紫外線がふえ,皮膚がんなどの人の健康への影響が心配されているのであります。
 また,石油や石炭を燃やして発生する二酸化炭素等の濃度上昇で,地球の温暖化が心配されており,21世紀半ばには,地球の温度が1.5度から3.5度上昇し,氷山が解けて,海面が20センチから110センチも上昇すると予想されているのであります。
 また,工場や自動車から排出される硫黄酸化物や窒素酸化物により,ヨーロッパや北米等で酸性の強い雨が降り,森林や湖沼等に大きな影響を与えております。
 つい最近の新聞報道によれば,日本でもレモン飲料並みの酸性雨が観測され,このまま放置すれば,10年後には森林に重大な被害が出る心配があると言われております。身近な環境問題として,私たちに迫ってきているのであります。
 これらの地球環境問題は,人類の未来に深刻な影響を与える重大な問題として,多くの国際会議の場でその対応が協議されております。オゾン層の保護対策については,遅くとも今世紀末までにフロンを全廃すること,また,地球温暖化問題については,その防止に向けての調査・研究体制を整備することで,国際的な合意が得られております。
 わが国でも,一昨年,特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律が制定され,フロンの削減措置がとられたところであります。しかしながら,二酸化炭素の削減目標値の設定についての消極姿勢に見られるように,本来,地球環境保全のために世界をリードすべき立場にあるわが国としては,まだまだ不十分な対応と言わざるを得ないのであります。
 わが党は,この問題に対していち早く取り組んできたところであり,危機のふちに立たされている地球を守るため,本年4月18日に,「かけがえのないわれらの地球を守る行動宣言」を発表いたしました。
 その骨子は,一人一人が地域,生活レベルにおいて地球を救うための行動を起こし,現在の産業優先主義を改めさせ,環境保全型社会の形成を図ることによって,人類の未来が託されている地球環境の保全に全力を挙げて取り組んでいくことであります。その取り組みの一環として,アメリカの一青年の呼びかけで始められた「アースデー」には,全国各地でシンポジウムなどを開催するとともに,アースデーを記念して環境ハンドブックを刊行し,環境に配慮した暮らしの実践について呼びかけたところであります。
 私は,地球環境問題については,市民生活に密接にかかわりを持つ自治体が重要な役割を担うものと考えることから,先般,本市におけるアースデー行事の実施を提案したところ,地球環境コーナーの設置やパネル展の開催など,いち早く対応されたことに対し,高く評価するものであります。
 このかけがえのない地球を守っていくために,市民一人一人がこの問題を身近なものとして認識し,環境にやさしい生活を心がけることがまず必要であることから,今後,本市は,先般設置した環境保全推進基金を活用し,さらにはその拡充を図りながら,市民への地道な普及・啓発活動の推進,あるいは市民の実践活動に対し積極的な支援をしていくことが重要であると考えます。
 また,国際化に積極的に取り組んでいる本市として,北方都市会議や姉妹都市交流の中で,この問題について情報交換を行うなど,国際的な視点からの対応も意義のあることではないかと考えます。
 このため,今後,この国際的な課題となっている地球環境問題については,全庁的な連絡協議体制を整備するとともに,市民各層から広く意見を聞く場を設けるなど,早急に取り組み体制を確立し,地方自治体として可能な施策を具体化していく必要があると考えますが,市長のご所見をお伺いいたします。
 次に痴呆性老人対策についてお尋ねをいたします。
 わが国においては,急激な高齢化社会への突入によって,これまでさまざまな問題が提起され,その対策が検討されてきているところであります。中でも75歳以上の後期高齢者の増加は,痴呆性老人の増加につながるだけに,深刻さが増しております。
 本市においても,昭和60年に4万1,000人であった後期高齢者は,20年後の平成17年には2.9倍の約11万8,000人になると予想されており,当然,痴呆性老人も今後ふえていくと予測できます。
 昭和60年に,北海道の委託を受けて,北海道高齢者問題研究協会が1万人を無作為で抽出し,痴呆性老人の生活と介護等について,「高齢者の生活と健康」に関する実態調査を行なっておりますが,それによりますと,痴呆性老人の出現率は,全道で3.39%となっており,その中で札幌市は,5.07%と全道一高い出現率となっています。仮にこの数値をもとに,どのくらいの痴呆症と思われる方が本市に存在するか推計してみますと,本年1月1日現在人口でおよそ7,150人となり,非常に高い数値となっております。老齢人口が現状のまま推移した場合,わが国の痴呆性老人の数も急速に増加するわけで,本市においても当然そうなることが予測されるわけであります。
 痴呆の原因としては,脳血管障害に起因するものと,脳細胞の減少もしくは萎縮に伴うものとに大別されているようでありますが,10数年前までは,その実態は全く解明されていなかったわけであります。小説「恍惚の人」が発表されて世の人にショックを与えたのは昭和47年のことですから,あれから20年近くたったいま,ようやくにして事の重大性に対する社会的認識が深いものとなりました。そして,その進度や症状,原因疾患,介護家族の状況など,痴呆性老人の社会,医学的実態が明らかになり,さらにCT,MRIなど新しい脳検査法の導入によって,その診断・治療技術等が飛躍的に向上し,病気の原因も明らかになりつつあり,一筋の光明が差したと思えるわけであります。
 先日の報道にもありましたように,東北大学の研究グループが,MRIを使った痴呆の発生原因について研究発表があり,痴呆も,初期の段階であれば治療も可能であろうという談話が発表されております。
 また,国は,昭和61年に痴呆性老人対策本部を設置し,平成元年度に「ぼけ老人対策費」を予算化し,いわゆる痴呆性老人対策元年と言われたのであります。この中で,高齢化の対策を科学的な立場から検討する長寿科学総合研究企画委員会を発足させ,ぼけの防止・予防等,高齢者特有の病気の原因解明,診断,治療に取りかかったところであり,このように,今後ますます医学的な解明がなされ,国民の期待も大きなものがあります。
 本市においては,これまで保健,医療,福祉それぞれの分野で,老年期の痴呆について個別に対応してきているのは私も承知しておりますし,特に,入院,入所をしている重症の方々にとっては,きめの細かな対応がなされていると評価をしておりますが,なお,入院,入所のベッドは不足しており,また,前段で述べたように,高齢化の進度が深まるにつれて,中度・軽度の症状を持った老人が増加してくることが予想されることから,今後,特に予防・早期発見,そして治療の面で,医学的対応が保健・医療行政として必要になってくるのではないかと痛感いたします。
 そこで2点ほど質問いたします。
 1点目は,今後の位置づけであります。
 札幌市5年計画では,在宅福祉の将来方向こそ示されているものの,痴呆性老人対策の今後の具体的な方策については,何ら明示されていないのであります。この問題は,早急に対策を立てなければならないのであります。市長は,老人福祉対策の中でも,特にこの痴呆性老人問題についてどのような認識を持たれ,また,今後,その位置づけについてもどうお考えか,お聞かせ願いたい。
 2点目は,国においてはすでに,中・軽度の痴呆性老人を入院させることにより,精神科的医療と手厚いケアを短期集中的に提供する高度専門医療機関としての痴呆性老人専門治療病棟の設置や,患者家族への専門医療相談,医師による診断,治療方針の選定,さらには夜間や休日の救急対応等,地域の老人性痴呆疾患患者,家族への総合的な保健,医療,福祉サービスの向上を目的とする老人性痴呆疾患センターの設置,さらには,通院医療の普及,生活機能を回復させるための訓練及び指導,家族に対する介護指導等を目的とした痴呆性老人デイ・ケア施設の整備等,相談,予防,治療,ケアを総合的に取り組む施策を制度化し,すでに実施しています。
 以上のように,老人性痴呆と保健・医療とのかかわりは,今日非常に密接になってきており,今後,施設の整備を,患者はもとより,家族からも望まれてくるのであります。
