札幌市議会 会議録検索システム(令和6年第2回定例会 2024-05-28 第3号)
2024-05-28/発言 57 件 / 原本(札幌市議会)
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飯島弘之
○議長(飯島弘之) ただいまから、本日の会議を開きます。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 出席議員数は、68人です。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 本日の会議録署名議員として松井隆文議員、好井七海議員を指名します。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
酒井欣洋
◎事務局長(酒井欣洋) 報告いたします。 本日の議事日程、質問順序表を配付いたしております。 以上でございます。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) これより、議事に入ります。 日程第1、議案第1号から第15号まで、第20号、第21号の17件を一括議題といたします。 昨日に引き続き、代表質問を行います。 通告がありますので、順次、発言を許します。 竹内孝代議員。 (竹内孝代議員登壇・拍手)
竹内孝代
◆竹内孝代議員 私は、ただいまから、公明党議員会を代表し、本定例市議会に上程されました議案並びに市政の諸課題について、順次、質問を行います。 初めに、市長の政治姿勢について、6点質問いたします。 1点目は、北海道全体のSDGs推進に向けた札幌市の役割について伺います。 我が党は、日本の高齢者人口がピークに達する2040年を見据え、2040ビジョン検討委員会を設置、新しい日本社会の構想策定に全力で取り組んでおります。その一環として、全自治体首長宛てにアンケート調査を実施したところです。結果によると、2040年に向けて、自治体として存続が危うい水準と答えたところが32.5%、医療、介護の施設や人員が不足する見通しと答えたところが50%を超えるなど、SDGsの目指す持続可能性の視点から日本全国が深刻な状況にあると言わざるを得ません。特に、都道府県内や他市町村と連携した政策が重要と考える自治体は5割を超え、他都市との連携強化は喫緊の課題となっております。 札幌市は、北海道が誇る豊かな自然や食などの恩恵を受けて発展を遂げてきたまちであり、北海道の発展なくして札幌の発展はないとの考えの下、本市のみならず、道内市町村、ひいては北海道において、SDGs目標達成年の2030年を目指し、誰一人取り残さない持続可能な社会の構築に向けて、北海道全体の発展に貢献する道都としての責務があると考えます。 そこで、質問ですが、北海道全体のSDGs推進に向けて、札幌市としてどのような役割を担っていく考えか、伺います。 2点目は、物価高騰への対応について伺います。 物価高騰が収まらない中、その影響は市民生活や事業経営全般に及んでおります。我が会派は、昨年11月、市長に対し、物価高騰と経済再生に向けた緊急要望を行い、低所得世帯向け給付金の迅速な支給や、国の交付金を活用した市民生活や事業者への支援を要望いたしました。 札幌市は、これを受け、低所得世帯向け給付金を2月から支給開始のほか、子育て世帯への支援として学校給食費の負担軽減や、幅広い世帯への支援としてプレミアム付商品券について予算化したことを評価しております。 現在、給付金の支給も進み、給食費負担も据え置かれ、プレミアム付商品券の申込みも終えたところです。コロナ禍を乗り越え、各種イベントも通常どおりの開催となり、観光客もかなり回復するなど、よい流れになりつつありますが、一方で、介護施設や障がい者施設、子ども食堂など福祉分野の事業者に目を転じると、利用者の所得状況や生活状況などへの配慮から食費などへの価格転嫁が難しく、非常に厳しいとの声が届いております。利益を追求する通常の事業者とは異なる側面もあることから、福祉的な配慮により、価格転嫁が困難な事業者に対する支援を検討すべきと考えます。 そこで、質問ですが、札幌市の今後の物価高騰対策、とりわけ福祉分野の事業者に向けた支援についての考えをお伺いいたします。 3点目は、GXの推進に向けた象徴的な再生可能エネルギーの取組について伺います。 昨年6月、GX産業の集積と金融機能の強化、集積を目指してTeam Sapporo-Hokkaidoを設立して以降、これまでの市役所の常識では考えられないようなスピード感で取り組んできたと認識しており、我が会派としても、この取組を応援する立場で、本会議や委員会の場において繰り返し質問をしてきたところです。 特に、スピード感を持って取り組んできたがゆえに、この取組の意義が市民に十分に伝わっているのか、市民が置き去りになっていないか、そのような視点からさきの第1回定例会において市民周知の促進を求めました。市長からは、市民向けフォーラム等の開催を通じ、脱炭素化に向けた世界の潮流や再生可能エネルギーの普及と経済成長の両立を目指すTeam Sapporo-Hokkaidoの取組の周知を進め、市民の認知度向上、理解促進につなげるとの答弁があり、今年度の取組に期待を寄せているところです。 一方、この周知の効果を上げるためには、そもそも北海道、札幌市がGXを強力に推し進めているまちであるということをブランディングしていく必要があります。北海道全体という意味では、洋上風力が象徴的な再生可能エネルギーの取組になっていくと考えられますが、市民理解を促進させるためには、札幌市においても市民が実感できるような象徴的な再生可能エネルギーの取組が必要だと考えます。 そこで、質問ですが、GXの推進に向けた象徴的な再生可能エネルギーの取組についてどのように考えているのか、市長の考えを伺います。 4点目は、丘珠空港におけるエアポートセールスの取組について伺います。 本年1月、トキエアが丘珠空港に新規就航し、丘珠空港の定期便として12路線目、道外路線としては6路線目となる丘珠-新潟線が就航しました。昨年は、FDAの丘珠-名古屋線、HACの丘珠-中標津線、丘珠-秋田線と新規就航が相次ぎ、昨年度の丘珠空港の旅客数は43万人を超え、現空港ビルが開業して以来、最高の人数となりました。 しかし、札幌市が策定した丘珠空港の将来像で掲げる道外路線の10路線程度への拡充、旅客数100万人にはまだ道半ばと言えます。以前、丘珠空港からチャーター便で北九州空港へ行った際に、案内板の丘珠空港という文字を見た方々が、丘珠と読めないどころか、中国や韓国の空港だろうかと話しているのを見かけました。札幌市が実施している丘珠空港のプロモーションにおいても、道外の方には丘珠空港がどこの空港なのかあまり認識されていない状況であると聞いており、空港としてまさに致命的とも言え、全国的な認知度向上が急がれます。 他の空港を見てみると、例えば、道内空港ではたんちょう釧路空港、道外においては高知龍馬空港など、現地ゆかりの愛称をつけたり、また、就航地に空港広告を展開するなど、空港独自の施策により認知度向上、利用者増に積極的に取り組んでおり、丘珠空港においてもより戦略的なマーケティングプロモーションによるエアポートセールスを加速する必要があります。 そこで、質問ですが、丘珠空港における路線誘致に向けた認知度の向上とエアポートセールスの取組について、札幌市はどのように取り組んでいくのか、伺います。 5点目は、バス運転手の新規人材確保について伺います。 人口減少社会の中、どの産業においても人材確保が大きな課題となっています。中でも、北海道内の大型二種免許保有者数は、平成30年度末で約10万9,000人から令和5年度末で約9万4,000人と5年間で約87%へと減少し、生産年齢人口の減少傾向を踏まえると、現在、全国で生じているバス運転手不足は、将来にわたって私たちの生活に直結する社会問題であると考えます。 札幌市内においても、バス運転手不足により路線の減便、廃止が進む中、国内外からの観光客需要も戻ってきていることで、一部路線では日常的に利用している市民が満車で乗れない状況も出始めています。これまでは臨時便対応でフォローできていたものが、そうした人員の余裕すらなくなっているのが現状です。 バス運転手の確保について、これまでは大型二種免許を保有する即戦力となる限られた人材を奪い合う構図だったと推察いたしますが、今後は、高齢化が進み、毎年、一定数の定年退職者が生じる状況下において、新たな人材を確保し、免許取得を含め、育成していかなくては危機的な状況を迎えるのは明らかであります。 昨年11月、バス路線の大幅な減便に伴い、我が会派が市長に対して緊急要望で求めたバス運転手の確保に向けた支援策として、採用活動においても札幌市がしっかりと関わり、これまでとは異なる層へのアプローチを行うなど、裾野を広げる必要があると考えます。 そこで、質問ですが、バス運転手の新規人材確保に向けてどのように取り組んでいく考えか、伺います。 6点目は、若手職員が生き生きと働ける職場づくりについて伺います。 我が会派は、これまで、人口減少による社会課題の深刻化を危惧し、これからの世代を大切にする取組の重要性を繰り返し主張してきました。昨今、行政組織を取り巻く環境はさらに厳しさを増し、市職員の受験者数は低下傾向であり、若手職員の離職者数も増加している状況です。行政の組織力を維持するためには、組織の中でいかに人を大切にし、人を育てていくか、また、その育て方が重要であります。 一方で、近年、若者の価値観や行動も変化する中、旧来の上司から部下へという一方通行な組織風土のままでは、若手職員とよい関係性をつくり、組織に定着してもらうことが難しくなると考えられます。オープンでフラットな組織風土をつくるため、民間企業ではリバースメンタリングという部下が上司に対して助言を行うようなコミュニケーションを活性化する取組を導入した事例があります。 行政が抱える仕事は、課題が複雑で難しい事柄が数多くあります。だからこそ、職員同士がコミュニケーションを深めることが大切であり、若手職員の声に耳を傾ける姿勢を大切にするなど、組織の意識改革を図ることは、若手職員のモチベーションの向上と定着に資するのみならず、これからの強い組織の構築にもつながるものと考えます。 そこで、質問ですが、人口減少と雇用の流動化が進む中で、今後ますます重要になると思われる若手職員がより一層生き生きと働けるようにするための組織風土改革について、市長の考えを伺います。 次に、健やかな暮らしを支える医療・福祉施策について、5点伺います。 1点目は、難病患者への支援の充実についてです。 札幌市における難病患者の中でも、国が指定する341疾病の医療費助成の対象となっている数は、令和6年4月時点で約2万4,000人と人口の1.2%でありますが、医療費助成の対象外である、いわゆる軽症の方も含めると、より多くの方々が難病を抱えながら生活しているものと承知しております。 国においては、この4月から、難病患者であることを証明する登録者証の発行事業を創設し、あわせて、難病の研究や新薬開発などに活用するデータベースに登録する対象を、重症者だけでなく、軽症者まで広げ、支援の充実を図る取組が始まりました。難病患者への支援は、医療面で支える病院をはじめ、相談支援センターや患者当事者の会などそれぞれの立場で行われていますが、札幌市はその核となって関係機関とネットワークを構築し、難病患者や家族に寄り添った支援に結びつけることが重要です。 中でも、難病患者への就労支援については、適切な治療や自己管理を続けることで普通の生活ができる疾患がある一方、日単位や年単位で症状が変わる疾患もあるなど、難病患者が持つ固有の事情に十分配慮した支援が必要です。 そこで、質問ですが、難病患者の支援、とりわけ難病患者の特性に合わせた就労支援の充実が重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、伺います。 2点目は、これからの認知症施策の在り方について伺います。 人生100年時代と言われる中、札幌市においては、認知症高齢者の数は増加しており、我が会派としても、保健、医療、介護、介護者支援など、様々な切り口から認知症施策の推進を後押ししてまいりました。そうした中、本年4月、新たに設置された札幌市認知症疾患医療センターを会派として視察させていただき、改めて、かかりつけ医等との連携の重要性を実感するとともに、認知症医療体制の充実強化に期待を寄せたところです。 先般、福岡市認知症フレンドリーセンターを会派で視察いたしました。認知症の方自らが受付を行う当センターでは、相談、交流、情報発信に力を入れた、認知症になっても自分らしく暮らせるまちづくりの拠点として先進的な取組が展開されております。ここでは、ユマニチュードというケア技法の普及をはじめ、ARを活用した疑似体験などを通じて市民や企業への理解が広がっていると伺いました。 札幌市においては、今年度、清田区の秋のイベントにおいて、認知症への理解を目的に仮想現実のVRを活用した疑似体験の場を提供し、子どもや若い世代への普及啓発を進めると聞いており、こうした先進的な取組は市内全域に展開されるべきと考えます。 先般、全国初のユマニチュードインストラクターでもある北星大学の大島寿美子教授と面談した際にも強調されておりました。今後は、誰もが我が事として認知症を理解し、地域で支える取組を進めることが急務です。 そこで、質問ですが、認知症高齢者の急速な増加を踏まえ、認知症の方の視点に立った施策を推進するために新たな手法を導入するなど、より積極的な取組を展開していくべきと考えますがいかがか、伺います。 3点目は、敬老パスの見直しについて伺います。 敬老パスについては、昨年度、市として、市民の健康寿命延伸を目指した敬老健康パスへと見直す素案が提案されましたが、様々な市民意見を踏まえ、経過措置の検討を行うことが示されました。 しかし、一部の市民からは、依然として敬老パスと健康増進策との関連が不明だとし、市の施策立案の意図が分からないとの声が我が会派にも寄せられております。敬老パスの在り方については、高齢者を中心に存続を求める声がある一方で、財源面の現状や将来的な見通しを踏まえ、しっかりと制度の在り方を議論すべきとの声や、市民理解を得られる制度の構築をすべきといった声もあります。 今後の少子高齢化社会をよりよい社会にしていくためには、人々の身体的・社会的・精神的健康の増進は極めて重要です。札幌市民の健康寿命は全国平均を下回っており、この現状を放置すれば、健康格差の広がりが懸念されるだけでなく、医療や介護負担の増加、介護人材確保の対応もますます困難となります。また、高齢者のデジタル技術の活用が急激に拡大してはいるものの、依然、不慣れな高齢者も多く、情報格差の解消もまだまだ課題となっています。 このように様々な課題を抱える中、将来に向け、持続可能な社会を目指し、健康寿命の延伸に向けた検討を行っているという最も重要な点が十分に伝わっていないとの市民からの指摘に加え、会派として一貫して訴えてきた必要な支援がしっかりと行き届く施策にとの要望を踏まえた検討を加速すべきと考えます。 そこで、質問ですが、市民の健康寿命の延伸を目指す上で、より一層、素案の政策意義と目的を分かりやすく市民に説明するとともに、幅広い方に利用され、効果が実感できる制度になるよう検討すべきと考えますがいかがか、伺います。 4点目は、障がいのある方などへの情報提供の充実について伺います。 2022年、障がいのある方の情報の取得、利用等に係る施策を総合的に推進する障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行されました。また、本年4月には改正障害者差別解消法が施行され、事業者による障がいのある方への合理的配慮の提供が法的義務化され、官民を挙げての共生社会の実現に向けた取組がますます加速するものと思われます。 札幌市においては、まちづくりの重要概念の一つにユニバーサルを位置づけ、日常生活など様々な場面での障壁を解消し、共生社会の実現を目指しているところですが、その実現には、障がいの有無によって分け隔てられることなく情報が取得できる環境が必要だと考えます。 我が会派は、視覚障がいのある方の障がい特性を踏まえ、文字情報を音声化するアプリを開発したNPO法人関係者と意見交換する機会をいただき、近年は防災マップなどの災害リスク情報なども音声で聞くことができる機能を追加したと伺いました。今後進展していく情報技術の活用は有用で、既に福岡市ではプライバシー情報を記載した通知などにも音声読み上げの対応を行っているとも聞いております。こうした他都市の先行事例に倣い、札幌市の各種通知や刊行物にも積極的に取り入れていくべきと考えます。 本市の障がい者団体の方などからは、障害福祉サービスについて情報にたどり着くことができないといった声も寄せられており、特に自然災害などに関する緊急な情報提供への配慮が求められるなど、行政が率先して情報提供の充実に取り組み、模範を示していく必要があると考えます。 そこで、質問ですが、障がいのある方などへの情報提供の充実に向けて、札幌市としてどのように取り組んでいくのか、伺います。 5点目は、住宅セーフティネット法の改正について伺います。 