札幌市議会 会議録検索システム(平成7年第1回定例会 1995-02-15 第3号)
1995-02-15/発言 20 件 / 原本(札幌市議会)
本文をそのまま出しています。要約も抜粋もしていません。
伊与部敏雄君
○副議長(伊与部敏雄君) これより本日の会議を開きます。 出席議員数は,65人であります。
伊与部敏雄君
○副議長(伊与部敏雄君) 本日の会議録署名議員として長岡武夫君,常見寿夫君を指名いたします。
伊与部敏雄君
○副議長(伊与部敏雄君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
鍛冶沢徹君
◎事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。 見延順章議長は,所用のため遅参する旨,届出がございました。 本日の議事日程,陳情取下げ一覧表及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。 〔一覧表は巻末資料に掲載〕
伊与部敏雄君
○副議長(伊与部敏雄君) これより議事に入ります。 日程第1,議案第1号から第44号までの44件を一括議題といたします。 昨日に引き続きまして,代表質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。田畔 満君。 (田畔 満君登壇・拍手)
(発言者未割当) 発言者未割当
◆田畔満君 私は,ただいまから公明市議会議員団を代表いたしまして,来たるべき21世紀に向けて札幌市が発展を続けていくために,課題となる市政の諸問題について質問いたします。 質問に入らせていただきます前に,このたびの阪神大震災において亡くなられた多くの皆さんのご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに,被災された皆さんに慎んでお見舞いを申し上げます。そして,廃墟となった街が一日も早く復興し,美しい街並みと活気ある生活を取り戻していただくよう心から願うものであります。 さて,私は,昭和42年の初当選以来,7期28年にわたり市会議員として,札幌市の発展に微力を尽くしてまいったわけでありますが,振り返りますと,当時80万余であった本市の人口は,現在では2倍以上の 170万を超える人口となり,道路の整備状況,上下水道の普及,除雪水準の向上など,都市基盤の整備状況には目をみはるものがあり,まさに隔世の感があります。この間,冬季オリンピックの開催,政令指定都市への移行,地下鉄の建設,北方都市会議の開催,スパイクタイヤの廃絶など,数々の時代を先取りした施策,事業を推し進め,着実に世界の大都市としての地歩を固めてまいったものと思います。 しかし,21世紀を目前に控えたいま,政治・経済を含めて社会全体がこれまでになく先行き不透明な時代を迎え,順調に発展を続けてまいりました本市にとっても,将来を見通すのが困難な時代に差しかかっております。しかし,そのような中にあっても,都市規模の拡大,高齢化の進行による人口構造の変化,国際化の進行と産業構造の変化,市民意識の変化などに的確に対応するため,行政・民間を問わず,社会の活動全体のフレームを大きく変えなければならない時期に来ていることを認識すべきであり,そのための取組みを今後着実に進めなければならないものと私は考えております。 札幌の都市構造の変化を見てみますと,人口の増加により,本市の市街地の周辺部への拡大が進むと同時に,広域的な交通基盤の整備等による人口の増加により周辺市町村が急性長を遂げ,現在では,江別,広島,石狩など,周辺市町村を含めた一体的な都市圏が形成されております。実際の市民活動を見ましても,通勤・通学や消費生活など,さまざまな領域で市域を超えた市民生活が営まれております。 しかし,その一方では,都心とその周辺部では,土地利用転換の進行,土地価格の高騰などにより,空洞化の懸念が生じてきているのも見逃せない事実であります。高度成長期においては非常に高い伸びを示していた人口も,近年においては対前年比の増加率が1%を切る水準まで伸び率が低下してきており,特に人口増加の主要因となっていた社会増も平成2年以降急速に低下し,近隣市町村への転出の増加が目立つようになっております。 また,これまで人口の伸びに合わせて増加を続けていた年少人口は,平成2年の国勢調査の結果では,前回調査と比較して初めて減少に転じ,総人口に占める割合も20%を割り込んでいるなど,人口の伸び率の鈍化と相まって,高齢化は今後予想を上回るペースで進むものと思われます。 さらに,産業・経済の構造変化に目を向けますと,もともと本市の産業構造は,中小企業が全事業所の90%以上を占め,流通業を初めとする第3次産業に極端にシフトしておりましたが,近年,より一層その傾斜を強めており,その中でも特に観光や飲食産業,情報処理産業などに代表されるサービス産業,知識集約型産業などの伸びが目立っているほか,芸術文化,環境関連産業など,新しい産業の萌芽も見られるのであります。このような本市の産業構造は,経済環境の変化に比較的柔軟に対応できる反面,大企業,重厚長大産業が立地している地域と比較して関連産業,派生的な産業が育ちにくく,経済活動のダイナミズムに乏しいという特徴を持っております。 また,市民生活や意識の変化を見れば,所得水準の向上,余暇の増大等に伴い,豊かさからゆとりへと生活の質を志向する意識が高まるとともに,ライフスタイルの見直しまで含めた運動として高まりを見せている地球環境保全の動きに代表されるように,自己実現欲求や社会参加意識が急速に高まりつつあると言えましょう。 このような状況を踏まえながら,今後,21世紀に向かって本市がますます発展を続けていくために,まちづくりを進める上で大きな課題となると思われる四つの点についてお伺いいたします。 まず第1点は,札幌の都市機能の高度化と広域的な連携の強化についてであります。 札幌には,北海道の人の3割,金の4割,物の6割が集中していると言われております。道内市町村の過疎化が進行する中で,本市の機能集中と人口の集中は,確かに突出しております。この問題は,しばしば批判的に語られてきたところであります。 しかし,私は,むしろ札幌の機能集中には積極的な意義を感じているところであります。仮に本市が道内の他市町村への機能分散化を図り,人口流入の抑制施策をとった場合を想定いたしますと,流入者の多くは,札幌を通り越して首都圏などへ出ていき,結果的に,北海道全体がより深刻な地盤沈下を来たすことは容易に想像できるのであります。 また,札幌市自体も,国民健康保険の赤字問題を初めとする高度医療サービスの提供による医療費の負担の問題,流入車両を含めた交通問題など,機能集積と人口流入から派生する幾つかの課題を抱えているものの,過密による住環境悪化や都市機能の低下,地価の高騰の問題が深刻化するに至っておらず,全国的に見ても住みやすい街として高い評価を受けているところであります。 北海道経済を支えてきた第1次産業の不振により,他地域の地盤沈下は,今後ますます進むおそれがあります。札幌への機能集中は,東京への一極集中とは異なり,道内全体の落込みを支える意味で,今後とも大きな役割を果たすものと言えましょう。むしろ,国際化・情報化の時代と言われる今日,今後とも北海道発展のための牽引車としての役割を果たしていくためには,北海道の拠点都市というよりも,世界の拠点地域を形成するという考え方に立ち,いままで以上に札幌市の中枢機能の集積・強化を図りつつ,札幌圏全体の機能分担と連携の強化を図り,圏域全体のレベルアップを図るという取組みが必要になるものと思います。 国の第4次全国総合開発計画の総合的点検報告の中でも,国土の均衡ある発展のためには,今後,ますます地方中枢都市,中核地域の果たすべき役割は増大し,さらに,それらの地域を中心とした地域連携軸構想に基づき,機能分担と地域整備を進めていくことが必要であると指摘されております。 札幌圏全体がその機能と魅力を向上させ,さらには,札幌圏の機能と北海道の広大な自然の魅力をうまく結びつけ,地域に根差した札幌独自,北海道独自の新たな文化・情報・産業を生み出し,いわば北海道全体のPRセンターとしての札幌の機能を生かすことによって,世界的な都市間・地域間競争の中で生き残り得る,より高いレベルの北海道全体の地域振興が実現できるのではないかと私は考えるところであります。 そこで,今後,道央圏,ひいては北海道全体の地域振興を進める上での本市の都市機能集積と広域的な機能分担に関する基本的な考え方と,その推進のための広域行政の具体的な取組みについてお伺いします。 2点目は,市民とのパートナーシップによるまちづくりの推進についてであります。 国は,行政改革大綱の中で,より住民に密着し,地域の実情に合った個性的な行政を推進するため,地方分権の推進をうたっております。私は,この地方分権が目的とする真の住民自治を実現するためには,行政と市民が一体となってまちづくりを進める体制づくりをすることが,急務であると考えております。 本市におきましては,市政への市民参加を促進するための施策として街づくりサッポロ会議を開催しており,また,区のふれあい街づくり事業を進める中で,多くの区がまちづくり会議を組織し,多くの市民提案,アイデアを寄せていただいていると聞き及んでおります。このような取組みは十分評価し得るところでありますが,私は,さらに一歩進めて,市の各種の施策や事業の執行に当たり,行政と市民がともに考え,一定の役割分担を積極的にしていくような体制づくりを行なっていく必要があるものと考えております。 