 幸いにして,市立札幌病院が総合病院であり,精神神経科の病棟を設置し,医師・看護婦などスタッフがそろっているとともに,CT,MRIなど高度の医療器械が整備され,体制的に充実しておりますし,さらには,公的病院として時代の要請にこたえる観点からも,ぜひとも痴呆性老人の施設を市立札幌病院に設置し,札幌市内における総合的,中核的病院とすべきと考えますが,市長のご見解を伺いたいのであります。
 次に音楽専用ホールの建設についてお伺いをいたします。
 私は,この問題について,昭和63年第3回定例会,そして平成元年3月の予算委員会において触れましたが,いま一度提案をし,質問をさせていただきます。
 札幌市は,創建120年を超えており,世界の文化都市,国際的な文化イベントに目を向けて,鋭意推進していることに敬意を表するところであります。とりわけ,芸術・文化では,6月に世界的指揮者のレナード・バーンスタイン氏を迎えて,札幌芸術の森を中心にパシフィック・ミュージック・フェスティバルが開催され,さらに8月には「'90国際テューバ・ユーフォニアム札幌大会」が開かれるなど,北方圏の文化都市にふさわしい音楽イベントが次々に開催予定されているのであります。
 また,何といってもこの札幌は,市民の誇りとする実力を備えた札幌交響楽団を持っており,年間の演奏会も延べ130回余りにわたると聞いており,東京や大阪の有名な音楽ホールでの演奏でも好評を得ております。
 すぐれた交響楽団を持つことは,文化水準の高さの象徴であり,それを裏づけるように,札幌には毎年,海外からの音楽家が演奏活動に訪れており,この街の自然と文化を市民とともに享受しているわけで,まさに音楽の街としての要素は,国の内外からもかなりの評価を得つつあると思うのであります。都市機能が充実され,さらに文化性を備えた札幌でありますが,私は,ぜひとも音楽専用ホールが欲しいと思うのであります。
 現在,他都市の状況を見ますと,大阪にはザ・シンホニーホールがあり,東京にはサントリーホールといった日本を代表する音楽専用ホールが誕生し,連日のように盛況をきわめ,多くのファンを魅了しております。
 また,最近では,地方の中小都市にもすぐれた音楽設備をもつホールが続々とオープンしており,宮城県のある町では,田園の中に立派なクラシック音楽専用ホールが建てられ,全国的に有名になっております。福島市やつくば市,松本市など,規模の大小はありますが,こうした動向は多く見受けられるところであります。
 その例を挙げますと,今週オープンした水戸市の芸術館がありますが,市街地にある小学校の跡地を利用し,コンサートホールと劇場,美術館,会議場を効果的に備えた文化施設群を誕生させました。この建設費には100億円を投じ,また,今後は,毎年予算の1%を運営費に盛り込むそうであり,私は,水戸市の芸術・文化施策に対する意欲の強さに感動を覚えるものであります。
 芸術・文化施設は金がかかり過ぎるといった声や,せっかく施設を建ててもうまく活用されるのかといった声も確かにあろうかと思いますが,間近に迫った21世紀に残すべき大切な財産として,私は,市民だれもが気軽に親しめ,訪れることのできる潤いとゆとりの施設として,また札響の常設演奏会場として,さらには札幌国際音楽祭のメーンステージとしての音楽専用ホールの誕生を,ぜひとも実現してほしいと思うのであります。
 この札幌には,音楽を愛好するファンや,みずから楽器を手にする演奏家も実に多くいるわけで,いまや国際音楽祭を目前にし,市民の熱気も一段と盛り上がっております。
 また,札幌青年会議所の中に事務局がある「交響詩さっぽろの会」が,札幌のイメージに合う独自の交響詩をつくろうとの動きも活発化しています。
 昭和33年に完成した市民会館は,1,600席の大ホールを持ち,30年以上も芸術・文化等の拠点として役割を果たしてきましたし,さらに,市内には,教育文化会館や北海道厚生年金会館といった代表的な施設も活用されているのも事実であります。こうした施設は,会議や演劇等を含め,使用率がきわめて高いと聞いていますし,季節によっては,各施設とも予約で満杯の状況ということであります。こうした現状をとらえますと,何よりも本市で早期に必要なものは,国際文化都市にふさわしい音楽専用ホールであると,改めて確信します。
 幸いにも,今年度予算の中に,芸術文化施設調査費が計上され,これからの札幌にふさわしい文化施設の検討を進めると伺っており,期待しているところであります。その施設は,未来を担う札幌の子供たちに私どもが残し得る貴重な財産であり,後世に語り継がれるものと思います。よい音楽ホールができれば,よい演奏家が集まり,そして,よい音楽が生まれ,新たなる音楽文化が築かれると言われております。市民の熱意が高まりを見せているいまこそ,すばらしい演奏をよい音響のもとに堪能できる音楽専用ホールの早期実現を目指していただきたい。
 以上,私が日ごろ感じている一端を述べたところでありますが,以下2点についてお伺いいたします。
 まず第1点目は,来るべき21世紀に向けて,利用者側の市民の利便や機能性を考えた文化施設の集合体といった新しいスタイルの文化ゾーンをつくり,美しく潤いのあるまちづくりをすることが望ましいと考えますが,いかがでしょうか。
 2点目は,国際文化都市さっぽろにふさわしい音楽専用ホールとして,建造物もまた,立派な楽器でなければなりません。そのためには,本道産の木材をふんだんに使った音響のすぐれたホールを目指し,またその形態は,音楽ホール発祥の地であるヨーロッパにみられるアリーナシアター形式をとり,観客と演奏家・指揮者が間近で親しみながら接することの可能なものであるべきと考えるのであります。
 「北の街札幌から音楽の調べを」を市民のみんなのキャッチフレーズにして,建設基金などを呼びかけることも必要でしょうし,民間企業の活力を導入するなど,多くの人たちの知恵と力を結集する必要があると思いますが,市長の見解をお伺いいたします。
 手稲区の諸問題についてお伺いいたします。
 昨年11月6日の新区開設以来,ちょうど7ヵ月が経過し,その間,心配された業務の移行も順調に推移し,区民からも好評であったことは,大変喜ばしいことであると思っております。この半年の間に,区役所を利用する区民のためのバス路線の新設等による足の確保を初め,JR手稲駅北口人道橋の改良を行うなど,区役所周辺を取り巻く環境は,日々新たになってきているところであります。
 手稲区は,今後,企業の集積,あるいは宅地開発による人口の集中などにより,経済が活発化することが予想される地域であり,昨年11月にJR手稲駅周辺土地利用基本構想が策定され,土地利用の基本的な方向が定められたことにつきましては,この地域が札幌市における地域中心核としての役割を重視されたあらわれとして評価するところであります。今後,この基本構想をもとにして,地元住民,関係地権者,関連企業等が一体となって,札幌市と相互に協力しながら,面的な開発について地道に努力していく必要があると考えるのであります。
 また,手稲駅周辺以外の地域についても,民間の開発行為あるいは区画整理事業等により,面的開発が行われ,手稲区の人口は,昨年11月の区新設時に10万5,300人であったものが,本年4月末では10万7,800人と,半年の間に2,500人の急増を見ており,地域的には,新発寒,星置等の地区が目立っております。これら人口やマイカーの増加等によって,道路の状況は悪化してきており,朝夕のラッシュ時や,冬期間においては,かなりの交通混雑を呈しているのであります。
 申すまでもなく,道路は,安全で快適な市民生活を営む上での重要な都市基盤であります。通勤・通学及び大量物資輸送のための幹線道路と,日常生活に密着した生活道路に大きく分けられますが,この両者が合理的に整備されて初めて,市民の快適な都市生活が約束されると私は考えるものであります。
 手稲区の場合,すでに都市計画決定された道路の整備も急務でありますが,21世紀を見据えた道路網計画の充実もまた必要とする地域であります。特に,今後新たな面的開発が予想されます西宮の沢・新発寒地区や,民間開発により人口増加が著しい星置・前田地区周辺における自動車交通の需要に備えた道路計画が必要ではないかと思うのであります。
 そこで,これらを踏まえ,道路問題について,以下3点についてお尋ねします。