低額所得者、高齢者、障がい者など、住まいの確保に課題を抱える、いわゆる住宅確保要配慮者に対する居住支援の取組は、全国的にその重要性がますます高まり、このたびの法改正に至ったものと認識しております。先日の新聞報道では、民間機関の全国調査の結果として、大家の約4割が高齢者の入居を拒否との記事があり、今後ますます高齢化が進む札幌市においても居住支援の取組は重要です。 これまで、我が会派は、住宅セーフティネットについて議会で一貫して取り上げてきたところであり、札幌市は、令和2年に住宅セーフティネット法に基づく居住支援協議会を立ち上げ、相談窓口であるみな住まいる札幌においては数多くの相談対応を行っております。さらに、様々な状況にある方が適切な住まい探しができるよう、我が会派の指摘を踏まえ、居住支援法人ガイドブックを作成していただくなど、賃貸住宅の円滑な入居の支援に取り組まれていると承知をしております。 そうした中、このたびの住宅セーフティネット法の改正法案は、国会審議中ではありますが、閣議決定された内容によると、住宅確保要配慮者が滞らずに入居できる賃貸住宅の市場環境を整備するべく、入居時はもとより、入居中や退去時に必要な支援をより手厚くする制度改正となっております。改正法が施行された際には速やかに対応できるよう、今から準備を進めることが肝要であると考えます。 そこで、質問ですが、住宅セーフティネット法の改正によって創設される新たな制度の活用に向けて、今後どのように取り組むのか、伺います。 次に、次代を見据えたまちづくりの推進について、大きく5点伺います。 初めに、観光まちづくりプランを踏まえた観光施策について、2点伺います。 まずは、MICEの推進についてです。 我が会派は、人口減少という厳しい局面に入った札幌市において、今後は、外貨の獲得策を成長戦略として位置づけ、世界中から選ばれる国際競争力の高い都市になる必要があると繰り返し主張してまいりました。そうした中、札幌市は、本年3月には、観光の側面から外貨獲得の重要な戦略となる第2次札幌市観光まちづくりプランを策定し、その横断的な視点において量から質への転換を掲げ、成果指標として2032年の総観光消費額を1兆円と定めました。 同プランでは、施策の具体的な取組の一つとして、MICEの推進を位置づけ、地域への経済波及効果や学術、産業の発展等の社会的効果の創出を促進することとしています。国においても、新時代のインバウンド拡大アクションプランの中でMICEを重要施策として位置づけ、国際的な人的交流を伴う取組の深化を図る方策として、ビジネス分野におけるグローバルな事業展開を行う企業等による会議や教育・研究分野の国際学会開催への支援、文化芸術分野における文化財の活用促進などの施策が掲げられました。このように、MICEは多様な分野において経済活性化に資する高いポテンシャルを持っており、今後、札幌の成長戦略の重要な柱として、総観光消費額1兆円の達成を目指し、さらなる取組の強化を図るべきと考えます。 そこで、質問ですが、MICE誘致の都市間競争が激化していく中で、どのように札幌の競争力を高めていくのか、伺います。 次に、海外からの誘客について伺います。 2032年度に1兆円という目標達成に向けては、MICEの誘致に加え、観光客の一層の誘客、特に経済効果が高い海外からの誘客への注力は必須であります。一方で、これまでのように単に観光客数の増加を求めるだけではなく、オーバーツーリズムによる観光のマイナス面の影響や世界的な環境、サステーナビリティーへの関心の高まりなどにも対応した施策が必要であると考えます。 そこで、質問ですが、こうした状況で、海外からの誘客に向けてどのような施策を講じていくのか、伺います。 2点目は、健康・医療分野における事業創出支援について伺います。 札幌市は、MeCCS構想を打ち出した札幌商工会議所などとともに、札幌医科大学の再生医療や北海道大学のがんゲノム医療などの最先端医療を軸として、IT、食、観光などを組み合わせた新しい産業集積の形成を目指してきました。本年3月に開催されたMeCCSフォーラムでは、重い後遺症に苦しむ脊髄損傷の患者を数多く救ってきた札幌医科大学の再生医療が、その他の神経疾患治療においても応用する研究が進められていることを伺い、医学の急速な進歩による今後の可能性に感銘を受けました。 これまで、札幌市では、健康・医療分野の産業振興を進め、その成果として、大学の最先端研究を基にした大学発ベンチャー企業の創出や研究周辺への企業の参入など、産業集積が少しずつ進み、最先端医療研究の実用化や周辺産業の活性化が引き続き期待されております。 一方で、近年、国では、高齢社会の進展を見据え、人々が健康で活力のある生活を送れる生涯現役社会の構築を目指し、健康管理や予防をはじめ、疾患の早期発見といったヘルスケア産業の振興にも力を入れているところです。特に、市民の健康増進、健康寿命延伸という社会的課題は、我が会派として注目しているものであり、札幌市においては、まちづくりの柱でもあるウェルネス推進の取組と健康・医療分野の産業振興を両輪として取り組むことが重要だと考えます。 そこで、質問ですが、MeCCS構想といった健康・医療分野での取組を踏まえ、札幌市における同分野での事業創出の可能性を現状としてどのように認識しているのか、また、その上で、ヘルスケア分野など、社会状況の変化も踏まえた今後の健康・医療産業における事業創出の方向性をどのように考えているのか、伺います。 3点目は、下水汚泥の肥料利用について伺います。 昨今、国際紛争や原料産出国の輸出規制などで肥料の原料価格が高騰し、我が国の農業は大きな影響を受け、国は、食料安全保障に向けた取組の強化が喫緊かつ最も重要な課題としているところです。 かつて、札幌市では、下水汚泥を原料とした肥料、いわゆるコンポストを製造し、販売するなどの事業を行っておりました。循環型社会の構築に向け、時代を先取りした事業でありましたが、需要の減少や臭気対策、施設更新に係るコストの増加などの課題により、平成25年に事業が廃止に至ったことはやむを得ない判断であったと理解をいたします。 しかしながら、事業の廃止から10年以上が経過し、社会情勢は大きく変化しております。国からは、自治体に対して、下水汚泥の処理は肥料として最大限の利用を行うようにとの通知が出され、我が会派としても本年予算特別委員会にて取り上げたところです。 これまで、政令指定都市における下水汚泥の肥料利用の状況を調査するため、福岡市のリンの回収や静岡市の肥料利用についての視察を行ってきましたが、静岡市においては、札幌市が行っていた自治体自らが肥料を製造するのではなく、肥料製造事業者へ下水汚泥の一部を提供するといった手法を導入していることを伺いました。自治体による施設の更新や維持管理などのコストの軽減が図られるこうした手法は、本市においても参考にすべき事例ではないかと考えます。 そこで、質問ですが、札幌市においても下水汚泥の肥料利用に向けた検討を進めるべきと考えますがいかがか、見解を伺います。 4点目は、札幌市における木材の循環について伺います。 持続可能な林業に欠かせない木材の利用促進については、これまでも代表質問等を通じて我が会派が訴えてきたところであり、市長からも、地域材活用を促進することで北海道の林業、木材産業の振興に寄与していくことが重要であるとの答弁をいただいております。 そのような中、札幌市の実態に目を向けますと、札幌市域の6割以上を占める森林からは、間伐などの整備によって、札幌市の木材、すなわち市産材が産出され、公園の樹木や街路樹からは剪定作業で切り取った枝などの資材も生じている現状です。 例えば、清田区にある市有林の白旗山都市環境林は、散策やスキーなどのレクリエーションを楽しむことができる市民の憩いの場であると同時に、木材を産出している資源豊かな森林でもあります。近年は、本市において、森林環境譲与税を活用した整備を進めており、令和4年度まで年間1,000立方メートルほどだった木材生産量は、今年度は6,000立方メートルを超えると伺っています。 戦略ビジョンに掲げるまちづくりの基本目標の一つである身近なみどりを守り、育て、自然と共に暮らすまちを実現するためには、今後、道産木材の活用にとどまらず、このような市内で産出されている木材にも注目し、市内の木材を地域内で循環させる取組を進めるべきです。まずは、木材における地産地消を市民に広く周知する必要があり、特に将来を担う子どもたちに森林の大切さや木材の地産地消についてしっかりと伝えていくべきと考えます。 そこで、質問ですが、本市における木材の循環について、どのように取り組んでいくのか、基本的な考えを伺います。 5点目は、盛土規制法の円滑な施行について伺います。 平成30年の北海道胆振東部地震において、清田区の里塚地区などの大規模盛土造成地に大きな被害が発生しました。 我が会派は、震災の教訓を踏まえた盛土の防災対策について繰り返し質疑で取り上げ、札幌市は、大規模盛土造成地の変動予測調査について、胆振東部地震で得た知見を反映した札幌独自の予備調査を実施した上で、マップを公表、住民説明の上で詳細な調査を進めています。このように、市民への情報提供を行いながら防災・減災への取組を進めてきたことについて、我が会派として高く評価をしております。 一方、令和3年7月、静岡県熱海市では、大雨に伴って、建設残土などを捨てた盛土の崩壊により大規模な土石流災害が発生し、貴重な人命が失われました。国は、熱海の災害などを踏まえ、令和5年5月に、宅地造成等規制法を、宅地造成及び特定盛土等規制法、通称盛土規制法に改正され、法施行から2年以内、つまり令和7年5月までに新たな規制区域の指定を行わなければならないと定められております。 本市は、現在、市内の傾斜地を規制しておりますが、盛土規制法の改正趣旨を踏まえ、危険な盛土から市民を守るためにしっかりと区域を指定することが必要です。加えて、法の円滑な施行に当たっては、規制範囲の拡大により許可が必要な工事が増えるなど、少なからず市民や企業に対し影響が生じることから、規制範囲や内容等を十分に周知し、理解、協力を得ることが重要であると考えます。 そこで、質問ですが、盛土規制法の円滑な施行に向け、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 次に、未来を担う子ども施策の推進について、3点伺います。 1点目は、こどもホスピスづくりに対する今後の取組についてです。 我が党は、当事者団体からの要望を受け止め、マニフェストに全国各地のこどもホスピス設置を掲げて以来、国による調査や検討を進める後押しをしてまいりました。本年3月の参議院予算委員会で、我が党は、命を脅かす病気と闘う子どもたちや家族を支えるこどもホスピスには多様な形があり、ニーズや課題に添う支援の後押しが必要であると求めたのに対し、総理からは、重要な取組である、安心して過ごせる環境の充実に取り組む旨の答弁が出るなど、ようやく国政レベルでも動き始めたところです。 先般、我が会派は、全国の先進事例である横浜こどもホスピス~うみとそらのおうち、千葉県のレスパイトハウスやまぼうしを視察させていただきました。コミュニティ型の施設は、市民のみならず、県内、他県からの利用も多く、福祉型の施設は地元市民の利用がほとんどであるなど、多様な形態のこどもホスピスの運営状況を調査し、いずれも地域全体で支えることの重要性を実感したところです。 道内では、NPO法人北海道こどもホスピスプロジェクトが市内で仮施設を運営し、本施設の設立に向けて奔走されておりますが、継続的に連携する我が会派には関係者の方々から貴重なご意見が寄せられております。 日本にはまだこどもホスピスの制度はなく、医療、介護、福祉、教育のはざまで支援が届いていないのが現状ですが、明確な定義がないからこそ、こどもホスピスには無限の可能性があると考えます。秋元市長が公約に掲げられたとおり、こどもホスピスづくり活動支援事業がアクションプラン2023に位置づけられたことは、現在進行形で奮闘する民間団体等や病気の子どもたち、そしてご家族の励みとなり、今後の取組が期待されます。 また、このたびは、北海道としても、今年度の重点政策としてこどもホスピス等支援事業を挙げ、周知や支援活動、普及のシンポジウム等を予定しているとも聞いております。 そこで、質問ですが、こどもホスピスづくりに対し、札幌市として今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 2点目は、こども誰でも通園制度の取組について伺います。 我が会派は、子育て家庭の孤立防止と全ての子どもの成育に資するため、保護者の就労の有無にかかわらず、未就園児のいる家庭でも保育施設等の利用ができる制度の創設が必要であると繰り返し提言してまいりました。 第1回定例会で、我が会派は、この制度の実施に向けて、潜在的待機児童解消や保育士確保等の課題整理をするとともに、持続可能な制度とするために早急な検討が必要であると求めたのに対し、札幌市からは、今年度、試行的実施を行う旨の答弁をいただいたところであります。 現在、国においては、こども誰でも通園制度を2025年度から子ども・子育て支援法に位置づけ、2026年度から全国で実施する給付制度とする関連法案を国会において審議中であり、既に他都市では試行的事業の取組を始めているところもあります。 札幌市においても、早速、この4月、試行的事業に係る事業者向けの説明会を開催したと伺っておりますが、試行的事業は、本格実施に向けた課題を検証できるのみならず、必要があれば国に対して制度改善の要望に反映できることから、できるだけ早い時期からの開始が必要です。 加えて、さきの第1回定例会において、我が会派は、利用者目線に立った子育てDXの推進を求めたところでありますが、この新たな通園制度においても子育て家庭が利用しやすい仕組みを検討すべきと考えます。 そこで、質問ですが、こども誰でも通園制度の実施に向けて、札幌市の試行的事業のこれまでの経過と今後の取組について伺います。 最後に、子どもが安心して学べる教育について伺います。 昨今、子どもたちを取り巻く環境は複雑化しており、不登校やいじめの数が最多となるなど、大きな社会問題となっています。 我が会派は、子どもの不調や心の小さなSOSを早期に察知し、寄り添った支援を行うことが問題の長期化、深刻化を未然に防ぐためには重要であると、1人1台端末を活用した子どもの声を聞く健康観察アプリの早期導入を提言、今年度からスタートすることを高く評価しております。 これまで、会派として、人間尊重の教育の推進に向けて質疑を重ね、さきの第1回定例会での答弁では、人間尊重の教育を進める中で、子どもの思いや願いを受け止め、安心感や自己肯定感の醸成につなげるとの考えが示され、第2期札幌市教育振興基本計画に、誰もが安心して学びに向かうことができる支援が施策として位置づけられました。 このように、子どもの声を聞き、丁寧に関わるということは、全ての子どもが安心して自分のよさを発揮しながら学ぶための基本であり、不登校をはじめ、いじめの問題等についても同様であります。本年4月、札幌市いじめの防止等のための基本的な方針が改定され、令和3年のいじめにより起こった悲しい事案を深く反省し、新たな施策の実施が始まりましたが、いじめを早期に把握することにつながるのか、重大な案件とならずに済むのかなど、本当の成果はこれから問われることになります。 今回、教育振興基本計画やいじめ防止の方針が改定されたばかりのこの時期に、教育長が替わることになりますが、子どもが安心して学べる教育にぜひとも全力を注いでいただきたいと考えております。 そこで、質問ですが、子どもが安心して学べるよう、新教育長として、いじめ対策をどのように進めていくのか、伺います。 以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。(拍手)
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 答弁を求めます。 秋元市長。
秋元克広