われわれ市会議員は,住民の意思を代表し,その意見を代弁するためにこの場に立っております。市議会は,市民の意思を代表するがゆえに札幌市の意思決定機関たり得るものであります。そして,この精神は,市政の執行のすべての局面において尊重されなければなりません。間違っても,市政の執行が一部の利益のためであるとか,声の大きい者によってゆがめられることがあってはなりません。そのためには,いかに多くの市民の意向を把握し,それを政策に反映するか,いかに多くの市民のコンセンサスを得るかということに,常に意を用いなければならないものと思います。 また,今後,多くの行政分野において,企業を含めた市民の参加協力を必要とする課題が増大することが予想されます。特に,環境保全や福祉社会の形成など重要な課題ほど,行政の努力のみでは解決し得ないものであり,あるいは,将来的なコストの負担の問題を考え合わせた場合,積極的に市民や企業の協力を求めなければならない問題であると言えましょう。 このような状況に対応するためには,いままで以上に市民のニーズを的確に把握し,市民の市政参加意識の高まりに対応できる市民協働体制を確立していかなければならないものと考えますが,行政と市民とのパートナーシップの醸成という観点から,市政への市民参加の推進について,市長ご自身がどのようなお考えを持っているのか,また,今後,市政への市民参加を促進するための新たな取組みの進め方,総合的な取組み方針についてお伺いいたします。 3点目の質問は,行政と企業のパートナーシップの醸成と,それによるダイナミックな経済活動とまちづくりの展開についてであります。 先ほど述べました国の行政改革の動きの中で,もう一つの大きな柱として,国は,より自由で活発な企業活動を保障し,経済を活性化し,活力ある社会をつくり出すため,規制緩和の方針を打ち出しております。 昨今,民間企業を取り巻く経済環境を見ますと,地域経済のグローバル化の進行により,国内的・国際的な地域間競争はますます激化しつつあります。一方,高齢化の進行と基礎的都市基盤の充足により,今後,長期的には公共投資が減少していくことが見込まれます。 北海道は,歴史的に官主導によるまちづくりが進められてきた地域でありますが,このような見通しの中で,従来どおり官主導によるまちづくりの体制を維持していった場合は,本市の発展・成長とともに経済活動を支えてきた土木・建設業などといった産業が,低落していくことが懸念されます。 このような中で札幌の産業が生き残っていくためには,産業基盤の整備や経営基盤強化のための支援施策を継続し,高付加価値化製品,サービス,技術等に対するニーズの高まりに対応するための研究開発機能の強化等を進め,国際的な競争力を身につけていくことが肝要であります。そして,それと同時に,規制緩和等によるダイナミックな企業活動が展開できるような環境づくりを進めた上で,旧来の公共事業依存,公共主導の考え方から脱却し,行政と企業が対等のパートナーとして,積極的な役割分担のもとに,共同でまちづくりを進めていくことが必要であると思います。 行政と企業のパートナーシップのあり方と,その醸成のための取組みについて,産業振興とまちづくりの推進の両方の観点を含めてお答えをいただきたいと思います。 4点目の質問は,地域活動を支える人材の育成とその活用についてであります。 進行しつつある高齢化に対応して,高齢者保健福祉計画等に基づき,保健・医療及び福祉サービスの水準アップのための各種の取組みが積極的に進められているところでありますが,来たるべき高齢化社会においては,保健・医療や福祉を初めとして,社会全体の扶養コストが非常に増大するのに対して,それを負担する世代の絶対数が不足し,高福祉・高負担型社会の到来が予測されます。 また,高齢化と同時に進行している核家族化や単身者世帯の増加は,地域社会を支えるコミュニティ活動の沈滞化の大きな要因となっており,都心地域での空洞化の進行に伴う地域コミュニティーの崩壊等も危惧されるところであります。これらの地域コミュニティーの活動低下により,旧来,地域コミュニティーが果たしていた相互扶助機能が低下し,それに代替する公的サービスの提供が,扶養コストの増大にますます拍車をかけるおそれもあります。 このような時代の到来を見越し,その第一歩として,わが会派を初めとする与党5会派の要望にこたえて,市長におかれては,早速,地域福祉の充実を図るため在宅介護手当の創設を取り上げ公約とされ,その実現を目指されたことは,本市の住みよい福祉のまちづくりを進める市長の強い意欲のあらわれと高く評価しているところであります。 また,あわせて,社会の活力を維持していくためには,私は,都市活動・地域活動を支えるための人的資源を再評価し,その育成と活用のためのシステムづくりを進めることが重要でないかと思います。近年,女性の社会参加を進めるための制度,施設等が整備され,その拡大が進みつつありますが,このような取組みと同様に,高齢者の社会参加と能力発揮を促進するための市民のニーズに即した取組みを進めることにより,高齢者自身の生きがいづくりと,社会的な扶養負担の軽減を図り,社会の活力を維持していくことになると思うのであります。 さらに,福祉,芸術文化,教育などの分野におけるボランティア活動の促進なども視野に入れ,先ほど述べました市政への市民参加のためのシステムづくりとも有機的連携をとりながら,性別,世代を超えて,すべての市民が,それぞれの能力を発揮し,社会の中で役割を分担していくような仕組みをつくっていかなければならないと思います。 この地域活動の担い手となる人の育成と活用のための基本的な考え方について,市長の忌憚のない考え方をお聞かせ願いたいと思います。 次に,防災対策について,重複を避け,お伺いいたします。 去る1月17日早朝,神戸市など兵庫県を中心に近畿地方を襲ったマグニチュード7.2 の直下型大地震は,一部の地域では震度7を記録し,多数の死傷者を出したほか,ライフラインが壊滅的被害をこうむるなど,想像を絶する惨状を呈し,いまもなお多数の住民が避難所での暮らしを余儀なくされるなど,大正12年の関東大震災に次ぐ戦後最大の規模となりました。 本市における地震災害対策計画は,当初,昭和43年の十勝沖地震を契機として策定されましたが,その後,昭和53年から54年の2ヵ年にわたる札幌市地震対策基礎調査の結果に基づいて,昭和57年度に現計画に修正されてきたところであります。 今回の阪神大震災は,これまでのさまざまな計画をことごとく打ち破りました。市長は,本市の地震対策等の見直しについて,すでに発表され,取組みをされているところでありますが,私としても,いまだかつて想像もしていない大地震が,いつかは本市に起きるということを念頭に置き,本市の防災対策を抜本的に見直すべきときが来たのではないかと考えるところであります。 本市の場合,さきの地震対策基礎調査以来,約15年も経過しておりますが,人口の増加はもちろんのこと,建物の変遷や郊外に宅地化が進むなど,都市環境や社会的要因が目覚ましく変わっているにもかかわらず,その後,調査がなされておりません。都市化の進展に対応した防災対策を確立するためにも,再度この基礎調査を行う必要があったのではないでしょうか。 また,今回の地震を顧みますと,被災は複雑多岐にわたっており,これまでは考えてもみなかった住民生活に関連した対応の難しさも大きな教訓となりましたことから,この計画の見直しに当たっては,市民や企業の代表,学識経験者,関係機関など,あらゆる分野の意見を聞いて新しい対策を打ち立てるべきであり,これをもとに総合的に検討していくことが,最善の方法ではないかと考えるのであります。 そこで,質問の第1点は,本市の地域防災計画の見直しは,今後,どのような具体的なプログラムをもって進めていかれようとしているのか,市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。 次に,今回の地震では,実に本市の人口の2割弱にも相当する約30万人もの住民が避難生活をしており,当初,避難所では横になる場所もないほどの状態でありました。しかも,食料がなく,トイレがなく,暖房もないということでありました。この厳冬期に暖房もない避難所で生活することが,災害弱者と言われるお年寄りや障害者,子供たちは言うに及ばず,避難住民にとって,どんなに厳しい環境下にあったかを考え,万が一,本市にこれほどの大地震があったら,果たしてどのような事態となるのか,想像を絶するものがあります。 私はあえて申し上げますが,避難場所のもろもろのあり方は,何にも増して万全な対策を構ずべきであると考えます。一時的とはいえ,多くの方々が避難場所での生活を余儀なくされるわけであり,味わったことのない苦しみと闘うことになるわけであります。 そこで,本市の避難場所における被災者の対応は,どのようにして行なっていかれようとしているのか,また,あわせて,将来的には,収容施設を兼ね備え,さらに危機管理にも対応できるような防災基地的な施設が必要と思われますが,どのようにお考えになっているのかお伺いいたします。 次に,本市観光の将来構想についてお伺いします。 緩やかな景気回復基調の中で,観光業界にも明るい兆しが見え始めてきており,本市においても,平成6年度上期は3年ぶりに前年を上回る観光客が訪れたところであります。いま,レジャー産業,とりわけ観光産業は,週休2日制の定着や余暇を重視する国民意識の高まりなどから,21世紀へ向けて最も有望な産業の一つではないかと思うのであります。 