 まず第1点目として,ご承知のとおり,手稲区には,市街地を南北に二分する形でJR函館本線が通っており,このJR線が,9区のうち唯一地下鉄の導入されていない区民の交通手段として大変重要な役割を担っているのであります。しかし,一方では,南北のスムーズな交通処理の障害となっているばかりでなく,平面踏切での交通事故の危険性をいつも抱えているのであります。そこで,西宮の沢地区と新発寒地区を連絡するとともに,道路網の充実を図る上で,現在,両地区を連絡している団地踏切を立体化した南北の道路とJR沿線北側の鉄工団地通を,現在の終点である追分通からさらに西側に延長する新たな2本の都市計画道路が必要であると思われるのでありますが,市長のご所見をお伺いいたしたいと思うのであります。
 2点目として,星置地区周辺は,JR星置駅を中心に開発が進められ,並行して曲長通等の道路整備がなされたところですが,開発が進むにつれて,年々交通需要が増加してきており,この現象は今後も続くものと考えます。そこで,将来の交通処理を勘案し,曲長通を道央新道まで延長しておく必要があると思うのでありますが,いかがでありましょうが。
 次に,3点目として,前田地区における新川の橋梁整備についてお伺いいたします。
 前田地区も,近年,区画整理事業や民間の宅地開発が積極的に進められ,人口の増加とともに自動車交通の増大が著しく,周辺道路の一層の混雑が予想される地域であります。
 そこで,私は,当該地区の交通の円滑化と歩行者の安全確保を図る上から,現在整備されております北海道工業大学西通を延長し,新川通へアクセスする橋梁を新設することがきわめて効果的と考えるのでありますが,いかがでありましょうかお伺いいたします。
 次に,手稲山口地区における文化・スポーツ公園構想について,提言をさせていただきます。
 手稲山口地区の現状を見ますと,耕地防風林がほどよい間隔で配置され,山口運河沿いには,先人が植栽したと考えられるアカシアを初め,ポプラ,はんの木,樫などが繁茂しており,特徴ある景観を醸し出しております。また,この地域は大浜海水浴場,手稲山スキー場にも近く,交通網も,国道337号線,下手稲通,曲長通などが整備されてきているとともに,JR線においては,星置駅,稲穂駅が設置されているところであります。さらに,国道337号線北側の廃棄物処理場につきましては,将来の環状夢のグリーンベルト構想での位置づけがなされていることでもあり,近い将来,一大緑地が形成されていくであろうと期待を持っているところであります。
 このような地域環境の中で,下手稲通の南側に星置公園が開設され,昭和61年には江守記念札幌星置スケート場が寄贈され,アイスホッケー,フィギュアスケートなどの試合や練習でにぎわっており,最近では,曲長通が下手稲通まで開通したこと,国道337号線から至近距離にあること。さらに星置駅から10分程度の距離にあることから,利用者が増大してきているところであります。
 また,手稲山口地区は,小樽市,石狩町とも接しており,札幌市における西の玄関口として重要な位置を占めている地域であります。
 特に,石狩湾新港は,港や道路などの基盤整備が着実に進んでいる中で,景気拡大を背景として,業務拡大や物流の合理化などの理由から,企業進出が活発化し,工業団地ゾーンには,機械,運輸,住宅関連産業を中心に約300社が操業しているところであります。
 また,小樽市においては,港町倉庫群再開発計画が発表され,当市の再開発は,民活を利用して活発化してきております。
 この両港は,昨今の経済社会情勢の潮流の変化の上に立って近い将来を展望しますと,ソビエト・サハリン等,北方圏諸国との交流がより活発化することが予想され,これらの国,都市との物流貿易に伴い,その果たす役割も一層重要性を増していくものと考えます。
 私は,このように国際物流基地に接近し,また,国道337号線を境に北側に雄大なグリーンベルト地帯を擁することになる手稲地区の位置する地理的条件を考えますと,将来を見通した街づくりの必要性を強く感ずるわけであります。
 そこで提案したいのでありますが,手稲山口地区に文化・スポーツの一大拠点施設を建設してはいかがでありましょうか。これは,公園の一つの形態でありますカルチャー・パークというものを想定して考えますと,いろいろな事業展開が可能となってくるのではないかと思われます。たとえば,オリンピックの会場となった手稲山を抱える区の特性を生かして,冬のスポーツのための基礎的なトレーニングを初め,科学的なトレーニングが可能となるような冬のスポーツ選手養成施設のほか,現在,本市で誘致活動を進めているJICA,国際協力事業団などの国際研修施設なども,当地区の環境にマッチする施設であろうと思われます。
 また,板垣市長の提唱された北方都市会議も4回目を数え,姉妹提携都市も,これまでの3市に加え,ノボシビルスクとの提携も6月13日に予定されるなど,本市の国際化は着実に進展しております。この機運は地域レベルにも浸透し,白石区,豊平区,北区に見られるように,住民団体間での交流も行われるようになってきているのであります。私も,今後は,都市レベルからより小さい規模の地域レベルでの交流をより一層促進させる必要があるものと考えるのであります。
 そこで,当地区に,これら地域レベルの国際交流に対応したイベントホールなどができれば,いまのところ,とりたてて核となる施設を持たない手稲区にとりましては,区の魅力を高める上からも,大変有意義なことではないかと考えるのであります。
 以上,手稲山口地区の置かれた環境にふさわしい,手稲区のみならず,札幌のシンボルになるような文化・スポーツ公園構想についてご提言を申し上げましたが,市長のご所見をお伺いいたします。
 手稲区最後の質問は,地域新時代の個性ある街づくり事業についてであります。
 平成2年度の新規事業といたしまして,各区の個性ある街づくり事業が9区においてスタートしましたが,この事業は,各区の特色や個性を引き出す絶好の機会であり,まさに,地域新時代のまちづくつとして当を得た施策であると考えるものであります。
 手稲区におきましては,恵まれた自然環境の中で,より一層の快適空間を確保するため,緑を街づくりの基本に据える考えのもとに,区民の代表の方々から意見を聞いた上で,「桜並木ネットワーク事業」と「フラワーロード造成事業」の二つの事業が推進されることになりました。
 私も,この会議に出席の上,意見を申し上げる機会を得ましたが,この二つの事業は,新生手稲区が後世に誇れるものとして,区民に喜ばれるとともに,手稲区の歴史上からも大変意義深い事業であり,ぜひとも成功することを願うものであります。したがって,私は,このような区の個性ある街づくり事業につきましては,単年度で終了するのではなく,継続的に遠い将来を見据えて,段階的に実施されてこそ効果が上がるものと考えるものであります。
 そこで,この事業の促進について,幾つか欠かせない条件があると考え,ご提言を申し上げるものであります。
 一つには,この区の個性ある街づくり事業に対する今後の継続と区の実施計画とその事業の促進に当たり,関係部局の理解と積極的な支援体制がぜひとも必要であると考えるのであります。
 二つには,手稲区が計画しておりますこれらの事業は,今後,区が主体となって,桜の植栽,花の植え込みなどを実施していくものと考えますが,これは,ひとり区が行うだけでは実効が上がることは期待できず,やはり広く個人や企業等に呼びかけ,区民が一体となって初めて,効果のある事業が推進されるものと考えるのであります。このため,区民も,桜や草花などの日常的な管理について,精神面からの協力が必要であり,植えた後いかに育てていくか,地域ぐるみで樹木・草花のかん水や除草等の管理をし,このような作業を通じて地域の連帯感の醸成に資することが大切なことではないでしょうか。
 また,区民個人のお祝い事,企業や各種団体の記念行事等の際に,桜の植栽にご奉仕を寄せていただき,より事業の輪を広げていくことも必要ではないかと考えるのであります。
 今後,これらの事業は,郷土意識と連帯感の醸成のため,息の長い区民運動として展開されることを期待するものでありますが,この過程で,アジサイ,ライラック,ウツギ類など,花の咲く潅木類の植栽培についても区民の意見が多く寄せられるものと考えますし,また,これら花にちなんだイベントを開催するなど,事業の展開に当たり,区民の盛り上がりと区民の交流を深めるための柔軟な対応も求められるのではないかと思うわけであります。