◎市長(秋元克広) 全体で大きく4項目、ご質問をいただきました。私からは、大きな1項目めの私の政治姿勢についての6点にお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の町田副市長、石川副市長、天野副市長、教育長からお答えをさせていただきます。 1項目めの私の政治姿勢についてお答えをいたします。 まず、1点目、北海道全体のSDGs推進に向けた札幌市の役割についてお答えをいたします。 SDGsが掲げる誰一人取り残さないという理念や、持続可能な社会を実現するためには、自治体が単独で取り組むだけではなく、自治体間で、それぞれの強みを生かし、連携し合うことが重要であります。特に、札幌市は、北海道の発展と一体の関係にありますことから、充実した都市機能を生かし、北海道の産業、観光の魅力や再生可能エネルギーのポテンシャルを引き出すなど、北海道を牽引する役割を担っていく必要があるものと認識をしております。 第2期さっぽろ連携中枢都市圏ビジョンにおいてもSDGsの視点を反映させており、今後も、北海道や道内市町村との連携により、行政サービスの効率化や関係人口の創出、GX推進等に積極的に取り組み、北海道全体のSDGs推進に貢献してまいります。 次に、2点目の物価高騰への対応についてお答えをいたします。 物価の上昇局面におきましては、原材料価格や従業員の生活コストの上昇などを含め、価格に転嫁することによって賃金の上昇につながり、影響が緩和されていくべきものでありますが、急激な物価上昇の場合には価格転嫁や賃金上昇が追いつかない場合があり、これまでも様々な対策を通じ、対応してきたところであります。今後も、福祉施設などの事業者が取り残されることのないよう、国や北海道とも連携を緊密にしながら、事業者の置かれている状況について引き続き実態の把握に努めてまいります。 あわせて、物価高騰は全国的な課題でもありますことから、国に対し、事業者の実情を踏まえた支援を求めてまいりたいと考えております。 次に、3点目のGXの推進に向けた象徴的な再生可能エネルギーの取組についてお答えをいたします。 Team Sapporo-Hokkaidoでは、八つのGXプロジェクトを掲げており、水素や洋上風力発電、蓄電池など、再生可能エネルギーの創出や活用につながる事業を推進しているところであります。札幌市の地域的な特徴を踏まえますと、冬期間の熱供給に必要なエネルギーを再生可能エネルギーに転換していく必要があり、水素は有力な選択肢であると考えております。 今後は、GXの象徴的な事業の一つとして、水素の利活用を促進し、熱利用に加え、水素車両の普及を目指すほか、水素ステーションの設置に併せて水素活用の啓発を目的とした集客施設を整備するなど、水素社会への変化を市民が実感できる取組を進めてまいります。 次に、4点目、丘珠空港におけるエアポートセールスの取組についてお答えをいたします。 これまでのプロモーション活動を通じて、丘珠空港の認知度は道内でやや低いと考えており、さらなる誘客のためには、札幌市内に立地する丘珠空港の利便性を効果的にPRしていくことが重要と認識をしております。 今後は、就航地の自治体や航空会社との連携を強化することにより、就航地の方々が目にしやすいメディアや広告媒体を活用するなど、地域特性を踏まえながら、路線誘致の基礎となる認知度向上に取り組んでいく考えであります。 また、丘珠空港の滑走路延伸が国の事業化となるタイミングを見据えて、空港名の認知度向上に関する検討や、航空会社に対して、小型ジェット旅客機の通年運航を前提とした路線誘致に取り組んでまいります。 次に、5点目、バス運転手の新規人材確保についてお答えをいたします。 バス運転手の確保に向けましては、中途退職を減らすとともに、若年層などの新規採用を増やすことが重要であり、これには、バス運転手の待遇改善のみならず、効果的な採用活動を行うことが必要であります。採用活動は本来バス事業者が行うものでありますが、運転手不足の影響の大きさに鑑み、札幌市としても、各社の取組を支援することに加えて、バス事業者と連携をして札幌市が主体的に取り組むことも必要と考えております。 このため、今年度は職業としてのバス運転手の魅力を発信する広報事業などを連携して行う考えであります。いずれにいたしましても、バス運転手の人材確保に資する取組となるよう、しっかりと進めてまいりたいと考えております。 次に、6点目の若手職員が生き生きと働ける職場づくりについてお答えをいたします。 少子高齢化により生産年齢人口が減少していく中で、職員を定着させ、大事に育てていくことは、組織を維持していく上で大変重要なことであり、本年3月に策定をいたしました札幌市人材マネジメント方針にもそのような考えを反映したところであります。 また、昨年度実施をいたしましたエンゲージメント調査では、係長職以下の職員のスコアが低く、特に若手職員が組織に対して満足感を得られていないということが分かったことから、若手職員に目を向けた組織改善の取組が必要と考えております。このため、各職場の調査結果に基づいて、組織改善を後押しする仕組みや、職員の主体的なキャリア実現を支援する仕組みなど、若手職員がやりがいを感じ、より生き生きと働ける環境づくりを進めてまいります。 私からは、以上であります。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 町田副市長。
町田隆敏
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな2項目めの健やかな暮らしを支える医療・福祉施策についての1点目から4点目までのご質問、そして、大きな4項目めの未来を担う子ども施策の推進についての1点目と2点目のご質問にお答え申し上げます。 まず、健やかな暮らしを支える医療・福祉施策についての1点目、難病患者への支援の充実についてのご質問でございますが、札幌市では、平成30年度から医療、福祉、雇用等の関係者で構成する協議会を設け、難病患者の支援に向けた課題について協議をしているほか、難病相談支援センターを設置し、患者やご家族からの生活や就労等の相談に応じているところでございます。 難病は、数多くの疾病があり、病状も人によって様々でございます。このため、支援に当たりましては、国の施策を踏まえ、難病患者それぞれが抱えている事情を十分に理解しながら進めることが重要と認識するところでございます。 とりわけ就労相談では、ハローワーク等の関係機関と連携した支援を続けるほか、新たに事業所向けに難病への理解促進や制度説明に関する講演会を開催し、難病患者の就労につなげるための支援を充実させてまいりたいと考えるところでございます。 次に、これからの認知症施策の在り方についてでございますが、認知症になっても自分らしく地域で暮らし続けられるよう、活躍の場や生きがいづくりに取り組むなど、認知症の方の視点に立った施策を推進することが重要と認識するところでございます。 そのため、今後は、認知症の方やご家族と研修を受けた認知症サポーターが、当事者の希望やニーズに応じた社会参加などができるよう、共に活動する場づくりを積極的に進めてまいります。加えて、市民が実際に認知症の方の話を聞いたり、感覚を疑似体験できる講座の開催などにより、一層の市民理解の促進を図ってまいりたいと考えております。 次に、3点目、敬老パスの見直しについてのご質問でございますが、少子高齢化に伴う社会保障費や高齢者関連予算の増加、人材不足などの課題を抱える中、持続可能な社会に向けて市民の健康寿命を延ばすことが重要な取組の一つであると認識するところでございます。 敬老健康パス制度は、高齢者が健康増進や介護予防、社会参加に取り組める環境を整えるだけでなく、バスや地下鉄の利用が難しい方でもJR、タクシーなどを利用できる仕組みとすることで、これまで以上に多くの市民の社会参加につなげることを目指しております。また、デジタル技術を活用して日々の活動を見える化し、楽しく自然に健康寿命を延ばしていくことに加え、得られたデータを健康施策に活用するなど、新たな取組への展開も期待されるところでございます。 このような政策意義と、敬老パスが抱える持続可能性の課題を市民に対して丁寧に説明するとともに、普及促進策として、例えばいろいろな健康活動、社会活動に使えるポイントをあらかじめ付与するなど、より多くの方に利用される仕組みを検討してまいりたいと考えるところでございます。 次に、4点目、障がいのある方などへの情報提供の充実についてのご質問でございますが、障がいのある方などの日常生活や社会参加におきまして、個々の状況を踏まえた情報提供は欠くことができないものであり、札幌市では、誰もが読みやすいフォントや色覚に配慮したユニバーサルデザインを推進するとともに、音声読み上げ可能なホームページとするなど、障がいなどに配慮した市政情報の発信を進めてきているところでございます。 近年、全国的に災害が頻発する中、防災や災害に関する情報提供の充実も重要でございます。今後は、こうした情報を含め、まずは庁内を挙げて進展著しい情報通信技術の活用を積極的に図っていく考えであります。 また、現在、障がい特性に配慮した情報提供事例などを共有するなど、民間事業者の理解促進に努めており、今後も、連携協力して情報面における社会的障壁の除去を推進し、あらゆる場面における情報の取得及び利用が容易になるよう、情報アクセシビリティーの向上に取り組んでまいります。 次に、大きな4項目め、未来を担う子ども施策の推進についての1点目、こどもホスピスづくりに対する今後の取組についてでございますが、札幌市民はもちろん、道内各地でこどもホスピスの開設を心待ちにしている子どもたち、そしてその家族のためにも、北海道全体をも視野に入れた支援の輪を拡大していく必要があると考えております。 そこで、今月初めに、北海道における小児がんの現状やこどもホスピスの必要性を参加者と一緒に考える民間団体主催の講演会に、北海道とともに名義後援し、そして、登壇者としても本市の職員が参加したところでございます。 今後も、命を脅かす病気とともに生きる子どもたちが希望をかなえられる居場所の実現に向けて、北海道と連携を密にしながら、一人でも多くの理解や共感を得られるような後押しをしていきたいと考えるところでございます。 次に、こども誰でも通園制度の取組についてのご質問でございますが、これまで、保育施設等関係者や子育て家庭のご意見をお聞きしながら、試行的事業の内容の検討を行い、このたび、市内10か所程度の保育施設等で実施することとして事業者の募集を開始したところでございます。今後、実施施設を確定した上で、7月には生後6か月から2歳までの未就園児がいるご家庭の利用登録を行い、8月には実際に通園を開始していただく予定でございます。 この試行的事業を通して利用者や事業者の声を十分に聞きながら、子育て家庭が安心して利用できる制度の構築に向けて課題を検証し、令和8年度の本格実施に向け、丁寧に準備を進めてまいりたいと考えるところでございます。 私からは、以上でございます。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 石川副市長。
石川敏也
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな3項目め、次代を見据えたまちづくりの推進についてのうち、1点目の観光まちづくりプランを踏まえた観光施策について、そして、2点目の健康・医療分野における事業創出支援についてご答弁を申し上げます。 まず、大きな3項目め、次代を見据えたまちづくりの推進についての1点目、観光まちづくりプランを踏まえた観光施策についてであります。 最初に、MICEの推進についてでありますが、国際会議等のMICEの開催は、高い経済効果を生み出すとともに、国際的な都市ブランドの向上等が期待されるところであります。 今月上旬に札幌市内で開催されましたASEANTA総会では、観光庁の事業を活用し、Kitaraや豊平館をレセプション会場として札幌交響楽団による演奏や北海道の花と食によるおもてなしを行い、参加者から高い評価をいただいたところでございます。 このように札幌ならではの資源をさらに磨き上げ、訴求力の高いコンテンツを開発し、その魅力を広く発信するほか、札幌が強みを持つ学術分野と関連する国際会議等を重点的に誘致しながら、MICE都市としてのブランドを高めてまいります。加えて、新MICE施設の整備検討をはじめとする施設機能の強化を図り、今後も世界からMICEの開催地として選んでもらえるよう取組を推進してまいりたい、このように考えております。 次に、海外からの誘客についてでありますが、観光まちづくりプランに掲げる目標を達成するためには、特に観光消費額が高い海外からの誘客などに力を入れつつ、あわせて、地域や環境などに配慮した施策を推進していくことが重要であると認識をいたしております。 そのため、現在、アドベンチャーツーリズムの推進やスノーリゾートとしてのブランド化など付加価値の高いコンテンツの充実に加え、新市場の開拓やマーケティングによる戦略的な誘致などに取り組んでいるところであります。同時に、オーバーツーリズムの対応やバリアフリー化の推進、環境負荷の低減など、観光客が快適に滞在することができ、また市民生活の豊かさの向上にもつながる受入れ環境の整備などの取組も進めているところでございます。 今後も、経済効果が高い海外からの誘客などの戦略的な取組と、市民と観光客にとって快適な受入れ環境の整備をバランスよく推進することにより、持続可能な観光の実現を着実に進めてまいります。 次に、2点目の健康・医療分野における事業創出支援についてであります。 札幌市には学術機関が集積し、最先端医療に関する研究環境が整っているという優位性を背景に、本年3月策定の第2次札幌市産業振興ビジョンでも引き続き同分野を産業振興の重点に位置づけたところでございます。 札幌市は、学術機関の優れた研究の開発支援等に以前から取り組んできており、例えば、バイオ医薬品や化粧品素材等に係る事業化に寄与してきたところでございます。同分野の研究開発は、事業化までに多くの時間と費用を要しますものの、ファンドの組成など、成長段階に応じた財政支援や伴走支援により一定の成果が期待できますことから、今後も積極的な支援を行うことでさらなる事業創出につながる可能性があるものと認識をいたしております。 また、ヘルスケア分野につきましては、超高齢社会を背景に市場規模の拡大が見込まれますことから、関係機関と連携を深め、市内企業の事業創出が今後一層促進されるよう各種支援に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 天野副市長。
天野周治
◎副市長(天野周治) 私からは、大きな2項目め、健やかな暮らしを支える医療・福祉施策についての5点目、住宅セーフティネット法の改正について、それから、大きな3項目め、次代を見据えたまちづくりの推進についての3点目、下水汚泥の肥料利用について、4点目、札幌市における木材の循環について、5点目、盛土規制法の円滑な施行についてお答えをさせていただきます。 まず、大きな2項目め、健やかな暮らしを支える医療・福祉施策についての5点目、住宅セーフティネット法の改正についてでございます。 今般の住宅セーフティネット法の改正案は、居住支援法人の業務に入居者が亡くなった際に室内に残された家財等の処理が追加されるなど、賃貸住宅の大家の不安解消につながる制度が創設されており、住宅確保要配慮者の円滑な入居に資すると期待されているところでございます。 改正法が施行された際に着実に制度を運用していくため、まずは、居住支援に関し、連携して取り組んでいる北海道とともに、法改正に伴う制度の運用等に関する情報収集に努めてまいりたいと考えております。 また、新たな制度の担い手となる居住支援法人や不動産業者の役割がより一層重要になると認識をしております。 そのため、収集した情報については、札幌市居住支援協議会はもとより、道内の居住支援法人が集う部会や不動産業者との意見交換会などの機会を通じて共有を図ることで新たな制度の理解を促すなど、制度が円滑に活用されるように取り組んでまいります。 次に、大きな3項目め、次代を見据えたまちづくりの推進についての3点目、下水汚泥の肥料利用についてでございます。 現在、札幌市では、下水汚泥を焼却し、その灰を全てセメント原料などに活用しておりますが、今般の社会情勢を踏まえますと、肥料の安定供給のために汚泥の利用を進めることは重要と認識をしております。 このため、他都市の事例の収集に加え、昨年10月からは、汚泥成分の安全性の確認として、季節ごとにヒ素や水銀等の重金属の含有濃度の分析などを始めたところでございます。今後は、その結果を踏まえた上で、汚泥の一部を肥料製造事業者へ提供するなど、肥料利用について検討を進めてまいります。 次に、4点目の札幌市における木材の循環についてでございます。 持続可能な林業を目指す上で、札幌市内で産出される木材を市内で循環させていくことは重要と認識をしております。 このため、森林や木材利用について親子で楽しみながら学ぶことができるデジタル絵本を作成するなど、市民への普及啓発に取り組んできたところでございます。今後も、市内における木材の循環を進めていくために、身近な公共施設に市産材を用いるほか、他都市の取組事例も参考にしながら効果的な取組について検討してまいります。 次に、5点目の盛土規制法の円滑な施行についてでございます。 今回の法改正の趣旨は、盛土等を行う土地の用途やその目的にかかわらず、危険な盛土等を全国一律に規制することが目的とされております。 規制区域につきましては、土砂災害から市民の生活や財産を守り、安全・安心に暮らせるまちの実現に向け、法改正の趣旨に合わせ、隙間なく規制できるよう区域を検討しているところでございます。秋頃には規制区域案を公表し、規制内容や範囲について混乱が生じることがないよう、業界団体や市民に丁寧に説明、周知を行い、来年4月に規制区域を指定できるように進めてまいります。 私からは、以上でございます。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 山根教育長。
山根直樹