昨年11月,大阪で開催された世界観光大臣会議には, 101にも上る国,地域,州,国際機関の代表が参加し,観光大臣も52名参加したところであります。この会議において,参加者全員が,観光産業は非常に成長が期待でき,しかも地域によい結果をもたらし,21世紀の経済発展を牽引する最も重要な産業であるとの認識で一致し,観光宣言を採択したところであります。 これまで観光といえば,何となく遊び,娯楽のイメージが先行し,ほかの産業に比べ社会的認知度はいまひとつの感がありましたが,いまや国民の年間総レジャーに関する支出は国家予算と並ぶまでになり,また,サービス業が最大の雇用を創出していると言われるなど,観光が果たす役割は非常に大きなものとなっております。 これまでわが国は,産業振興,物づくりを中心に施策を展開してまいりましたが,産業の空洞化現象に象徴されるように,国内での産業構造に大きな変化が起きつつあり,前述したように経済的にも大きな影響力を持つまでになった観光について,真剣に取り組む時期になってきたと思うのであります。 こうしたことから,国においても,観光大学設置の検討を前向きに始めるなど,観光に対する意識は確実に変化しているのであります。このような時代の流れの中で,先ほど申し述べましたように,産業構造が第3次産業に著しく傾斜している札幌市において,21世紀に向けた経済の活性化を考えるとき,観光の振興は大きなキーワードの一つであると思うのであります。 そこで,質問の第1点は,本市観光の位置づけと将来構想についてであります。 本市の観光は,四季折々の変化や緑豊かな自然,北の風土,特性を生かした雪まつりや貴重な歴史的遺産である時計台,さらには芸術の森など,個性的な観光資源に,近代的な街並みが相まって,独自の個性やイメージを高め,訪れる観光客にとっても魅力ある都市として発展してきたところであります。 一般的に,都市型観光の魅力は,多様な機能が集積し,人々の快適性を求めて都市施設・都市機能を充実させた結果,観光的に見ても多様な魅力が存在していくものと考えております。 本市の観光振興は,市民にとって住みよい街であることが,訪れる人々にとっても魅力ある街であるという基本理念により,これまでさまざまな施策を進めてきたところでありますが,今後は,急速に進むであろう国際化の進展,高齢化の進行,さらには自由時間の増大といった社会的変化に対応しながら,来たるべき21世紀に向けた観光都市づくりを進める必要があると思うのであります。それは,札幌の持っている個性を鮮明にアピールしながら,これに沿った整備を進めていくとともに,訪れる人に優しい受入態勢を整えることであります。 本市は,他都市に比べて歴史が浅く,歴史的な観光資源には必ずしも恵まれておりませんが,緑豊かな自然,充実した都市施設を背景とした近代的な街並み,札幌らしいイベントの開催といった良好な都市イメージを持たれております。 したがって,今後,本市の観光振興を進めるに当たって大切なことは,札幌の個性である自然と調和のとれたまちづくりや,人々に感動を与えるイベントの実施であり,そして,札幌にまた来たいと思わせるホスピタリティあふれる受入れの整備であると思うのであります。このことが,本市の貴重な財産である恵まれた自然環境や札幌市民としての誇りを次の世代に引き継いでいくことになり,札幌の価値をさらに高めると思うのでありますが,いかがでありましょうか,市長のご所見をお伺いいたします。 次に,第2点として,本市観光の国際化についてであります。 札幌市は,開拓のくわがおろされてからわずか 120年余にして,オリンピック冬季大会やユニバーシアード大会の開催あるいは北方都市会議やPMFの開催など,国際的にも主導的役割を担うまでに成長し,国際的な知名度も高い都市であります。さらに本市は,充実した都市施設・都市機能を有しており,また,世界の大都市の中でも例のない多雪寒冷の冬があり,特に雪のない地域に住む人々にとっては大きな魅力にあふれた都市であり,国際観光都市としての資格は十分備えていると思うのであります。 しかしながら,平成3年から4年にかけて,国際観光振興会が行なった調査によりますと,日本を訪れる外国人の訪問地別のランキングは,1位東京,2位大阪,3位京都であり,札幌は残念ながら18位であります。この調査からも,札幌は知名度は高いものの,まだ実際の来客に結びついていないという結果になっております。 一方で,次に訪れる希望地としては6位と非常に高いランクにあることから,潜在的な需要はかなりあるものと考えられます。こうした潜在的需要を現実のものとする最も効果的なことは,料金体系を含めた交通アクセスの改善であろうと思うのであります。 現在,新千歳空港には,国際便が5路線就航しておりますが,利用の主体は道民であり,相手の国から入ってくるのはまだまだ少ないのが実態であります。今後,真の国際化を目指すためには,世界の主要都市との路線の開設と,それが相互利用されることが不可欠であり,そして十分な受入態勢の整備を進める必要があると思うのであります。 そこで,今後,札幌市は,なお一層の観光の国際化に向けてどのような施策を展開されるおつもりか,市長のご所見をお伺いいたします。 以上で私の代表質問を終了いたしますが,終わりに,私の28年にわたる議会活動において,絶えることなくご支持をいただいた各界各層の市民の皆様方に感謝を申し上げますとともに,原田市長,板垣市長,桂市長の3代にわたる市長さんを初めとして,理事者の方々,そして多くの職員の皆さんからちょうだいいたしましたご協力,ご支援に対して,衷心より厚く御礼を申し上げます。 また,地域住民の代表者として,ともに手を携えながら良識ある議会を築き上げてきた同僚議員の皆さん,人生の教訓をたくさん与えていただきました同僚議員の皆さんのご協力に対し,深く感謝を申し上げますとともに,4月に迎えます統一地方選挙に勝利し, 170万市民の負託にこたえるため,一層のご活躍をされますよう心からご祈念申し上げまして,私の質問を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
伊与部敏雄君
○副議長(伊与部敏雄君) 答弁を求めます。桂市長。
桂信雄君
◎市長(桂信雄君) まず,私からお答えをいたします。 最初に,21世紀に向けたまちづくりの課題についてお答えいたします。 第1点目の今後の本市の都市機能の増進と広域的な取組みについてでございます。 本市が,今後とも北海道発展のための先導的な役割を担い続けるために,高度な都市機能の集積を図っていくことについては,私も同様の認識であります。 また,広域的な連携の強化につきましては,道央圏は,本市の中枢機能のほかに,空港や港湾機能,工業機能集積,レクリエーション機能などを一体的に備えた地域でありますことから,これらの諸機能を一層充実し,その有機的な連携と道内の中核都市等とのネットワーク形成を図っていく必要があるものと認識いたしております。 そのため,広域的な交通基盤の整備を引き続き進める一方,観光など経済・文化情報の広域的なネットワークの整備,リンケージ・アップ フェスティバル等の広域的なイベントの拡充,さらには国際化・情報化に対応する人材育成事業の共同実施の検討等を進めてまいりたいと考えております。 なお,国におきましても,広域的な行政の推進のための新たな事業,制度を創設いたしておりますので,近隣市町村と協議の上で,これらの制度の活用等につきましても鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。 第2点目の市政への市民参加につきましては,従来から市政世論調査,市長と語る会,区長懇談会などを実施いたしておりますほか,各種の計画策定の際の審議会への諮問,事業の説明会の開催等によりまして,極力,市民の意見を反映するための取組みを進めてまいりました。 しかし,近年,他都市におきましても,潜在的な市民ニーズの把握,市民と行政の協調関係の確立など,さまざまな目的を持って新しい取組みがなされているところであります。 本市におきましても,新たな試みとして,平成3年度と4年度に街づくりサッポロ会議を開催し,公募した市民からさまざまな提言をいただきました。また,区のふれあい街づくり事業を推進する中で,まちづくり会議を組織するなどの取組みを進めているところであります。しかし,これは他都市の当初の取組みと同様に,現時点では,試行的な要素の強い取組みとしてスタートさせている状況であります。 政策に関する協議や実際の事業実施への参画など,行政と市民のかかわり方も多様なものが想定され,それぞれにふさわしい手法を考えていく必要がございますことから,当面,多様な取組みを進めながら,市民参加のためのシステムのあり方について検討を進めてまいりたいと思います。 第3点目の行政と企業のパートナーシップについてでございますが,今後,国の内外における地域間競争が激化していく見通しでありまして,民間企業にとりましては,非常に厳しい環境が続くものと想定しております。 そのような中で,札幌の産業が生き残っていくための施策を考えた場合,私も,札幌独自の風土,特性を生かした技術や製品を開発し,世界の市場に向けて提供していくことが重要であると考えております。そのため,技術開発を支援するための情報提供,世界に向けた情報発信のためのネットワークの確立,販路拡大等の支援策につきましては,積極的に進めてまいる所存であります。 また,まちづくりの分野についてでございますが,都市計画制度などでの規制緩和の問題につきましては,国の動きを待たなければなりませんが,地方自治体の裁量にゆだねられた範囲で柔軟に対応することが必要であると考えております。