 以上,幾つかの提言を交えながら申し上げましたが,この事業を契機としまして,市,区,区民,企業等が一体となって,潤いある個性豊かな街づくりを目指して努力していく必要があるものと考えますが,市長のご所見をお聞かせいただきたいのであります。
 これで,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
吉野晃司君 7 番目 / 24 字
○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
板垣武四君 8 番目 / 3,729 字
◎市長(板垣武四君) まず第1に,地域づくりにおける人材育成についてでございます。
 第1点目の異業種サークル助成制度の創設についてのご質問でございますが,ご指摘のとおり,最近,中小企業の若手経営者を中心に,経営の知識や技術に関する勉強や情報交換を行うなど,異業種間の交流活動が盛んになってきております。
 本市におきましては,こうした異業種間の交流活動が効果的に行われるように,グループの結成や運営の指導,グループが実施する研修会等への講師の派遣,グループが法人化した場合の補助金の交付など,各種の支援助成を行なっておりますけれども,今後,さらに異業種交流活動を促進する必要があるものと考えておりますので,各種支援策の拡充を検討してまいる所存でございます。
 第2点目の地場製品の研究開発センターの設置についてでございますが,ご承知のとおり,本市には,通産省所管の北海道工業開発試験所や道立の工業試験場があり,これらの機関におきましては,すでに地場企業に対して,製品開発及び工業化に関しての技術的な協力・指導を行なっております。本市におきましても,地場企業の育成には,新製品の研究開発がきわめて重要な要素であるということから,3年前に,新製品開発の意欲を喚起するため,札幌市地場製品開発賞というのを創設をいたしまして,その審査等を通じ,これら国,道の各機関とも密接な連携を図ってまいりました。
 また,本市が運営の援助をいたしております札幌発明協会でも,地場企業に製品開発の情報や交流の場を提供をしております。したがいまして,本市といたしましては,これらの機関や団体とさらに有機的な連携を深めながら,地場企業の研究開発の一層の促進というご提案の趣旨に沿って対応してまいりたいと考えております。
 第3点目のヒューマンネットワークの形成についてでございますが,札幌が世界に結ぶためには,国際性豊かな市民が世界を舞台に活躍し,本市の役割を高めていくための息の長い人づくりと,いままさに世界に打って出て,札幌のファンを広げていくという両面からの取り組みが必要であろうと存じます。すでに,姉妹都市に代表される市民レベルでの交流など多くの実績がございますし,また,北方都市会議は,その充実・強化を通して札幌のファンを海外に求める着実な素地となっているものと存じます。また一方,海外広報の発行,通商アドバイザー制度など,海外の有為な人材との結びつきを強化するとともに,国際的なホスピタリティーを高めるために,国際交流プラザの機能充実,天神山国際ハウスなどの滞在交流の新しい場づくりや,また,芸術の森のような質の高い芸術・文化環境の整備を進めているところでございます。こうした各種の事業や試みの相乗的な効果が,国際感覚に富んだ伸びやかな札幌人をはぐくみ,ヒューマンネットワークづくりに資するものと信じ,今後もまた一層努力をしていかなければならないと,このように考えているところでございます。
 次の地球環境問題につきましては助役に答弁をいたさせますが,私からは,その次の痴呆性老人対策について,一括してお答えを申し上げます。
 痴呆性老人の実態につきましては,お話にもありましたように,北海道の調査においてその概要が明らかになっておりますし,本市におきましても,昨年,65歳以上のお年寄り全員の調査を実施したところでございますが,それらの結果を見ましても,決して楽観ができない問題であると認識をいたしております。また,老年期痴呆に関する医学の研究や新しい脳検査法の導入により,その原因を診断する能力の飛躍的な向上に伴い,脳血管性痴呆については,発生原因や治療方法などもようやく解明されつつありますものの,その他の原因による痴呆につきましては,まだ十分解明されていない現状にございます。
 このような状況の中で,その対策につきましても,既往の福祉施策や保健・医療施策の中で,それぞれ対応してまいった経緯がございます。しかし,お話のありましたように,ここ10年間における医学的な研究の進歩は目覚ましく,一方,将来の高齢者人口の増加に伴う痴呆性老人の増加も予想されますことから,今後,積極的な対応が求められていることは,私も十分理解をいたしております。したがいまして,ご提言にございました痴呆性老人専門病棟や老人性痴呆疾患センターなどを初めとする痴呆性老人対策につきましては,保健,医療,福祉などの総合的な観点で現在策定を進めております札幌市高齢化対策指針の中で明確に位置づけをして取り組んでまいりたいと,このように考えております。
 次に,音楽専用ホールの建設についてでございます。
 1点目の,今後の街づくりの核となる新しい文化ゾーンについてでございますが,潤いと安らぎのある市民生活にとって,芸術・文化の推進は欠かせないものであり,21世紀を見据えた札幌のまちづくりにこうした施設整備はきわめて重要であると考えております。これまで本市には,野外彫刻美術館や工芸館,アートホール等を備えた芸術の森を初め,北1条周辺や新札幌駅周辺から野幌の開拓記念館に至る地域など各地域に文化施設が配置をされ,文化の向上とまちづくりに大きな役割を果たしております。
 お話にもございました新たな文化施設を集合的に配した文化ゾーンにつきましては,利用者の利便性,運営の機能性などのほか,街のイメージも含め,さまざまな相乗効果が期待できますので,今年度の調査の中で十分検討を進めてまいりたいと考えております。
 2点目の音楽専用ホールの建設についてでございますが,これまでも,建設について多くの方々からいろいろなご意見があり,さらに質の向上を求める傾向もございます。札幌の美しい四季の移り変わりは,自然が奏でる音楽にも似て,ヨーロッパの風土にも共通するものがあると感じており,現在,市民の期待にこたえられるように夢のあるホールを実現したい,こう考えまして,今年度その調査費を計上いたしまして,その完成に向けて努力をしてまいる所存でございます。
 次に,手稲区の諸問題についてでございますが,最初に道路問題についてお答えを申し上げます。
 1点目の西宮の沢地区及び新発寒地区につきましては,良好な市街地としての発展を図る上からも,都市計画道路の充実を図っていく必要のある地域であると考えております。
 したがいまして,ご指摘の南北の道路や東西交通に対応する鉄工団地道路の延長を含め,これら地域の都市計画道路について,今後,具体的に検討をしてまいりたいと考えております。
 2点目の曲長通の延長についてでございますが,当該道路の延長部が市街化調整区域でありますことから,現状といたしましては,都市計画道路としての整備は難しい状況にございますが,今後は,周辺地域の土地利用や交通の動向等との関連を踏まえて検討をしてまいりたいと,このように考えております。
 3点目の前田地区における新川の橋梁整備についてでございますが,ご提案のとおり,この地域の円滑な交通対策として,橋梁を新設する必要があると私も考えているところでございます。この橋梁を整備いたしますと,前田森林公園へ連絡する道路ともなりますことから早速調査を行いまして,関係機関と協議をしてまいりたい,このように考えております。
 次に,手稲山口地区における文化・スポーツ公園構想についてでございます。
 手稲区の西部地区につきましては,ご指摘のとおり,本市の中にありましては,海と山に近いという地理的特性に加えて,環状夢のグリーンベルト構想によって緑で包まれるという,きわめて良好な環境が望める場所にありますことから,私もこのような地域環境を十分に生かした街づくりを今後進めていく必要があると,このように考えております。