◎教育長(山根直樹) 私からは、大きな4項目め、未来を担う子ども施策の推進についての3点目、子どもが安心して学べる教育についてお答えいたします。 いじめは、絶対に許されないものであり、心身の健全な成長に大きな影響を与えるものでありますことから、いじめに向かわない態度や、互いを思いやる豊かな心を育むなど、あらかじめ、いじめが起きないように努めることが重要であります。 しかしながら、いじめは、どの子どもにも、どの学校でも起こり得るものであることから、いじめが起きた場合には、見逃したり深刻化させたりしないために組織的な対応を進めることも重要であります。 このため、教育委員会といたしましては、新たに改定した札幌市いじめの防止等のための基本的な方針に基づき、早い段階から学校と一体となり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなども加えて、チーム学校として対応できるよう取組を進めているところであります。 私は、教育長として、新たな方針に掲げたこれらの取組を各学校において速やかに実行していくとともに、組織に方針がしっかり定着するよう取り組んでまいります。また、学校、家庭、地域に加え、子ども未来局などの市長部局等とも連携を密に取りながら、いじめ防止に取り組み、改めて、子ども一人一人の心に寄り添い、子どもが安心して学べる教育の充実を図ってまいります。 私からは、以上です。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) ここで、およそ20分間休憩します。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) これより、会議を再開します。 代表質問を続行します。 吉岡弘子議員。 (吉岡弘子議員登壇)
吉岡弘子
◆吉岡弘子議員 私は、日本共産党を代表し、市政の重要事項について、順次、質問いたします。 初めに、市長の政治姿勢についてです。 質問の第1は、改憲論議についてです。 岸田首相は、議論の引き延ばしは責任放棄と、まるで改憲議論の停滞が憲法審査会の責任であるかのような発言を繰り返し、国会での改憲発議、総裁任期中の改憲を目指し、改憲スケジュールを加速させようとしています。早期の改憲論議を迫るやり方は、議会制民主主義を破壊するもので、世論調査で6割が急ぐ必要がないと答えている国民の意思に真っ向から反しています。 岸田内閣の支持率は20%台という低迷が続き、憲法審査会の幹事を務めていた自民党議員3人が政治資金パーティーの裏金事件に関与していたことで交代を迫られるなど、憲法論議を行う資格そのものが問われています。 我が党は、改憲を前提とした議論はやめるべきであり、国民参加による慎重で十分な議論を保障すべきと考えますが、市長の見解を伺います。 質問の第2は、自衛隊への名簿提供についてです。 本市は、自衛官募集への協力として、自衛隊札幌地方協力本部に2022年度から18歳と22歳になる市民の個人情報を紙媒体で提供しています。個人情報の提供を望まない人は名簿から外す除外申請ができますが、奈良市では、高校生が名簿提供を行う市を訴え、国の安全保障や防衛政策への個人的な見解、内心を披瀝することになり、憲法の思想、信条の自由を侵害すると主張しています。 除外申請が必要なのは、そもそも本人や保護者の同意を得ないまま個人情報を提供しているからであり、本人の意に反して名簿提供をされている可能性は否定できません。申請を行った場合でも、提供された名簿と住民基本台帳を突合することで、除外申請を行った市民の特定が可能となり、憲法の内心の自由やプライバシー権、自己情報コントロール権といった人権の侵害につながります。 除外申請の制度を知らない、除外申請をしたくてもためらう市民の存在を考えるなら、名簿提供は直ちにやめるべきです。市長のお考えを伺います。 質問の第3は、敬老パス変更案に当たっての市民意見についてです。 本市は、昨年11月、敬老パス制度を敬老健康パス制度へ発展させるとして、敬老健康パス制度の素案、いわゆる敬老パスの変更案を発表しました。 第1回定例議会の代表質問で、我が党は市民の合意なしに制度変更を強行してはならないと求め、他の会派議員からも、現行制度を見直しつつも、敬老パスの維持も検討すべきではないか等の意見が多く出されました。 変更案を発表した後、各区での市民意見交換会やコールセンター、ウェブフォームで市民の意見を募り、寄せられた意見は約2,800件に上りました。若い世代から高齢世代まで、現行のパスのままで残してほしい、外出が難しくなるという意見が多く、若い世代からの高齢者優遇に感じるという意見は、現役世代は負担ばかりで給付が受けられない、高校生の定期代補助の規模が小さ過ぎるなど、若年層への支援を求める声でした。 議会には、敬老パスをタクシーやJRでも使えるように改善を求める陳情並びに敬老健康パス制度を撤回し、現行の敬老パスの枠組みを生かした制度改善を求める陳情の2件が出されており、さらに、市民団体でつくる札幌敬老パスを守る連絡会からは、4月26日、現行制度の存続を求める署名2万6,000筆が本市に提出されています。 市民からのこれらの意見を、市長は、新制度の詳細が分からないことへの不安、今後の見通しなどについて十分お示しをしていないとしながら、丁寧に進めていきたいと述べておられます。これは、市長が、これまで、市民に是非を問うことなく、オリパラ招致を強引に進めてきた市民不在の姿勢をほうふつとさせます。 敬老パスの制度変更を市民に提示した後の4月5日から7日に行われたマスコミの調査で、市長の市政運営について、市長就任以来、初めて不支持の割合が支持を上回りました。不支持の理由として、市民の声を重視していないが最多の40%となっていることについて、市長はどのように受け止めておられますか。敬老パス制度の今後において、市民の意見を重視し、反映させるお気持ちはあるのか、伺います。 次に、北海道新幹線札幌延伸についてです。 今月8日、鉄道・運輸機構が、北海道新幹線札幌延伸の2030年度末開業は極めて困難であり、新たな開業時期を示すことは技術的に困難であると国土交通省に報告しました。国は、有識者会議を開催し、全体工程の精査を行うこととしています。その後、秋元市長は、鈴木知事とともに、14日、北海道新幹線の建設工事に関する要望書を国に渡しました。 質問の第1は、延期による札幌市における経済波及効果への影響についてです。 2012年6月に認可、着工した北海道新幹線札幌延伸は、2015年に政府・与党申合せにより、開業時期を2035年から2030年度末と5年前倒しし、本市は、北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック冬季競技大会招致を見据えて、2030年に焦点を合わせて札幌駅周辺を中心に都心部の再開発を推し進めています。 2013年に示された北海道の北海道新幹線札幌延伸による経済波及効果調査事業では、総工事費約1兆6,700億円を前提に、開業時期を2026年度、2031年度、2035年度の三つのケースをそれぞれ推計し、2035年度に開業した場合、純増交流人口は全道で42.4万人とし、開業初年度の経済波及効果は964億円、そのうち、札幌は約7割の683億円としました。この調査では、人口減少などに伴い、将来の交通需要も減少すると予測されていることから、札幌延伸による開業時期が早いほど、純増交流人口及び経済波及効果が大きくなるとされています。 当初、市議会調査特別委員会で説明した、開業後10年間の効果を単年度当たり平均にして札幌市は640億円との経済波及効果は、2030年度末の開業ができないことでゼロになり、本市への経済波及効果額が大きく損なわれると考えますが、本市はどうお考えか、どの程度のマイナス額を見込むのか、伺います。 質問の第2は、総事業費増額による地元負担額についてです。 近年、資材価格の高騰や建設労働者の労務単価の引上げなどにより、全国的に総工事費が膨らみ続けています。今議会の補正予算にも表れているように、本市でも、市有施設等の改修、建設等の工事において、当初の予算では対応し切れず、工事費の増額補正、工期延長による債務負担行為が、議会の都度、提案されている状況です。 2023年3月、鉄道・運輸機構が札幌延伸工事を試算し直した結果、総事業費は2兆3,159億円となり、当初より約6,450億円の増額となる計画変更が認可されています。 札幌市の負担分は、駅その他の地域の便益に密接に関連する鉄道施設に係る工事のうち、共通経費を除く北海道が負担すべき負担金の10分の5であり、本市の負担する額は350億円と説明されてきましたが、総事業費増額により札幌市の負担額は幾らになるとお考えですか、伺います。 また、これまで本市が支出した負担金額について、総額についてお示しください。 質問の第3は、環境配慮と安全を優先することについてです。 建設業や運輸業は、高所、閉所での作業、重機の操作や機械音など現場では厳しい作業環境となり、労働災害が最も発生しやすい業種です。青函トンネルの工事では、出水事故などで多くの作業員が亡くなっており、ルートの8割がトンネルとなる北海道新幹線の札幌延伸工事でも、残念ながら、既にトンネル坑内を中心に6件の死亡事故が起きています。こうした労働災害が二度と起きないよう、十分な工期を確保することや、作業員の週休2日の実施など、とりわけ公共工事の発注においては適正化が求められています。 また、小樽-札幌間の札樽トンネル工事では、土壌汚染対策法による基準値を上回る鉛やヒ素が発生土から発生する影響について、住民の不安に応えることなく、手稲区山口地区を発生土受入れ地にした問題や、工事着工前の調査で長万部町や小樽市などでも同様の土壌が検出される問題など、住民や作業員への健康被害や環境に大きく影響する課題に対し、十分な策が示されないまま工事が進められている状況です。 本市は、循環型社会の実現や環境に配慮した企業活動の後押しなど、2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにするゼロカーボンシティーであり、ウェルネスでスマートなまちとなるよう第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンを掲げています。北海道新幹線の工事においても、建設現場での安全の確保やカーボンニュートラルの実現に向けた作業等を求めていく立場ではないでしょうか。 今後の北海道新幹線工事に当たっては、殊さらに工期短縮を求めるのではなく、環境配慮や安全をこれまで以上に優先した工事となるよう、国や鉄道・運輸機構に要請することが必要だと考えますがいかがか、伺います。 質問の第4は、まちづくり戦略ビジョン、アクションプランへの影響についてです。 2022年度から10年間の第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンや、昨年度から5年計画のアクションプラン2023は、2030年度に札幌延伸が実現されることを前提に、地域経済、企業誘致、観光、公共交通、都心部や創成川東地区などの各事業計画が示されています。 鉄道・運輸機構から国へ2030年度末の延伸が困難との報告があった今、戦略ビジョンやアクションプランで掲げた本市のまちづくりにどのような影響をもたらすとお考えか、伺います。 また、今後の状況により、計画の見直しも必要だと考えますが、認識を伺います。 次に、在宅高齢者福祉についてです。 全ての高齢者が人間としての尊厳を保ち、自立した生活を送れることを基本理念として2000年にスタートした介護保険制度は、3年ごとに見直され、本市は、昨年度末からこれまでの高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画に加え、認知症施策推進計画を包括し、3年計画の高齢者支援計画を策定しました。この計画は、中長期的な視点を持って地域包括ケアシステムのさらなる深化、推進を目指すとされています。 質問の第1は、地域包括支援センターが役割を果たす上での現状と課題についてです。 本市では、介護予防支援の拠点となる地域包括支援センター27か所、介護予防センター53か所を設置し、高齢者の方々が住み慣れた地域でいつまでも暮らせるように様々な支援を実施しています。総合相談、実態把握等を行って必要な支援を把握し、適切なサービスや様々な機関、制度等の利用につなげることや、継続的な地域・医療機関、施設等との連携を図るなどの包括的支援事業と予防給付の対象となる要支援認定者へのケアプランを作成する指定介護予防支援が主な事業で、主任ケアマネジャー、社会福祉士、保健師などの資格を持つ専門職員を配置しています。 札幌市地域包括支援センター運営事業の概況によると、相談支援業務では、相談件数が2017年度は2万1,889件でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大期を除いて年々増え、2021年度は2万4,780件、2022年度は2万8,923件と前年の約1.2倍で、伸び率が著しい状況です。相談の内容は複雑化、課題が複合化しており、継続的な支援を要する事例が年々増加していると報告されています。また、介護支援専門員に対する相談支援・ネットワーク構築等支援数は増加傾向で、ケアプラン作成数も増加しています。 3年ごとに行われる2022年度介護保険サービス提供事業者調査の地域包括支援センターへの調査では、要支援であっても要介護1、2に近い認知症状のある方、家族介護者支援で関わる機会が多々あることや、実態把握や認知症対応など相談が多岐にわたり、かつ、サービスにつなげるまでに時間がかかり、労力がかかっているなど、職員の増員を必要とする多忙な実態にもかかわらず、介護報酬が低く、事業所運営に直結することから、待遇面で正当に評価されていない、1人で担当する利用者数が多い職場となっています。 今後、高齢者人口がさらに増加することに加え、一つ一つの相談支援するケースが複雑化、多岐にわたり、時間、労力がかかるケースが増えている中で、介護予防支援の拠点である地域包括支援センターの役割を果たしていく上で、どのような現状と課題があり、本市はどのように支援をしていくのか、伺います。 質問の第2は、介護認定を受けていない高齢単身世帯に対する支援の課題についてです。 本市は、支援が必要な高齢者の早期発見・早期支援につなげるためとして、要支援認定を受けているものの、介護サービスなどを利用していない高齢者に対して、訪問等によるアプローチを行い、介護予防活動等に積極的につなぐ取組を進めています。 要支援認定を受け、介護サービス未利用者の中には、本人は介護支援が必要ないと感じていても、認知症の疑いがあるなど、介護福祉や医療的な支援が必要であるという高齢者は少なくないと言われています。このような場合は、ケアマネなどによる継続的な訪問や、医療機関や地域などと連携してアプローチすることで、必要な支援につなげていくことができます。 一方で、介護認定自体を受けていない高齢単身世帯については、本市の早期発見・早期支援へつなげる取組の対象外となっているため、介護支援が必要かどうかなどの実態把握ができず、必要な介護支援などにつなげることができません。 本市の高齢単身世帯数は、2000年4万6,600世帯から、2020年には12万1,800世帯と2.6倍に増えています。本市が2022年度に行った高齢社会に関する意識調査によると、困っていること、不安に思うことの相談先が分からない、特にないを選択した高齢者の割合は20.7%でした。また、高齢単身世帯の23.7%は体調を崩しても頼る相手がいないと回答しています。同居家族がおらず、また、町内会や地域の方々との交流が少ないことに加え、介護認定を受けること自体、必要ない、受けることが嫌だと思っている高齢単身世帯に対しても、福祉支援が必要かどうか把握することはもちろん、必要な支援につなげることは大切なことだと思います。 本市において、地域との交流がない高齢単身世帯や、介護支援などが必要であるにもかかわらず介護認定を受けていない高齢単身世帯の現状や福祉支援等について、どのような課題があると認識されているのか、伺います。 次は、市営住宅についてです。 本市の市民所得は、政令市中、最低レベルのまま推移しており、物価高騰で市民生活はますます厳しさを増しています。固定費である家賃の負担は毎月の生活費に重い負担となっており、家賃の減免制度がある公営住宅は、暮らしを支える住まいとして、今、最も拡充が求められていると考えるものです。 札幌市住宅マスタープランでは、市営住宅の管理戸数を抑制するという方針を掲げています。よって、2018年以降の市営住宅の新設はなく、管理戸数は、2020年度末は735棟、2万6,714戸が、2年後の2022年度末には4棟、約200戸も減っています。あわせて、募集戸数も、マスタープランで毎年約800から900戸を維持するとしているにもかかわらず、2022年度622戸、2023年度745戸と大きく減少しています。 一方、2023年度募集に対する応募者数は9,954人ですが、募集戸数が745戸のため、入れなかった応募者が9,209人にも上っています。今年度は空き住戸修繕戸数を550戸追加したものの、不十分と言わざるを得ません。応募倍率は約13倍から15倍と依然高く、入りたい市民がいるのに募集戸数が減少していることは、毎年約800から900戸の募集戸数を維持するとしている本市の住宅マスタープランに逆行していると思いますがいかがか、伺います。 最後に、悩みや困難を抱える子どもへの支援についてです。 こども家庭庁が公表した2022年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数は21万9,170件で、文部科学省のまとめによると、いじめの認知件数は68万1,948件、不登校児童生徒数は29万9,048人と、いずれも増加の一途をたどっています。