特に,近年,民間企業においても,地域への貢献を目指した事業展開が進められている状況を勘案し,民間活力の導入,民間との積極的な役割分担といった考え方に立ち,行政の対応のあり方や,行政と民間が同じ立場に立って協議,検討できる機会の拡充などについて検討してまいりたいと思います。 4点目の地域活動の担い手となる人材育成と活用のための基本的な考え方についてでございます。 私は,今後,活力ある社会を維持していくために最も基本となるものは,市民の多彩な活動であり,地域社会を支える活発なコミュニティ活動であると考えております。 市民意識の変化に伴って労働に対する価値観の変化が進む一方,都市化の進展に伴い,一部の地域ではコミュニティ活動の沈滞化が懸念されております。このような状況の中で,活発な市民活動を促進し,活力ある社会を構築していくためには,すべての世代にわたって,その能力が十分発揮され,生かされる社会システムを構築していくことが重要であり,特に,職場を初め,地域活動や芸術・文化・スポーツ活動など,さまざまな分野で,勤労者はもとより,高齢者の方々の能力が活用されるようなシステムを整備することが必要であると考えております。 このようなことから,今後,策定を予定しております生涯学習推進構想を基本として,高齢者の生きがいづくり,能力開発などを総合的に進める体制の整備を進めていくとともに,市政への市民参加の機会の充実やボランティア活動の拡充とあわせて,勤労者層が文化活動や地域活動に積極的に参加できる機会をふやし,その多様な学習ニーズにこたえていくため,特に成人教育・総合的なリカレント教育など,生涯学習の推進にも力を注いでまいりたいと考えております。 次は,防災対策についてお答えをいたします。 第1点目の計画見直しの進め方についてでありますが,ことしの3月に本市の防災会議を開催することにいたしております。この計画を策定するに当たっては,専門的かつ広範囲な知識が必要となりますことから,市民や企業の代表も含めた幅広い分野から構成する,仮称でありますけれども,地震対策専門委員会を新たに設けて,震度・被害想定の方法及び災害の予防や応急などの対策を検討いただき,計画の見直しを進めてまいりたいと考えております。 2点目の,まず避難場所における被災者への対応についてでありますが,災害時における被災者への対応は,きわめて重要な問題であります。特に北海道は,冬季のこともあわせて検討していかなければならない特異性があります。 したがいまして,このたびの大震災を教訓にしながら,本市の地域防災計画の見直しの中で避難対策を十分講じてまいりますが,ただいま進めております総点検を踏まえ,避難施設及び生活必需物資,医療及び環境衛生対策などについて早期に取り組んでまいりたいと考えております。 また,危機管理等をも考慮に入れた防災基地的な施設の構想につきましては,消防局庁舎の機能強化を含めて総合的に検討させていただきたいと思います。私からは以上です。
伊与部敏雄君
○副議長(伊与部敏雄君) 田中助役。
田中良明君
◎助役(田中良明君) 本市観光の将来構想について,私からお答えを申し上げます。 第1点目の本市における観光の位置づけと将来構想についてでございますが,観光は,将来にわたり本市の経済を支える重要な柱であると認識をいたしております。 本市は,これまでも,四季の変化に富んだ緑豊かな自然の恵みを大切に,札幌らしい個性的なまちづくりを進めてきたところでございます。今後も長期的・総合的な見地から観光行政を推進して,真の観光都市を目指したいと考えております。 次に,第2点目の観光の国際化についてでございますが,昨年10月,国際会議観光都市の認定を受けたこともあり,今後はさらに,国際的なコンベンションの誘致・開催に力を注いでまいりたいと考えております。本年は,6月から7月にかけて,APECの高級事務レベル会合あるいは,95札幌国際見本市が開催され,また,9月には,シカゴで開催される国際観光・コンベンション見本市に参加を予定しておりまして,これらはいずれも成功させたいと考えております。 また,新千歳空港の国際化の推進は,観光都市さっぽろにとりましても重要な課題でありますので,新千歳空港の持つ優位性などを最大限生かした中で,関係機関と協力しながら,実現に向け努力してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても,世界に通用する観光都市として,ハード・ソフト両面にわたり,今後も積極的に整備を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
伊与部敏雄君
○副議長(伊与部敏雄君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
見延順章君
○議長(見延順章君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。 代表質問の続行であります。八田信之君。 (八田信之君登壇・拍手)
(発言者未割当) 発言者未割当
◆八田信之君 私は,だたいまから自民党市民の会を代表いたしまして,今定例会に提案されました議案並びに当面する市政の諸問題につきまして,順次質問をしてまいります。 質問に先立ちまして,兵庫県南部地震により亡くなられた方々,その遺族に対し,深く哀悼の意を表します。また,負傷された方々や避難生活を続けておられる方々に,心からお見舞いを申し上げます。 まず初めに,財政問題についてお伺いをいたします。 今議会に提案されました平成7年度予算は,一般会計 7,687億 6,000万円,特別会計 2,876億 6,300万円,企業会計 3,248億 6,600万円,総額で1兆 3,812億 8,900万円という規模であり,その特徴は,何といっても骨格予算ながら予算の伸び率が一般会計で 2.9%,総額でも 3.2%と前年度を上回ったことであります。 骨格予算でありながら,その予算規模が前年度を上回ったのは,予算の伸び率が2けたを続けていた昭和54年以来,実に16年ぶりのことであります。これは,骨格予算については,義務的な経費,従前からの継続的な事業,例年実施している経常的な事務事業などを計上することとし,新たに政策的判断を要する新規事業については,新市長の判断にゆだねるため,肉づけ予算に回すという従来からの本市の基本的な考え方を踏まえつつ,行政の継続性や市民サービスの向上という観点から,高齢者福祉,雪対策,ごみ処理などについては,既定の計画に基づき大幅な増額を図るなどしたためであり,これは,従来からわが会派が主張してきた,いわば骨太の予算として積極的な編成をすべきであるという考え方を取り入れたもので,この点については高く評価をするものであります。 特に,公共事業については,国庫補助事業として見込まれるものの全額を計上した点については,事業の早期発注につながり,また,明るい兆しが見え始めた景気の動向に大きく貢献するのではないかと思うのであります。 このほか,今回の予算案について,その内容を私なりに見ますと,市長が掲げる躍動都市さっぽろの実現に向け,確実に施策を展開していると思うのであります。すなわち,風格あるまちづくりを推進するため,芸術の森アートホールやサッポロさとらんどなど,芸術文化,スポーツなどの分野において施設整備を進める一方,2年目を迎える高齢者保健福祉計画については,事業費ベースで35.8%と前年度に引き続き大きな増額を図っているのであります。 また,市民要望の中で常にトップとなっている除雪費については,前年度比11.6%と高い伸び率を確保しているほか,ごみ対策,総合交通対策など,市民生活に密接に関連した施策の確実なレベルアップを図っております。 さらには,国際都市さっぽろの地位を高めるため,国際交流の推進や国際交流施設の整備,中小企業金融対策の充実などにも配慮しているほか,本市の財政上の重要課題である国民健康保険事業及び地下鉄交通事業の健全化についても着実な推進を図っているところであります。 このように見てまいりますと,市民生活の各分野にわたりバランスのとれた内容となっており,平成7年度予算は,骨格予算ながら,市長のこの4年間を総括するにふさわしい積極的な予算であり,札幌市のさらなる発展に着実につながっていく充実した予算でないかと考えるのであります。 これらの評価を踏まえながら,今後の財政運営のあり方について,意見を交えながら質問したいと思います。 まず,質問の1点目でありますが,従来からわが会派は,今後の財政運営に当たり,柔軟で機動的な財政運営を行うよう主張してきました。これは,景気が緩やかな回復を見せる中,市税収入についても一定の伸びを見込めるようになってはきているものの,本市にあっては,多額の繰出しを余儀なくされている国保会計や,健全化を着実に進めなければならない地下鉄交通事業など,本市に特有な財政事情もあり,ゴールドプランに代表されるような今後ますます増大する新たな財政需要に的確に対応していくため,限られた財源を重点的かつ効率的に配分する必要があり,時代とともに変化する市民要望を敏感に感じ取り,財政運営に生かしていかなければならないからであります。 かつての市民要望が,道路,下水道,住宅建設など,いわばハード重視の要望が中心を占めていたのに対し,近年では,雪対策,高齢化対策,ごみ対策など,いわば市民生活密着型の要望が中心になってきている現状を認識し,こうした要望の変化を踏まえた財政運営を行わなければならないと思うのでありますが,市長は,市民要望の変化についてどのように認識をされているのか,また,どのように今回の予算に反映されているのかお伺いをいたします。 