 したがいまして,ご提言のありました文化・スポーツ公園構想につきましては,西部地区における現在の土地利用状況を踏まえた将来の望ましい土地利用のあり方など,今後の全市的なまちづくりの取り組みに対しての貴重なご提言として受けとめていく考えでございます。
 次に,手稲区の桜並木ネットワーク事業を主体とする個性のある街づくり事業についてでございますが,ご指摘のとおり,この事業推進の目的は,区が主体となりながらも,区民や企業などがそれぞれの立場から幅広い参加をいただいて,区の個性をつくり出すとともに,地域の連帯感の醸成と住みよい街づくりを進めようとするものでございます。
 また,こうした事業は,ある程度継続することによって大きな成果が期待できるものと認識をいたしております。したがいまして,手稲区の事業につきましても,区民の皆さんからは,植栽や樹木等の育成にご協力をいただくとともに,いろいろなご意見やご提言をちょうだいしてまいりますが,いずれにいたしましても,区と区民が連携をし,関係部局の支援による事業の推進によって,個性豊かな,快適で潤いのある街づくりに努めてまいりたいと,このように考えております。以上でございます。
吉野晃司君 9 番目 / 16 字
○議長(吉野晃司君) 杉本助役。
杉本拓君 10 番目 / 467 字
◎助役(杉本拓君) 地球環境問題への取り組みについて,私からお答えいたします。
 環境問題につきましては,国際的な視点からの取り組みも重要であるとの認識から,さきにノルウェーのトロムソ市で開催されました北方都市会議において,環境問題に関する小委員会の設置を本市が提唱するなど,共通の問題を抱える都市間での実践的な交流を図ってまいっております。
 地球環境問題につきましても,今後の本市の重要な政策課題の一つであり,早急に庁内関係部局から成る連絡協議会を設け,本市としての取り組み体制を確立したいと考えております。
 また,各方面で活躍されている市民の方々の参加を得て,環境保全懇談会を設け,市民に日常生活の中で環境に配慮した行動をとってもらうためにはどのような方策があるか,検討してまいりたいと考えております。その結果をもとに,地球環境保全のために,市民一人一人の自覚と行動を促す普及・啓発を行うとともに,市民グループの活動や町内会活動などの中で,できるものから直ちに実行してもらうよう働きかけてまいりたいと考えております。以上です。
吉野晃司君 11 番目 / 30 字
○議長(吉野晃司君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
吉野晃司君 12 番目 / 67 字
○議長(吉野晃司君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
 代表質問の続行であります。長岡武夫君。
 (長岡武夫君登壇・拍手)
(発言者未割当) 13 番目 / 9,984 字 発言者未割当
◆長岡武夫君 私は,ただいまから,自民クラブ議員会を代表いたしまで,当面する市政の諸問題につきまして質問をしてまいりたいと存じます。
 まず,創成川の環境整備についてお伺いをいたします。
 ご承知のとおり,創成川は,本市開拓の歴史に最もかかわり合いの深い川であり,明治2年開拓使が設置され,島義勇判官が札幌本府を建設するに当たって東西の基軸としたのが創成川の前身である大友堀であります。
 江戸幕府の命により,石狩地方の開墾を手がけることになった大友亀太郎が当時の用水路として開削したのを始まりとし,物資輸送路として拡幅,さらに延長がなされて今日の創成川に至っているわけで,いわば本市の重要な歴史的文化財とも言える川であります。
 現在の創成川は,南が鴨々川に始まり,大通,札幌駅東側など,本市の都心部を流れ,麻生,太平の住宅地を抜けて茨戸川へ合流する延長14.8キロメートルの流れを持つ河川であります。
 このため,本市の街並みの形成に当たって,その骨格の一端を担ってまいりましたが,創成川の周辺には,早くから豊平館や札幌教会あるいは北光教会など,さまざまな歴史的由来を持つ建物が建てられており,また,二条市場など市民生活の中心となる場所が形成されてきたことから,多くの人々が長年にわたり,この川に親しみと思い出を培ってきたところであります。
 ところが,近年,本市の都市化が急速に進行する中で,特に,都心部における創成川は,風致地区に指定されているとはいえ,川べりの柳並木がそこを歩く人々の心を和ませるといった,かつての札幌の風物詩とは全く異なり,両岸がすっかりコンクリートで固められ,自動車道の谷間を人を寄せつけない寂しい姿で流れているのが現状であります。
 本市は,最近でこそ水景色に乏しい街であると言われておりますが,元来は,その名がサリ・ホロ・ベツ,すなわち湿地を流れる大きな川,豊平川に由来すると言われておりますように,かつては豊かな水辺に恵まれ,北大構内や植物園など,街中においてもメムと呼ばれる湧水を持ち,美しい水景色を有する街でありました。
 もちろん,本市がこれまで,このような美しい水辺空間の喪失に対してただ手をこまねいてきたわけではありません。昭和42年度から着手された豊平川緑地整備事業を初めとして,鴨々川の水遊び場等の整備や,ごく最近では安春川の清流復活など,市民にとって親しみのある水辺空間の創出,回復に努め,大きな成果を上げていることも十分承知をしているところであります。
 また,都心部は車道の陰を寂しく流れる創成川も,麻生を抜け,太平などの郊外部に至りますと,延々と茨戸方面へと連なるポプラ並木をわきに控え,さすがに一級河川らしい風采を整えるなど,それらしい整備がなされてきております。
 これも,昭和54年度から平成元年度まで9年間の年月をかけて,国の直轄事業として,約5.5キロメートルを河川改修と国道231号線道路整備を並行して,約225億円の巨額の事業費をかけて整備されたおかげで,かの渋滞で有名であったところも,現在は車の流れはまことにスムーズになり,また,周辺の宅地化の活発な進行とも相まって,河川敷空間は,休日はもちろんのこと,平日でも,家族連れの散策や小学校の遠足,ゆっくり車をとめて昼寝を楽しむ人,また,のんびり釣り糸を垂れる人等々,まさに静と動が一体となった新しい都市魅力を創出したわけであります。
 このように,郊外部における創成川の水辺では,すでに多くの市民が水に親しみ,また将来的にも,まだまだ可能性と条件が備わっているものと思われます。しかしながら,都心部の創成川は,前段で申し上げましたとおり,依然として変わりばえのしない貧しい姿のままなのであります。
 しかも,周辺の建物の高層化や自動車交通量の著しい増大により,このまま放置されるならば,再整備はますます困難となってくるのではないかと思われるのであります。
 特に,本市は国際都市を目指し,高次の都市機能を有する都心地区整備について検討を進めているところと仄聞をしておりますが,そのようなことからしても,街並みの形成に当たっては,河川空間や開放感の潤いなど,人々に与えるイメージは重要な意味合いを持っているわけであります。
 特に,本市の代名詞とも言える大通公園とのかかわりを考えてみましても,せっかく先人が百年の大計のもとに残された貴重な緑地空間も,東はテレビ塔で終点となり,歩行者空間の連続性という意味では,現在の創成川は,むしろそれを遮る形となっているのでありますから,この地点において,さらにせせらぎのある川の流れに沿って南北への空間が確保されるならば,市民にとりましても,これが大きな広がりを持つ憩いの場になるものと思われるのであります。
 そこで,このことを踏まえて,以下2点について市長のご所見をお伺いいたしたいのであります。
 質問の第1点は,都心部における創成川の再整備の必要性についてでありますが,さきに申し述べましたとおり,私は,本市のまちづくりの歴史の中にあって,創成川の持つ歴史的,文化的価値を高く評価するものであり,また都心部における創成川を再整備することにより,本市の新しい都市構造の軸を形成することが可能ではないかと考えることから,21世紀に向けて,より快適で風格のある都市構造のデザインを示すためにも,早急に創成川の再整備について検討をする必要があるのではないかと存じますが,市長のお考えはいかがなものでありましょうか,お聞かせいただきたいのであります。
 第2点でありますが,創成川再整備に当たっての基本的な考え方についてお伺いいたします。