2022年度の本市の児童相談所における児童虐待認定件数は2,286件で、前年度より4.8%減少したものの、深刻な事例が後を絶ちません。 今年3月に策定した第2期札幌市教育振興基本計画前期アクションプランでは、基本施策の1-4として、誰もが安心して学びに向かうことができる支援の充実が掲げられ、「いじめや不登校などの未然防止、早期発見のために、積極的な生徒指導を実施していくとともに、教育相談支援体制の充実や教育に係る経済的負担を軽減するための支援を進めます。」としており、日々成長する子どもたちへの支援の充実は、一刻の猶予もなりません。 質問の第1は、いじめや不登校などでの対応と支援についてです。 1点目は、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの常駐化についてです。 今月20日、調査特別委員会で示された令和7年度札幌市重点要望案では、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの教職員定数化を最重点要望項目として挙げました。その背景として、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの活用事業に対する国庫補助については、計画の事業量に見合う財政措置が取られておらず、配置時間や配置人数等の拡大に限界があると述べられております。 本市は、今年度、小学校へのスクールカウンセラーの配置を年間69時間から140時間へと増やし、小・中学校へのスクールソーシャルワーカーを、有償ボランティア19名の配置から、今年度は会計年度任用職員15名、有償ボランティア8名と4名増員する予算化をしました。スーパーバイザーの増員とエリアスーパーバイザーの新たな配置で、市内五つのエリアを3人体制で巡回する拡充が図られたところです。 しかし、児童生徒や保護者からの相談やカウンセリング、教員や学校、外部組織との連携など、きめ細やかに対応するためには、常勤として常駐できるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの体制が必要ではないかと考えます。 国への要望、その実現を待つことなく、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置の拡大を急ぎ、常駐化へ向かうべきと考えますがいかがか、伺います。 2点目は、教育支援センターに通う不登校児童生徒への支援についてです。 2017年の教育機会確保法施行から、多様な学びへの支援を行う自治体が増えています。全国では、教育支援センターやフリースクールなどへ通う子どもたちに通学費用や利用料などを独自に補助する自治体が広がっています。補助額は月5,000円から4万円など様々で、東京都では今年度から月額2万円の補助が開始されました。 本市では、仲間とともに学習や体験活動に取り組むことにより、人と関わることの不安や悩みを和らげることを目指し、不登校の児童生徒の学びや体験、交流の場として、現在6か所にある教育支援センターに新たに4区を加え、10区全てで開設することになりました。 教育支援センターへ通う児童生徒は、昨年度334人で、2022年度の本市の不登校児童生徒数が4,836人と過去最多となっていることから、利用する児童生徒は増えることが考えられます。各区1か所となる教育支援センターに通いやすくするために、交通費を助成するなどの支援が必要だと考えますがいかがか、伺います。 3点目は、フリースクールに通う不登校児童生徒への支援についてです。 不登校の子どもの選択肢の一つにフリースクールがあります。本市では、フリースクールを実施する施設への補助金が予算化されておりますが、子どもが利用している世帯への補助はありません。授業やカリキュラムがある通学型のフリースクールでは利用料が月額3万円台から5万円台となっており、経済的事情から利用を諦めざるを得ず、2016年、2020年には利用料への補助を求める陳情も本市議会へ出されています。 本市として、フリースクールへ通う児童生徒へ通学費や利用料等の補助が必要だと思いますが、対象世帯への経済的支援についてお考えを伺います。 質問の第2は、児童相談所職員の専門性のさらなる強化についてです。 本市では、2019年に2歳女児が亡くなった事件を受け、二度と起こさないという決意の下、第3次児童相談体制強化プランを策定し、取り組んでいます。 我が党は、職員の専門性の向上と養成を求めて、人事異動サイクルを見直し、経験が蓄積される職場となるよう質問を繰り返してきたところです。2022年の札幌市児童相談所及び一時保護所の第三者評価では、スーパーバイザーの養成も含む人材育成の課題、専門人材の不足、時間外労働が多く、年休の消化率が低いことなど、職員不足で増員が急務と提言されております。今年度は、第二児童相談所の開設準備を視野に、相談判定や一時保護所の強化を図り、児童心理司の増員などで14人の増員となりました。児童福祉司は76人、児童心理司は40人の配置となり、配置基準を満たしたところであり、現在、児童相談所職員の平均在職年数は3年0か月となっています。 第3次札幌市児童相談体制強化プランでは、専門職の採用、育成、配置できるキャリア形成や体制について検討し、努めるとしてきましたが、現状での児童相談所の児童福祉司、児童心理司とスーパーバイザーの養成はどのように図られているのか、伺います。 あわせて、養成するために必要な人事異動サイクルの構築について、今後の見通しを伺います。 以上で、私の全ての質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 答弁を求めます。 秋元市長。
秋元克広
◎市長(秋元克広) 全体で大きく5項目、ご質問をいただきました。私からは、1項目めの私の政治姿勢についての3点、それから、2項目めの北海道新幹線札幌延伸についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の町田副市長、天野副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 1項目めの私の政治姿勢についてお答えをいたします。 まず、1点目の改憲論議についてでありますが、国の最高法規であります憲法の在り方につきましては、憲法が定める手続に基づいて、国会において議論を深めていくものと認識をしております。 その上で、憲法改正に関しましては、様々な意見がありますことから、その必要性や内容について、国民の理解を得ることが欠かせないものであり、慎重かつ十分な国民的議論がなされるべきものと考えております。 次に、2点目の自衛隊への名簿提供についてでありますが、自衛隊法等の関係法令や名簿提供に関する国の見解、自衛隊の持つ公益的な役割を踏まえ、対応しているところであります。名簿の提供に当たりましては、自衛官募集の目的以外には使用しないことや、使用後は名簿を返却することを条件にしているところでもあります。 今後も、自衛隊から同様の依頼があった場合には、名簿提供に対する市民の理解促進に努めるとともに、除外申請の手続についても様々な広報媒体を用いて幅広く周知し、十分な申請期間を設けるなど、適切に対応していく考えであります。 次に、3点目の敬老パス変更案に当たっての市民意見についてであります。 昨年度公表いたしました敬老健康パスの素案につきましては、多くの市民の声を反映してよりよい制度にするため、10区で開催をした意見交換会やコールセンター、ホームページなど幅広い形で意見を募集し、多様なご意見をいただいたところであります。 得られた市民意見を反映させるために、現在、事業費の将来見通しを含めた制度の課題を整理し、あわせて、経過措置などについて検討しているところであります。 人生100年時代を見据え、生涯をより豊かなものとするために、今後も、市民に寄り添い、しっかりとご意見を伺いながら、持続可能な仕組みの構築に向けて取り組んでまいります。 次に、2項目め、北海道新幹線札幌延伸についてお答えをいたします。 まず、1項目めの延期による札幌市における経済波及効果への影響についてでありますが、平成25年度に北海道が公表いたしました調査の結果では、開業時期を2030年度とした場合の推計値は示されておらず、また、今回の鉄道・運輸機構の報告におきましては、新たな開業目標の見通しが示されていないことから、現時点では札幌市における経済波及効果への影響は不明であります。 一方、札幌延伸による効果を早期に発現させ、北海道経済の活性化に寄与するためにも、引き続き、国や鉄道・運輸機構に対し、一日も早い完成、開業を求めていく考えであります。 次に、2点目の総事業費増額による地元負担額についてでありますが、令和5年3月に国が変更認可した北海道新幹線の工事予算は、新函館北斗-札幌間全体の予算でありまして、札幌市が負担する工事の範囲における工事費は示されておりません。このため、現段階では札幌市の負担額をお示しすることはできませんが、今後も、情報収集に努めるとともに、できる限り地方負担が軽減されるよう、国や鉄道・運輸機構に対し、求めてまいります。 また、平成26年度から令和5年までの10年間に札幌市が負担した建設負担金の合計額は約133億1,200万円であります。 次に、3点目、環境配慮と安全を優先することについてでありますが、北海道新幹線の建設工事におきまして、環境への配慮や安全の確保は重要であると考えております。 札幌市といたしましては、鉄道・運輸機構に対し、これまでも環境への影響に十分配慮するとともに、工事従事者の安全確保に万全を期すよう求めてきたところであり、今後も必要な対策を講じた上で工事を進めるよう求めてまいります。 次に、4点目のまちづくり戦略ビジョンとアクションプランへの影響についてでありますが、今回の鉄道・運輸機構の報告では、2030年度末の完成、開業が困難であるとしつつ、新たな開業目標の見通しなどが示されていない状況であり、現時点でまちづくり戦略ビジョン及びアクションプランへの影響を見込むことは困難であります。 引き続き、国や鉄道・運輸機構に対し、一日も早い完成、開業を求めるとともに、開業目標の見通しを示すよう働きかけてまいります。 私からは、以上です。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 町田副市長。
町田隆敏
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな3項目め、在宅高齢者福祉についてのご質問と、大きな5項目めの1点目のいじめや不登校などでの対応と支援についての三つ目のフリースクールに通う不登校児童生徒への支援についてのご質問、そして、2点目の児童相談所職員の専門性のさらなる強化についてのご質問にお答え申し上げます。 まず、大きな3項目め、在宅高齢者福祉についてのうちの1点目、地域包括支援センターが役割を果たす上での現状と課題についてのご質問でございますが、地域包括支援センターにおきましては、高齢単身世帯や高齢夫婦世帯が増加する中、相談件数だけでなく、対応困難な事案も増えてきており、業務負担が過大になってきていると認識するところでございます。 そのため、2023年度、昨年度から専門職員の人件費の増額を通して、処遇改善による人材の定着を図るとともに、フレイル改善マネジャー等を配置し、人員体制の強化にも努めてきているところでございます。 加えまして、効果的な運営、機能強化に向けて地域包括支援センターと意見交換しながら、今後はより実務的な業務改善について取り組んでまいります。 次に、2点目、介護認定を受けていない高齢単身世帯に対する支援の課題についてでございますが、地域とのつながりが希薄な高齢者に対しては、周囲から得られた情報を基に、地域包括支援センターや区の保健師が訪問し、適切なサービスにつながるよう支援を行っているところでございます。 一方で、地域で孤立し、悩みや困り事を抱えていても自ら相談できず、問題が顕在化したときには既に重篤化、複雑化しているという事案が一定程度あるということは、大きな課題と認識するところでございます。 今後は、行政だけではなく、官民の支援団体や地域組織による重層的な見守り、支援体制の構築が重要でありますことから、関係機関による分野横断的なネットワークづくりを進めてまいります。 次に、大きな5項目めの悩みや困難を抱える子どもへの支援についての1点目、いじめや不登校などでの対応と支援についてのうちの三つ目の質問でございますが、フリースクールに通う不登校児童生徒への支援についてでございます。 札幌市では、学校以外にも多様な学びの環境の充実を図る観点から、フリースクール等、民間施設に対する補助を行っており、そのことが保護者負担の軽減につながっているものと考えているところでございます。 次に、2点目、児童相談所職員の専門性のさらなる強化についてでございますが、児童福祉司及びスーパーバイザーにつきましては、必要な知識や技術の習得のため、法定義務研修等を受講させており、児童心理司についても、職務内容に応じた研修の体系化を図り、計画的に育成を進めているところでございます。 また、令和5年3月に策定いたしました福祉コース職員の育成方針に基づき、各種の面接技法など、獲得すべき能力を明確にした上で専門性の向上を図るとともに、経験年数に応じた段階別の研修を開始したところでございます。 こうした取組に加えまして、職務経験も考慮した効果的な人事異動により組織としての経験を蓄積させるなど、引き続き、児童相談所における職員の専門性の強化に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 天野副市長。
天野周治
◎副市長(天野周治) 私からは、大きな4項目め、市営住宅についてお答えをいたします。 札幌市住宅マスタープラン2018における募集戸数に関する成果指標の達成を目指し、令和5年度から通常の指定管理費による修繕とは別に、空き住戸修繕の予算を計上しているところでございます。 今後、この修繕を着実に進めることにより、できるだけ多くの方が入居できるように努めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 山根教育長。
山根直樹
◎教育長(山根直樹) 私からは、大きな項目の五つ目、悩みや困難を抱える子どもへの支援についてのうちの1点目、いじめや不登校などでの対応と支援についてのうち、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの常勤化について及び教育支援センターに通う不登校児童生徒への支援についてお答えいたします。 まず、1点目のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置につきましては、今年度、いじめ防止対策組織への参加などが可能となるよう、スクールカウンセラーの配置時間数の増加や、スクールソーシャルワーカーが全校を巡回できるような増員を行い、相談体制の大幅な充実とより効果的な活用を図ることとしたところであります。 今後も、引き続き、国に対しましてしっかりとした財政措置を求めるとともに、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーが、各学校において組織の一員としての専門性を一層発揮できるよう、子どもの教育相談体制の充実に努めてまいります。 続きまして、2点目の教育支援センターに通う不登校児童生徒への支援についてであります。 本市におきましては、これまで6か所の教育支援センターに加えまして、このたび、四つのサテライトを開設するとともに、全市を対象としたオンラインコースの試行を始めるなど、一人一人の子どもが支援を受けやすい体制の整備に努めているところであります。 教育委員会といたしましては、今後も、引き続き、不登校の児童生徒が学びたいと思ったときに学びやすい環境を整えることで、支援の一層の充実を図ってまいります。 私からは、以上です。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) ここで、およそ20分間休憩いたします。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) これより、会議を再開します。 代表質問を続行します。 荒井勇雄議員。 (荒井勇雄議員登壇・拍手)
荒井勇雄