質問の2点目は,本市の予算配分のあり方,とりわけ経常的経費のウエートのあり方に関してであります。 予算については,論議をするとき,ともすると華やかな政策的経費に関心が向かいがちでありますが,予算を編成するに当たって,人件費,扶助費,公債費,維持管理費などといった経常的経費の割合がどうなるかはきわめて重要な要素となるのであります。 もちろん,歳出の構成において,経常的経費のウエートが低ければ低いほど財政の健全性が高いのでありますが,一方,本市のように都市が成熟し,都市基盤がある程度整備されてきますと,当然施設もふえ,それにかかわる維持管理経費も膨らんでくるわけであり,こうした維持管理の時代を迎えますと,経常的経費の割合が高くなってくるのは当然であります。 経常的経費は,人件費,扶助費,公債費に代表されるように,任意に削減することのできないきわめて硬直性の強い経費でありますが,だからといって野方図にしておいてよいのではなく,その計上に当たっては慎重な対応が要求されるのであり,財政構造に与える影響にも配慮しながら,特に一般事務的経費などについては抑制に努める必要があります。 平成7年度について見ますと,自然増に加え,社会的にも景気の低迷を反映して生活保護費などの扶助費が増加するなど,経常的経費が増加している傾向にありますが,扶助費は別としても,その他の経常的経費について,どのような抑制の努力をなされているのかお伺いをいたします。 また,経常的経費の割合を他都市と比較した場合,どのような水準にあるのかお伺いをいたします。 次に,本市の国際都市づくりの新たな展開についてお伺いいたします。 本市の歴史を振り返りますと,創建期において,海外との密接な協力関係のもと,ホーレス・ケプロン,ウィリアム・クラーク,エドウィン・ダンを初めとする欧米諸国の技術者,教育者を招き,進んだ技術を積極的に導入し,都市としての基盤を築いてまいりました。自来 120有余年間,本市は,こうした国際化の土壌の中で,独特の街並みや文化,精神風土を形成してきたのであります。 本市のまちづくりに大きな変化が見られたのは,高度経済成長期以降においてでありますが,本市の発展,成長を力強く推進し,国際的な都市機能を格段と向上させたのは,この時期から展開してきた数々の大規模イベントでありました。 今年で第46回を重ねるさっぽろ雪まつりは,戦後の混乱期であった昭和25年に初めて実施したものでありますが,いまでは冬を代表するイベントとして,世界に広く知られているところとなっております。 スポーツの分野を見ましても,昭和29年に開催された世界スピードスケート選手権大会は,本市の国際スポーツのきっかけとなり,昭和47年の冬季オリンピック札幌大会へとつながってまいりました。さらに,オリンピックを契機に,数多くの市民ボランティアや国際交流団体が生まれ,また,毎年10種類を超える冬の国際的なスポーツ大会が札幌で開催されるようになり,これらの成果が2度の冬季アジア競技大会,平成3年の冬季ユニバーシアード大会の開催へと発展したのであります。 都市間交流が果たした役割も,非常に大きなものがありました。本市は,昭和34年のポートランド市を皮切りとして,ミュンヘン市,瀋陽市,ノボシビルクス市との間で姉妹・友好都市の提携を行なってまいりました。姉妹都市交流の大きな目的は,規模や性格の似ている都市が,人種や国境を越え,教育,スポーツ,文化,経済などを通じて相互理解を深め,世界平和に寄与することにあります。本市は,この理念を一層高め,2都市間交流から5都市にわたる重層的な交流を推進し,この取組みは,国内外の自治体の大きな関心を呼んできたところであります。 北方圏交流に目を転じますと,昭和57年,快適な北方都市の創造に向けた情報交換の場として,本市が世界に呼びかけて開催した北方都市会議は,昨年のアンカレジ会議で6回を数え,メンバーも10ヵ国30都市を超え,大きな国際都市ネットワークに発展いたしました。この取組みも国際的に高い評価を受けており,同時に,北方圏の拠点都市としての本市の基礎となっているものであります。 本市の国際化の歩みに見られるこれらの特性は,本市の21世紀に向けた国際化戦略を考える上で,きわめて重要なポイントになるものと思います。 長期総合計画において本市は,21世紀の国際化社会で重要な役割を担う国際都市づくりを進めることとしております。ここでいう国際都市とは,私は,質の高い独自の文化,産業,情報などを背景に,国際社会に大きな影響力を持つ都市を指し示していると考えております。 本市は,北方風土に根差した個性的な国際都市として,大きく発展していく可能性を秘めております。しかし,現在,世界主要都市と比較しますと,国際的な機能はいまだ成熟の域に達していないと認めざるを得ないのであります。とりわけ国際都市の成立基盤とも言うべき経済的な機能は,産業構造あるいは北海道の経済基盤の脆弱性により,多くの課題を抱えているというのが現状であります。 こうした状況をかんがみますと,都市基盤整備や産業振興あるいは独自の文化の創造など,国際都市にふさわしい都市づくりを,さらに力強く総合的に行なっていくことの必要性をあらためて痛感するのであります。 このような観点から,21世紀に向けた本市の国際都市づくりの将来方向について,以下2点について市長の見解をお伺いいたします。 質問の1点目は,21世紀に向けたイベントやコンベンションの積極的な展開についてであります。 札幌独自の情報の蓄積,産業振興や都市機能向上など,国際都市づくりを総合的に推進する上で,イベント・コンベンションがきわめて効果的な手段であることは,本市の歴史を振り返りましても明らかなのであります。 一方,平成3年度市政モニター調査の結果を見ましても,市民の約78%がイベントを積極的に開催すべきであるとの意見を持っております。 札幌オリンピックから四半世紀が経過しようとしております。新たな時代に飛躍する国際都市さっぽろを目指す今日,いま一度,行政・市民・企業の力を結集し,21世紀初頭を一つの目標に置いた大規模なイベントの開催に取り組むべき時期に来ていると思うのであります。そして,これに向けた長期的なイベント戦略を早急に構築する必要を強く感じております。 スポーツイベントを例に申し上げますと,本市は,2002年ワールドカップサッカー大会の国内開催地に立候補し,来年6月には開催国が決定され,国内開催地も正式に決定される運びとなっております。 これに合わせてスタジアムを整備することになりますが,私は,このスタジアムの周辺に多様なスポーツ施設を展開し,たとえば夏のオリンピック大会の開催を目指していくなど,長期的な展望に立った戦略を立てていくべきでないかと思うのであります。夏のオリンピック開催については,幾度かご提言申し上げ,桂市長におかれましても,開催の可能性について調査研究していく旨,ご答弁をいただいております。 国などの十分な財政支援もかつてのように期待できないことなど,簡単に実現し得ないことは承知いたしておりますが,本市が国際都市を目指し,より幅広く,より世界と緊密な関係を築くためには,スポーツに限ることなく,多方面の分野において,段階的,発展的なイベント・コンベンションのプログラムを策定していくべきであると考えますがいかがでありましょうか,市長のご意見をお伺いいたします。 質問の2点目は,民間交流の拡大に向けた取組みについてであります。 市民の日常の暮らしの中で,都市の国際化が身近になってこそ,国際都市としての確かな基盤が完成するのであります。この点から申しまして,市民や民間レベルの国際交流は,今後のきわめて重要な課題なのであります。 市民交流の現状を見ますと,全国に先駆けて実施されたホームステイ登録制度は,他都市に見られないほど充実した実績を有し,昨年度においては,73ヵ国3地域 150人の外国人に利用されたのであります。 また,外国語ボランティア登録者も21ヵ国語 600名を超え,交流事業のさまざまな場面で活躍されています。 国際交流団体は市内に90以上あり,姉妹都市交流の提携数は,ポートランド市とは98,ミュンヘン市とは11,瀋陽市とは17,ノボシビルスク市とは12の団体を数えております。 このように,本市の民間交流は活発であり,全国的にも高い評価を得ているところであります。 しかしながら,こうした活動を行なっているのは, 175万都市札幌のほんの一部の市民にすぎないこともまた事実であります。 本市には,芸術,文化,スポーツ,産業,技術などのあらゆる面において,魅力ある活動を行なっている市民,民間団体は数多くあるものと思います。こうした市民,団体の交流のサポートをきめ細かく行うことは,幅広い多様な結びつきを本市にもたらし,その成果として,新たな知恵や技術,文化を生み出していくものと思うのであります。 一方,本市を訪れている外国人留学生の数も 600名を超え,5年前の約 1.8倍になり,そしてその約65%が私費による留学生であります。学習分野もさまざまであり,この方々が帰国された後の本市との結びつきも,また豊かに花開いていくものと思われます。 本市の大きな財産として幅広い国際的なネットワークを形成していくという観点に立ちますと,宿舎の整備や市民との交流の場の提供などにつきましても,積極的に進めていくべきと考えるのであります。 桂市長におかれましては,今回の立起表明において,世界と結ぶ心ときめく街さっぽろを施策目標の一つとして掲げておられますが,民間交流の促進について,今後どのような取組みを考えておられるのかお伺いをいたします。 