 都心部における創成川は,ご承知のとおり両側を自動車道に挟まれた形になっておりますので,その再整備を行うに当たりましても,市民が直接水に触れ,憩い,散策をするためには,それらの機能を具体化するためのスペースが必要でありますが,現在の河川敷地内では,そのようなスペースを確保することはとうてい不可能ではないかと思うのであります。
 したがいまして,このような問題点を解決し,本当に快適な,そして165万人都市札幌の都心にふさわしい水辺空間を創出していくためには,相当思い切った方法を取り入れて,その実現化を図るべきであると思うのであります。
 このように考えてまいりますと,現在市で検討されている都心部におけるさまざまな事業計画構想の中の一つである,創成川通を連続アンダーパスにする構想が思い当たるわけでありますが,私は,この連続アンダーパスこそが,まさに創成川再整備の起爆剤になるのではないかと思うのであります。
 この構想につきましては,これまでも都心交通対策の観点からいろいろと論議されてきているところであります。また,札幌市だけの力では実現が困難な事柄と存じますが,新しい都市空間の創出,快適な歩行者空間の形成のためにも,ぜひとも実現していただきたいと願うものであります。
 そこで,この連続アンダーパス化構想を踏まえて,創成川の再整備に取り組むべきではないかと思いますが,市長のお考えをお聞かせいただきたいのであります。
 次に,歴史的建造物の保存についてであります。
 このことにつきましては,すでにわが会派の千葉議員がさきの予算議会において質問をいたしておりますが,その後の推移を踏まえて,改めてお伺いをいたします
 札幌市は,創建以来わずか1世紀余にして165万人を擁する大都市となり,北海道の中心都市として急速に発展を遂げてきたところでありますが,この間にありまして,厳しい自然と闘いながら,風雪に耐え,大地に理想の都市づくりを目指し,努力されてこられた先人たちのご労苦を,そして英知を思い起こすことは,まことに大切なことであります。
 今日の札幌を代表する顔には,大通公園や時計台がありますが,碁盤の目の街並みやアカシア並木,西欧風の建物,郊外の牧歌的風景などは,すべて先人が残してくれた財産であり,他の都市には見られない風情と趣を持っているところであります。
 とりわけ,本道開拓に当たった人たちが,いち早く先進欧米文化に着目をし,いわゆるお雇い外国人と言われた学者・技術者を招聘し,鉄道や橋梁の建設,殖産事業を興し,教育・文化をも含めた広い分野で活躍された足跡は,今日にも数多く残されているのであります。進取の気風に富んだ先人たちが,高邁な理想を掲げ,まちづくりや人づくりなどに情熱を燃やしたたくましい精神と先見性,この英断には,ただただ感銘を新たにするところであります。
 歴史の浅い都市とはいえ,今日まで残されている有形,無形の文化遺産は,まさにとうといものであり,後世に引き継がなければならないと思うのであります。また,長い歴史を生き抜いてきた建造物は,当然,歴史的・文化的価値とともに,街の景観に最も重要な役割を果たす要素となっているわけであります。
 緑に包まれた白い洋館,池に映る赤れんがの建物,重厚で風格のある石づくりの建物,マンサードの屋根にサイロが似合う牧舎の風景等々,ぜひとも残したい特色のあるものであります。
 歴史的景観は,街に味わいを,さらに深みと奥行きを与え,訪れる人々にも潤いや安らぎを感じさせるものであります。
 一方,札幌市では一昨年,創建120年を記念して「ふるさと文化百選事業」を行なったところでありますが,これは,市民参加のもとで,身近な文化遺産を再発見して後世に引き継がせようとする観点から実施されたもので,まことに時宜を得たよい企画であったと理解をしております。このことによって,市民の関心も高まり,さまざまな学習活動にも活用され,所有者の誇りや意識づけには一段と成果を上げ,評価をされているところであります。
 しかしながら,ご承知のとおり,昨今の都心部における開発の急速な波には勝てず,せっかく選定された建造物が消滅の危機に遭っていることも,また現実の姿であります。
 明治末期に札幌軟石で建てられた西欧風の建造物・旧遠藤醸造店は,つい最近までレストランとして再生され,10数年,店主の工夫と建物の持つ独特の雰囲気で愛用されていたものであり,また,豊かな地下水を生かした産業として興隆をきわめた醸造業の歴史を物語るものであります。この建物が,風前のともしびにあるとの報道の後,レストランの利用者を中心として,市民から保存を求める声が高まり,短期間にして2千数百名もの署名を集めた要望書並びに陳情書が市に提出されたと伺っております。あの重厚にして,温かみのある札幌軟石の建物が,いままた一つ消えかけているという現実は,かけがえのない文化財の損失であり,市民のロマンを打ち消す大変残念なことであります。
 古きをたずね新しさを知る(温故知新)ということわざがありますが,わずか100有余年の歴史の生き証人とも言える貴重な建造物を保存・活用し,次代を担う子供たちへ贈っていくための知恵と工夫をいまこそ発揮すべき時であると痛感するところであります。そこで,以下2点について質問をいたしたいと存じます。
 まず第1点は,いまや札幌市においては,急速な都市の近代化や土地の高度利用のみを急ぐのではなく,先人が英知と努力によって築いてくれた文化的遺産をしっかりと受けとめ,これを大事にする精神の高揚を図り,できるだけ歴史的建物と現代建造物との調和ある新たな街並みの景観を創出させるための工夫をすべき時ではないかと思うのでありますが,これらの観点から,次々に消え失せようとしている歴史的な建造物の文化遺産をどのようにして守り,また保存されようとしているのか,その取り組み方についてお伺いをいたしたいのであります。
 第2点目といたしましては,個性的で魅力ある街づくりについてでありますが,どこの各都市とも,街の表情がだんだんと画一化されている中で,道内においても,函館市や小樽市,松前町さらに上ノ国町のように,目で見る歴史,そして建造物を保存または復元し,さらに活用している例も見られるところであります。
 本市も,創建120有余年の街とはいいながら,札幌らしく,開拓者精神を尊ぶ歴史と文化の香りが漂うまちづくりを一層推進すべきと思いますが,個性ある街づくりについて,市長のお考えはいかがなものでありましょうか,聞かせいただきたいのであります。
 次に,重症心身障害者にかかわる問題についてお尋ねいたします。
 重度の心身障害者を持たれるご家庭のご苦労は,医療に,訓練にと,子供の成長を願いながら,精神的・肉体的あるいは経済的にも,並み並みならぬものであろうと想像いたすところであります。
 昭和56年,「完全参加と平等」とをテーマとした国際障害者年から10年を迎えようとしております。この間,心身障害者に対する社会の理解が進み,障害者が一般市民と同様の生活ができる社会,いわゆるノーマライゼーションの精神と考え方が一段と普及したと言えるわけでありますが,また国においても,この考え方に立って,障害者対策の長期計画や施策が前向きに出されてきているところであります。
 昭和42年の児童福祉法の改正により,重度心身障害児施設が制度化され,入所施設の整備が進められてきていることは私もよく承知をしているところであります。ごく近年,障害者の中でも,精神薄弱と肢体不自由など障害の重複化に伴い,札幌市としても社会福祉の充実のため,各障害にわたり福祉施策について努力されていることは評価するところでありますが,しかしながら,これまでの整備は,重度だから即入所という考え方が普通であったわけでありますが,先ほど申し上げました国際障害者年などを契機として,ノーマライゼーションの考え方が普及し,また,入所施設の整備がある程度進んだことによって,重症心身障害児・者を取り巻く環境がかなり変わってきているのではないかと思われるのであります。
 その背景の内容を以下幾つかの点にまとめてみますと,その一つには,昭和54年の養護学校義務化に伴い,本市においては,山の手養護学校つぼみ小学部及び中学部分校が設置され,さらには,本年高等部が開校となり,かなり重度の障害があっても,自宅からの通学が可能になったことにより,重度だから必ず入所という考え方が薄れ,入所施設以外も生活の場として求められてきていることも実態であります。