◆荒井勇雄議員 私は、ただいまから、日本維新の会を代表しまして、本定例市議会に上程されました諸議案並びに市政課題について、順次、質問を行います。 まず初めに、1項目め、SDGsを踏まえた市民の行動変容についてお伺いいたします。 2020年10月26日、菅元内閣総理大臣の所信表明演説において、日本が2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言してから、はや4年が経過いたしました。カーボンニュートラルの推進は、SDGsの目標である7項目め、エネルギーをみんなに、そしてクリーンにや、13項目めの気候変動に具体的な対策をに関わる取組であり、持続可能な社会の実現のため、重要な取組の一つです。しかしながら、世間一般には、なぜSDGsに上げられる目標に取り組まなければならないのか、まだまだ理解が進んでいない状況にあると感じております。 そこで、ジュネーブ大学の名誉教授である、ダボス会議、世界経済フォーラムの提唱者であるクラウス・シュワブ氏の著書「グレート・リセット ダボス会議で語られるアフターコロナの世界」によりますと、世界の気候変動における二酸化炭素の増加、地球温暖化と大気汚染により、年間、世界で多くの人々が呼吸器疾患系の病気で亡くなっていることは事実であり、一国だけで解決できる課題ではなく、世界各国が連携をして取り組まなければ解決できない問題だとしております。すなわち、脱炭素社会に取り組むということは、環境保全だけではなく、世界的・大局的見地から見ても、人命を救うことにつながるとしております。そのためには、一人一人の意識を高め、世界各国が連携をし、協力してこの問題に取り組まなければならないとしております。 その上で、SDGsの理解として、文部科学省研究員、環境省検討委員であり、京都大学の広井良典教授によりますと、持続可能な社会の反対語は、2050年以降、急激な人口減少が進み、地域社会が持続不可能な社会、すなわち破滅的な社会という恐ろしい意味を内包しているとご説明をされております。 このことを聞けば、恐らく、多くの方々が、今、世界各国で取り組むSDGsが挙げる持続可能な社会の実現に真剣に取り組まなければならないことを理解していただけるものと思います。私自身、教授のお話を直接お伺いし、将来、自分の身に降りかかる危機感を肌で感じ、真剣に考え始めた一人であります。 札幌市は、2018年にSDGs未来都市に選定されており、SDGsの視点を踏まえながらまちづくりを進めているところですが、持続可能な社会は、行政の取組だけでは実現できるものではなく、市民一人一人の行動変容につながる理解促進こそが重要と考えております。 そこで、質問ですが、SDGsの理念や趣旨を踏まえた市民の行動変容について、市長はどのように考えているのかをお伺いいたします。 次に、2項目め、GX産業におけるペロブスカイト太陽電池の導入推進についてお伺いいたします。 我が国は、1970年代の2度のオイルショックを経験し、昨今では、ロシア・ウクライナ情勢からもエネルギー自給率の問題を再認識させられました。エネルギー自給率の問題の解決は、国の安全保障の観点から極めて重要な問題であることが、今回の極端な物価高騰を伴うことから見ましても、我々の肌感覚としても、大きく実感させられた問題であります。 2022年の時点で、国内エネルギー自給率は約12%です。資源の少ない日本にとって、資源が輸入できなくなると、経済及び社会は途端に破綻してしまいます。電気が止まり、工場が止まり、物流が止まり、人の移動も止まります。結果、仕事がなくなり、市民も路頭に迷ってしまいます。 エネルギーの安定的供給は、国にとっても、5大都市である本市にとっても、最重要課題の一つであります。再エネ導入、GX産業の振興は、安全保障の観点からも、持続可能な社会を継続する上でも、GX金融・資産運用特区を目指す札幌市として産学官民が連携をして取り組まなければいけません。 その上で、GX産業において、向こう10年にわたり、官民合わせて150兆円規模の投資を14の重点分野で実現するとの政府発表があり、水素事業及び太陽光発電について着目していきたいと考えております。 水素事業に関しましては、岩谷産業の創業者岩谷直治氏が、1941年、戦前より水素エネルギーの潜在価値に誰よりも早く着目し、世界でもトップクラスの技術を誇っております。水素関連の質問に関しましては、我が会派の坂元議員より、令和6年第1回定例市議会代表質問で質問し、本市でも水素で走る燃料電池自動車が導入され、水素社会の未来は待ち遠しい限りです。 続いて、太陽光発電でございますが、我が国において大変苦い記憶がございます。約20年前まで、シリコン型太陽電池の生産量で世界トップになっておりましたが、政・官・財で取り組んだ中国に価格競争を仕掛けられ、完全にマーケットシェアを奪われてしまいました。本事案は、先月の4月10日に行われました日米首脳会談でも懸案事項となったとおりでございます。 また、阿蘇市をはじめとした事例として、あえて山岳や森林を切り開き、過度な太陽光パネルの設置は、自然破壊と特定企業の利益優先が先行されており、我が会派としても看過できない問題であります。 そのような背景の中、現在注目されているのが、桐蔭横浜大学の宮坂 力特任教授が発明した、薄くて軽い、曲げられる太陽電池、ペロブスカイト太陽電池でございます。従来のシリコン型太陽光パネルは、強い光を当てないと十分に発電できないため、日差しの当たる南向きに設置し、分厚いガラスで保護しなければなりませんでした。ペロブスカイト型は、鉛やヨウ素など、人工結晶を液体に溶かし、塗って乾かせば太陽電池になるため、製造コストは従来の半分程度に抑えることができます。また、従来のシリコン型と異なり、建物の壁面や車体の曲面といった場所にも取り付けることができます。主原料のヨウ素の国内生産量は世界第2位、世界シェアは30%と日本が世界で大きな生産シェアを占める数少ない資源です。 しかしながら、現在、中国メーカーはシリコン型と並行して次世代太陽電池の量産化に着手をしており、私の知人の中国在住商社マンから、深せん市の現地において、商業ビルに実証実験を兼ねて導入されているとの報告を受けております。宮坂教授がおっしゃるとおり、従来のシリコン型の二の舞にならないためにも、今こそ日本は持てる技術を結集し、巻き返しを図らなければいけないと考えます。 そこで、質問ですが、脱炭素に関する市長公約である、札幌市内で消費される電気については、北海道内で生み出された再生可能エネルギーへ転換していき、北海道全体におけるゼロカーボンの実現に貢献しますの実現に向け、ペロブスカイト太陽電池の導入を進めていくべきだと思いますが、市長の認識をお伺いいたします。 次に、3項目め、来年4月13日から10月13日、184日間にわたって開催される大阪・関西万博についてお伺いいたします。 万博に関しては、報道による世間の様々な誤解と、開催に当たり、政治的な批判報道ばかりが先行し、展示内容も含め、伝わっていない部分がございますので、経緯を含めて述べさせていただきたいと思います。 開催地である埋立地の夢洲は、バブル期の多額の投資、その後、オリンピック誘致に当たり、選手村の候補地として約6,600億円もの巨額予算をかけましたが、誘致失敗後、放置されておりました。 万博に関しては、我が党だけが推し進めていると世間的に誤解がありますが、昨年の11月4日に、自民党の世耕前幹事長が、公明党の佐藤茂樹国対委員長とともに、万博は維新ではなく自公政権が勝ち取ったと公言されているとおりであります。当時の我が党の松井元大阪府知事だけではなく、世耕元経産大臣と安倍元総理の与野党の協力をもって、万博開催立候補地のロシア、アゼルバイジャンのバクーを破り、開催を勝ち取りました。 その上で、開催のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」として、再生医療、SDGs、脱炭素、環境、健康寿命の延伸等、様々なテーマで構成されており、iPS細胞から作られ、実際に鼓動する心臓、3Dプリンターで動物の細胞を増やして作られた培養肉とされるバイオ肉、生コンクリートの数量を計算し、残量コンクリートを3%以下に抑えたIT建築技術等、現代日本における革新的技術の最高峰が寄せ集められた博覧会です。 また、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の担当者は、海外からの注目度が大変高く、パビリオン申請は、愛知万博と比べ、約2倍の申請を受けている、工事の進捗も、震災復興を最優先としており、報道であるような工期の遅れはなく、基礎工事は順調に進んでいる、報道機関のネガティブ報道ばかりでほとほと困っていると率直に述べられておりました。その上で、国の威信に関わる国際イベントなので、ぜひとも積極的に啓発していただきたいとのことでございます。 そのことを踏まえまして、開催時には、世界各国の首脳、環境大臣並びに所管の政府関係者が一堂に会します。札幌市としても、GX金融・資産運用特区の指定を目指すTeam Sapporo-Hokkaidoとしても、市長自ら各国に外交PRできる絶好の場であります。とりわけ、本年3月9日に行われました北海道におけるGXビジネスの未来というセミナーにおいて、秋元市長は、自ら100年に一度のビッグチャンスと高らかに公言をされました。市長が、資源エネルギー庁長官をはじめ、財界関係者を前に大変力強く宣言されたことに、会場にいた私自身も、一札幌市民として、今後、北海道が迎えるであろう明るい産業の未来に胸が高鳴りました。ぜひ、市長には、国内外からGX産業投資を呼び込むためにも、大阪・関西万博にて外交のPRの検討をお願いいたします。 こうした国の事業の成功に当たっては、国や他の自治体との連携による確固たる協力が必要不可欠です。 そこで、お伺いいたします。 大阪・関西万博は、同じ国内で開催される国際的なイベントであります。国家行事である大阪・関西万博での集客力を高めるためにも、ポスターやパンフレットの掲載、配布などによるPRを含め、可能な限り支援をしていただくべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 次に、4項目め、札幌市の経済観光戦略についてお伺いいたします。 観光戦略などに、日本政府観光局の特別顧問であるデービッド・アトキンソン氏の著書「新・観光立国論」で挙げられる日本の観光産業の問題として、海外からの国別のターゲット層が見えてこない、副次的側面の食や安全ばかりが強調されるが、主目的である付加価値の高いアドベンチャーツーリズムを築いていない、交通インフラ、2次交通の利便性の悪さ、案内表示の簡略化、収益を見越した滞在日数と消費金額の明確化等を挙げられております。その上で、GDP比率から、日本の観光産業の収益率は他の観光立国と比べて高いとは言えないとし、また、人口約5万人足らずのベネチアが年間約2,000万人の観光客の応対例をもってしても、我が国はオーバーツーリズムとは言い難く、戦略をもってすれば大いに伸び代があるとしております。 また、観光地を回るためのインフラ整備の遅れが指摘されており、業界との調整を図っていかなければならないのは重々承知しておりますが、収益を取りこぼしているという観点から、ライドシェア導入を推し進めなければならない一つとして留意していかなければならないと思います。 さらに、広くは知られておりませんが、今や世界的な観光地ブランドを確立したニセコ町も、片山健也町長と所轄部局の明確な観光戦略をもってしてのマーケティング結果であったということを我々は学ばないといけないと思います。 その上で、本年3月に策定されました第2次観光まちづくりプランを拝見いたしますと、本市としても戦略面で改善されているところはあると思いますが、冬季の観光客が少ないことが課題となっております。より分析を深め、明確なターゲット層の絞り込みや、四季を通じて安定的に誘客を図るなど、観光産業を一つの柱として邁進していただきたいと思います。 そこで、質問させていただきますが、札幌観光における繁閑差について市はどのように認識をしているのか、また、今後どのような取組を講じていくのか、その方向性について、併せてお伺いいたします。 次に、5項目め、子どものICT端末活用についてお伺いいたします。 この点に関し、北海道及び本市の小・中学生のスマートフォンの使用時間と学力、体力等の相関性について注目しております。 こども家庭庁が令和6年3月に発表しました青少年のインターネット利用環境実態調査の調査結果では、インターネットを利用する子どもの1日当たりの平均利用時間は、どの世代も前年度と比べて増加し、中学生は4時間42分、10歳以上の小学生は3時間46分となっております。 また、令和5年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査、全国体力テストの結果では、北海道の小学5年生と中学2年生の男女いずれも体力合計点で全国平均を下回りました。この調査によりますと、平日に学習以外でゲームやスマホなどの画面を見ている時間については、道内では、5時間以上は小学校男子21.8%、同女子18.4%、中学男子22.4%、同女子20.6%となっており、いずれも全国平均を4.2から4.7ポイント上回っております。 さらに、令和6年1月17日の毎日新聞の記事にあるとおり、スマホの使用と体力、運動能力等には相関があり、令和6年1月5日の北海道新聞の記事にもありますとおり、スマホの使用と視力低下には相関があると指摘されております。 その上で、精神科医アンデシュ・ハンセンの著書「スマホ脳」によりますと、デジタルデバイスを目的もなくだらだら見ることは、子どもたちが集中力を欠き、成績は下がるとイギリスの調査結果を挙げられております。何よりも、記者からの、あなたの子どもの周りにはさぞかし多くのアップル製品があるのでしょうねという問いに対し、当時、スティーブ・ジョブズは自分の息子にデバイス機器の使用を制限していると明確に答えたことを引用されており、ジョブズをはじめ、シリコンバレーのIT先駆者たちは、ながらスマホの危険性を認識していたと結論づけております。 この点に関して、IT化を進めてきた我が会派としても、デジタルデバイスの長時間利用は懸念しているため、今回の議題として質問させていただくことにしました。 そこで、質問ですが、本市の子どものICT端末の活用について、教育長のお考えをお伺いいたします。 次に、6項目め、貧困の連鎖を断ち切る観点からの習い事・塾代助成についてお伺いいたします。 厚生労働省が2023年に公表した報告書によりますと、日本の子ども約9人に1人が相対的貧困状態にあり、また、2014年のOECD発表では、日本ではひとり親家庭の相対的貧困率、すなわち子どもの貧困は50.8%、OECD加盟国33か国中、最も高い割合になっております。 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンが算出した各大学機関の調査からのデータによりますと、日本では、家庭の経済格差など家庭環境によって子どもの教育格差が生まれています。例えば、4年制大学の進学率を世帯収入別に見てみますと、世帯収入の多寡で34.6ポイントもの差が生じております。さらに、大学進学により遡ってみますと、小学6年生の時点で既に世帯収入の多寡による学力格差が存在していることが分かっております。2013年度全国学力テストの分析結果からは、世帯収入200万円未満の世帯と1,500万円以上の世帯で、学力テストの正答率に約20%の開きが生じておりました。 文部科学省の令和3年度子供の学習費調査によりますと、家庭が自己負担する教育支出、学習費のうち、約6割から7割が学校外活動費、学習塾や習い事等の費用となっており、日本では、経済格差による教育格差は、つまり放課後に生まれやすくなっていると言えます。実際、世帯収入と学校外の教育支出の関係を見ますと、世帯収入が高いほど学校外教育支出が多い傾向があり、世帯収入200万円未満の世帯と1,500万円以上の世帯では学校外教育支出に約3倍もの格差が生じております。 また、フランスの経済学者トマ・ピケティは、著書「21世紀の資本」において、約15年をかけて収集した20か国以上のデータに基づいた研究結果として、働いて得る賃金、労働収入よりも、資本家が株や不動産等でもうける金額は桁違いに大きく、今後、より格差社会は拡大していくと導き出しております。我々は、本来、政治の力で貧困の撲滅、格差の撲滅を行わなければならないにもかかわらず、結果として、逆に格差社会の拡充、拡大を行っているのではないでしょうか。 習い事・塾代助成事業は、札幌市民からの納税額全てが札幌市内の市場で回り、税の循環性、地域の振興、政府が行う将来世代への投資の観点に鑑みましても、最も有益な税の再分配です。事業実施に関しては、クーポンという形で給付することにより、支援を必要とする子どもたちに確実に届けることができます。また、北海道においては、高学歴人材の雇用先がなく、職に就けない、あるいは、職場で能力を十分に発揮できないという話を耳にしますが、本事業を実施することで、新たな雇用の場を創出し、高学歴人材を活用する一つの足がかりとなります。 そこで、質問ですが、貧困の連鎖を断ち切り、家庭の経済状況によって生じている子どもの学力格差、体験格差を是正する事業としては、やはり習い事・塾代助成事業が有効と考えますが、改めて市長の考えをお聞かせください。 次に、7項目め、特別支援教育についてお伺いいたします。 文部科学省は、共生社会の形成に向けて、障害者の権利に関する条約に基づくインクルーシブ教育システムの理念が重要であり、その構築のために特別支援教育を着実に進めていく必要があるとしております。 