次に,交通対策の推進についてお伺いいたします。 本市は,明治に開拓のくわが入れられて以来,本市の公共交通網は,馬車交通の時代,バス・路面電車の時代を経て,地下鉄を主軸とした交通体系へと転換され,また,道路網についても,2バイパス2環状13放射の骨格体系へと計画の規模を広げ,いまや人口 175万人を擁する大都市へと成長したのであります。 道路などの基盤整備が一挙に進み,今日の本市の交通体系の基本的な骨格が形成されたことにより,急激なモータリゼーションの進展や急速な市街地の拡大にも対応することができたと考えているのであります。 しかしながら,快適性や豊かさを求める車依存へのライフスタイルの変化などによるモータリゼーションの進展によって,車両交通は年々増加し,都心部を中心とする幹線道路の渋滞が発生しており,このままでは経済活動の低下や都市機能の停滞を招くのではないかと懸念されております。 そこで,本市では,平成6年度から人に優しい交通対策がスタートし,車社会に起因する交通渋滞,交通公害などが深刻な都市問題になる前に,人や環境に配慮するとともに,車両交通量を適正水準に誘導する交通体系にシフトさせることを基本理念に掲げ,総合的な観点から交通対策に取り組むことにしているのであります。 このように,市長が交通対策を重点的な政策課題として掲げられ,積極的な取組みの姿勢を表明されていることについて,私は高く評価をしたいと考えているのであります。 これまでに実施された交通対策のソフト的な施策としては,普及啓発の面で,さわやかノーカーデーの推進と環境割引一日乗車券「エコキップ」の発売,交通環境改善の面で,違法駐車等防止条例の制定,バスレーンの強化,公共交通機関の利用促進の面でパーク・アンド・ライド駐車場の整備など,さまざまな取組みがなされています。特に,この1月20日から始まった冬の渋滞解消キャンペーンにおいては,気象情報に連動したマイカー通勤自粛のテレビスポットの放映という,これまでにない手法を用いており,私もその効果に注目しているところであります。 しかし,交通問題に対する市民の関心や意識についてはどうかといえば,市政モニターの調査結果によりますと,さわやかノーカーデーを知っている人は65.5%となっておりますが,そのうち協力したことのある人は約半数にとどまっております。この結果を見ますと,本市のマイカー利用自粛の働きかけについては浸透しつつあるものの,実際に多くの市民が利便性の高いマイカーの利用を控え,公共交通機関を利用するという具体的な行動を起こすまでには至っていないと言えるのではないでしょうか。この人に優しい交通対策を成功させるためには,市民一人一人の理解と自発的な協力が不可欠であると言えるのではないでしょうか。 一方,自動車交通全体について見ると,物流や業務交通など,都市機能を維持する上で必要不可欠なものもあり,交通需要の削減には一定の限界がありますので,将来需要を見越して,必要な基盤整備も着実に進めていかなければなりません。今後の基盤施設の整備については,社会経済情勢の変化,市民ニーズの多様化,行動パターンの変化などに対応し,新たな視点から取組みが必要であると考えておりますし,また,自動車を適切にさばくきめ細かな工夫,施設づくりが必要であると考えています。 具体的に言えば,都市計画道路の約7割が整備済みであるなど,骨格となる幹線道路ネットワークがおおむね形成されていると考えられますが,今後,都市機能を維持していくためには,外環状道路の整備や市街地内でも主要な幹線道路交差点の立体化を図るなど,より速達性に重点を置いたサービスレベルの高い道路の導入が必要ではないでしょうか。 また,都心部の交通渋滞の要因の一つである路上駐車対策については,本市では平成6年に,違法駐車等防止条例の施行により,路上駐車車両の減少など,一定の成果を上げていると聞いておりますが,一方でトラックなどの荷さばき車両の問題もあります。札幌市都心交通対策実行委員会を中心に関連業界においても,都心部の道路が混雑する時間帯の荷さばき作業を自粛したり,郊外に物流センターを建設し,一括して納品を行うなどの取組みを行なっていると伺っているところですが,こうした民間の取組みを支援すべく,行政サイドでも,道路交通の円滑化を図るため,具体的な対策に取り組む必要があると考えるのであります。 さらに交通結接点となる地下鉄駅などには,乗継ぎ利便性を確保するため,これまでバスターミナルや駅前広場などを整備してきていますが,今後はパーク・アンド・ライド駐車場もさらに拡充する必要があると考えますし,また,近年では,奥さんに駅まで車で送迎してもらう,いわゆるキス・アンド・ライド方式の利用形態も多く見られることから,自家用車のための停車施設の整備が必要でないかと思うのであります。 以上,基盤施設の整備について何点か提案いたしましたが,人に優しい交通対策を含め,時代の要請に応じた新たな交通政策を推進していくためには,必要とする基盤施設の整備と,これを有効に活用していく方策や自動車利用抑制の市民協力など,さまざまな方策を効果的に組み合わせて実施することが必要であると考えるのであります。 そこで,質問の1点目でありますが,年頭の記者会見において市長は,平成7年度も引き続き人に優しい交通対策を積極的に推進することを表明されておりますが,これを円滑,確実に実施していくためには,市民一人一人の理解と自発的な協力が不可欠であります。そこで,この全市的なコンセンサスづくりに,今後どのように取り組まれるお考えなのかお伺いいたします。 次に,質問の2点目でありますが,国においても,ボトルネックの解消や道路の拡幅整備などの渋滞対策に加え,今後は,パーク・アンド・ライドや相乗りなどの促進,時差出勤やフレックスタイムの導入といった通勤・通学時の緩和対策など,いわゆる交通需要マネジメントに積極的に取り組むこととしており,昨年9月には,このモデル都市として全国10都市を指定し,この中に札幌市も選ばれたと伺っており,これまでの本市の先進的な取組みが,全国的に評価されたものと考えております。そこで,本市は,モデル都市に指定されたことで,全国の模範となるような総合的な視点に立って交通対策を推進していくこととなると思いますが,道路交通の円滑化を図るため,新たな視点に立った車社会に対応する施設づくりとして,具体的にどのような取組みを考えておられるのかお伺いをいたします。 次に,青少年の健全育成についてお伺いいたします。 私は,これまで,子供たちを健やかにはぐくむことが札幌の未来を開くことであるとの信念と使命感のもとに,スポーツを通した社会活動やPTA活動などにより,地域における青少年の育成を実践してまいりました。また,16年間の議会活動におきましても,微力ながら青少年問題に取り組んでまいったところでございますが,いま,21世紀のわが街札幌を思い,一方,現在の青少年を取り巻く問題の大きさを考えるとき,あらためて幾つかの提言を交え,お尋ねいたしたいのであります。 戦後50年という節目の年を迎え,青少年を取り巻く社会環境を振り返ってみますと,終戦直後の混乱期から高度経済成長へと経済社会構造は大きく変化し,わが国は,世界でもまれな経済的に豊かな平和な社会へと成長してまいったところであり,このような急速な経済発展を遂げたのは,学校教育において体系化された知識,技能を身につけることを重視する教育の成果ではないかと思うのであります。 しかし,一方では,地球規模での環境問題,地域社会の連帯意識の低下,核家族化,少子化といった新たな社会問題も生じており,教育面においても,学歴偏重社会や学校教育への過度の依存に対する批判の声が聞かれ,子供たちも集団で遊ぶ機会や地域とふれ合う機会が減少し,家庭や社会の中で疎外され,孤立化しているとの指摘もあります。 このような状況の中で,青少年の非行について見ますと,昭和58年以降,校内暴力の非行件数は減少傾向にありますが,表面にあらわれない非社会的な行為はむしろ深刻化しているとも言われ,大きな社会問題となっていることは皆様ご承知のとおりであります。 その端的な例が,いじめの問題であります。昨年11月,愛知県の中学2年生がいじめを苦に,生々しいいじめの実態と家族に寄せる思いを遺書に記し,みずから13歳の若き命を絶つという痛ましい事件が起きました。その後も,全国各地で同様の事件が続発しており,社会的に大きな衝撃と深い悲しみをもたらし,いじめの問題の深刻さに愕然とさせられている次第であります。 私は,いじめの問題について,単なる対症療法的な方策に終わることなく,21世紀の札幌を担う青少年の健全育成を念頭に置いた抜本的な対策が講ぜられることを期待するものであり,そのことが躍動都市さっぽろの根幹をなすものではないかと考えるものであります。 そこで,いじめに代表されるような青少年問題に的確かつ抜本的に対応し,あすの札幌を支える人材をはぐくんでいくため,私は幾つかの視点からお考えをお聞きしたいのであります。 まず,質問の1点目は,地域の拠点としての学校という視点であります。 いじめの根絶に向けて,教師と児童・生徒,児童・生徒同士の温かな人間関係づくりを基盤に教育を行うことは申すまでもありません。しかし,これまでは,いじめが学校という集団生活の場で生じることから,学校内部の問題とされていた感があります。 私は,いじめを広く地域の問題としてとらえ,学校と地域の連携のもとで,相談・指導体制の充実などの対策が講じられるべきであり,学校は,単に学校教育の場としてだけでなく,地域の教育力を高める拠点として,その役割を果たしていく時代を迎えているのではないかと考えるのであります。 