 次に,障害者に対する市民の理解も進み,また親の考え方も変わってきていることから,重度の障害があっても,子供の発達のための通院や通園にと,さらに家族と一緒に外出もするという,普通の家庭と同じように育てていこうという傾向になってきていることも,また事実であります。
 さらに,医学の進歩と相まって,障害乳幼児の早期発見・早期療育のため,関係機関の連携,専門施設の整備などが進められてきたことであり,いま一つには,間接的には年金などの経済的援助と,本市も福祉の街づくりを推進してきていることでありますが,また一方では,障害者の高齢化が進む中で,親の元気な間は可能な限り家庭の中で育てていき,自宅から通っている間に療育の訓練を受けて,子供が施設に十分なれてもらい,それが,親自身が高齢になって,養育に限界が来たときの備えをしておきたいということではないかと思うのであります。
 このような状況の中で,昨年度は厚生省が,通園による訓練指導の療育を行うことを目的とする重症心身障害児通園モデル事業を実施してきていることでありますが,また,本市における重度心身障害児・者の実態は,現在約130名程度が在宅しており,そのうちの1割程度が施設入所を希望していると伺っております。
 そこで,いままで申し述べたことを踏まえ,本市における重度心身障害者の今後の取り組みについて,以下2点についてお尋ねをいたします。
 まず第1点は,入所を必要とする重症心身障害者への対応についてでありますが,障害が重度であればあるほど,命を守るための医療的なケアが絶対に必要であります。入所希望は現在のところ人数が少なくても,本市の場合は,全道各地からの転入及び障害の重度化また重複化に伴って人数の増加も予想されることから,これからの入所対応をどのようにされるのか,そのお考えをお聞かせいただきたいのであります。
 第2点目といたしましては,通所施設の整備についてでありますが,私は,実際に重症心身障害児の施設を運営されている方から承った話でありますが,これらの施設は単なる入所するだけの一面的な施設ではなく,通所による訓練・相談,そして必要に応じて入所ができるような多様な機能を持ち,しかも,地域に開かれた施設づくりが当然のことであり,さらに,通うための立地については,特に親御さんのご苦労を思うとき,できるだけ市街地に接し,交通の利便がよくて,通所がしやすいところに設置することがぜひ必要であると考えるわけでありますが,市長のご所見をお伺いいたしたいのであります。
 次に豊平区の諸問題についてでありますが,まず公共用地の先行取得についてお尋ねいたします。
 このことにつきましては,私は平成元年の第1回定例市議会におきまして,豊平区の分区に関連した代表質問の中で,区役所用地を初めとする各種の公共用地の確保についてお尋ねしたところでありますが,地価の高騰や民間宅地開発が進展していく中で,公共用地の確保がますます困難になっていくこの時に当たり,いま一度このことについてお尋ねをいたしたいのであります。
 ご承知のように,平岡,里塚地区は,厚別副都心の後背地として開発がされてきた,約1,265ヘクタールに及ぶ東部地域開発計画の一地域として位置づけられており,また,真栄地区は,国の補助制度である土地利用転換計画を活用した基本計画に基づく宅地開発地域として,それぞれ,ここ数年来急速な発展を遂げてきているところであります。
 一方,21世紀のまちづくりの担い手として豊平区民の熱い期待を担って促進されてきた地下鉄東豊線の延長事業の着手により,さらに北野・清田地区を初めとする沿線予定地区の地域開発も,一層の進展を見るであろうと思われるのであります。これら,このような状況のもとで,今後どうしても確保しなければならない公共用地の取得にますます困難を来たすのではないかと危惧するところであります。
 いま,ここで分区を想定した場合,市関連の施設だけでも挙げてみましても,区役所庁舎,保健所,区民センター,コミュニティセンター,地区センター,消防署,体育館,図書館,土木事業所,清掃事務所等々,ざっと必要とされる主なるこれらの施設を新設するとしてみますると,現在の豊平区の例を見ましても,少なくとも約7万平米に及ぶ用地を確保しなければならないわけであります。このほか,警察署あるいは郵便局等々,諸官庁機関の用地需要をも考えますと,いまからの先行取得の必要性を強く痛感させられるのであります。
 そこで,これらを踏まえて,以下3点についてお尋ねをいたします。
 まず第1点は,分区に備え,地域発展,人口増加の推移,地価高騰などの状況の中で,一刻も早く必要とされる用地を確保することが先決であると考えるわけでありますが,このことについて,市長の基本的なお考えをお伺いいたしたいのであります。
 第2点といたしましては,取得の方法といたしまして,民間所有者からの取得はもちろんのこと,国などのほか,他の公共団体からの用地取得もごく当然のことでありますが,さらに,市の各部局が所管している用地であっても,まだ利用計画が立っていないもの,また,全市的な見地からの有効利用を図る方法,また,現有施設の再配置等を図る方法も必要ではないかと考えるわけでありますが,これらに関しての関係部局による検討委員会等を設けて進めていくことはいががなものでありましょうか,お伺いをいたしたいのであります。
 第3点目といたしましては,用地の先行取得の財源としては,土地開発基金を初めとする関係基金を造成することはもちろんのことであり,より適切に弾力的運用を積極的に図っていかなければ,計画どおり事業執行するためには,まず土地対策を第1に解決しなければ,これなくしてすべてが進められないと考えるわけでありますが,これらを含めて市長のご所見をお伺いいたしたいのであります。
 次に,白旗山都市環境林についてでありますが,ここはかつて西山市有林と言われ,その面積は1,200ヘクタールという広大な,カラマツを主体とした人工林として育成をしてきたわけでありますが,近年,大きく木材の需要変化もあって,特にカラマツの売れ行きが悪く,山の将来展望から,厳しい見直しが必要となってまいりました。たまたま,昭和57年の「札幌緑の基本計画」においてモデル都市林として森林の育成整備をする一方,森林公園として,市民の利用を図ることを主たる目的にしていることは,まことに時宜を得たことであったと思うことであります。
 その内容として,営林事業では,カラマツ単層林から,エゾマツ,トドマツ,さらにミズナラ,ヤチダモといった郷土樹種を植栽し,美しく活力に満ちた森林の造成を目指して事業が進められてきておりますし,また,市民の利用面では,西岡から真栄・有明に通ずる自然歩道を開設したほか,昭和59年からは,森林内に約120ヘクタールの札幌ふれあいの森を整備し,炭焼き,陶芸,木工作を楽しみながら,森林・林業に対する理解を深める場として開放されております。
 しかし,この市民利用は森林の一部分の開放であり,全体的に利用されていないのが実態であります。もちろん,自然環境の保護または保全等に対する関心が高まっている今日,これを利用する市民のマナーは十分心得なければならないことは当然ではありますが,この広大な森林は,都市にこれほど近いところにあって,自然とのふれあいが容易にでき,そのことによって自然保護思想の啓蒙・普及を図り,また心身の浄化と健康増進,さらに子供には豊かな感性を与え,健全な体験学習の場として活用する等々,多くの市民にさらに一層利用されやすい環境に整備を行なってはいかがかと考えるわけであります。
 そこで,以下3点についてお伺いをいたします。
 この森林内には,約34キロメートルにわたって林道がつけられており,当然,これも自然歩道として親しまれておりますが,もっとお年寄りや子供たちに楽しい山として訪れてもらうための魅力づくりの一端として,たとえば,野花のいっぱい咲く群生地を育成するとか,あるいは,実のなる草木の植栽等を森林全体に何カ所かを設け,これらに道の名称をつけ,散策を楽しく誘導するようなことができるのではないかと思うのでありますが,いかがなものでありましょうか,お尋ねをいたします。
 2点目といたしましては,私は時々,白旗山の頂上・三角点と言われるところまで登ってみていつも感ずることでありますが,この山の中で一番高いところまで汗をかいて,せっかく登っても,そこはさっぱり眺望がきかないことであり,時たま登った人々から不満を言われることであります。そこで,この解決策として,森林内で伐採されたカラマツ等の間伐材を使った,周囲にふさわしい展望台を工夫してはいかがなものでありましょうか。このことによって,何回でも登りたくなる気持ちになるのではないかと思うのであります。この設置についてお伺いをいたします。