このような中にあって、東京都国立市議会第1回定例市議会において、インクルーシブ教育を拡大解釈し、フルインクルーシブ教育の実現を、人権と平和、共生の観点から、介護補助が必要な特別支援学級と普通学級の生徒、そして、言語能力がままならない海外からの生徒を全て同一学級にする施策が予算案に盛り込まれ、現場から不安の声や混乱を生じかねない施策だという声があり、最終的に、フルインクルーシブ教育の内容、在り方を再検討する方向で予算案が通る形になったと聞き及んでおります。 札幌市では、令和4年10月に策定した第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン、そちらのビジョン編において、まちづくりの重要概念の一つにユニバーサル(共生)を定めるとともに、障がいの有無等を問わず、誰もがお互いにその個性や能力を認め合い、多様性が強みとなる社会を目指していくことを挙げました。 教育委員会においては、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンとの整合性に配慮しながら、令和6年度から10年間の札幌市の教育における基本理念や目指すべき教育の方向性を示した第2期札幌市教育振興基本計画を策定いたしました。 本計画の基本的方向性1に、一人一人が自他のよさや可能性を認め合える学びの推進があり、多様な教育的ニーズに応じた教育の充実が挙げられております。子ども一人一人の可能性を最大限に伸ばし、自分らしく豊かな生活を送ることができるように、個々の状況を踏まえ、多様なニーズに対応した教育支援体制の整備を進めていくことが重要と考えております。 そのような中、文部科学省のデータによりますと、直近10年間で義務教育段階の児童生徒数は1割減少する一方で、特別支援教育を受ける児童生徒数は倍増しており、多様な学びの場における教育の充実をより一層図る必要があります。 そこで、質問ですが、障がいのある子ども一人一人の教育的ニーズに応じた支援、教育をどのように進めていくのかをお伺いします。 次に、8項目め、共同親権に関する民法改正を踏まえた札幌市の対応についてお伺いいたします。 離婚後も父母双方が親権を持つ共同親権を新たに規定した改正民法が、今月17日、国会において与野党の賛成多数により可決、成立しました。改正法は、公布から2年以内に施行されることとなります。改正法では、子に対する父母の責任を明確化し、父母は子の人格を尊重して子を養育しなければならないこと、婚姻の有無にかかわらず、父母は、子の利益のため、お互いに人格を尊重し、協力する義務があることを明記しております。 北海道は、沖縄と並び、全国で離婚率の高い特色を持っております。本市においても、統計実数として計上は困難ですが、裁判所における養育状況の現状維持判断があることから、親権を獲得するために実子を連れ去り、一方の親との関係を断絶するほか、単親家庭で養父母による虐待被害、子どもを連れ去られ、親子関係を断絶させられた別居親の自殺等、これまで起こってきた問題は大きく報道されたものでありますし、私自身、市民から寄せられた多くの相談という形で認知してきました。 また、これまでの現行法下での単独親権制度では、家庭裁判所において、子どもの最大の利益と言わせながら、親子の交流は同居親の都合に合わせて了承を得た上での月に1回、数時間のみで、養育に関与するところが少なく、子どもの最大利益が実現できているとは言えない状況でした。 親子交流を支える面会交流支援を行う民間団体も、札幌市内は2か所だけと数が少ないことに加え、それぞれの団体がそれぞれの規定を設けて支援の受託を決定しているため、支援の可否の統一性がないこと、そして、選択肢が少ないことで支援が受けられず、親子関係断絶となるということが問題でした。 しかしながら、国会では、中央省庁としての対応に活発な議論がありましたが、地方行政の役割については積極的に検討されている状況は見受けられませんでした。今回の民法施行において、地方行政がどのような役割を果たしていくのかに市民は不安を覚える声があります。 そこで、質問ですが、共同親権に関する民法改正を踏まえ、今後、札幌市はどのように対応していくのか、お考えをお伺いいたします。 次に、9項目め、子ども医療費助成制度の拡大の影響についてお伺いします。 子ども医療費助成制度推進については、我が党としても推進する立場です。しかしながら、実際の医療現場において、実情を踏まえ、確認する上でも、今回、本市にお伺いしたいと思います。 国では、小学校就学前のお子さんの医療費を2割負担と位置づけ、あえて負担を強いることで需要過多による現場での混乱を抑えようとする意向もあると考えますが、多くの自治体が独自に子ども医療費助成制度を拡充する中、札幌市も、他市に倣い、今月4月から中学生へ拡大、来年度から高校生への拡大を打ち出しました。 子育てに係る負担軽減のため、子ども医療費の助成については重要なものと認識しておりますが、今後、助成対象の拡大により、ただだから、無料だから気軽に受診しようといったモラルハザードが起き、医療の現場で混乱やオーバーフローが起きかねず、懸念しているところです。実際に、ある医療従事者からは、小児医療の現場は5年もたない、また、今回4月の医師の働き方改革で2年もたないとの率直なご意見が上がっております。 そこで、質問ですが、子ども医療費助成制度の拡大時における適正な病院受診に向けて、本市ではどのような対処を考えているのかをお伺いします。 最後に、10項目め、札幌市の福祉政策及び経済政策の認識についてお伺いいたします。 敬老パスを発展させる敬老健康パスの素案をめぐっては、一部高齢者からの反発があり、市内では署名運動なども展開されるに至っております。 我が会派としては、持続可能な社会に向けた制度の改革は待ったなしだと認識しております。とりわけ、敬老パスは、高齢者の福祉目的の制度として50億円を超える巨額財政を必要とする事業でありますが、対象者の過半数が使えず、または使わない制度、そして、財源のおよそ半額は、70歳以上の高齢者のうち、僅か1割程度の高額利用者のために必要としております。 大事な観点なので、もう一度申し上げます。1割の利用者が、50億円の巨額予算の50%、約半分を消費しているということです。 日本人の平均寿命は、敬老パス制度導入の1975年当時、男性71.73歳、女性76.89歳、現在は、男性81歳、女性は87歳となっており、今後も伸び続けると予想されております。70歳を過ぎても働いて、通勤手当をもらいながら敬老パスを使う高齢者も増えていると考えられています。札幌市民の敬老パスの対象者の人口の割合も、当初は3%だったのが、今は22%を超えて、2055年には33%を超えると予想されております。 高齢者の実情が大きく変わり、超高齢社会で社会保障費は増大し、少子化が進み、人口減少により社会基盤の持続が危ぶまれる中、一部の高齢者に偏って利用されている敬老パスは、福祉施策としてもいびつで、もはや持続不可能であることは明らかです。 しかし、さきの議会で、市長は市民の不安に配慮して経過措置を検討していくとご答弁されました。これ以上、敬老パスを続ければ、若い世代に今以上の負担を強いることになるのではないか、将来を見据えた提案と受け止めていた我が会派の支援者には、一体何のための見直しなのかと戸惑いの声が上がっております。 札幌市が取り組むべき課題は、さらなる少子高齢化、人口減少が進む中で、いかに持続可能な社会を築くかという点ではなかったでしょうか。とりわけ、コロナ禍からの回復途上において、物価高が実体経済を大きく足止めしていることを踏まえ、経済振興策が極めて重要な局面にあります。また、我が札幌市の人口は、横ばいの局面を過ぎ、既に減少を始めています。今、経済振興をして強い経済をつくっていかなければ、やがて福祉を拡充する原資にも事欠くことになります。 そこで、質問ですが、継続可能な福祉を行うためにも、一部高齢者に流されず、次世代のために施策を推進すべきであり、とりわけ経済振興は最重要、敬老パス制度を早急に転換して経済振興に注力すべきと考えますが、市長の考えはいかがか、お伺いいたします。 以上が、当会派の代表質問の全てでございます。 結びになりますが、札幌市議会基本条例前文の冒頭には、以下のとおりの記載があります。 「札幌市議会は、極限の北の大地において言語に絶する困難の連続にも屈しなかった先人たちの偉業を受け継ぎ、これからの道都札幌の誇りある歴史を刻んでいくために、ここに今、自らが果たすべき役割を強く自覚するものである。」と。 本日の私の代表質問が、札幌市議会の先達が今日まで苦労を重ね、紡いできた糸を紡ぎ、本市の発展に僅かながらでも寄与することを心から祈念いたしまして、私の代表質問を終わらせていただきます。ご清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 答弁を求めます。 秋元市長。
秋元克広
◎市長(秋元克広) 全体で10項目にわたり、ご質問をいただきました。私からは、大きな1項目めのSDGsを踏まえた市民の行動変容について、3項目めの万博の推進について、10項目めの札幌市の福祉政策及び経済政策の認識についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の町田副市長、石川副市長、教育長からお答えをさせていただきます。 まず、1項目めのSDGsを踏まえた市民の行動変容についてお答えをいたします。 SDGsが目指す持続可能な社会の実現に向けては、市民一人一人の主体性ある行動が最も重要であると考えております。 札幌市では、第2次まちづくり戦略ビジョンに沿って、SDGsの視点を踏まえたまちづくりを進めており、今後も、GXや循環型社会、フェアトレードの推進など、様々な取組を通して、SDGsの理念や趣旨が市民に伝わるよう取り組んでまいります。 次に、3項目めの万博の推進についてお答えをいたします。 大阪・関西万博は、最先端技術など、世界の英知が結集した新たなアイデアの創造、発信、国内外からの投資拡大、豊かな日本文化の発信などを実現することにより、大阪、関西のみならず、日本の成長を持続させることをその意義としているものと認識をしております。 このような認識の下、これまでも、開催主体からの依頼に応じ、チラシの配布やポスター掲出等を行ったところでありますが、これからも可能な限りの協力をしてまいりたいと考えております。 次に、10項目めの札幌市の福祉政策及び経済政策の認識についてお答えをいたします。 敬老パス制度は、導入時に比べて、高齢者人口の伸びに伴い、事業費も増加しております。人生100年時代を見据え、制度の在り方の見直しは喫緊の課題であると認識をしております。 加えて、札幌市民の健康寿命は他都市に比べて短く、高齢者にとっても医療、介護の負担が増えているところであり、市民が長く自分らしく活躍できる社会を目指して、高齢者が健康増進や介護予防、社会参加に自然に取り組むことができる仕組みづくりは極めて重要と考えております。 一方で、高齢者の中には新しい仕組みに不安を覚える方がいることも踏まえて、一定の経過措置が必要と考えておりますが、全体として事業費が膨らむことのないよう検討を重ねているところであります。 経済振興施策につきましては、社会経済情勢を踏まえ、引き続きしっかりと取り組み、札幌が活力を創造し続け、そして、誰もが安心して暮らし続けられるまちづくりを進めてまいります。 私からは、以上です。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 町田副市長。
町田隆敏
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな6項目め、貧困の連鎖を断ち切る観点からの習い事・塾代助成について、8項目め、共同親権に関する民法改正を踏まえた札幌市の対応について、そして、9項目め、子ども医療費助成制度の拡大の影響についてお答え申し上げます。 まず、大きな6項目め、貧困の連鎖を断ち切る観点からの習い事・塾代助成についてでございますが、生まれ育った環境にかかわらず、子どもが能力と可能性を伸ばし、夢と希望を持って成長していけることが大切と認識するところでございます。 現時点で、習い事や塾代の助成は難しいものの、引き続き、生活に困窮する家庭などへの学習支援や様々な体験機会の充実を図りながら、子どもが未来を切り開いていく力を育んでいけるよう取り組んでまいりたいと強く考えるところでございます。 大きな8項目め、共同親権に関する民法改正を踏まえた札幌市の対応についてでございますが、札幌市では、離婚に関する親と子の課題に対しまして、区役所やひとり親家庭支援センター等において相談に応じており、ひとり親家庭に対して養育費確保のための支援事業も実施しているところでございます。 子どもの権利利益を保護し、健やかな成長を支える観点から、民法改正を踏まえ、親子の交流や養育費の確保に関する取組等、支援の在り方について関係機関と連携しながら検討してまいります。 次に、大きな9項目めの子ども医療費助成制度の拡大の影響についてでございますが、これまでも段階的に対象年齢を拡大しており、拡大によって医療現場で混乱が起きているという話は聞いておりませんが、医療関係団体と協議する場において、随時、状況を確認してまいりたいと考えるところでございます。 なお、適正な受診に向けた対応につきましては、毎年、全受給者にいわゆるコンビニ受診や重複受診などは控えるようお知らせ文書を送付しており、来年度の高校生への拡大においても同様の呼びかけをしてまいりたいと考えるところでございます。 私からは、以上でございます。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 石川副市長。
石川敏也
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな2項目め、GX産業におけるペロブスカイト太陽電池の導入推進について、そして、4項目め、札幌観光における繁閑差に対する認識及び対策についてご答弁を申し上げます。 まず最初に、大きな2項目め、GX産業におけるペロブスカイト太陽電池の導入推進についてであります。 ペロブスカイト太陽電池は、脱炭素社会実現の鍵となる新たな技術の一つであると認識をいたしております。 今月、国におきまして、次世代型太陽電池の普及に向けた議論を進めるべく、関係省庁や自治体、国内メーカーが参画する協議会が立ち上げられ、札幌市もそのメンバーに加わったところでございます。道内におきましても、実証実験が始められ、積雪寒冷地における早期の実用化が期待されており、札幌市といたしましても、脱炭素先行地域として太陽光発電の導入を進めていくため、様々な機会を捉えて実証実験などに関わってまいりたいと考えております。 続いて、大きな4項目め、札幌観光における繁閑差に対する認識及び対策についてであります。 札幌の観光入り込み客数は、夏季が多く、冬季が少ない状況であり、事業者の経営や雇用の安定化のためには、繁閑差の縮小が重要な課題であると認識をいたしております。 そこで、本年3月に策定をいたしました第2次札幌市観光まちづくりプランにおきましては、施策の実施検討に当たり、重視すべき横断的視点として、観光需要の平準化ということを盛り込み、閑散期に需要が見込めるツーリズムの推進や、冬季の魅力づくりを進めることとしたところであります。 今後は、こうした視点を踏まえ、スノーリゾートシティSAPPORO推進戦略に基づく取組を進めますとともに、大規模イベント開催への支援などの施策を展開し、冬季の需要の底上げを図り、繁閑差の解消に努めてまいります。 私からは、以上であります。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 山根教育長。
山根直樹
◎教育長(山根直樹) 私からは、大きな5項目め、子どものICT端末の活用について、そして、大きな7項目め、特別支援教育についてお答えいたします。 まず、1点目の子どものICT端末の活用についてでございます。 札幌市では、国のGIGAスクール構想に基づき、令和3年度からICT端末の整備を進め、各学校では、活用のルールを啓発しつつ、朝の学活や調べ学習など日常的な活用が進んできているところであります。 今後は、本市が推進する課題探究的な学習の充実を図る上で、ICT端末を一層効果的に活用するとともに、家庭などでの利用機会が増えていることも踏まえ、健康に留意した適切な使い方について、子ども自らが考える学習も併せて行うことが重要と認識しております。 教育委員会といたしましては、子どもがICT端末の長所を生かして学び続けることができるよう、家庭とも連携を図りながら、適切なICT端末の使い方も含め、情報活用能力の一層の育成に努めてまいります。 次に、大きな7項目め、特別支援教育についてであります。 特別支援教育では、障がいのある子どもが一人一人の能力や可能性を最大限に伸ばすことができるよう、学びの場や支援の内容及びその方法等を充実させていくことが重要であると認識しております。 札幌市教育委員会では、平成15年度から全国に先駆けて特別支援教育の推進に係る計画を策定するとともに、本人の希望や保護者の意向を最大限尊重した就学相談を実施してきたところであります。加えまして、障がいの重度化、多様化に応じた教育環境の整備を進めるとともに、特別支援学校で学ぶ子どもが地域の子どもと触れ合い、互いに尊重し合う大切さを学ぶことを目的とした地域学習などの取組を進めてきたところであります。 今後も、共生社会の実現に向けて、障がいのある子どもも、ない子どもも、可能な限り共に学び合うことを追求するとともに、子ども一人一人の教育ニーズに応じた支援、指導の充実に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 次に、成田祐樹議員。 (成田祐樹議員登壇・拍手)