去る1月17日,兵庫県南部で発生した地震は,全国民を震撼させた大惨事でありましたが,しかし,復興の足音の中で,私は大きな感動を覚えたのであります。それは,避難所の多くが学校であり,そこで学校の教職員と住民の方々が一致協力して被災者の救援に当たっているということであります。テレビに出てくるそれらの画像を見て,学校はやはり地域の拠点,住民にとって心のよりどころであると実感いたしました。それと同時に,このような学校と地域の一体となった活動こそが,青少年育成にとっても求められている姿ではないかと痛感した次第であります。 私は,以上の認識に立ち,本市においても,日ごろから学校が持っている多様な機能や施設を地域と共有し,あるいは,物的・人的資源を学校と地域で相互に活用するなど,学校を地域の青少年健全育成の拠点とし,開かれた学校を目指していくべきと考えますがいかがか,ご所見をお伺いいたします。 質問の2点目は,地域における教育力の向上という視点であります。 近年,都市化の進展に伴い,地域の教育力の低下が指摘されているところであり,いかに学校が地域に開かれているとしても,地域自体に青少年をはぐくむ力がなければ,健全な青少年の育成は望むべくもありません。地域社会は子供を映す鏡であると言われており,地域の子供は地域で育てていくという視点に立ち返り,地域における教育力の強化を図ることが,ますます重要な課題となっております。 市が,これまで,地域での世代間の交流事業の推進,恵まれた自然を生かした体験学習の場の整備など,地域の教育力の向上に積極的に努めてこられたことは高く評価するところであります。 しかし,本市においては,コミュニティ施設,公園,緑地といった身近で気軽な学習の場や多様な経験,特技を有する人材が地域に豊富にあるにもかかわらず,それらの物的・人的資源が十分情報として行き渡っておらず,積極的に活用されていないのが現状であり,地域のリーダーが育たない,ボランティア活動への青少年の参加が低調であるなど,多くの課題を抱えているのもまた事実であります。 そこで,今後どのような施策に力点を置き,地域における教育力の向上を図っていかれようとしておられるのかお伺いしたいのであります。 質問の3点目は,総合的な視野に立った青少年の健全育成という視点であります。 これまでの青少年の健全育成に関する施策は,学校教育と社会教育という二つの面からそれぞれ行われてきた感があります。さきに申しましたように,学校を地域での青少年育成の拠点としてとらえ,新たな仕組みのもとで学校と地域が連携し,地域全体の教育力を高めていくべきであり,そのためには,教育行政にとどまらず,幅広い分野において効果的な施策が講じられることが肝要であります。 そこで,私は,総合的な視野に立った青少年の健全育成に向け,その方向性や推進の手だてが市民に示されるべきと考えるのでありますが,市長の基本的な取組みの姿勢についてお伺いをいたします。 最後になりますが,行政改革,中でも出資団体,いわゆる第三セクターの見直しについてお伺いをいたします。 バブル経済の崩壊に始まりました景気の低迷は長期にわたり,最近ようやく上向きになりつつありますが,その足取りは重く,厳しい経済状況が続いておりますし,その影響を受けて,札幌市の財政状況も引き続き厳しいものとなっております。また,地方分権の推進が時代の大きな流れとなっております今日,地方分権の受皿として,都道府県や市町村といった地方団体は,一層簡素で効率的な行政システムの確立を求められているのであります。 こうした状況から,いままさに,これまで以上に抜本的な行政改革を行わなければならない時期に来ていると私は考えるのであります。 現に,国におきましても,規制緩和の推進,特殊法人の改革や合理化,補助金の整理・統合,行政組織の合理化などを柱とする行政改革に努めるとともに,昨年10月に地方公共団体における行政改革を一層推進するための指針を策定し,地方の行政改革についても強く求めてきているところであります。 札幌市におきましては,行政改革への取組みは,ただいま申し上げました国の指針が策定されるより早く,一昨年の12月に行政運営効率化委員会を発足させ,昨年の10月には,行政運営の質の向上と効率化の推進を目的に,全庁的な取組みとしてダイナミック・リファイン・プログラムを開始したところであります。私は,このことは札幌市の行政改革に対する熱意のあらわれとして評価するものであります。これからは,具体的にどのような成果を上げるかが問題になるのではないかと思うのであります。 そこで,具体的な問題についてお尋ねいたしますが,行政改革の取組みの中で,大きな焦点の一つとなっているのが出資団体の見直しについてであります。 初めに申し上げておきますが,私は出資団体につきまして,その役割を否定するものではありません。むしろ本市におきましては,国際プラザが行なっているような国際交流の推進,芸術の森や教育文化財団が行なっているような芸術文化の振興や芸術文化活動への支援,環境事業公社が行なっているようなリサイクル事業の推進,あるいは体育館,女性センター,教育文化会館など,市民が利用するさまざまな施設の弾力的な運営など,公益性の高い分野におきまして,市政の一翼を担い,市民サービスの向上に貢献しているものと評価をいたしております。 しかしながら,設立当初意義があったとしても,時代の変遷とともに,不必要となった団体を廃止したり,経営のリストラを行うなどの見直しは,当然行わなければならないのであります。 具体的には,設立当初予定していた役割をすでに達成していたり,当初の役割が縮小している団体があるのではないか。また,設立後の経営環境の変化などによって,同じような内容の事業を行うこととなり,統合することによって事業を一層効率化できる団体があるのではないか。さらに団体を取り巻く環境の変化などによって,新しい市民ニーズに対応した事業を行う一方,ニーズがなくなった事業を廃止していくスクラップ・アンド・ビルドを積極的に行うべき団体があるのではないか。あるいは,設立当初の見込みが甘く,大きな赤字を抱えて経営再建が必要な団体があるのではないかなどの視点から,常時各団体の実情を把握しながら,絶えず見直しをしていかなければならないと私は考えるのであります。 いま申し上げたような視点を踏まえながら,昨年の第1回定例市議会におきまして,わが会派として出資団体の見直しについて質問いたしましたが,その際,団体の存続と出資の必要性,経営状況に応じた対応,社会情勢の変化に対応した事業運営や本市の関与,支援のあり方などについて,いま一度見直しをしていきたい旨のご答弁があったところであります。 お伺いしたところによりますと,札幌市の出資団体のうち,特に,札幌市が主導的に設立,運営し,積極的に関与していく団体は44団体ということでありますから,その44団体を対象にして,1年間かけて統廃合や経営のリストラなどを検討してきたのではないかと思います。 そこで,出資団体の統廃合などにつきまして,どのような結論を出されたのか,その内容をお伺いいたします。 以上で,私のすべての質問を終わらせていただきます。ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)
見延順章君
○議長(見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。
桂信雄君
◎市長(桂信雄君) まず,私からお答えをいたします。 最初に,財政問題についてでございます。 第1点目の市民要望の変化と予算への反映についてでございますが,ご指摘のとおり,市民要望は時代の進展とともに変化をしてきており,特に社会資本の整備が一定の水準に達すれば,その後は,心の豊かさや生活環境の充実などを求める方向がより強まっていくものと考えております。 したがいまして,平成7年度予算においても,芸術文化,スポーツなどの振興や雪対策,高齢化対策,ごみ対策,総合交通対策など,市民生活に密着した分野における施策の確実なレベルアップを図ったところであり,今後とも,市民ニーズに的確に対応し,市民本意の施策を積極的に展開してまいりたいと存じます。 第2点目の予算配分のあり方についてでありますが,昨今の厳しい財政状況の中にあって,これまでもさまざまな形で事務事業の見直しを行なってきましたが,平成7年度予算におきましても,一般事務的経費の10%カットや事務事業の見直しを行い,約23億円の節減を図ったところであります。 また,今回の議会に,職員定数を全体として 107名削減する条例案を提出しているところであり,経常的経費全般にわたる見直しに努めたところであります。 また,財政構造の弾力性を図る指標であります本市の経常収支比率を見ますと,他の政令指定都市との比較では望ましいほうから上位にありますが,ここ数年徐々に上昇の傾向にはありますので,昨日の長岡議員に対してお答えいたしましたとおり,今後とも財政のリストラを絶えず推進し,効率的な財政運営に努めてまいりたいと存じます。 次に,交通対策の推進についてお答えをいたします。 第1点目の全市的なコンセンサスについてでございますが,現在,本市では,人に優しい交通対策を積極的に推進しているところであります。このような中で,商店街組合や運輸業者などで構成する札幌市都心交通対策実行委員会の方々が,都心部の交通環境の改善に熱心な取組みを続けられております。 さらに,他の地区におきましても,行政と地元の皆さんが一体となって違法駐車等の防止に向けて行動を起こされるなど,こうした活動が徐々にではありますが,全市的に広がりつつあります。 