 第3点目は,この環境林の全体には,数多くの樹木や原生植物はもちろんのこと,キタキツネ,野ウサギ,エゾリス等々といった小動物を初め,さまざまな野鳥,また昆虫,さらに山部川という清流もあって,かつてはサクラマスの自然繁殖のメッカとも言われた川であり,その他,この山は自生,生息をするものもまことに豊富なところであります。したがいまして,この山での多様な自然観察は,子供たちにとってもまたとない,最適の体験学習の場所であると思われるのであります。それには,自然条件の中で観察しやすい場所の選定と,それらしい整備をすることができないものかどうか,お伺いをいたしたいのであります。
 以上をもちまして,私の質問のすべてを終了をいたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
吉野晃司君 14 番目 / 24 字
○議長(吉野晃司君) 答弁を求めます。板垣市長。
板垣武四君 15 番目 / 2,784 字
◎市長(板垣武四君) まず初めに,創成川の環境整備についてのご質問にお答えを申し上げます。
 第1点目の,都心部における創成川再整備の必要性についてでございますが,ご指摘のありましたとおり,創成川が本市における大切な歴史的文化遺産の一つであるという認識につきましては,私も全く同感でございます。また,創成川は,都心部における貴重な水と緑のある環境的空間でございますので,私といたしましても,この川の持つ歴史的な意味合いを象徴するとともに,これからの国際都市さっぽろのまちづくりを進める中で,それにふさわしい整備についての検討が必要であろうと,このように考えているところでございます。
 2点目の創成川再整備に当たっての基本的な考え方についてでございます。都心部における創成川の現況を考えますと,ご指摘のとおり,その再整備につきましては,道路構造の改良も含めて,相当大胆な方法によらなければ,緑と潤いのある快適な水辺空間の確保は難しいであろうと考えております。したがいまして,お話のありました創成川通の連続アンダーパス化を含めて,水辺空間と道路空間が調和した形での創成川再整備について,十分検討してまいりたいと考えております。
 次に,歴史的建造物の保存についてであります。
 まず第1点目は,文化遺産の保存とその取り組みについてでございます。
 先人の残した文化遺産はとうといものであり,無言のうちにも,私どもに多くの教えと語りかけがあるもののようでございます。これまでにも,旧黒岩邸やまた旧永山邸のように「文化財」の指定をしたり,あるいは月寒の旧北部軍司令官官邸を郷土資料館として活用するなど,さまざまな方法で保存に努めてきているところでございます。
 お話にありました「ふるさと文化百選事業」は,まさに消え失せようとしている文化遺産を保存し,後世に引き継ぐために実施をいたしたもので,市民の関心と期待は一段と高まりを見せていると思っております。
 ご指摘のございました石づくりの旧遠藤醸造店の解体につきましては,これまで「記録調査」を進める傍ら,所有者との話し合いを続けてきたところでございますが,幸い,民間レベルで移築の動きも出てきており,消滅という事態は避けるために,なお努力をしてまいりたいと考えております。
 2点目の歴史的文化の薫りが漂うまちづくりについてでございますが,これは私も同感であり,北国のロマンと情緒があふれる街並みには,札幌らしい歴史を生かすことが大切でございます。これまでも,昭和57年10月に,「開拓使の道」や,あるいは「開墾と美術の道」で親しまれている「景観散歩道」を設定したところであります。また,昨年度から,歴史と文化をテーマに,「都心の顔づくり事業」を進めておりまして,本れんがが眠る北3条通には,歴史を物語るガス灯と案内板を立てて,また,永山邸の修復整備とか,サッポロビールの煙突と赤れんがを残した再開発事業など,随所に工夫を凝らしてきているところでございます。
 いずれにいたしましても,過去に学び,将来の可能性を探る上にも,歴史的環境を整えることは重要でございますので,より積極的に取り組んでまいりたい,このように考えております。
 次に,重症心身障害児・者にかかわる問題についてでございます。
 まず第1点目の入所を必要とする重症心身障害児・者への対応についてでありますが,現在,札幌市内には重症心身障害児施設が2カ所ございまして,定員269名のうち,本市から114名が入所をいたしております。このほか,この種の施設は広域的に入所できますことから,市外の施設にも依頼をいたしまして,124名が入所をいたしております。
 現在,自宅で入所を必要とする重症心身障害児・者は十二,三名程度でございますが,お話にもございましたように,障害の重度化,重複化が進み,その数も増加すると考えられますので,市内の既存施設とも協議をしながら,定数増を検討してまいりたいと存じます。
 第2点目は,通所施設の整備についてでございます。重症心身障害児施設は,専門的な医療技術及び療育技術を備えており,通所による利用で地域に開放することは,私もまた,大変望ましいことであると考えておりますので,平成元年度から実施されました国の重症心身障害児通園モデル事業の指定を受けられるように,積極的に要望をしてまいりたいと考えております。
 なお,これらの事業を円滑に推進していく上で,設置場所につきましても,これは十分配慮をしてまいりたい,このように思います。
 次に,豊平区の諸問題についての第1点目は,豊平区の分区にかかわる公共用地の先行取得についての問題でございます。関連いたしますので,一括してお答えを申し上げます。
 豊平区の中でも,とりわけ清田地域の開発や人口増加は著しいものがございますことは,ご指摘のとおりであります。したがいまして,分区に備えて必要性のある用地につきましては,状況に応じ,適宜適切に先行取得を考えていかなければならない,このように考えております。
 また,市有地の有効利用を図るための関係部局による検討委員会等を設けることについてでございますが,関係する部局間での調整を主体としながら,適切に対処してまいりたいと考えておりますし,こうした対処の中で,さらに,民有地等の取得につきましては,基金等の活用によって計画的に進めてまいりたい,このように考えております。
 次に,白旗山都市環境林についてでございます。
 白旗山都市環境林は,昭和59年度に白旗山都市環境林基本計画というのを策定をいたしまして,森林の整備と森林レクリエーション機能の充実を基本として,カラマツ生産林から針葉樹・広葉樹混交の複層林への転換と「ふれあいの森」の造成など,市民が自然と身近に親しめる森林としてその整備を進めているところでございます。
 1点目の野花の群生地の育成等でございますが,現在試験的に,スズランあるいはカタクリ等の増殖を行なっておりますが,これらの群生地の育成や,あるいは実のなる木の植栽,それらをつなぐ林道に特色のある名称をつけるということは,この森林に新たな魅力を加え,利用の促進にもつながりますので,その方向で整備を進めてまいりたい,そのように考えております。
 2点目の展望台の設置でございますが,森林保護上の監視場所ともなりますので,この森林全体を一望できる場所にこれも設置をしてまいりたい,このように考えております。
 3点目の自然観察の場の整備でございますが,学習体験の上からも必要と考えておりますので,特に観察しやすい場所を選んで,必要な施設の整備を行なってまいりたい,このように考えております。以上でございます。
吉野晃司君 16 番目 / 86 字
○議長(吉野晃司君) お諮りします。
 本日の会議はこれをもって終了し,明6月7日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
吉野晃司君 17 番目 / 37 字
○議長(吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
吉野晃司君 18 番目 / 25 字
○議長(吉野晃司君) 本日はこれで散会いたします。