成田祐樹
◆成田祐樹議員 未来さっぽろを代表して、会派代表質問を行います。 まずは、冬季災害を想定した大規模訓練についてお伺いします。 本年1月1日に能登半島地震が発災したことで、多くの方が被災され、命を落とされた方、けがをされた方、また住まいを失う方が出るなど、極めて大きな被害があったと報告されております。心よりお悔み、お見舞いを申し上げたいと思います。 その中でも、今回の震災が冬期間に起きたことについては、平時よりも救助のハードルを上げることになったほか、屋外での滞留が難しいことから救助や復興支援に向けて活動する人たちの滞在場所が限られてしまうなど、冬季特有の事情が出ていたと思われます。 そのような中で、本市からは、水道局や病院局、危機管理局をはじめ、財政、下水道河川、保健福祉、環境局などから、常時、応援を出していただいたことに感謝したいと思います。 同じ北国、積雪寒冷地として、今回の能登半島地震に対する受け止め方は様々あるかと思いますが、冬季という状況は、改めて対応することの難しさが増してしまうと感じたところです。 先月中旬には、私自身も、2011年の東日本大震災以来になりますが、能登半島へ災害ボランティアに行ってきました。今回、石川県穴水町のベースキャンプを経由して能登町へ派遣されたのですが、何よりも能登半島は地形的な特徴がある場所でして、被災地へのアクセスが難しく、また、能登半島の北部については大きな基盤を有する都市がないことから、被災された市や町で有している公共施設はほぼ避難施設として利用されているような状況でもあり、インフラ施設の余裕がない中で大きな被害を受けたという印象を持ちました。 とにかく、地形的に空いている平地が大変少ない状況でもあり、災害ごみを受け入れる土地そのものが狭かったり、また、復興に関わる事業者やボランティアを受け入れるような施設を屋外に新たに置くようなスペースがないといった課題など、他の震災による被害と比べても、復旧、復興に向けた準備を行う場所、土地といった拠点の備えが非常に不利であったと考えられます。 また、積雪地による冬期間の災害だったという点も、より一層その課題を深刻化させており、冬期間の災害拠点については改めて考察する必要があると考えます。 また、能登町のボランティアセンターの職員の方と話をしたのですが、その運営自体も、全て全国の社会福祉協議会の職員が週替わりで応援に入っているような状況であり、その職員でもようやっと町内に滞在できる、ただし、断水したままの施設であるといった様子で、復興を進める段階だとしてもある程度のインフラを有していないと、進めるものも進みにくいなと感じたところです。同じ降雪地域として、冬期間に活用できる大きな作業拠点がなかったことは、災害対応や復興へも影響を及ぼしたと推測しております。 ここで、札幌市に目を向けたいと思いますが、市が発表した2021年の地震被害想定によりますと、月寒断層を震源とする地震が冬の午後6時に発生した場合、建物被害は揺れによって全壊1万3,466棟、死者は817人、その中でも、要救助者が凍死することを加えると死者は4,030人になると想定されています。ただ、これはアクティブな時間帯での想定であり、最も甚大な被害を受けるケースだと、人的被害については、午前5時が最も多く、死者936人、凍死を加えると死者は合計で4,911人になると想定されており、冬期間の災害が札幌にとっていかにリスクであるかということはある程度認識されていると思いますが、改めてその冬期間の対応を考える必要があるのかなと思います。 札幌市において、冬期間の被害が一番大きいことを想定すると、冬期間に対応する訓練をやってこそ効果があるものだと考えますし、先ほど申し上げたインフラ施設の在り方、実際の利用の仕方という課題も出てくるのかと思います。そうすると、訓練を行うに当たって、冬期間でも利用可能な札幌ドームやつどーむ、ツインキャップなどにおいてはそもそも防災拠点として札幌市地域防災計画に上げられていますから、その辺りを発災時にどう活用していくのか、冬期間を想定した連動性も確認していく必要が出てくるのかなと考えるところです。 ここで、お伺いしますが、札幌市は、冬季の災害を想定した大規模訓練を今後実施したほうがよいと思いますが、どのように考えているのか、見解をお聞かせください。 次に、議員から職員に対するハラスメント対策についてです。 昨今、ある国会議員が札幌市職員や道職員、他自治体の職員に対して、過度なパワーハラスメントと考えられる行為を行っていることが報道でも連日取り沙汰されており、新たに出てくる声が相次ぐなど、この問題については、いまだやまないところであります。 本市について報じられている中には、GX担当の係長2名が6か月連続で過労死基準を超えた時間外労働を強いられていたといった内容もあり、事態は極めて深刻です。仮に本市の施策としてGXが重点項目であったとしても、度を超えた勤務状況を常時続けさせるのは職員の健康にも大きく影響が出てしまうことと考えられます。 また、札幌市職員の度重なる出張に対して、秋元市長は訪問の意義があったとは主張されておりますが、仮にそうであったとしても、極めて短時間の説明行為のために東京へ出張しているケースがあることや、頻繁に行くことで職員の業務時間を大きく割いてしまうことから、旅費の無駄遣いであるといった声や、もっと職員の業務を効率的に行うべしといった市民の声が出るのもやむを得ないと思うところです。少なくとも現況を是正していく必要があるものと考えます。 今回の報道については、1人の国会議員に対して注目される事態となっていますが、そもそも議員から市職員に対するパワーハラスメントという行為については、国会議員に限った話ではありません。当市の議員であっても同様の行為はあってはならないと思いますし、節度ある対応が必要だと考えます。しかしながら、札幌市において、一部の報道が過去に報じた例として、議員が定時勤務時間後にも遅くまで残らせてやり取りをするケースや、職員をどなりつけた、机をたたいたなどといった事象を報じたことがあったと認識しております。 また、さらには、庁舎内で議員が職員に対してパーティー券を販売した、もしくは券のあっせんを頼んだという話も直接耳にしたことがあります。議員が庁舎内でパーティー券を売ること自体は犯罪行為ではありません。しかし、力関係や、日頃から職員が議員からどのような対応を受けていたかによっては、パーティー券の購入については当然断れない話にもなり、パワーハラスメントが成立してしまうおそれがあります。 また、犯罪ではないとは申し上げましたが、一歩間違えると、庁舎内でのパーティー券のやり取りは犯罪に巻き込まれてしまうケースというのがあります。2011年5月、隣の小樽市において、市のナンバー3である総務部長が庁舎内でパーティー券をさばいたことで、政治資金規正法にて逮捕されるという極めて重たい事態が起きました。捜査は、管理職100人以上にも及び、最終的には当時の部長職11名が公民権停止と罰金刑を受ける状況となってしまうなど、その後の市政運営にも大きな影響を与える事態となりました。 その内容としては、幹部職が下の職員に対してパーティー券の販売を行ったという行為であり、政治資金規正法の中でも公務員の地位利用という点で立件をされています。簡潔に言うと、課長がパーティー券を購入する際に、隣にいた係長に一緒に行かないかと声をかけるだけで疑義が生じます。議員からどこかほかにパーティー券の売り先がないかと聞かれて、職員がその対応をすることもNGです。政治資金規正法は、ふだんから関わっていないと分かりにくい部分もあり、知らなかった職員が罪に巻き込まれてしまうことも想定されるわけです。 小樽市で発生した事件では、最終的に弁護士などによってつくられた第三者による調査委員会が出した報告書において、明確に市庁舎内でのパーティー券の販売行為はコンプライアンス違反だと結論づけております。また、その報告書の中においては、市職員の大部分が政治資金規正法について無知だったという結論も出されており、庁舎内でのパーティー券の取扱いについては、極めて慎重に行う必要があります。むしろ、金輪際やめるべきです。 もし、日頃からパワハラを行っている議員がパーティー券の購入などを市職員に依頼したらどうなるでしょうか。ついつい購入を断れない気持ちが罪を犯してしまうことにもなりかねず、そのような状況に職員をさらすのには疑問があります。現在、国会議員からのパワハラが横行している今だからこそ、そのような事態が起こるのではないでしょうか。小樽市でパーティー券の問題が生じた当時、議会で、唯一、追及する側だった会派に所属していた当事者として、今も大変心配しているところです。パワハラなどによって追い詰められた特殊な状況になってしまうと、どうしても判断能力が落ちてしまうことも加味していく必要があるのではないでしょうか。 そのような経緯を考えますと、国会議員に限らず、地方議員においても、市職員に対するパワハラを含めた各種ハラスメント行為への対策及び庁舎内での議員からのパーティー券購入についても、いろいろな角度から対応、対策が必要になってくるのではないでしょうか。特に、若手職員の離職率が多く、採用希望の倍率が下がりつつある状況下で働く環境を整備していくことは、人材確保の観点からも重要であると考えます。 ここで、お伺いしますが、議員から職員に対するハラスメント行為について、市としてはどのように対策を講じていくのか、見解をお聞かせください。 以上で、会派代表質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 答弁を求めます。 秋元市長。
秋元克広
◎市長(秋元克広) 2項目、ご質問いただきました。私からは、2項目めの議員から職員に対するハラスメント対策についてお答えをさせていただきます。1項目めのご質問に対しましては、担当の町田副市長からお答えをさせていただきます。 2項目めの議員から職員に対するハラスメント対策についてであります。 議員と職員はお互いに人格を尊重した上で、それぞれの役割を果たすことが求められると考えております。このような観点から、議員によるハラスメントはあってはならないと考えますが、議員によるものに限らず、外部からのハラスメント行為に対しては、職員一人一人に抱え込ませることなく、組織として毅然として対応していくことが必要であり、中には対応が著しく困難な事例がありますことから、そのような事例に市として適切に対応していくため、総務局に相談窓口を設置したところであります。 その窓口では、不当要求行為等への対応の枠組みを活用して、助言を行ったり、弁護士を交えて対策の立案を行ったりするなど、組織一丸となって対応する体制の構築を支援することとしております。 私からは、以上です。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 町田副市長。
町田隆敏
◎副市長(町田隆敏) 私からは、1項目めの冬季災害を想定した大規模訓練についてお答え申し上げます。 積雪寒冷地である札幌市におきましては、冬季に大規模災害が発生した場合は、雪や寒さにより、人命救助、避難生活のほか、物資供給など様々な場面で対応困難な状況が想定されるところでございます。 そのため、毎年1月には、厳冬期に地震が発生したことを想定し、防災関係機関との連携強化や災害対応力の向上を図るため、大規模な災害対策本部運営訓練を実施しているところでございます。 また、能登半島地震をはじめ、各地の災害では、円滑な物資供給が課題とされているため、緊急輸送道路に隣接している札幌ドームなどは、物資の集積拠点として冬季災害においても重要な施設と認識するところでございます。 今後におきましても、これまでの災害で得られた教訓を踏まえ、効果的な訓練を実施するとともに、発災時に円滑な対応が行えるよう冬季災害に備えた取組を進めてまいります。 私からは、以上でございます。 (成田祐樹議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 成田祐樹議員。
成田祐樹
◆成田祐樹議員 再質問を行いますが、その前に、1点、冬期間の大規模災害の訓練について要望したい点があるのですが、今お答えいただいた中で、札幌ドームは物資の供給拠点というような話もございました。様々な、市内に有しているインフラがどのように使われるのか、これは、改めて見直さなければならないと思っています。そのような中で、今、建物の更新、いろんなものが相次いでいますし、中にはその施設の管理について様々な市民からのご意見があるというのも分かっておりますが、中には、札幌ドームを売却する、もしくは壊すなんていう非常に過激な意見も出ていることがあるのも耳にしております。 逆に言ってしまうと、こういった冬季の災害の訓練を行ったり、何が必要かを論ぜずにその施設が要らないとかっていう話にはならないと思うんですね。ぜひ、今回の大規模訓練を実施した後に、こういう冬期間にはどういうインフラが必要なのか、もっと必要なのか、そういったことを検証して今後の地域防災計画のほうに盛り込んでいただきたいなというふうに思っております。 それでは、再質問をしたいと思います。 今、ハラスメント対策については、議員に限らず、市民からのもということで対応していくということをおっしゃっていただきました。ぜひ、やっていただきたいと思います。 ただ、今回の答弁で気になったのは、この先の対応という部分に終始してしまうのではないかというところです。現在より前に起こった事象に対して相談窓口はどう取り扱うのでしょうか。今日より前に議員からパワハラ行為を受けていた、もしくはパーティー券を買わされるようなことがあったというような行為があった場合、それは体制の強化前だったので対応は何もしませんよというわけにはいかないかと思います。既に、相談窓口が、あったということや、現時点でも悩みとして抱えている職員がいるかもしれないということに鑑みると、過去に起きた事象についても対応する必要があるかと思います。 また、正直、パーティー券に関しては、昨今の世論を考えたり、また、直近、これ1年間当たりで聞いた話ですから、職員に対してぜひ調査をしていただきたいところでありますが、まずは一つ一つということで、相談窓口の利用について進めていただきたいなというふうに思っております。 ここで、再質問になりますが、不当な圧力によるパーティー券の販売やあっせん依頼といったケースを含め、過去に議員側からあったハラスメントについて相談があった場合においてはどう対処するのか、お答えください。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 答弁を求めます。 秋元市長。
秋元克広
◎市長(秋元克広) 今回、総務局に設置をした相談窓口におきましては、外部からのハラスメントが実際に発生をしている場合に限らず、発生のおそれがある場合、あるいはハラスメント行為に該当するか否かという判断に迷う場合、こういったものも相談対象となります。そういう意味では、過去にハラスメント行為を受けたことがあって、また、再度、同様のハラスメント行為を受けるおそれがあるというケース、こういった場合には相談の対象になるというふうに考えております。 そういう意味では、過去の行為ということも踏まえた上で、今後の組織的な対応を検討していくということになろうかと思います。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 以上で、代表質問は全て終了いたしました。 (伴 良隆議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 伴 良隆議員。
伴良隆
◆伴良隆議員 委員会付託の動議を提出いたします。 ただいま議題とされております議案17件を、配付の議案付託表のとおり、関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
飯島弘之
○議長(飯島弘之) ただいまの伴議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。 動議のとおり決定することにご異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 異議なしと認めます。 したがって、ただいま議題とされている議案17件は、配付の議案付託表のとおり、関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。 〔付託表は巻末資料に掲載〕
飯島弘之
○議長(飯島弘之) お諮りします。 本日の会議はこれで終了し、明日5月29日から6月3日までは委員会審査等のため休会とし、6月4日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 異議なしと認めます。 したがって、そのように決定いたしました。
飯島弘之
○議長(飯島弘之) 本日は、これで散会いたします。