本市といたしましても,より多くの市民の方々に,不要不急のマイカーの使用自粛や公共交通機関の利用促進などについて理解と協力を得られるように,今後ともさわやかノーカーデーなどの啓発事業をさらに充実させ,これらの活動をされている方々と連携を図りながら積極的に展開してまいりたいと考えております。 加えて,本市が現在推進しております交通対策やこれから進むべき方向性について,有識者や市内の事業者及び市民の皆様などに交通利用者の視点から広範な議論をしていただくために,新年度においてシンポジウムの開催を計画しておりまして,このような取組みを通して,全市的なコンセンサスの形成に向けて一層努めてまいりたいと存じます。 次に,第2点目の車社会に対応した施設づくりについてでございます。 本市の将来的な交通のあり方を考えた場合,限られた道路空間の効率的な利用とともに,自動車の交通需要をできるだけ抑制するようなまちづくりを目指すなど,車社会との調和を図りながら,地下鉄・バス等の公共交通機関の利用へ誘導していく必要があります。このため,公共交通機関の利便性,快適性を向上させ,公共交通機関を魅力あるものにするための施設整備を進めることが重要であります。 そこで,これまでも地下鉄等への利用誘導を図るために,バスターミナルや駅前広場等の乗継ぎ施設の整備を行なってきたところでありますが,今後も,郊外の地下鉄駅等におけるパーク・アンド・ライド駐車場の拡充に努めるとともに,バスの優先対策として新たにバス停の改善などにも積極的に取り組むほか,バスレーンの拡充やバスレーン内でのバスの運行性を高める総合的なシステムの導入についても,関係機関に働きかけてまいりたいと考えております。 さらに,都心部の渋滞対策として,マイカーの路上駐車対策を進める一方で,荷さばき施設の整備についても,民間との役割分担を含め,今後検討を進めてまいりたいと考えております。 次に,青少年の健全育成についてでございます。 まず,第1点目の地域の拠点としての学校についてでございますが,このたびの阪神大震災におきましては,被災地の各学校で,教職員と地域の方々が力を合わせて救援活動に当たっておりまして,これらの人々の労を惜しまない活躍は,被災地の方々にとって大きな支えになるものと考えております。そして,このことは,学校が地域社会の人々を結びつけるコミュニティセンターとしての機能を有しているということを物語っているのではないかと思います。教職員や学校に愛着を持っている人々などの学校を拠点とした人々の活動は,地震などの大惨事における救援活動にとどまるものではなく,地域に根づいた人々の文化となり,学校と地域を結ぶ太いパイプとなって地域の教育力の向上につながるものと考えます。 本市といたしましても,青少年を含む地域の方々がふれ合い,学び合う場として,余裕教室等の学校施設や地域の人材を積極的に活用するなど,学校の持っている教育機能を十分発揮するよう,地域の拠点として,開かれた学校づくりに努めてまいりたいと考えております。 2点目の地域における教育力の向上についてでありますが,青少年育成の基本は,心豊かな人間性を培うことにありまして,学校,家庭,地域が相互に連携することが重要であります。とりわけ,地域の教育力を高めていくことが大きな課題となっており,青少年が地域のボランティア活動や異世代間の交流事業などに積極的に参加し,野外体験や生活体験など,さまざまな社会体験を積み重ねながら,思いやりの心を育てていくことが肝要であります。そして,そのような成果が,いじめなど,今日の青少年を取り巻く問題を克服していくことにつながるものと考えております。 本市では,これまでも,青少年団体,PTA,町内会組織などとの連携を通じて,地域の中で青少年をはぐくむことに意を用いてきたところであります。今後は,中長期的視点に立った青少年育成計画を策定し,より体系的に施策を展開していきたいと考えております。 特に,地域の教育力を高める観点からは,ご指摘の点も踏まえ,青少年育成活動に関する情報収集・提供,相談体制などの強化,ボランティアや地域リーダーなど,地域の教育力を支える人材の育成や活用を初め,青少年の健全育成事業を促進し,支援することに主眼を置いた施策を講じてまいりたいと存じます。 3点目の総合的視野に立った青少年の健全育成についてでありますが,幼児期,青少年期は,生涯学習の基礎を培う上で大切な時期であり,学校のみならず家庭,地域のあらゆる側面からその手だてを講じていくことが重要であります。そのためには,教育行政のみならず幅広い観点から地域の諸団体や民間とも連携し,青少年の健全育成を進めていくことが不可欠であると考えております。 そのような点を踏まえて,現在,全庁的な体制のもとで,生涯学習推進構想やさきに申し述べました青少年育成計画などの策定を進めておりまして,これらに基づき施策を推進する中で,総合的・体系的視野に立った青少年の健全育成に一層努めてまいる所存であります。 次に,出資団体の統廃合等についてであります。 このことにつきましては,ご質問にもありましたように,本市が主導的に設立し,運営に関与しております44団体を対象として検討しているところでありますが,その多くは,設立目的に照らして一定の成果を上げているものと考えております。 しかしながら,設立後の社会経済情勢の変化等により,設立目的をほぼ達成していたり,事業の必要性が薄れているものや事業内容が類似している団体で,統合により機能強化が期待できるものもあるのではないかなどの視点から検討を加えているところでありまして,その内容について,現段階で申し上げられるものにつきましてお答えいたします。 まず,団体の廃止についてでありますが,社団法人札幌市冬期野菜供給事業団及び札幌市場冷蔵株式会社につきましては,事業量の減少などを踏まえて,廃止を含めてそのあり方を検討していきたいと考えております。 次に,団体の統合についてでありますが,類似した事業を行なっている団体を統合すること等によって,事業の一層の効率化を図るために,財団法人札幌オリンピック手稲山記念ランドと財団法人札幌市公園緑化協会との統合,また,財団法人札幌市団地管理事業団と財団法人札幌市住宅管理公社との統合を,さらに,財団法人札幌市交通事業振興公社と株式会社札幌交通開発公社との統合をそれぞれ検討していきたいと考えています。 いずれにいたしましても,これらの団体の統廃合につきましては,出資団体そのものや他の出資者あるいは出資団体の関係者,さらには法人の監督官庁などとの調整が必要でありますが,できるだけ早い時期に結論を得るように努めてまいりたいと考えております。 また,札幌市土地開発公社及び株式会社札幌エネルギー供給公社につきましては,事業のあり方の見直し,事業の規模,手法や体制の見直しなどの大規模なリストラを検討していくとともに,株式会社札幌振興公社につきましては,公共ディベロッパーとしてふさわしい経営のリストラを図りながら,将来における類似団体との統合も視野に入れて検討していきたいと考えております。 なお,このほか,音楽専用ホールの管理運営など,近く実施する予定の大規模な事業の幾つかにつきましても,既存の団体を積極的に活用する方向で検討を進めているところであります。以上であります。
見延順章君
○議長(見延順章君) 魚住助役。
魚住昌也君
◎助役(魚住昌也君) 国際都市づくりの新たな展開について,私からお答えいたします。 第1点目のイベント・コンベンションの展開についてでございますが,イベントやコンベンションの開催は,国際都市としての諸機能の充実,あるいは基盤整備を達成する手段としてきわめて有効であると認識しており,長期総合計画におきましても,サッポロイベント21計画を掲げて,これらの継続的な開催を目指すこととしております。 今後は,まちづくりに大きなインパクトを与え,新たな都市機能の創出に結びつくような長期的な展開策の検討と,誘致・創出に向けた可能性の調査,さらにはこれらの必要条件や課題の抽出を行うなど,国際都市の実現に向けたイベント・コンベンションの展開に積極に取り組んでまいりたいと考えております。 第2点目の民間交流の拡大に向けた取組みについてでございますが,地域レベルの相互依存関係が急速に進展している昨今の国際社会の状況を見ますと,本市といたしましても,自治体間の交流から,市民・民間主導による多様な国際化を進める時期に来ているものと認識しております。 本市におきましては,札幌国際プラザを中心に,市民ボランティアや交流団体と連携をしながら,青少年教育交流,留学生交流,海外への訪問団派遣などを実施するとともに,市民・民間団体の自主的な活動を支援するなど,市民レベルの国際交流を促進しております。 また,JICA研修センターや国際ゾーン整備構想におきましても,多くの市民に,多様で幅広い交流の機会を提供する機能の導入を計画しているところでございます。 今後におきましても,国際都市さっぽろを支える最も基本的な主体は市民であるという認識のもとに,本市が有するさまざまな都市ネットワークの活用や,外国人留学生の宿舎・交流施設建設の検討などを通して,民間交流の拡大に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
見延順章君
○議長(見延順章君) お諮りをいたします。 本日の会議はこれをもって終了し,明2月16日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
見延順章君
○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
見延順章君
○議長(見延順章君) 本日は,これで散会いたします。